六甲山・摩耶山周辺旅行記(ブログ) 一覧に戻る
チベット高気圧と太平洋高気圧が重なったダブル加熱状態による炎暑が数日間続くとの予報を耳にし、暫し下界からの逃避行を企てます。避暑地の場所は、近くて遠い「六甲山」。<br />実は、昨年京都府立植物園で見逃したキレンゲショウマが、六甲山高山植物園で開花したとの情報が入ったのです。宮尾登美子著「天涯の花」で一躍脚光を浴びた花で、凛と気高く咲く姿は「月光の花」とも称されています。しかし、絶滅危惧?類に指定され、自生しているのは四国の剣山の他、数か所に限られています。六甲山高山植物園では、8月中旬まで花を愛でられるそうです。この高山植物園は1933年の開園で、我国で最も長い歴史があります。海抜865mですので、下界に比べて5℃以上温度が低く、近場の避暑地としても重宝されています。ここでは、年間平均気温9℃という北海道南部並の冷涼な気候を生かし、高山植物、世界の寒冷地植物、六甲山の自生植物など約1500種を栽培しています。<br /><br /><旅程><br />阪神尼崎駅===阪神岩屋駅---兵庫県立美術館---阪神岩屋駅===阪神御影駅<br />〜〜六甲ケーブル下駅(神戸市市バス)===六甲山上駅(六甲山上バス)<br />〜〜高山植物園---オルゴールミュージアム前===六甲山山上駅<br />(六甲摩耶スカイシャトルバス)===摩耶ロープウェー山上駅(まやロープウェー)<br />===虹の駅(まやケーブル)===摩耶ケーブル駅---観音寺(市バス)===<br />三宮地下鉄前---阪神三宮駅===阪神尼崎駅

夏雲奇峰 神戸周遊<後編>六甲高山植物園編

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2013/08/10 - 2013/08/10

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montsaintmichel

montsaintmichelさん

チベット高気圧と太平洋高気圧が重なったダブル加熱状態による炎暑が数日間続くとの予報を耳にし、暫し下界からの逃避行を企てます。避暑地の場所は、近くて遠い「六甲山」。
実は、昨年京都府立植物園で見逃したキレンゲショウマが、六甲山高山植物園で開花したとの情報が入ったのです。宮尾登美子著「天涯の花」で一躍脚光を浴びた花で、凛と気高く咲く姿は「月光の花」とも称されています。しかし、絶滅危惧?類に指定され、自生しているのは四国の剣山の他、数か所に限られています。六甲山高山植物園では、8月中旬まで花を愛でられるそうです。この高山植物園は1933年の開園で、我国で最も長い歴史があります。海抜865mですので、下界に比べて5℃以上温度が低く、近場の避暑地としても重宝されています。ここでは、年間平均気温9℃という北海道南部並の冷涼な気候を生かし、高山植物、世界の寒冷地植物、六甲山の自生植物など約1500種を栽培しています。

<旅程>
阪神尼崎駅===阪神岩屋駅---兵庫県立美術館---阪神岩屋駅===阪神御影駅
〜〜六甲ケーブル下駅(神戸市市バス)===六甲山上駅(六甲山上バス)
〜〜高山植物園---オルゴールミュージアム前===六甲山山上駅
(六甲摩耶スカイシャトルバス)===摩耶ロープウェー山上駅(まやロープウェー)
===虹の駅(まやケーブル)===摩耶ケーブル駅---観音寺(市バス)===
三宮地下鉄前---阪神三宮駅===阪神尼崎駅

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
同行者
カップル・夫婦
交通手段
私鉄 徒歩

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  • 六甲ケーブル下駅<br />六甲山の表玄関口のひとつ、六甲ケーブル下駅です。<br />ここまでは阪神御影駅から市バス(16系統)を利用します。市バスは、ほぼ10分毎にあります。<br />途中、JR六甲道駅や阪急六甲駅を経由しますが、ゴールデンウィークや盆休みなどは混み合って乗車できないことがありますので、始発の阪神御影駅から乗車されることをお勧めします。

    六甲ケーブル下駅
    六甲山の表玄関口のひとつ、六甲ケーブル下駅です。
    ここまでは阪神御影駅から市バス(16系統)を利用します。市バスは、ほぼ10分毎にあります。
    途中、JR六甲道駅や阪急六甲駅を経由しますが、ゴールデンウィークや盆休みなどは混み合って乗車できないことがありますので、始発の阪神御影駅から乗車されることをお勧めします。

  • 六甲ケーブル下駅<br />大きな「雪」と書かれた団扇は、六甲山の夏の風物詩「真夏の雪まつり」のPRです。今年で35回目になる伝統あるイベントです。六甲山人工スキー場のアイスメイキングシステムで作られる、20m四方の雪の広場で「宝さがしゲーム」などが楽しめます。真夏に雪という異質の組み合わせにインパクトがあります。<br /><br />

    六甲ケーブル下駅
    大きな「雪」と書かれた団扇は、六甲山の夏の風物詩「真夏の雪まつり」のPRです。今年で35回目になる伝統あるイベントです。六甲山人工スキー場のアイスメイキングシステムで作られる、20m四方の雪の広場で「宝さがしゲーム」などが楽しめます。真夏に雪という異質の組み合わせにインパクトがあります。

  • 六甲ケーブル<br />1932年創業の六甲摩耶鉄道のケーブルカー路線。<br />六甲山上駅まで1.7km、標高差493.3mを約10分で結びます。<br />20分毎に運行しています。

    六甲ケーブル
    1932年創業の六甲摩耶鉄道のケーブルカー路線。
    六甲山上駅まで1.7km、標高差493.3mを約10分で結びます。
    20分毎に運行しています。

  • 六甲ケーブル<br />途中で阪神電車の1号車両をモデルにした「レトロタイプ」とすれ違います。<br />ケーブルカー同士が交差する箇所の電線はとても複雑なことになっています。

    六甲ケーブル
    途中で阪神電車の1号車両をモデルにした「レトロタイプ」とすれ違います。
    ケーブルカー同士が交差する箇所の電線はとても複雑なことになっています。

  • 六甲ケーブル山上駅 <br />当方が乗車したのは、朱と緑が鮮やかな欧州風「クラシックタイプ」の車両です。<br />

    六甲ケーブル山上駅 
    当方が乗車したのは、朱と緑が鮮やかな欧州風「クラシックタイプ」の車両です。

  • 六甲ケーブル山上駅<br />駅を出てすぐ正面にある「灘百選」の碑。<br />後方に見えるのが、六甲山上バスです。ケーブルカーと同じような配色でレトロっぽさを演出しています。高山植物園や六甲山ホテル、六甲枝垂れ、有馬方面ロープウェー駅へはこのバスに乗車します。摩耶ロープウェー山上駅や六甲山牧場には行きませんので注意してください。因みに、六甲山上バスのバス停は、駅を出て左側奥にあります。通常は、ケーブルカーの運行時間に合わせて運行されています。

    六甲ケーブル山上駅
    駅を出てすぐ正面にある「灘百選」の碑。
    後方に見えるのが、六甲山上バスです。ケーブルカーと同じような配色でレトロっぽさを演出しています。高山植物園や六甲山ホテル、六甲枝垂れ、有馬方面ロープウェー駅へはこのバスに乗車します。摩耶ロープウェー山上駅や六甲山牧場には行きませんので注意してください。因みに、六甲山上バスのバス停は、駅を出て左側奥にあります。通常は、ケーブルカーの運行時間に合わせて運行されています。

  • 六甲ケーブル山上駅<br />バス停前から六甲アイランド方面を俯瞰します。<br />手前に咲いているピンクの花はトキワネムノキです。<br />トキワネムノキは、マメ科ベニゴウカン属の半耐寒性常緑性低木。ネムノキと同じ仲間で、夕方になると葉が閉じ始め、夜には葉が完全に閉じてしまいます。花は多数の小花が集まってこのように球状に咲きますが、実は美しいピンク色のものは雄しべで、長い雄しべが多数集まって花のように見えます。そして、本来の花弁は小さくて目立ちません。ネムノキに似た常緑性の植物なのでトキワ(常磐)ネムの名で流通しています。<br />

    六甲ケーブル山上駅
    バス停前から六甲アイランド方面を俯瞰します。
    手前に咲いているピンクの花はトキワネムノキです。
    トキワネムノキは、マメ科ベニゴウカン属の半耐寒性常緑性低木。ネムノキと同じ仲間で、夕方になると葉が閉じ始め、夜には葉が完全に閉じてしまいます。花は多数の小花が集まってこのように球状に咲きますが、実は美しいピンク色のものは雄しべで、長い雄しべが多数集まって花のように見えます。そして、本来の花弁は小さくて目立ちません。ネムノキに似た常緑性の植物なのでトキワ(常磐)ネムの名で流通しています。

  • 六甲山高山植物園 東入口<br />朱と青緑のクラシカルな色彩の六甲山上バスに揺られること10分強で高山植物園に到着。<br />入口でいただいた園内マップを見ながら、散策コースを練ります。盛夏ですので花の種類が少ないのではないかと気を揉んでいましたが、杞憂に過ぎませんでした。マップは定期的に更新され、現在は、フジグロセンノウ、オミナエシ、カワラナデシコ、レンゲショマ、コバギボウシ、キキョウ、シキンカラマツ、ウバユリ、シラタマノキ、キレンゲショウマ、サギソウ、スイレン、オニユリが見頃のようです。<br />ここでカメラのレンズをマクロに取り替え、イザ出陣です。<br />

    六甲山高山植物園 東入口
    朱と青緑のクラシカルな色彩の六甲山上バスに揺られること10分強で高山植物園に到着。
    入口でいただいた園内マップを見ながら、散策コースを練ります。盛夏ですので花の種類が少ないのではないかと気を揉んでいましたが、杞憂に過ぎませんでした。マップは定期的に更新され、現在は、フジグロセンノウ、オミナエシ、カワラナデシコ、レンゲショマ、コバギボウシ、キキョウ、シキンカラマツ、ウバユリ、シラタマノキ、キレンゲショウマ、サギソウ、スイレン、オニユリが見頃のようです。
    ここでカメラのレンズをマクロに取り替え、イザ出陣です。

  • 六甲山高山植物園 ナツズイセン<br />ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年生草。日本では、北海道を除く全国、主に里山付近に生育します。8月中〜下旬に淡いピンク色の花を咲かせます。中国からの帰化植物と考えられており、有毒植物です。<br />花の名は、夏に咲き、花の形が水仙に似ているところから来ています。梅雨が明け、暑さ真っ盛りの中で咲き誇る、葉っぱの無い花です。地面から太い茎がニョキっと出て、その先に数個の大輪の花を咲かせます。「葉が無いのに花が咲く」というのは、ヒガンバナ属の特徴だそうです。ただヒガンバナと異なるのは、ヒガンバナが花の後に葉が生えてくるのに対し、ナツズイセンは葉が枯れてから花茎が伸びて花を咲かせるそうです。つまりナツズイセンの葉は、春に生い茂り、夏前に枯れてしまうのです。その葉は水仙の葉に似ているそうです。<br /><br />

    六甲山高山植物園 ナツズイセン
    ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年生草。日本では、北海道を除く全国、主に里山付近に生育します。8月中〜下旬に淡いピンク色の花を咲かせます。中国からの帰化植物と考えられており、有毒植物です。
    花の名は、夏に咲き、花の形が水仙に似ているところから来ています。梅雨が明け、暑さ真っ盛りの中で咲き誇る、葉っぱの無い花です。地面から太い茎がニョキっと出て、その先に数個の大輪の花を咲かせます。「葉が無いのに花が咲く」というのは、ヒガンバナ属の特徴だそうです。ただヒガンバナと異なるのは、ヒガンバナが花の後に葉が生えてくるのに対し、ナツズイセンは葉が枯れてから花茎が伸びて花を咲かせるそうです。つまりナツズイセンの葉は、春に生い茂り、夏前に枯れてしまうのです。その葉は水仙の葉に似ているそうです。

