2013/07/13 - 2013/07/15
48位(同エリア96件中)
naoさん
7月の3連休を利用して、山梨から長野方面へドライブ旅行してきました。
今回の旅に際し、この地方に残る古い町並み散策と、モダンな安藤建築めぐりという、「新旧入り混じった」&「まったく真逆な」&「相反する」テーマを掲げました。
私の思考回路は一体どうなってるんでしょうか、この支離滅裂さには自分で自分を疑いたくなってしまいます。
まあ、どちらにも「建築」という共通項があるのが唯一の救いですが・・・。
旅の行程
7月13日 身延往還:赤沢宿、JR中央本線:竜王駅
7月14日 光の美術館、中山道:下諏訪宿
7月15日 中山道:信濃路の宿場町、木曽平沢、中山道:奈良井宿
例年にない早い梅雨明けとともに、連日39℃を超す猛暑が続く山梨県を目的地に定めたことを後悔しつつも、充実した旅になること間違いなしと確信して車を走らせました。
まず、日蓮宗総本山の「身延山久遠寺」と、信仰の山として知られる「七面山」を結ぶ、身延往還の赤沢宿を訪れます。
周辺にこれと言った観光資源のないこの山村に、なぜ宿場町があるのか疑問に思うんですが、「身延山久遠寺」から、身延山頂を経て「七面山」へ参詣する人々にとって、その行程上どうしても泊まらなければならなかったのが、「七面山」への登山口にあたる赤沢宿だったというのが真相のようです。
信仰心にあつい参詣者の集まりである「講」が、赤沢宿を定宿としたことから「講中宿」と呼ばれ、急斜面の狭い土地にもかかわらず、たくさんの旅籠が連なる宿場町が形成されました。
「講中宿」の特徴の一つに、軒下に張り出された「講中札(マネギ板)」があります。
これは、「講」の一団が各地の霊場へ参詣するにあたって作成した木札で、途中で宿泊した旅籠や宿坊などに掲げたものです。
世界遺産に登録されたばかりの富士山を真正面に見ながら、新東名高速道路を新清水ICでおりて、国道52号線(身延道)から山梨県道37号南アルプス公園線と走って、角瀬(すみせ)トンネルを抜けたところで「赤沢宿」の案内板を発見。
案内板に従って、車1台がやっと通れるほどの曲がりくねった狭い山道を登ったところに、赤沢宿の集落が広がっていました。
急な山肌を縫うように延びる石畳に沿って続く集落は、江戸情緒を色濃く漂わせ、ゆっくりとした時間が流れる世界へ旅人を誘います。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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山梨県道37号南アルプス公園線の角瀬トンネルを抜けたところに立っている「赤沢宿」の案内板。
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分かれ道にも案内板が立ってはいるんですが・・・。
車1台通るのがやっとという狭い道幅なので、半信半疑のまま左にハンドルを切りました。 -
所々にはすれ違いできる場所が設けられていますが、ほとんどこんな感じの山道が続いています。
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赤沢宿の入口に立つ案内図。
案内図の下部に「現在地」と記されているので、集落の最下部に居るようです。 -
身延の山間に広がる赤沢宿の集落。
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急勾配の石畳に沿って集落が上の方まで続いています。
では、観光用駐車場に車を停めて、散策をスタートします。 -
石畳の入口です。
これを上って行くには、ちょっと健脚が要求されそうです。 -
ノウゼンカズラの花が咲き始めています。
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「講中札(マネギ板)」が軒下に張り出された旅籠が見えてきました。
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「大阪屋」さんです。
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昔の旅人はこの門をくぐって投宿したんでしょうね。
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門を入ると、ナマコ壁の蔵があります。
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建築屋として興味をひかれたのが、この庇の納まり。
部材のつなぎ目は、くさびでとめられていて、樋も木製です。 -
軒下に、スズメバチが巣を作っています。
スズメバチ君、出てこないでね! -
「講中札(マネギ板)」は、「講」の集団が霊場へ参詣するにあたって作成した木札で・・・
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宿泊した旅籠や宿坊などに掲げたものです。
中には個人名のものも有りますが、それにしてもたくさんの「講」があったんですね。 -
赤沢宿の旅籠は二階の手すりが特徴のようです。
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二階の軒下に掲げられた看板。
身延山の方から石畳を下りてくる人が見やすいようにと、高く掲げているそうです。 -
では、石畳を上って行きましょう。
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金属でできた「大阪屋」さんの鬼瓦。
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石畳から見た集落の様子。
今も旅館を営んでいる「江戸屋」さんが見えています。 -
この写真では判りにくいですが、「大阪屋」さんの二階の軒下に掲げられた看板がおぼろげに見えています。
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建物の屋根越しに見る「七面山」方面。
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道祖神や水神宮がある所に差し掛かりました。
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水神宮の石碑。
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石畳は、水神宮を右に曲がってどんどん上って行きます。
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分かれ道に差し掛かりました。
左手へ上る道が本線で、さらに旅籠が連なっています。 -
道の勾配に合せて、段々に造られた板塀。
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この集落になくてはならない水場の風景。
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きれいな水が段々に流れ落ち・・・
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やさしい水音を聞かせてくれます。