  • 六甲山高山植物園 キキョウ<br />キキョウ科の多年性草。山野の日当たりの良い所に育ち、よく見かけるのですが、絶滅危惧種に指定されているそうです。日本全土、朝鮮半島、中国、東シベリアに分布します。万葉集の中で秋の七草と歌われる「朝貌(顔)の花」は、キキョウだと言われています。<br />つぼみの状態では花びら同士が風船のようにピッタリとつながっています。そのため「Balloon flower」 という英名を持っています。朝顔とはキキョウの古代の呼称で、別名オカトトキとも呼ばれました。これは「岡に咲く神草」の意で、このトトキの咲くところから土岐の地名が生まれたそうです。土岐氏が桔梗を家紋に用いるのは、氏を表わしたものとされています。『見聞諸家紋』には土岐氏の紋として桔梗が記され、注記として「先陣で桔梗の花を胄にさし、敵を大いに打ち破った」と載せられていることから、戦勝的な意味合いも含まれていると思われます。

    六甲山高山植物園 キキョウ
    キキョウ科の多年性草。山野の日当たりの良い所に育ち、よく見かけるのですが、絶滅危惧種に指定されているそうです。日本全土、朝鮮半島、中国、東シベリアに分布します。万葉集の中で秋の七草と歌われる「朝貌(顔)の花」は、キキョウだと言われています。
    つぼみの状態では花びら同士が風船のようにピッタリとつながっています。そのため「Balloon flower」 という英名を持っています。朝顔とはキキョウの古代の呼称で、別名オカトトキとも呼ばれました。これは「岡に咲く神草」の意で、このトトキの咲くところから土岐の地名が生まれたそうです。土岐氏が桔梗を家紋に用いるのは、氏を表わしたものとされています。『見聞諸家紋』には土岐氏の紋として桔梗が記され、注記として「先陣で桔梗の花を胄にさし、敵を大いに打ち破った」と載せられていることから、戦勝的な意味合いも含まれていると思われます。

  • 六甲山高山植物園 フシグロセンノウ<br />ナデシコ科センノウ属の多年生草。センノウの名については、京の嵯峨にある仙翁寺で初めて発見されたのが由来とされています。茎の節が赤黒くなるためフシグロと称されています。木陰の湿潤地を好み、別名「盆花」とも呼ばれます。盛夏の緑の中、5弁の朱色の花はひときわ目を惹きつけます。<br />

    六甲山高山植物園 フシグロセンノウ
    ナデシコ科センノウ属の多年生草。センノウの名については、京の嵯峨にある仙翁寺で初めて発見されたのが由来とされています。茎の節が赤黒くなるためフシグロと称されています。木陰の湿潤地を好み、別名「盆花」とも呼ばれます。盛夏の緑の中、5弁の朱色の花はひときわ目を惹きつけます。

  • 六甲山高山植物園 オミナエシ<br />合弁花類オミナエシ科オミナエシ属の多年生草。沖縄を除く日本全土および中国から東シベリアにかけて分布しています。十五夜に飾る秋の七草のひとつであり、万葉集や源氏物語にも登場する日本人には古くから馴染みの深い植物です。「オミナエシ(女郎花)」の名の由来は、美女も圧倒する美しさという意味の「おみな圧し」から来ているという説や、小さな黄色い小花が女性の食べていた粟飯=おみな飯に似ている事から来たとか諸説あります。 <br />「ひょろひょろと なお露けしや 女郎花」(芭蕉)<br />オミナエシは芭蕉が詠んだように細長い茎をもち、花が風にそよぐ様子はいかにも女性的で名にふさわしい花です。現代では女郎はあまり良い意味で使われていませんが、かつては「美しい人」を意味する言葉だったそうです。 <br />

    六甲山高山植物園 オミナエシ
    合弁花類オミナエシ科オミナエシ属の多年生草。沖縄を除く日本全土および中国から東シベリアにかけて分布しています。十五夜に飾る秋の七草のひとつであり、万葉集や源氏物語にも登場する日本人には古くから馴染みの深い植物です。「オミナエシ(女郎花)」の名の由来は、美女も圧倒する美しさという意味の「おみな圧し」から来ているという説や、小さな黄色い小花が女性の食べていた粟飯=おみな飯に似ている事から来たとか諸説あります。
    「ひょろひょろと なお露けしや 女郎花」(芭蕉)
    オミナエシは芭蕉が詠んだように細長い茎をもち、花が風にそよぐ様子はいかにも女性的で名にふさわしい花です。現代では女郎はあまり良い意味で使われていませんが、かつては「美しい人」を意味する言葉だったそうです。

  • 六甲山高山植物園 カワラナデシコ<br />ナデシコ科ナデシコ属の多年生草。日本では本州以西の四国、九州に広く分布し、沖縄諸島にも少数が自生しています。河原に生えることが多く、また花の形や色が可愛いので撫で撫でするほど可愛い子に例えて、河原の撫子つまり「河原撫子」と名付けられました。この花を「ヤマトナデシコ」と呼ぶ地方もあるそうです。 「大和撫子」というのは中国から渡来した石竹を「唐撫子」と呼んだのに対して付けられた名ですが、その後、日本女性の清楚な美しさを讃える言葉にも使われるようになったそうです。<br />平安朝の才女たちもナデシコを愛しました。そのひとりである紫式部も『源氏物語』の背景にしばしばナデシコを登場させています。例えば、常夏の巻を紐解けば、玉鬘の住む神殿のその夕映えの庭先に咲き乱れる唐と大和のナデシコの存在を知ることができます。光源氏にとってナデシコは幼さない玉鬘の象徴であると同時に、その母 夕顔の若き日の姿をも象徴するものでした。 <br />

    六甲山高山植物園 カワラナデシコ
    ナデシコ科ナデシコ属の多年生草。日本では本州以西の四国、九州に広く分布し、沖縄諸島にも少数が自生しています。河原に生えることが多く、また花の形や色が可愛いので撫で撫でするほど可愛い子に例えて、河原の撫子つまり「河原撫子」と名付けられました。この花を「ヤマトナデシコ」と呼ぶ地方もあるそうです。 「大和撫子」というのは中国から渡来した石竹を「唐撫子」と呼んだのに対して付けられた名ですが、その後、日本女性の清楚な美しさを讃える言葉にも使われるようになったそうです。
    平安朝の才女たちもナデシコを愛しました。そのひとりである紫式部も『源氏物語』の背景にしばしばナデシコを登場させています。例えば、常夏の巻を紐解けば、玉鬘の住む神殿のその夕映えの庭先に咲き乱れる唐と大和のナデシコの存在を知ることができます。光源氏にとってナデシコは幼さない玉鬘の象徴であると同時に、その母 夕顔の若き日の姿をも象徴するものでした。

  • 六甲山高山植物園 シロカノコユリ<br />木陰の目立たない所でひっそりと一輪だけ咲いていました。<br />ユリ科ユリ属の多年生草。四国南部や九州西部を中心として台湾や中国南東部まで分布するユリです。地域によって自生環境は異なり、九州では海岸近くの岸壁や草原、四国では内陸の岩壁などで見られます。鹿児島の甑島は群生地として有名です。『鹿ノ子百合』の漢字を当て、花に紅色の鹿ノ子絞りみたいな斑点が入るところから来ています。花びらの内側に棘のような突起があるのが特徴です。シーボルトがオランダに持ち帰り、ヨーロッパのユリ栽培ブームの立役者になったユリだそうです。爽やかで芳香もあり、色白の美人と言ったイメージです。普通のカノコユリは白地に紅色の斑点が付いていますが、このように白いものは珍しいようです。

    六甲山高山植物園 シロカノコユリ
    木陰の目立たない所でひっそりと一輪だけ咲いていました。
    ユリ科ユリ属の多年生草。四国南部や九州西部を中心として台湾や中国南東部まで分布するユリです。地域によって自生環境は異なり、九州では海岸近くの岸壁や草原、四国では内陸の岩壁などで見られます。鹿児島の甑島は群生地として有名です。『鹿ノ子百合』の漢字を当て、花に紅色の鹿ノ子絞りみたいな斑点が入るところから来ています。花びらの内側に棘のような突起があるのが特徴です。シーボルトがオランダに持ち帰り、ヨーロッパのユリ栽培ブームの立役者になったユリだそうです。爽やかで芳香もあり、色白の美人と言ったイメージです。普通のカノコユリは白地に紅色の斑点が付いていますが、このように白いものは珍しいようです。

  • 六甲山高山植物園 ニッコウキスゲ<br />和名ゼンテイカ(禅庭花)は、ユリ科(APG分類体系では、キスゲ科(ワスレグサ科))ヘメロカリス属の多年草。亜高山帯の湿原に群生を形成し、一帯をオレンジ色に染め上げます。葉は鮮緑色で、花は朝開花し夕方には萎んでしまう一日花。この花が多く咲く戦場ケ原を中禅寺の庭に見立てたことが名の由。花が黄色で葉がカサスゲ(笠萓)に似ているため、地名を冠してニッコウキスゲと呼ばれだし、全国的に広まりました。ラッパ状の黄色い花が爽やかな涼風に揺れる様は、夏の草原の風物詩ともなっています。ヘメロカリスとは1日だけの美しさという意味で、朝開いた花は夕刻には萎んでしまうのが由来。ただ次々に新しい花が咲くので、群落全体としての開花時期は長く感じられます。夏の高原をオレンジ色に染め上げる美しい花畑は、登山者たちの憧れともなっています。<br />良く似た花にヒメカンゾウとユウスゲがあります。一般的にニッコウキスゲが葉よりも高く花茎を伸ばして花を咲かせるのに対し、ヒメカンゾウは葉と同じくらいまたは葉よりも低い位置に花を咲かせるのが特徴です。また、ニッコウキスゲの開花期が6〜8月であるのに対し、ヒメカンゾウは若干早めの5〜6月に開花します。ユウスゲは、夕方に開花し翌日には萎みます。葉がカヤツリグサ科のスゲ属の葉に似ており、花の色もレモン・イエローです。<br />

    六甲山高山植物園 ニッコウキスゲ
    和名ゼンテイカ(禅庭花)は、ユリ科(APG分類体系では、キスゲ科(ワスレグサ科))ヘメロカリス属の多年草。亜高山帯の湿原に群生を形成し、一帯をオレンジ色に染め上げます。葉は鮮緑色で、花は朝開花し夕方には萎んでしまう一日花。この花が多く咲く戦場ケ原を中禅寺の庭に見立てたことが名の由。花が黄色で葉がカサスゲ(笠萓)に似ているため、地名を冠してニッコウキスゲと呼ばれだし、全国的に広まりました。ラッパ状の黄色い花が爽やかな涼風に揺れる様は、夏の草原の風物詩ともなっています。ヘメロカリスとは1日だけの美しさという意味で、朝開いた花は夕刻には萎んでしまうのが由来。ただ次々に新しい花が咲くので、群落全体としての開花時期は長く感じられます。夏の高原をオレンジ色に染め上げる美しい花畑は、登山者たちの憧れともなっています。
    良く似た花にヒメカンゾウとユウスゲがあります。一般的にニッコウキスゲが葉よりも高く花茎を伸ばして花を咲かせるのに対し、ヒメカンゾウは葉と同じくらいまたは葉よりも低い位置に花を咲かせるのが特徴です。また、ニッコウキスゲの開花期が6〜8月であるのに対し、ヒメカンゾウは若干早めの5〜6月に開花します。ユウスゲは、夕方に開花し翌日には萎みます。葉がカヤツリグサ科のスゲ属の葉に似ており、花の色もレモン・イエローです。

  • 六甲山高山植物園 コバギボウシ<br />コバギボウシはリュウゼツラン亜科ギボウシ属の多年生草。北海道、本州、四国、九州までの広い地域に分布し、日当たりの良い湿った草原や湿原に自生します。花は一日花。名の由来は、花の蕾の形が橋の欄干の擬宝珠に似ているからとの説と、葱坊主に似ているからとの諸説があります。宝珠とは頭部が尖り、その左右両側から火炎が燃え上がっている状態に象った玉です。願い事が叶うとの言い伝えがあり、橋の安全を祈って取り付けたのが擬宝珠だそうです。花の蜜は花筒の奥にあり、吸蜜できるのはマルハナバチに限られるのだそうです。雌しべは雄しべより長く伸びて同花受粉を避け、両シベとも先端が上向きに曲がり、訪花したマルハナバチのお腹に必ずつくようになっているというのも自然界の驚異です。 <br />

    六甲山高山植物園 コバギボウシ
    コバギボウシはリュウゼツラン亜科ギボウシ属の多年生草。北海道、本州、四国、九州までの広い地域に分布し、日当たりの良い湿った草原や湿原に自生します。花は一日花。名の由来は、花の蕾の形が橋の欄干の擬宝珠に似ているからとの説と、葱坊主に似ているからとの諸説があります。宝珠とは頭部が尖り、その左右両側から火炎が燃え上がっている状態に象った玉です。願い事が叶うとの言い伝えがあり、橋の安全を祈って取り付けたのが擬宝珠だそうです。花の蜜は花筒の奥にあり、吸蜜できるのはマルハナバチに限られるのだそうです。雌しべは雄しべより長く伸びて同花受粉を避け、両シベとも先端が上向きに曲がり、訪花したマルハナバチのお腹に必ずつくようになっているというのも自然界の驚異です。

  • 六甲山高山植物園 オオバギボウシ<br />リュウゼツラン亜科ギボウシ属の多年生草。北海道、本州、四国、九州までの広い地域に分布し、山地の草原や林縁に見られます。早春の若葉は山菜のウルイとして利用されそうです。春先の若葉は丸まって立つように生え、葉の色がうり類の皮に似ているので、瓜菜(うりな)が転化したと言われています。別名としてウリッパ、アマナ、ギンボ、山かんぴょうなどがあります。<br />

    六甲山高山植物園 オオバギボウシ
    リュウゼツラン亜科ギボウシ属の多年生草。北海道、本州、四国、九州までの広い地域に分布し、山地の草原や林縁に見られます。早春の若葉は山菜のウルイとして利用されそうです。春先の若葉は丸まって立つように生え、葉の色がうり類の皮に似ているので、瓜菜(うりな)が転化したと言われています。別名としてウリッパ、アマナ、ギンボ、山かんぴょうなどがあります。

  • 六甲山高山植物園 レンゲショウマ<br />キンポウゲ科、レンゲショウマ属の多年生草。日本特産の1属1種の花。<br />細長い茎の先に、可憐な直径3cm程のハスの花を逆さまにしたような花を付けます。外側に広がった花びらは萼で、筒状に重なった中央部分が花弁という二重構造です。萼が蝋細工のように透き通る様は銀竜草に似た質感があり、薄紫色に内から光を発するような気品が感じられます。<br />花が蓮に、葉がサラシナショウマ(晒菜升麻)に似ているので、レンゲショウマ(蓮華升麻)の名が付けられました。複数の都道府県でレッドリストの絶滅危惧?類や絶滅危惧?類に指定されています。田中澄江著『新・花の百名山』では、奥秩父の甲武信岳(こぶしだけ)を代表する花の一つとして紹介しています。<br /><br />時期的には少し遅いのでしょうが、まだ咲いていてラッキーでした。丸っこいのは蕾ですので、暫くは観賞できそうです。<br />群生ではないのですが、ある限られたセクションにポツンポツンと株がありました。<br />

    六甲山高山植物園 レンゲショウマ
    キンポウゲ科、レンゲショウマ属の多年生草。日本特産の1属1種の花。
    細長い茎の先に、可憐な直径3cm程のハスの花を逆さまにしたような花を付けます。外側に広がった花びらは萼で、筒状に重なった中央部分が花弁という二重構造です。萼が蝋細工のように透き通る様は銀竜草に似た質感があり、薄紫色に内から光を発するような気品が感じられます。
    花が蓮に、葉がサラシナショウマ(晒菜升麻)に似ているので、レンゲショウマ(蓮華升麻)の名が付けられました。複数の都道府県でレッドリストの絶滅危惧?類や絶滅危惧?類に指定されています。田中澄江著『新・花の百名山』では、奥秩父の甲武信岳(こぶしだけ)を代表する花の一つとして紹介しています。

    時期的には少し遅いのでしょうが、まだ咲いていてラッキーでした。丸っこいのは蕾ですので、暫くは観賞できそうです。
    群生ではないのですが、ある限られたセクションにポツンポツンと株がありました。

  • 六甲山高山植物園 レンゲショウマ<br />キンポウゲ科には特異な形の花を咲かせる種類が少なくないのですが、レンゲショウマもその代表格です。入口でいただいた園内マップを片手に何処にあるのだろかとほの暗い木陰を彷徨うと、忽然と姿を現す一見人工的な幻想的な世界。可憐な花が斜面を吹きあがってくる風に震える様は、森の妖精が羽を広げて舞う姿を彷彿とさせ、幽玄とさえ感じられます。山野草の写真家に絶大な人気を誇るというのが実感できます。

    六甲山高山植物園 レンゲショウマ
    キンポウゲ科には特異な形の花を咲かせる種類が少なくないのですが、レンゲショウマもその代表格です。入口でいただいた園内マップを片手に何処にあるのだろかとほの暗い木陰を彷徨うと、忽然と姿を現す一見人工的な幻想的な世界。可憐な花が斜面を吹きあがってくる風に震える様は、森の妖精が羽を広げて舞う姿を彷彿とさせ、幽玄とさえ感じられます。山野草の写真家に絶大な人気を誇るというのが実感できます。

  • 六甲山高山植物園 レンゲショウマ<br />花言葉は、伝統美。見たままの直球ですね!<br />花の中には複数の花言葉を持つものも少なくありません。どうやら世界中に広まっていく中、その地の文化や習慣などを反映して加えられていったようです。元々の花言葉は、ギリシャ・ローマの神話に由来します。19世紀にイギリス ヴィクトリア時代に流行しましたが、その端緒は17世紀のオスマン帝国にまで遡ります。<br />フランスでは、貴族の間で恋人への思いや批判などを草花に例えて詩にするのが流行し、詩を書き留めたノートがサロンで回覧されていました。1819年頃、シャルロット・ラトゥール夫人がそのノートを参考に花言葉辞典を編集し、200を超える花言葉を紹介し、由来を説明しました。例えば、ブラックベリーが「嫉妬」であるのは、人目を避けるように生え、口にすると苦いから。また、月桂樹は古代ギリシャに由来して「栄光」となったなど。<br />一方、英国でもラトゥール夫人の辞典と同時期に花言葉の本が出版されました。中でも評判だったのは、マザーグースの挿絵で有名な女性画家ケイト・グリーナウェイ著「花言葉」(1884年)。ところが、その本で取り上げた花言葉は、正確なものではなかったそうです。後にグリーナウェイの本を基に花言葉を語源から調べ直して再編集したジェーン・マーシュ女史は、ラトゥール夫人の花言葉辞典以降、数多くの花言葉の本が刊行され、花言葉がごちゃまぜになってしまったと記しています。<br />日本に「輸入」されたのは明治初期。当初、輸入された花言葉をそのまま使っていましたが、やがて独自の花言葉が盛んに創作されました。サクラの花言葉の「精神美」というのが代表格ですが、1930年刊「世界花言葉全集」では「淡泊」「純良な教育」と記され、日本でも異なる意味が付けられたことが窺えます。最近は人工交配によって新種がつくられるようになり、花の開発者が花言葉を名付けるケースも増えています。例えば、サントリーフラワーズは2004年に青いバラを開発し、花言葉を「奇跡」「夢かなう」としました。ところで、花が咲くからには野菜や果物にも花言葉があります。因みに、ダイコン「潔白」、ホウレンソウ「健康」、モモ「天下無敵」、ゴボウ「人格者」。モモの花言葉は、桃太郎伝説と無縁ではなさそうです。ゴボウの花はアザミに似ていますが、花言葉は「私に触れないで」「人格者」など。前者は、アザミのような棘のある葉から容易に想像できますが、後者は何に由来するのか?アザミの花言葉のひとつに「権威」「厳格」があるので、アザミに近い所からの発想で「人格者」とでもしたのでしょうか? <br /><br />

    六甲山高山植物園 レンゲショウマ
    花言葉は、伝統美。見たままの直球ですね!
    花の中には複数の花言葉を持つものも少なくありません。どうやら世界中に広まっていく中、その地の文化や習慣などを反映して加えられていったようです。元々の花言葉は、ギリシャ・ローマの神話に由来します。19世紀にイギリス ヴィクトリア時代に流行しましたが、その端緒は17世紀のオスマン帝国にまで遡ります。
    フランスでは、貴族の間で恋人への思いや批判などを草花に例えて詩にするのが流行し、詩を書き留めたノートがサロンで回覧されていました。1819年頃、シャルロット・ラトゥール夫人がそのノートを参考に花言葉辞典を編集し、200を超える花言葉を紹介し、由来を説明しました。例えば、ブラックベリーが「嫉妬」であるのは、人目を避けるように生え、口にすると苦いから。また、月桂樹は古代ギリシャに由来して「栄光」となったなど。
    一方、英国でもラトゥール夫人の辞典と同時期に花言葉の本が出版されました。中でも評判だったのは、マザーグースの挿絵で有名な女性画家ケイト・グリーナウェイ著「花言葉」(1884年)。ところが、その本で取り上げた花言葉は、正確なものではなかったそうです。後にグリーナウェイの本を基に花言葉を語源から調べ直して再編集したジェーン・マーシュ女史は、ラトゥール夫人の花言葉辞典以降、数多くの花言葉の本が刊行され、花言葉がごちゃまぜになってしまったと記しています。
    日本に「輸入」されたのは明治初期。当初、輸入された花言葉をそのまま使っていましたが、やがて独自の花言葉が盛んに創作されました。サクラの花言葉の「精神美」というのが代表格ですが、1930年刊「世界花言葉全集」では「淡泊」「純良な教育」と記され、日本でも異なる意味が付けられたことが窺えます。最近は人工交配によって新種がつくられるようになり、花の開発者が花言葉を名付けるケースも増えています。例えば、サントリーフラワーズは2004年に青いバラを開発し、花言葉を「奇跡」「夢かなう」としました。ところで、花が咲くからには野菜や果物にも花言葉があります。因みに、ダイコン「潔白」、ホウレンソウ「健康」、モモ「天下無敵」、ゴボウ「人格者」。モモの花言葉は、桃太郎伝説と無縁ではなさそうです。ゴボウの花はアザミに似ていますが、花言葉は「私に触れないで」「人格者」など。前者は、アザミのような棘のある葉から容易に想像できますが、後者は何に由来するのか?アザミの花言葉のひとつに「権威」「厳格」があるので、アザミに近い所からの発想で「人格者」とでもしたのでしょうか?

  • 六甲山高山植物園 レンゲショウマ<br />こうして見ると、「森の妖精」と讃えられるのが判ります。俯いて咲くというのも日本人の感性をくすぐるのかもしれません。<br />花の下に潜り込んで眺めると、細長く華奢な茎の先に小人の国のシャンデリアを吊るしたような形をしています。透明感のある愕が空の明るさを透過させる様は、まるでお伽話の世界に迷い込んだような錯覚に陥ります。<br />

    六甲山高山植物園 レンゲショウマ
    こうして見ると、「森の妖精」と讃えられるのが判ります。俯いて咲くというのも日本人の感性をくすぐるのかもしれません。
    花の下に潜り込んで眺めると、細長く華奢な茎の先に小人の国のシャンデリアを吊るしたような形をしています。透明感のある愕が空の明るさを透過させる様は、まるでお伽話の世界に迷い込んだような錯覚に陥ります。

  • 六甲山高山植物園 サギソウ<br />ラン科サギソウ属の多年生草で、湿原などの湿地に自生しています。<br />シラサギが翼を広げたような形の純白の可憐な花です。微風に揺らぐサギソウの涼しげな姿は、暑さを振り払ってくれます。<br />サギソウ伝説については過去の旅行記を参照ください。<br />http://4travel.jp/traveler/montsaintmichel/pict/26227323/<br />

    六甲山高山植物園 サギソウ
    ラン科サギソウ属の多年生草で、湿原などの湿地に自生しています。
    シラサギが翼を広げたような形の純白の可憐な花です。微風に揺らぐサギソウの涼しげな姿は、暑さを振り払ってくれます。
    サギソウ伝説については過去の旅行記を参照ください。
    http://4travel.jp/traveler/montsaintmichel/pict/26227323/