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石畳にそって、石垣が積まれた家が続いています。
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振り返って上から見ると、急勾配がより一層強調されます。
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板葺の屋根の建物がありました。
赤沢宿は、今でこそ瓦葺きや金属板葺きの屋根がほとんどですが、昔は板葺屋根が一般的だったそうです。 -
さりげなく置かれた床机(しょうぎ=腰掛け)。
ここに座って夕涼みでもすれば良い絵になりそうです。 -
この辺りはちょっと急な上りになっています。
「なんだ坂!こんな坂!」 -
山並みと同化するトタン屋根。
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「地名」、「職業」、「家紋」などが書かれたマネギ板。
右端のマネギ板には「神心会指定旅館」と書いてあります。 -
高く掲げられた「萬屋」さんの看板。
この辺りで、集落のほぼ中間点なので、あと半分上りま〜す。 -
こちらのマネギ板には、さらに詳しく町名まで書かれています。
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道端には、使われなくなったのであろうと思われる石臼が置かれています。
昔は、蕎麦の実なんかを引いていたんでしょうね。 -
他の旅籠とは趣の異なる「大黒屋」さんの看板。
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2階の手すりの透かし彫りがなかなかいい仕事をしています。
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説明の必要がありませんね。
そのものズバリ! -
この面のマネギ板の保存状態は良好で、地名の赤い文字があまり褪色していません。
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それに反して、同じ建物のマネギ板なのに、こちらは痛みが激しいですね。
日当たりの加減なんでしょうか・・・。 -
先ほどの大黒様が鎮座しているのがお判りになるでしょうか・・・。
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「大黒屋」さんを過ぎた辺りの石畳沿いに、大きな木が茂っています。
特に、夏場に石畳を上がって来る人に、いい木陰を作っているんでしょうね。 -
よく見ると、木の芯の部分は腐ってしまい、樹皮だけで生きています。
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石畳はまだまだ続いています。
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どの家もそうなんですが、昔ながらに名前を書いた看板を掲げておられます。
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そろそろ集落のはずれが見える所まで上ってきました。
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向かいに見える山の眺め。
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では、この辺りで引き返します。
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身延山から下りてきた参詣者たちは・・・
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この風景を見ると、「ほっ!」と一息ついたんでしょうね。
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参詣者たちの心を癒したであろうユリの花。
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グラジオラスなんて、昔はなかったんでしょうが・・・。
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床板の虫食い跡がいい味を出しています。
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数寄屋造りなどの和風建築では、虫食い板を銘木として珍重します。
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物置小屋の屋根に注目しました。
屋根のケラバ(切妻屋根の妻面に出っ張った部分)を見れば板葺屋根の断面がよくわかります。 -
また、板葺屋根ゆえに、板が風に飛ばされないよう石で押さえています。
これまた建築屋としての興味でした、悪しからず・・・。 -
「大黒屋」さんまで下りてきました。
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今は訪れる人の休憩所になっている「喜久屋」さん。
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板塀が段々に造られた家が見えてきました。
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水神宮の石碑のあった所です。
奥の建物は「武蔵屋」というお蕎麦屋さん。 -
水神宮の石碑のある所から見た集落の眺め。
では、右上に見える「江戸屋」さんの方へ向かいます。 -
「江戸屋」さんの方角から見た「大阪屋」さん。
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現在も、赤沢宿唯一の旅館として営業されている「江戸屋」さんです。
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「江戸屋」さんの看板も、身延山から降りてくる人からよく見える方角に向けられています。
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赤沢宿で見つけた汚水桝の蓋。
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ルドベキアと「大阪屋」さん。
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オミナエシ(女郎花)と「大阪屋」さん。
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ルドベキアと「大阪屋」さん、その2。
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では、赤沢宿を後に、次の目的地を目指します。
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