  • 六甲山高山植物園 キバナノヤマオダマキ<br />キンポウゲ科オダマキ属の多年生草。萼片が淡黄色。萼片が紫褐色のものをヤマオダマキと言います。苧環(オダマキ)とは麻糸を巻いた管。五角形の花の形が管に似ているのが名の由来。吉野山で捕らえられて鎌倉に連行された静御前が、鶴岡八幡宮で苧環を手にして舞ったという逸話を残す凛とした花です。<br /><br />当時売れっ子の白拍子 静御前は、源義経と恋に落ちます。しかし義経は、兄 頼朝のために戦功を上げるも、都を追われます。義経と静御前の艱難辛苦の都落ちは、ついに吉野山中で生き別れに終わります。しかし、義経の子を授かっていました。ある日、義経を探す頼朝から鎌倉に呼びつけられます。名目上は頼朝の妻 政子が「日本一の静御前の舞いが見たい」との理由でしたが、頼朝は腹の子を裂き殺す企みでした。静御前が「鎌倉万歳」と舞うとの触れ込みで鶴岡八幡宮は賑わっていました。ところが、「吉野山 峰の白雪 踏み分けて 入りにし人の あとぞ恋しき」と唄い上げ、「しづ(静)やしづ しづのおだまき 繰り返し むかしを今に なすよしもがな」と舞ったのです。絶体絶命の状況下に「義経恋しや」と唄い、古今集「いにしへの しずのおだまき いやしきも よきも さかえは ありしものなり(詠み人知らず)」に掛けて「頼朝も昔は流人、今は栄華を極めても、やがて衰しき身となるは世の繰りごと」と皮肉ったのです。激怒した頼朝を政子は、「夫を慕う本心を形にして幽玄である」と諌めました。『吾妻鏡』は、頼朝が褒美に卯の花襲の衣をそっと差出した事を記して締め括っています。静御前が見せた毅然とした態度、それを受けとめた政子の心が人々を感動させ、美談として後世に語り継がれました。<br />

    六甲山高山植物園 キバナノヤマオダマキ
    キンポウゲ科オダマキ属の多年生草。萼片が淡黄色。萼片が紫褐色のものをヤマオダマキと言います。苧環(オダマキ)とは麻糸を巻いた管。五角形の花の形が管に似ているのが名の由来。吉野山で捕らえられて鎌倉に連行された静御前が、鶴岡八幡宮で苧環を手にして舞ったという逸話を残す凛とした花です。

    当時売れっ子の白拍子 静御前は、源義経と恋に落ちます。しかし義経は、兄 頼朝のために戦功を上げるも、都を追われます。義経と静御前の艱難辛苦の都落ちは、ついに吉野山中で生き別れに終わります。しかし、義経の子を授かっていました。ある日、義経を探す頼朝から鎌倉に呼びつけられます。名目上は頼朝の妻 政子が「日本一の静御前の舞いが見たい」との理由でしたが、頼朝は腹の子を裂き殺す企みでした。静御前が「鎌倉万歳」と舞うとの触れ込みで鶴岡八幡宮は賑わっていました。ところが、「吉野山 峰の白雪 踏み分けて 入りにし人の あとぞ恋しき」と唄い上げ、「しづ(静)やしづ しづのおだまき 繰り返し むかしを今に なすよしもがな」と舞ったのです。絶体絶命の状況下に「義経恋しや」と唄い、古今集「いにしへの しずのおだまき いやしきも よきも さかえは ありしものなり(詠み人知らず)」に掛けて「頼朝も昔は流人、今は栄華を極めても、やがて衰しき身となるは世の繰りごと」と皮肉ったのです。激怒した頼朝を政子は、「夫を慕う本心を形にして幽玄である」と諌めました。『吾妻鏡』は、頼朝が褒美に卯の花襲の衣をそっと差出した事を記して締め括っています。静御前が見せた毅然とした態度、それを受けとめた政子の心が人々を感動させ、美談として後世に語り継がれました。

  • 六甲山高山植物園 シラタマノキ(実)<br />ツツジ科シラタマノキ属の常緑小低木。中部以北の亜高山帯以上の草地等、比較的乾燥した場所に生えます。花期は7〜8月で、5mm程大きさのドウダンツツジのような釣鐘型の花を付けます。9月頃、萼が肥大して果実を覆い、写真のような白い玉状になることからシラタマノキの和名があります。名前を聞くと食べてしまいたくなりますが、これを潰すとサリチル酸メチル(虫刺されの軟膏に入っています)の匂いがするそうです。<br />

    六甲山高山植物園 シラタマノキ(実)
    ツツジ科シラタマノキ属の常緑小低木。中部以北の亜高山帯以上の草地等、比較的乾燥した場所に生えます。花期は7〜8月で、5mm程大きさのドウダンツツジのような釣鐘型の花を付けます。9月頃、萼が肥大して果実を覆い、写真のような白い玉状になることからシラタマノキの和名があります。名前を聞くと食べてしまいたくなりますが、これを潰すとサリチル酸メチル(虫刺されの軟膏に入っています)の匂いがするそうです。

  • 六甲山高山植物園 ヒゴタイ(平江帯)<br />キク科ヒゴタイ属の多年生草。やや乾いた草原に生え、昔はよく見られた花ですが、今は絶滅危惧種に指定され、「幻の花」と言われています。小さなトゲの一つひとつが花で、それが集まり球体になっています。アザミの仲間で、葉を見るとアザミ特有のトゲがあります。名の由来ははっきりしませんが、「肥後の国」から来ているという説もあります。海外では朝鮮半島に分布し、かつて朝鮮半島と日本は陸続きであったことが判ります。その残存種としても着目度が高い花です。<br />花の大きさは直径5cm程の球状で、1個ずつ別々のそうほうに包まれた筒状花が無数に集まり、とても美しい瑠璃色を呈しています。写真のものはまだ蕾の段階で、一つひとつの棘のような蕾から花が咲くと、アフロ・ヘアーのようなユーモラスな姿になります。<br /><br />

    六甲山高山植物園 ヒゴタイ(平江帯)
    キク科ヒゴタイ属の多年生草。やや乾いた草原に生え、昔はよく見られた花ですが、今は絶滅危惧種に指定され、「幻の花」と言われています。小さなトゲの一つひとつが花で、それが集まり球体になっています。アザミの仲間で、葉を見るとアザミ特有のトゲがあります。名の由来ははっきりしませんが、「肥後の国」から来ているという説もあります。海外では朝鮮半島に分布し、かつて朝鮮半島と日本は陸続きであったことが判ります。その残存種としても着目度が高い花です。
    花の大きさは直径5cm程の球状で、1個ずつ別々のそうほうに包まれた筒状花が無数に集まり、とても美しい瑠璃色を呈しています。写真のものはまだ蕾の段階で、一つひとつの棘のような蕾から花が咲くと、アフロ・ヘアーのようなユーモラスな姿になります。

  • 六甲山高山植物園 シキンカラマツ(紫錦唐松)<br />キンポウゲ科カラマツソウ属の多年生草。長野県や群馬県、福島県の山地の林内の湿った草地に自生しています。名の由来は、カラマツソウの仲間で、萼が紫色、葯が金色(黄色)であることから紫錦唐松と呼ばれます。唐松というのは、雄しべの広がり方が唐松の葉に似ているのが由来です。キンポウゲ科に属するので、独特の異彩を放っています。地味な花が多いカラマツソウの仲間にあって、紫紅色の美しい花を咲かせ、雄しべの黄色い葯とのコントラストがとても魅力的です。この花は絶滅種に近い花ですが、気を付けていなければ通り過ぎてしまう花です。しかし近くで観察すると、とても上品な可憐な花です。人知れずひっそりと咲く花は、何故か一層美しく見えます。

    六甲山高山植物園 シキンカラマツ(紫錦唐松)
    キンポウゲ科カラマツソウ属の多年生草。長野県や群馬県、福島県の山地の林内の湿った草地に自生しています。名の由来は、カラマツソウの仲間で、萼が紫色、葯が金色(黄色)であることから紫錦唐松と呼ばれます。唐松というのは、雄しべの広がり方が唐松の葉に似ているのが由来です。キンポウゲ科に属するので、独特の異彩を放っています。地味な花が多いカラマツソウの仲間にあって、紫紅色の美しい花を咲かせ、雄しべの黄色い葯とのコントラストがとても魅力的です。この花は絶滅種に近い花ですが、気を付けていなければ通り過ぎてしまう花です。しかし近くで観察すると、とても上品な可憐な花です。人知れずひっそりと咲く花は、何故か一層美しく見えます。

  • 六甲山高山植物園 アジサイ<br />8月中旬ですが、このように生き生きとした色合いのアジサイがまだ健在です。下界の季節感とは1・5〜2か月遅れているような気がします。それだけ涼しいということなのですね!

    六甲山高山植物園 アジサイ
    8月中旬ですが、このように生き生きとした色合いのアジサイがまだ健在です。下界の季節感とは1・5〜2か月遅れているような気がします。それだけ涼しいということなのですね!

  • 六甲山高山植物園 コマクサ<br />ケマンソウ科コマクサ属の多年生の高山植物。北海道、本州の礫地などに生育します。これまでケシ科とされてきましたが、最近はケマンソウ科とするのが有力です。他の植物が生息できない厳しい環境下に孤高を守り、気品に満ちた花であることから「高山植物の女王」と称されています。名の由来は、花の形が馬(駒)の顔に似ていることに因みます。<br />コマクサは、森林限界より上の風衝岩屑斜面に分布。高山では風雨により砂礫が移動し易く、時には凍結もします。そんな環境に耐えながら、根を張り、生長繁殖を繰り返しています。その姿からは、ただ可憐なだけでなく、逞しさも垣間見ることができます。岩屑斜面では他の高山植物とは共生せず、純群落を形成することが多いそうです。火山由来の植物で、コマクサの自生地は火山もしくはかつて火山だった山に限られます。北アルプスでは、白馬岳や蓮華岳、燕岳、乗鞍岳で大群落を形成しています。乗鞍火山のような安山岩域や燕岳の花崗岩域に大群落があり、比較的珪酸分に富む火成岩分布域に多数の生息が確認されるなど、未だ謎のベールに包まれた高山植物です。<br /><br />

    六甲山高山植物園 コマクサ
    ケマンソウ科コマクサ属の多年生の高山植物。北海道、本州の礫地などに生育します。これまでケシ科とされてきましたが、最近はケマンソウ科とするのが有力です。他の植物が生息できない厳しい環境下に孤高を守り、気品に満ちた花であることから「高山植物の女王」と称されています。名の由来は、花の形が馬(駒)の顔に似ていることに因みます。
    コマクサは、森林限界より上の風衝岩屑斜面に分布。高山では風雨により砂礫が移動し易く、時には凍結もします。そんな環境に耐えながら、根を張り、生長繁殖を繰り返しています。その姿からは、ただ可憐なだけでなく、逞しさも垣間見ることができます。岩屑斜面では他の高山植物とは共生せず、純群落を形成することが多いそうです。火山由来の植物で、コマクサの自生地は火山もしくはかつて火山だった山に限られます。北アルプスでは、白馬岳や蓮華岳、燕岳、乗鞍岳で大群落を形成しています。乗鞍火山のような安山岩域や燕岳の花崗岩域に大群落があり、比較的珪酸分に富む火成岩分布域に多数の生息が確認されるなど、未だ謎のベールに包まれた高山植物です。

  • コマクサ<br />この写真は、35年前(1978年)にワンダー・フォーゲル部夏合宿で北アルプス後立山連峰を縦走した折、針ノ木岳山頂付近で撮影したものです。生憎ネガを紛失しており、アルバムに貼ってあったものをスキャンしました。セピア色に色褪せた感じが懐かしさを誘います。北アルプスのほぼ全山に登り、何度も励まされた花なのですが、これがコマクサを撮った唯一の写真です。団体行動ですので、休憩中にしか写真撮影は許されませんから…。<br /><br />山の歌には、コマクサが歌われるものも少なくありません。学生時代によく歌ったものに、昭和初期に作詞作曲され、歌い継がれてきた「針ノ木岳遭難の歌(北アルプスの犠牲)」があります。西條八十 作詞、山田耕筰 作曲の錚々たるコンビが残した鎮魂歌です。歌詞もいいですが、曲もジ〜ンと来るものがあります。<br />「吹雪はやみて 月はいずぬ 扉(とぼそ)ほとほとうつは風か 榾火(ほた)火悲しく燃ゆる夜半に 帰れ友よ 我ら待てり…(中略)…北アルプスの 雪の嶺々 解けて流るる春とならば 咲けよ駒草紅にもえて 若き四人の 霊のために」(合掌)。 

    コマクサ
    この写真は、35年前(1978年)にワンダー・フォーゲル部夏合宿で北アルプス後立山連峰を縦走した折、針ノ木岳山頂付近で撮影したものです。生憎ネガを紛失しており、アルバムに貼ってあったものをスキャンしました。セピア色に色褪せた感じが懐かしさを誘います。北アルプスのほぼ全山に登り、何度も励まされた花なのですが、これがコマクサを撮った唯一の写真です。団体行動ですので、休憩中にしか写真撮影は許されませんから…。

    山の歌には、コマクサが歌われるものも少なくありません。学生時代によく歌ったものに、昭和初期に作詞作曲され、歌い継がれてきた「針ノ木岳遭難の歌(北アルプスの犠牲)」があります。西條八十 作詞、山田耕筰 作曲の錚々たるコンビが残した鎮魂歌です。歌詞もいいですが、曲もジ〜ンと来るものがあります。
    「吹雪はやみて 月はいずぬ 扉(とぼそ)ほとほとうつは風か 榾火(ほた)火悲しく燃ゆる夜半に 帰れ友よ 我ら待てり…(中略)…北アルプスの 雪の嶺々 解けて流るる春とならば 咲けよ駒草紅にもえて 若き四人の 霊のために」(合掌)。 

  • 六甲山高山植物園 トノサマ・バッタ<br />羽根がなく、まだ子供のようです。うまい具合に保護色となるシダの葉の上で一息ついています。<br />宮古島では5月以降少雨傾向が続き、タイワンツチイナゴやヒゲマダラが大量発生し、サトウキビの葉を食べてしまう異常事態が発生しているそうです。こうした異常気象がもたらす副次的な災害は、看過できない状況に来ているようにも思えます。「ラニーニャ現象」の一言で済ませてしまっていいものでしょうか?今さらですが、地球規模の環境保護が急務と思います。

    六甲山高山植物園 トノサマ・バッタ
    羽根がなく、まだ子供のようです。うまい具合に保護色となるシダの葉の上で一息ついています。
    宮古島では5月以降少雨傾向が続き、タイワンツチイナゴやヒゲマダラが大量発生し、サトウキビの葉を食べてしまう異常事態が発生しているそうです。こうした異常気象がもたらす副次的な災害は、看過できない状況に来ているようにも思えます。「ラニーニャ現象」の一言で済ませてしまっていいものでしょうか?今さらですが、地球規模の環境保護が急務と思います。

  • 六甲山高山植物園 ヒダカミセバヤ <br />ベンケイソウ科ムラサキベンケイソウ属の多年生草。北海道の固有種で、日高、十勝、釧路地方の海岸岸壁やアポイ岳の上部などに分布しています。「見せばや」は「見せたい」を意味する古語で、この花の美しさを「誰に見せようか」という意味になります。環境省のレッドリストでは、”絶滅の危険が増大している種”である絶滅危惧?類(VU)に登録されています。開花時期は8〜10月で、紅紫色の小さな花が球形になって咲きます。 <br />

    六甲山高山植物園 ヒダカミセバヤ
    ベンケイソウ科ムラサキベンケイソウ属の多年生草。北海道の固有種で、日高、十勝、釧路地方の海岸岸壁やアポイ岳の上部などに分布しています。「見せばや」は「見せたい」を意味する古語で、この花の美しさを「誰に見せようか」という意味になります。環境省のレッドリストでは、”絶滅の危険が増大している種”である絶滅危惧?類(VU)に登録されています。開花時期は8〜10月で、紅紫色の小さな花が球形になって咲きます。

  • 六甲山高山植物園 キリンソウ(麒麟草)<br />ベンケイソウ科に属する多年生草。シベリア東部・中国・朝鮮半島と日本の北海道・本州・四国・九州の山地の日当たりのよい岩場などに分布します。黄色の星型をした小さい花を精一杯沢山咲かせたこの草の姿には、清々しい美しさが感じられます。科目の名の通り「弁慶」の様に非常に強い事から命名された多肉植物です。名の由来には2説あり、花の色から古代の中国に伝わる想像上の生き物で、牛の尾と馬の蹄を持ち、頭部には角がある「麒麟」を連想し、葉の形に似た雲がたなびくとした伝説に基づくという説と、花序を上から見ると黄色の輪のように見えることから「黄輪」となったという説があります。<br />

    六甲山高山植物園 キリンソウ(麒麟草)
    ベンケイソウ科に属する多年生草。シベリア東部・中国・朝鮮半島と日本の北海道・本州・四国・九州の山地の日当たりのよい岩場などに分布します。黄色の星型をした小さい花を精一杯沢山咲かせたこの草の姿には、清々しい美しさが感じられます。科目の名の通り「弁慶」の様に非常に強い事から命名された多肉植物です。名の由来には2説あり、花の色から古代の中国に伝わる想像上の生き物で、牛の尾と馬の蹄を持ち、頭部には角がある「麒麟」を連想し、葉の形に似た雲がたなびくとした伝説に基づくという説と、花序を上から見ると黄色の輪のように見えることから「黄輪」となったという説があります。

  • 六甲山高山植物園 ヒツジグサ(スイレン)<br />スイレン科スイレン属の花は世界に何十種類もあるのですが、日本にはヒツジグサと呼ばれる比較的小さな白い花を付ける一種のみが古来から生育しています。未の刻(午後2時)に花を開くと考えられていた為、ヒツジグサの名をいただいているのですが、実際には午前中から夕方まで咲いています。<br />暑い夏に涼を呼ぶ植物と言えばヒツジグサ。特徴は、浮き葉だけで花も水面に浮いているか、水面より少し上がったところに咲きます。また、葉に切れ目があります。スイレンやハスを見るとやはり仏教を連想してしまうのは、日本人の性と言うことでしょうか?仏教の聖地 インドでは、最高の美女を蓮女(パドミン)と呼ぶのだそうです。<br />因みに、属名「Water lily」はギリシャ神話の水の妖精ニンフに因みます。 <br />

    六甲山高山植物園 ヒツジグサ(スイレン)
    スイレン科スイレン属の花は世界に何十種類もあるのですが、日本にはヒツジグサと呼ばれる比較的小さな白い花を付ける一種のみが古来から生育しています。未の刻(午後2時)に花を開くと考えられていた為、ヒツジグサの名をいただいているのですが、実際には午前中から夕方まで咲いています。
    暑い夏に涼を呼ぶ植物と言えばヒツジグサ。特徴は、浮き葉だけで花も水面に浮いているか、水面より少し上がったところに咲きます。また、葉に切れ目があります。スイレンやハスを見るとやはり仏教を連想してしまうのは、日本人の性と言うことでしょうか?仏教の聖地 インドでは、最高の美女を蓮女(パドミン)と呼ぶのだそうです。
    因みに、属名「Water lily」はギリシャ神話の水の妖精ニンフに因みます。

  • 六甲山高山植物園 アサザ(阿佐佐)<br />ミツガシワ科アサザ属の多年生草。ユーラシア大陸の温帯地域に分布し、日本では本州や九州などに生育します。かつては琵琶湖や霞ヶ浦、諏訪湖などに大群落が存在しましたが、湖沼の開発や水質汚染が原因で減少し、環境省レッドリストの絶滅危惧?類に指定されています。浮葉性植物で、地下茎を伸ばして生長し、スイレンに似た切れ込みのある浮葉を付けます。若葉は食用にされることもあり、別名「ハナジュンサイ(花蓴菜)、イヌジュンサイ(犬蓴菜)」と呼ばれます。また、英名で「Water fringe」と呼ばれるように、花弁の周囲がヒラヒラしています。半日花ですが、開花期間は6〜10月頃までと長く、 開花期間には次々と花が咲きます。但し、咲くのは晴れの日だけで、曇りや雨天では咲かないそうです。<br />アサザは広範囲にわたり浮葉を広げるため消波効果を有し、それ自体が水辺の植生帯を保全する機能を持っていると考えられ、各地でアサザ基金という再生プロジェクトが発足しています。<br />

    六甲山高山植物園 アサザ(阿佐佐)
    ミツガシワ科アサザ属の多年生草。ユーラシア大陸の温帯地域に分布し、日本では本州や九州などに生育します。かつては琵琶湖や霞ヶ浦、諏訪湖などに大群落が存在しましたが、湖沼の開発や水質汚染が原因で減少し、環境省レッドリストの絶滅危惧?類に指定されています。浮葉性植物で、地下茎を伸ばして生長し、スイレンに似た切れ込みのある浮葉を付けます。若葉は食用にされることもあり、別名「ハナジュンサイ(花蓴菜)、イヌジュンサイ(犬蓴菜)」と呼ばれます。また、英名で「Water fringe」と呼ばれるように、花弁の周囲がヒラヒラしています。半日花ですが、開花期間は6〜10月頃までと長く、 開花期間には次々と花が咲きます。但し、咲くのは晴れの日だけで、曇りや雨天では咲かないそうです。
    アサザは広範囲にわたり浮葉を広げるため消波効果を有し、それ自体が水辺の植生帯を保全する機能を持っていると考えられ、各地でアサザ基金という再生プロジェクトが発足しています。

  • 六甲山高山植物園 コウホネ(河骨)<br />スイレン目スイレン科の水生多年生草。北海道から九州の浅い池や沼などにに自生します。水底の泥の中にある地下茎は、白色で葉の跡が点々とあり、これが白骨に似ていることが和名の河骨の由来となっています。花は6〜9月に次々と咲きます。光り輝く黄金色をしているため、曇りの日や日陰でなければ撮影が困難と言われています。5枚の花弁状のものは顎で、その内側に多数あるリボン状のものが花弁。花言葉は、「崇高」、「秘められた愛情」。何となく頷けるものがあります。<br />正岡子規 は次のように詠んでいます。<br />「小ぶなとる わらはべ去りて 門川の 河骨の花に 目高群れつつ」 。   <br />

    六甲山高山植物園 コウホネ(河骨)
    スイレン目スイレン科の水生多年生草。北海道から九州の浅い池や沼などにに自生します。水底の泥の中にある地下茎は、白色で葉の跡が点々とあり、これが白骨に似ていることが和名の河骨の由来となっています。花は6〜9月に次々と咲きます。光り輝く黄金色をしているため、曇りの日や日陰でなければ撮影が困難と言われています。5枚の花弁状のものは顎で、その内側に多数あるリボン状のものが花弁。花言葉は、「崇高」、「秘められた愛情」。何となく頷けるものがあります。
    正岡子規 は次のように詠んでいます。
    「小ぶなとる わらはべ去りて 門川の 河骨の花に 目高群れつつ」 。   

  • 六甲山高山植物園 ハマナス<br />北海道の花に指定されていますが、東北の日本海沿岸部、南は天橋立付近、島根県の海辺の砂丘にも一部分布しているそうです。「ハマナス(浜茄子)」は、バラ科バラ属で、別名は「ハマナシ(浜梨)」です。英語ではなんと「Japanese Rose」だそうです。実が「梨」に似ている(本当は似ていませんが…)とかハマナシが大きくなって浜が見えなくなるところから「ハマナシ」と命名されたようですが、それが訛って「ハマナス」になり、ナス科の仲間ではないそうです。皇太子徳仁親王妃 雅子妃殿下のお印でもあるそうです。晩夏には、ご覧のようにミニトマトのそっくりの赤い実が沢山成ります。実は、ビタミンCが豊富で食用にもなり、ローズヒップオイル(食用油、スキンケアオイル)もとれるそうです。<br />

    六甲山高山植物園 ハマナス
    北海道の花に指定されていますが、東北の日本海沿岸部、南は天橋立付近、島根県の海辺の砂丘にも一部分布しているそうです。「ハマナス(浜茄子)」は、バラ科バラ属で、別名は「ハマナシ(浜梨)」です。英語ではなんと「Japanese Rose」だそうです。実が「梨」に似ている(本当は似ていませんが…)とかハマナシが大きくなって浜が見えなくなるところから「ハマナシ」と命名されたようですが、それが訛って「ハマナス」になり、ナス科の仲間ではないそうです。皇太子徳仁親王妃 雅子妃殿下のお印でもあるそうです。晩夏には、ご覧のようにミニトマトのそっくりの赤い実が沢山成ります。実は、ビタミンCが豊富で食用にもなり、ローズヒップオイル(食用油、スキンケアオイル)もとれるそうです。

  • 六甲山高山植物園 マルバシモツケ<br />ばら科シモツケ属の落葉低木。日本や中国、朝鮮が原産で、国内では北海道から九州に広く分布して日当たりの良い山野に生え、庭木や鉢植えにもされています。淡い紅色の小さな小花がまとまって咲き、長い雄しべが沢山飛び出しているため、毛羽立ったウールを彷彿とさせます。ふんわりした感じで、触ると壊れてしまいそうな花です。名の由来は、栃木県下野で発見されたため地名が名になった、あるいは花の咲く様子を霜が降りた状態に見立てたなど諸説あります。<br />中国名「繍線菊(シュクセンギク)」と呼ばれ、悲しい伝説があります。昔、中国に繍線という名の少女がいました。父親が軍に召集され戦う中、敵の捕虜となり獄に投ぜられました。彼女は悲嘆に耐えず、ついに心を決して男装して単身敵地に踏み入り、辛酸の末に獄吏になりました。男装した彼女は父を捜しますが、この時すでに父は獄舎で病没していたのでした。彼女は悲しみやる方なく、墓の前で涙を流しました。そして墓を去る時、傍らに咲く一輪の花を持ち帰りました。父への手向けにと庭に植えたところ、見慣れぬ美しい花が咲きました。人々はその花に、孝心深い彼女に因んで繍線菊と名付けたそうです。

    六甲山高山植物園 マルバシモツケ
    ばら科シモツケ属の落葉低木。日本や中国、朝鮮が原産で、国内では北海道から九州に広く分布して日当たりの良い山野に生え、庭木や鉢植えにもされています。淡い紅色の小さな小花がまとまって咲き、長い雄しべが沢山飛び出しているため、毛羽立ったウールを彷彿とさせます。ふんわりした感じで、触ると壊れてしまいそうな花です。名の由来は、栃木県下野で発見されたため地名が名になった、あるいは花の咲く様子を霜が降りた状態に見立てたなど諸説あります。
    中国名「繍線菊(シュクセンギク)」と呼ばれ、悲しい伝説があります。昔、中国に繍線という名の少女がいました。父親が軍に召集され戦う中、敵の捕虜となり獄に投ぜられました。彼女は悲嘆に耐えず、ついに心を決して男装して単身敵地に踏み入り、辛酸の末に獄吏になりました。男装した彼女は父を捜しますが、この時すでに父は獄舎で病没していたのでした。彼女は悲しみやる方なく、墓の前で涙を流しました。そして墓を去る時、傍らに咲く一輪の花を持ち帰りました。父への手向けにと庭に植えたところ、見慣れぬ美しい花が咲きました。人々はその花に、孝心深い彼女に因んで繍線菊と名付けたそうです。

  • 六甲山高山植物園 キレンゲショウマ<br />ユキノシタ科キレンゲショウマ属に分類される多年生草の1属1種の珍しい植物。和名がそのまま学名「Kirengeshoma palmata」になった世界的にも貴重な植物です。紀伊半島の大峰山や四国の剣山、愛媛県の石鎚山、九州の祖母山系などに分布する高山植物です。さらには、朝鮮半島南部や中国東部にも隔離分布し、日本と大陸が地続きだったことを示す証ともされています。しかし、現在は環境省のレッドデータブックで絶滅危惧?類に指定され、絶滅の恐れが増大しています。

    六甲山高山植物園 キレンゲショウマ
    ユキノシタ科キレンゲショウマ属に分類される多年生草の1属1種の珍しい植物。和名がそのまま学名「Kirengeshoma palmata」になった世界的にも貴重な植物です。紀伊半島の大峰山や四国の剣山、愛媛県の石鎚山、九州の祖母山系などに分布する高山植物です。さらには、朝鮮半島南部や中国東部にも隔離分布し、日本と大陸が地続きだったことを示す証ともされています。しかし、現在は環境省のレッドデータブックで絶滅危惧?類に指定され、絶滅の恐れが増大しています。

  • 六甲山高山植物園 キレンゲショウマ<br />四国の剣山には、宮尾登美子著「天涯の花」で一躍脚光を浴びた群生地があります。決して派手な花ではありませんが、クリーム色がかった釣り鐘状のレモンイエローの花が葉の深い木賊色に映える姿は、優雅です。花はふっくらした感じで厚みがあり、木陰でも蛍光塗料を塗ったかのようにくっきりと目立ちます。凛と気高く咲く姿は「月光の花」とも称されています。<br />キレンゲショウマは鹿の好物でもあり、剣山系では鹿による食害が問題になっているそうです。<br />

    六甲山高山植物園 キレンゲショウマ
    四国の剣山には、宮尾登美子著「天涯の花」で一躍脚光を浴びた群生地があります。決して派手な花ではありませんが、クリーム色がかった釣り鐘状のレモンイエローの花が葉の深い木賊色に映える姿は、優雅です。花はふっくらした感じで厚みがあり、木陰でも蛍光塗料を塗ったかのようにくっきりと目立ちます。凛と気高く咲く姿は「月光の花」とも称されています。
    キレンゲショウマは鹿の好物でもあり、剣山系では鹿による食害が問題になっているそうです。

  • 六甲山高山植物園 キレンゲショウマ<br />宮尾登美子著「天涯の花」のあらすじです。<br />捨て子で養護施設で育った平珠子は、中学卒業を機に剣山の剣神社宮司夫妻の養女となり、巫女としての生活を始めます。電気もない不便な山奥の生活の中で大切な人の死や愛する人と出会いながら、少女から大人の女性に成長する過程を描いた小説です。珠子は、山の花の名を百ほど覚えた頃、初めて修験場の滝にあるキレンゲショウマの群生地に連れて行ってもらいます。誇り高く咲く花は、ひとつ一つの花が月光のように澄み、清らかに輝いていました。そしてこの花に出会うために剣山に来たのではないかと不思議な縁を感じます。ある日、与次郎谷で激しい雨に打たれて倒れている男を発見した珠子は、必至の思いで神社へ運びます。男は東京からキレンゲショウマを撮影に来たカメラマンの久能。キレンゲショウマを撮りにきた久能の花を愛する心の深さに、「自分はこの人のために生まれてきたのではないか」と運命的な結び付きを感じます。珠子の看病を受け、養生を続けるうちに2人は次第に惹かれて行きますが、久能には東京に妻がいました。離婚同然の状態の久能は、きちんと離婚して再び剣山に来ることを珠子に誓い、東京に戻って行きます。

    六甲山高山植物園 キレンゲショウマ
    宮尾登美子著「天涯の花」のあらすじです。
    捨て子で養護施設で育った平珠子は、中学卒業を機に剣山の剣神社宮司夫妻の養女となり、巫女としての生活を始めます。電気もない不便な山奥の生活の中で大切な人の死や愛する人と出会いながら、少女から大人の女性に成長する過程を描いた小説です。珠子は、山の花の名を百ほど覚えた頃、初めて修験場の滝にあるキレンゲショウマの群生地に連れて行ってもらいます。誇り高く咲く花は、ひとつ一つの花が月光のように澄み、清らかに輝いていました。そしてこの花に出会うために剣山に来たのではないかと不思議な縁を感じます。ある日、与次郎谷で激しい雨に打たれて倒れている男を発見した珠子は、必至の思いで神社へ運びます。男は東京からキレンゲショウマを撮影に来たカメラマンの久能。キレンゲショウマを撮りにきた久能の花を愛する心の深さに、「自分はこの人のために生まれてきたのではないか」と運命的な結び付きを感じます。珠子の看病を受け、養生を続けるうちに2人は次第に惹かれて行きますが、久能には東京に妻がいました。離婚同然の状態の久能は、きちんと離婚して再び剣山に来ることを珠子に誓い、東京に戻って行きます。

  • 六甲高山植物園 キレンゲショウマ<br />そんな折、山小屋を経営する佐川からの突然のプロポーズに珠子の心は揺れます。久能のことは儚い夢だったと言い聞かせ、佐川との結婚を決心します。しかし、そんな気持ちに反して珠子の耳に入ったのは、佐川の親戚たちの「みなし児、施設の子」という中傷でした。かつて久能は珠子の身の上話しを聞き、「みなし児であることを誰に恥じることがある。一人で生きてきたほうがずっと尊い」と励ましてくれました。それを思うと久能への思いは更に募り、「剣山にキレンゲショウマが咲く限り、あの人はどんなかたちであれ戻ってきてくれる。それを信じて待とう」と決意するのです。<br />その頃、久能は東京での生活を捨て、リュックサックに神職資格を得るための書物と多少の蓄財を詰め込み、カメラを提げて力強い足取りで一路剣山へと向おうとしていました。それは、秋のさば雲が西空に長い尾を引く、昭和41年9月のことでした。物語はここで幕を閉じます。<br />「天涯の花」は、このキレンゲショウマの花の事でもあり、ここで暮らしここで人生を全うする事を決めた珠子自身の事でもあるように思えます。<br />

    六甲高山植物園 キレンゲショウマ
    そんな折、山小屋を経営する佐川からの突然のプロポーズに珠子の心は揺れます。久能のことは儚い夢だったと言い聞かせ、佐川との結婚を決心します。しかし、そんな気持ちに反して珠子の耳に入ったのは、佐川の親戚たちの「みなし児、施設の子」という中傷でした。かつて久能は珠子の身の上話しを聞き、「みなし児であることを誰に恥じることがある。一人で生きてきたほうがずっと尊い」と励ましてくれました。それを思うと久能への思いは更に募り、「剣山にキレンゲショウマが咲く限り、あの人はどんなかたちであれ戻ってきてくれる。それを信じて待とう」と決意するのです。
    その頃、久能は東京での生活を捨て、リュックサックに神職資格を得るための書物と多少の蓄財を詰め込み、カメラを提げて力強い足取りで一路剣山へと向おうとしていました。それは、秋のさば雲が西空に長い尾を引く、昭和41年9月のことでした。物語はここで幕を閉じます。
    「天涯の花」は、このキレンゲショウマの花の事でもあり、ここで暮らしここで人生を全うする事を決めた珠子自身の事でもあるように思えます。

  • 六甲山高山植物園 オニユリ<br />ユリ科ユリ属の多年生草。北海道から九州の平地から低山で普通に見られ、一説には中国からの渡来種と言われています。<br />名の由来は、花びらに黒い斑点模様が沢山あり、橙色がかかった赤い花びらに黒の斑点が目立つ事や花の色や形から「赤鬼」を連想させた事から付いたと言われていますが、ヒメユリと比べて大きいユリという意味だとの説もあります。テンガイユリの別名があり、これはシャンデリアの様に吊り下がるように咲く花姿を仏具の天蓋に見立てたことに由来します。英名でも「Tiger lily」と凄みがあります。<br /><br />

    六甲山高山植物園 オニユリ
    ユリ科ユリ属の多年生草。北海道から九州の平地から低山で普通に見られ、一説には中国からの渡来種と言われています。
    名の由来は、花びらに黒い斑点模様が沢山あり、橙色がかかった赤い花びらに黒の斑点が目立つ事や花の色や形から「赤鬼」を連想させた事から付いたと言われていますが、ヒメユリと比べて大きいユリという意味だとの説もあります。テンガイユリの別名があり、これはシャンデリアの様に吊り下がるように咲く花姿を仏具の天蓋に見立てたことに由来します。英名でも「Tiger lily」と凄みがあります。

  • 六甲山高山植物園 オニユリ<br />ざれ歌に「立てばシャクヤク 座ればボタン 歩く姿はユリの花」とあり、美人をそれぞれの花の美しさに例えたものですが、花姿の美しさばかりでなく、いずれの花も婦人病に効く薬草で服用すると綺麗になるという意味もあるのかも知れません。ユリはその美しい花姿から現代では観賞花とされることが多いのですが、元来、薬用や食用の花です。オニユリやヤマユリの鱗茎(ユリ根)は漢方では百合の名で滋養、強壮、解熱等に用いられる薬となっています。また、古代から鱗茎は食用とされ、17世紀頃には国内でも栽培され、現在でも京料理や中華料理には欠かせない素材です。

    六甲山高山植物園 オニユリ
    ざれ歌に「立てばシャクヤク 座ればボタン 歩く姿はユリの花」とあり、美人をそれぞれの花の美しさに例えたものですが、花姿の美しさばかりでなく、いずれの花も婦人病に効く薬草で服用すると綺麗になるという意味もあるのかも知れません。ユリはその美しい花姿から現代では観賞花とされることが多いのですが、元来、薬用や食用の花です。オニユリやヤマユリの鱗茎(ユリ根)は漢方では百合の名で滋養、強壮、解熱等に用いられる薬となっています。また、古代から鱗茎は食用とされ、17世紀頃には国内でも栽培され、現在でも京料理や中華料理には欠かせない素材です。

  • 六甲高山植物園 オニユリ<br />話は変わって新潟県に伝わるヤマユリの民話です。 <br />昔、馬を飼い、田畑を耕して暮らす青年がいました。毎朝山に草刈りに出かけ、歌いながら草刈りをしていました。ある晩、綺麗な娘が青年の家に来て、一晩泊めてくれるように頼みました。青年は娘をもてなすことができそうもなかったので断わったが、娘は「私がご飯を炊き料理をする」と言うので泊めることにしました。娘は毎朝早起きして食事の支度をし、やがて青年の嫁になりました。嫁は働き者で、青年は幸せでした。ある日、青年が馬に草をやっていると、草の中からきれいなヤマユリの花が1輪出てきました。青年はその花を嫁に見せようと呼びかけましたが返事がありません。嫁を捜して家に入ると、嫁は座敷の真ん中で倒れているのでした。嫁は、「私はヤマユリの花。あなたが毎日草刈りをしながら歌っているのを聞いて、あなたと一緒に暮らしたいと思っていた。その思いが叶い今まで一緒に暮らしてきたが、今日あなたに刈られてしまったので私はもう死んでしまう。今まで有難う御座いました」。そして、一輪のユリの花は萎れて枯れてしまったという。<br />

    六甲高山植物園 オニユリ
    話は変わって新潟県に伝わるヤマユリの民話です。
    昔、馬を飼い、田畑を耕して暮らす青年がいました。毎朝山に草刈りに出かけ、歌いながら草刈りをしていました。ある晩、綺麗な娘が青年の家に来て、一晩泊めてくれるように頼みました。青年は娘をもてなすことができそうもなかったので断わったが、娘は「私がご飯を炊き料理をする」と言うので泊めることにしました。娘は毎朝早起きして食事の支度をし、やがて青年の嫁になりました。嫁は働き者で、青年は幸せでした。ある日、青年が馬に草をやっていると、草の中からきれいなヤマユリの花が1輪出てきました。青年はその花を嫁に見せようと呼びかけましたが返事がありません。嫁を捜して家に入ると、嫁は座敷の真ん中で倒れているのでした。嫁は、「私はヤマユリの花。あなたが毎日草刈りをしながら歌っているのを聞いて、あなたと一緒に暮らしたいと思っていた。その思いが叶い今まで一緒に暮らしてきたが、今日あなたに刈られてしまったので私はもう死んでしまう。今まで有難う御座いました」。そして、一輪のユリの花は萎れて枯れてしまったという。

  • 六甲山高山植物園 マムシグサ(蝮草)<br />サトイモ科テンナンショウ属の多年草。ユキモチソウと同じように花序は黄白色で、淡緑色または淡紫色で白い縦筋のある仏炎苞に包まれます。名の由来は、偽茎の模様が「マムシ」のように見えることから来ているそうです。<br /><br />春先のマムシグサです。<br />http://4travel.jp/traveler/montsaintmichel/pict/25196738/<br />晩秋に実が熟したマムシグサです。<br />http://4travel.jp/traveler/montsaintmichel/pict/27384547/

    六甲山高山植物園 マムシグサ(蝮草)
    サトイモ科テンナンショウ属の多年草。ユキモチソウと同じように花序は黄白色で、淡緑色または淡紫色で白い縦筋のある仏炎苞に包まれます。名の由来は、偽茎の模様が「マムシ」のように見えることから来ているそうです。

    春先のマムシグサです。
    http://4travel.jp/traveler/montsaintmichel/pict/25196738/
    晩秋に実が熟したマムシグサです。
    http://4travel.jp/traveler/montsaintmichel/pict/27384547/

  • 六甲山高山植物園 <br />西入口を出た所にあるキツツキの木彫りです。<br />入口に置かれた温度計は29℃を指していました。確かに木陰に入ると涼しく感じられます。でも、いくら気温が下界より5℃以上低いと言っても夏の日差しは植物にもダメージを与えます。できれば、午前中に訪ねられることをお勧めします。<br />因みに、花のガイド(無料)が11:00〜と14:00〜の2回、30分程度実施されています。集合場所は、西入口前です。スタッフさんが園内の見頃の花を回りながら、見つけ難い小さな花や名の由来、花のエピソードなどを教えていただけます。<br /><br />4月下旬の植物園の様子は、過去の旅行記を参照ください。<br />http://4travel.jp/traveler/montsaintmichel/album/10664943/

    六甲山高山植物園 
    西入口を出た所にあるキツツキの木彫りです。
    入口に置かれた温度計は29℃を指していました。確かに木陰に入ると涼しく感じられます。でも、いくら気温が下界より5℃以上低いと言っても夏の日差しは植物にもダメージを与えます。できれば、午前中に訪ねられることをお勧めします。
    因みに、花のガイド(無料)が11:00〜と14:00〜の2回、30分程度実施されています。集合場所は、西入口前です。スタッフさんが園内の見頃の花を回りながら、見つけ難い小さな花や名の由来、花のエピソードなどを教えていただけます。

    4月下旬の植物園の様子は、過去の旅行記を参照ください。
    http://4travel.jp/traveler/montsaintmichel/album/10664943/

  • 六甲高山植物園 ニッコウキスゲ<br />西入口を出た所にニッコウキスゲが群れて咲いていました。園内はまばらでしたのでラッキーです。<br />霧ヶ峰・車山は、霧の中が蛍光色に光るニッコウキスゲが浮かんでいたのを思い出します。霧降高原や尾瀬ヶ原のニッコウキスゲの群生を一度見てみたいものです。<br />

    六甲高山植物園 ニッコウキスゲ
    西入口を出た所にニッコウキスゲが群れて咲いていました。園内はまばらでしたのでラッキーです。
    霧ヶ峰・車山は、霧の中が蛍光色に光るニッコウキスゲが浮かんでいたのを思い出します。霧降高原や尾瀬ヶ原のニッコウキスゲの群生を一度見てみたいものです。

  • 六甲高山植物園 ニッコウキスゲ<br />午後4時を回っていますが、まだ萎む気配は微塵もありません。一日花とは思えないほどの生命力です。

    六甲高山植物園 ニッコウキスゲ
    午後4時を回っていますが、まだ萎む気配は微塵もありません。一日花とは思えないほどの生命力です。

  • 六甲山高山植物園 サンショウバラ<br />バラ目バラ科バラ属の落葉小高木。別名、ハコネバラ(箱根薔薇)とも呼ばれます。その理由は、高い木の下になると日照不足で枯れるため、 陽の当たる場所を求めて火山から火山へと移っていくうち、新しい火山である富士山や箱根に生き残ったということだそうで、日本固有の品種となっています。<br />一日花で咲いたその日のうちに散ってしまいます。太い幹や、荒々しい刺が野生感たっぷりです。和名の由来は、葉が「山椒(さんしょう)」に似ていて、花が「薔薇」に似ているから。花言葉は「温かい心」。日差しを好む性質そのままの直球ですね。

    六甲山高山植物園 サンショウバラ
    バラ目バラ科バラ属の落葉小高木。別名、ハコネバラ(箱根薔薇)とも呼ばれます。その理由は、高い木の下になると日照不足で枯れるため、 陽の当たる場所を求めて火山から火山へと移っていくうち、新しい火山である富士山や箱根に生き残ったということだそうで、日本固有の品種となっています。
    一日花で咲いたその日のうちに散ってしまいます。太い幹や、荒々しい刺が野生感たっぷりです。和名の由来は、葉が「山椒(さんしょう)」に似ていて、花が「薔薇」に似ているから。花言葉は「温かい心」。日差しを好む性質そのままの直球ですね。

  • 六甲山 ミソハギ<br />ハギ科の多年生草。すくっと高く伸びた枝に連なる紅紫色の素朴な花。お盆の頃、6弁の小さい花を先端部の葉腋に多数付けます。平地の湿地にも生える花で、旧暦の盆の頃に咲くので盆花とも呼ばれるそうです。植物の世界(朝日新聞社刊)には、精霊棚に水をかけるのに使うため、ショウリョウバナ(精霊花)やミズカケグサの別名もあると記されています。ミソハギ(禊萩)の名の由来は、汚れを払う為の水を注いで悪魔を払う禊に使ったとされ、祭事や盆飾りの供物を清める意味から禊萩(ミソギハギ)となり、それが簡略化されてミソハギになったとする説が有力です。あるいは、田の畦や小川、水路の傍などの湿地に自生する事から溝萩(ミゾハギ)が転じてミソハギになったとする説もあります。<br />物に水をかける風習について、江戸時代の国学者「天野信景」は、昔の医書にミソハギが喉の渇きを止めるのに効くとあるので、亡者の渇きを癒すためにこの草で水をかけるのではないかと述べています。<br />因みに、ミソハギの学名「Lythrum anceps」のギリシャ語「lythrum」は「血」を表しています。花の色が、血のように赤いことからきているそうです。種名の「anceps」は「両頭の、茎に両翼のある」を意味しています。

    六甲山 ミソハギ
    ハギ科の多年生草。すくっと高く伸びた枝に連なる紅紫色の素朴な花。お盆の頃、6弁の小さい花を先端部の葉腋に多数付けます。平地の湿地にも生える花で、旧暦の盆の頃に咲くので盆花とも呼ばれるそうです。植物の世界(朝日新聞社刊)には、精霊棚に水をかけるのに使うため、ショウリョウバナ(精霊花)やミズカケグサの別名もあると記されています。ミソハギ(禊萩)の名の由来は、汚れを払う為の水を注いで悪魔を払う禊に使ったとされ、祭事や盆飾りの供物を清める意味から禊萩(ミソギハギ)となり、それが簡略化されてミソハギになったとする説が有力です。あるいは、田の畦や小川、水路の傍などの湿地に自生する事から溝萩(ミゾハギ)が転じてミソハギになったとする説もあります。
    物に水をかける風習について、江戸時代の国学者「天野信景」は、昔の医書にミソハギが喉の渇きを止めるのに効くとあるので、亡者の渇きを癒すためにこの草で水をかけるのではないかと述べています。
    因みに、ミソハギの学名「Lythrum anceps」のギリシャ語「lythrum」は「血」を表しています。花の色が、血のように赤いことからきているそうです。種名の「anceps」は「両頭の、茎に両翼のある」を意味しています。

  • 六甲山<br />六甲山高山植物園の西入口からオルゴール・ミュージアムへと続く、雰囲気のある木道です。ここにニッコウキスゲが咲き乱れていたら、尾瀬ヶ原そっくりなのでしょうね!?

    六甲山
    六甲山高山植物園の西入口からオルゴール・ミュージアムへと続く、雰囲気のある木道です。ここにニッコウキスゲが咲き乱れていたら、尾瀬ヶ原そっくりなのでしょうね!?

  • 六甲山 ヨシノアザミ<br />オルゴ―ルミュージアム前バス停の藪の中にひっそりと佇んでいました。<br />キク科アザミ属の多年生草。近畿地方から中国地方に分布しています。「ナンブアザミ」の変種。和名は地名でなく、発見者である植物学者 吉野善介氏(岡山県)に因みます。アザミの名の由来には諸説あり、花が美しいが鋭い刺があるので驚く=あざむがアザミになった、あるいは昔はこのトゲのことをアザと呼び、アザのある実なのでアザミとなったとか言われています。<br /><br />ここから摩耶ロープウェー山上駅へ行くには、六甲山上バスで一旦六甲ケーブル山上駅へ戻り、六甲摩耶スカイシャトルバスに乗り換える必要があります。途中の六甲山ホテルで降り、六甲山ホテル前停留所まで歩けば乗り換えられますが、混んでいる場合は座れないので始発の六甲ケーブル山上駅で乗り換えることをお勧めします。但し、午後4時を過ぎると1時間に1本しかなく、17:05が最終のバスになりますので注意してください。(冬場は、16:05が最終です)

    六甲山 ヨシノアザミ
    オルゴ―ルミュージアム前バス停の藪の中にひっそりと佇んでいました。
    キク科アザミ属の多年生草。近畿地方から中国地方に分布しています。「ナンブアザミ」の変種。和名は地名でなく、発見者である植物学者 吉野善介氏(岡山県)に因みます。アザミの名の由来には諸説あり、花が美しいが鋭い刺があるので驚く=あざむがアザミになった、あるいは昔はこのトゲのことをアザと呼び、アザのある実なのでアザミとなったとか言われています。

    ここから摩耶ロープウェー山上駅へ行くには、六甲山上バスで一旦六甲ケーブル山上駅へ戻り、六甲摩耶スカイシャトルバスに乗り換える必要があります。途中の六甲山ホテルで降り、六甲山ホテル前停留所まで歩けば乗り換えられますが、混んでいる場合は座れないので始発の六甲ケーブル山上駅で乗り換えることをお勧めします。但し、午後4時を過ぎると1時間に1本しかなく、17:05が最終のバスになりますので注意してください。(冬場は、16:05が最終です)

  • 六甲ケーブル山上駅 展望台(パノラマ)<br />山上駅は「1000万ドルの夜景」を楽しめる展覧台とも隣接しています。駅を出て右側の階段を上ると展望台に通じています。<br />前回は時間がなくて寄れなかったので、展望台でバスの時間待ちをします。展望台には、クーラーの効いた無人・無料休憩所もあります。しかし、天気はいいのに靄っていて、折角の景色も台無しです。<br /><br />

    六甲ケーブル山上駅 展望台(パノラマ)
    山上駅は「1000万ドルの夜景」を楽しめる展覧台とも隣接しています。駅を出て右側の階段を上ると展望台に通じています。
    前回は時間がなくて寄れなかったので、展望台でバスの時間待ちをします。展望台には、クーラーの効いた無人・無料休憩所もあります。しかし、天気はいいのに靄っていて、折角の景色も台無しです。

  • 六甲ケーブル山上駅 展望台<br />連日灼熱列島の文字が躍っていますが、カラッとした本来の夏空が拝めない日が続いています。この炎暑は太平洋高気圧に高層のチベット高気圧が重なった2階建高気圧によるダブル過熱状態が原因らしいのですが、いつもの夏空とはどこか違います。夏空はもっと澄んでいて蒼い色が目に沁みるのですが、今夏はよどんだ霞に覆われてすっきりしません。積乱雲も霞んだ空に成長し、存在感が薄れています。しかも最近は、日本列島の上空に高気圧の中心は見当たらないのに猛暑が続いています。<br />天気予報では霞についてコメントしませんが、中国大陸からのPM2.5や光化学スモッグ等の影響もあるのでしょうか?元々、小笠原海気団の海上にある太平洋高気圧は空気中の水蒸気量が多く、これによって薄い膜がかかったような状態になり易いそうです。しかし、ここ数日は湿度も30%以下で乾燥していたのですが、霞の方はすっきりしません。地面などに蓄積された熱による陽炎や蒸発した水蒸気が原因なのでしょうか?いずれにしてもカメラマン泣かせの夏になりそうな気配です。<br />

    六甲ケーブル山上駅 展望台
    連日灼熱列島の文字が躍っていますが、カラッとした本来の夏空が拝めない日が続いています。この炎暑は太平洋高気圧に高層のチベット高気圧が重なった2階建高気圧によるダブル過熱状態が原因らしいのですが、いつもの夏空とはどこか違います。夏空はもっと澄んでいて蒼い色が目に沁みるのですが、今夏はよどんだ霞に覆われてすっきりしません。積乱雲も霞んだ空に成長し、存在感が薄れています。しかも最近は、日本列島の上空に高気圧の中心は見当たらないのに猛暑が続いています。
    天気予報では霞についてコメントしませんが、中国大陸からのPM2.5や光化学スモッグ等の影響もあるのでしょうか?元々、小笠原海気団の海上にある太平洋高気圧は空気中の水蒸気量が多く、これによって薄い膜がかかったような状態になり易いそうです。しかし、ここ数日は湿度も30%以下で乾燥していたのですが、霞の方はすっきりしません。地面などに蓄積された熱による陽炎や蒸発した水蒸気が原因なのでしょうか?いずれにしてもカメラマン泣かせの夏になりそうな気配です。

  • 六甲ケーブル山上駅<br />こちらが、六甲摩耶スカイシャトルバスです。<br />六甲山上バス停の先から出発します。尚、時刻表は山上駅構内にあります。

    六甲ケーブル山上駅
    こちらが、六甲摩耶スカイシャトルバスです。
    六甲山上バス停の先から出発します。尚、時刻表は山上駅構内にあります。

  • 摩耶山 掬星台 灘百選の碑<br />六甲山系の摩耶山「掬星台」からは、眼下に広がる神戸の街のみならず大阪平野や関西国際空港、西は明石方面まで一望できます。六甲山系ではもちろん、関西でも屈指の美しいパノラマビューが売り物です。 <br />

    摩耶山 掬星台 灘百選の碑
    六甲山系の摩耶山「掬星台」からは、眼下に広がる神戸の街のみならず大阪平野や関西国際空港、西は明石方面まで一望できます。六甲山系ではもちろん、関西でも屈指の美しいパノラマビューが売り物です。

  • 摩耶山 掬星台<br />今まで気にも留めていなかったのですが、国立公園「摩耶山」という碑が建っていました。昭和31年(1956年)5月1日と記されています。<br />調べてみると、摩耶山だけでなく、六甲山地区全体がこの年に瀬戸内海国立公園に編入されていました。身近な山なのですが、新たな発見でした。

    摩耶山 掬星台
    今まで気にも留めていなかったのですが、国立公園「摩耶山」という碑が建っていました。昭和31年(1956年)5月1日と記されています。
    調べてみると、摩耶山だけでなく、六甲山地区全体がこの年に瀬戸内海国立公園に編入されていました。身近な山なのですが、新たな発見でした。

  • 摩耶山 掬星台 パノラマ・ビュー<br />夕景〜夜景は過去の旅行記を参照ください。<br />http://4travel.jp/traveler/montsaintmichel/album/10664959/

    摩耶山 掬星台 パノラマ・ビュー
    夕景〜夜景は過去の旅行記を参照ください。
    http://4travel.jp/traveler/montsaintmichel/album/10664959/

  • 摩耶山 掬星台<br />港町神戸のランドマークであるポートタワー方面のズームアップ。

    摩耶山 掬星台
    港町神戸のランドマークであるポートタワー方面のズームアップ。

  • 摩耶山 掬星台<br />フランスパンのような形をした石のベンチです。

    摩耶山 掬星台
    フランスパンのような形をした石のベンチです。

  • 摩耶山 掬星台<br />朽ちた切り株の上には、小さな木像が置かれていました。この切り株と何か係わりがあるのかは不明ですが、これ以外にも奇妙奇天烈な像があちこちに配されています。宇宙空間との交信の場にでもなっているのでしょうか?日本三大夜景に数えられ、夜も賑わう場所ですので、場違いのような気がします。誰かが勝手に置いていくのでしょうか?

    摩耶山 掬星台
    朽ちた切り株の上には、小さな木像が置かれていました。この切り株と何か係わりがあるのかは不明ですが、これ以外にも奇妙奇天烈な像があちこちに配されています。宇宙空間との交信の場にでもなっているのでしょうか?日本三大夜景に数えられ、夜も賑わう場所ですので、場違いのような気がします。誰かが勝手に置いていくのでしょうか?

  • 摩耶山 掬星台<br />「星の駅」へ向かう神戸市都市整備公社のロープウェーです。写真の苔色のものは「ひこぼし」、海老茶色のものは「おりひめ」と命名されています。天空で「ひこぼし」と「おりひめ」がランデヴーする光景は微笑ましいものです。<br />但し、展望台からは、両者がすれ違う姿は見られません。

    摩耶山 掬星台
    「星の駅」へ向かう神戸市都市整備公社のロープウェーです。写真の苔色のものは「ひこぼし」、海老茶色のものは「おりひめ」と命名されています。天空で「ひこぼし」と「おりひめ」がランデヴーする光景は微笑ましいものです。
    但し、展望台からは、両者がすれ違う姿は見られません。

  • 摩耶ロープウェー 星の駅<br />霞んでいるので夜景撮影は諦め、早々に下界へ降りることにします。<br />ミミズクの木彫りがお見送りです。

    摩耶ロープウェー 星の駅
    霞んでいるので夜景撮影は諦め、早々に下界へ降りることにします。
    ミミズクの木彫りがお見送りです。

  • 摩耶ロープウェー 星の駅<br />ロープウェー乗り場からポートアイランド方面を俯瞰した風景です。

    摩耶ロープウェー 星の駅
    ロープウェー乗り場からポートアイランド方面を俯瞰した風景です。

  • 摩耶ケーブル 虹の駅<br />ここでケーブルカーに乗り換えます。<br />まだ明るかったのですが、小路では星を象ったライトアップが始まっていました。

    摩耶ケーブル 虹の駅
    ここでケーブルカーに乗り換えます。
    まだ明るかったのですが、小路では星を象ったライトアップが始まっていました。

  • 摩耶ケーブル 虹の駅<br />ケーブルカーです。写真の苔色のものは「にじあじさい(2号車)」、海老茶色のものは「ゆめあじさい(1号車)」と命名されています。<br />詳細は過去の旅行記を参照ください。<br />http://4travel.jp/traveler/montsaintmichel/pict/25226410/

    摩耶ケーブル 虹の駅
    ケーブルカーです。写真の苔色のものは「にじあじさい(2号車)」、海老茶色のものは「ゆめあじさい(1号車)」と命名されています。
    詳細は過去の旅行記を参照ください。
    http://4travel.jp/traveler/montsaintmichel/pict/25226410/

  • 摩耶ケーブル 虹の駅<br />ケーブルカーからの景色です。<br /><br />

    摩耶ケーブル 虹の駅
    ケーブルカーからの景色です。

  • 摩耶ケーブル<br />こうしてトンネルを潜ると、山の中にいることを再認識させられます。

    摩耶ケーブル
    こうしてトンネルを潜ると、山の中にいることを再認識させられます。

  • 摩耶ケーブル下駅<br />ここから神戸市市バスで三宮へ向かいます。<br />摩耶ケーブル下駅に留まるバス(18系統)の本数は限られていますので、下の観音寺バス停(2系統)まで降りることにします。10分弱ですが、下り坂なのでラクチンです。このような緑の街路樹で覆われたトンネルを下っていきます。

    摩耶ケーブル下駅
    ここから神戸市市バスで三宮へ向かいます。
    摩耶ケーブル下駅に留まるバス(18系統)の本数は限られていますので、下の観音寺バス停(2系統)まで降りることにします。10分弱ですが、下り坂なのでラクチンです。このような緑の街路樹で覆われたトンネルを下っていきます。

  • 桜坂「桜トンネル南」<br />下りきった所から坂の上を見上げた光景です。道路標識には「桜トンネル南」とお洒落なネーミングがなされています。桜の季節だけは人口密度が急上昇する、隠れた桜の名所だそうです。車両は、下りの一方通行ですのでご注意を!<br />桜の時期の写真は、こちらを参照ください。No.6 桜坂です。<br />http://www.city.kobe.lg.jp/ward/kuyakusho/nada/miryoku/nadapdf/img/nadadana30.2_3.pdf<br /><br />最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。恥も外聞もなく、備忘録も兼ねて徒然に旅行記を認めてしまいました。当方の経験や情報が皆さんの旅行の参考になれば幸甚です。どこか見知らぬ旅先で、見知らぬ貴方とすれ違えることに心ときめかせております。 <br /><br />

    桜坂「桜トンネル南」
    下りきった所から坂の上を見上げた光景です。道路標識には「桜トンネル南」とお洒落なネーミングがなされています。桜の季節だけは人口密度が急上昇する、隠れた桜の名所だそうです。車両は、下りの一方通行ですのでご注意を!
    桜の時期の写真は、こちらを参照ください。No.6 桜坂です。
    http://www.city.kobe.lg.jp/ward/kuyakusho/nada/miryoku/nadapdf/img/nadadana30.2_3.pdf

    最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。恥も外聞もなく、備忘録も兼ねて徒然に旅行記を認めてしまいました。当方の経験や情報が皆さんの旅行の参考になれば幸甚です。どこか見知らぬ旅先で、見知らぬ貴方とすれ違えることに心ときめかせております。

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