松本市内の建築　１　市民芸術館・旧松本高等学校

2013/07/10 - 2013/07/10

松本市を訪れたのは初めてでした。今まで、白馬への乗り換えで、通過しただけだったので、松本市内を歩いて、時々街の方とお話をしてみて、「松本は良いところだな」と感じました。
駅前から松本周遊バスが４本出ていますが、午後４時を過ぎていたので、行きたいところから歩いて行くことにしました。
まず、あがたの森通りを進んで、伊東豊雄氏設計の市民芸術館（表紙は市民芸術館３階の屋上庭園です）、更に進んで行くと、あがたの森公園があり、そこに旧松本高等学校があります。
この日は酷暑で、３５度の炎天下、日陰を選んで歩きました。松本城方向へ歩いていると、女鳥羽川沿いに建つ旧市役所跡地に出来た市営住宅・上土団地が目に止まり、近くを歩いている人に訊ねると、「監獄みたいでしょ、市営住宅ですよ」と教えてくれました。さっき見て来た市民芸術館も古くなった公民館を取り壊して完成したのですが、その時も市民からかなりの反対があったそうです。当時の市長の判断で、市民芸術館は竣工しましたが、サイトウ・キネン・フェスティバル松本がここで開催されたり、国内外の有名な音楽家達がやってくるので、今考えると、成功したのではないかと思いました。
縄手通り、ナワテ横丁や中町通りなど面白い通りがあり、四柱神社でお参りして、いよいよ松本城へ。５時を過ぎていたので、入れませんでしたが、美しい姿でした。更に、城の裏手には、さっき街中で子供達が御神輿を担いで歩いて
いた松尾神社があります。その先に旧開智学校。その傍には、移築された旧司祭館がありました。
やはり街の散策は自転車より歩くのが一番です。

エリア 松本(長野)

• 旅行の満足度: 5.0

あがたの森通りにある市民芸術館。伊東豊雄氏設計で、2004年８月に開館しました。
日本では珍しい４層のバルコニー関を備えた馬蹄形の主ホールは、田の字型の巨大な４面舞台を備え、日本の古典芸能から音楽、演劇など幅広い演奏活動に対応しているそうです。

地上７階地下２階で１８００席の主ホール、２４０席の小ホール、４００席の実験劇場などがあります。総工費１４５億。

この壁面に開けられた無数の穴が内部ではスポットライトとなり、木漏れ日のような光を演出しています。

建物脇の水路が酷暑の中、少しばかりの涼しさが感じられます。

エントリー部分は円形になっています。

通りから見た正面玄関です。

内部から見たエントリー部分

入り口から２階のホールへの階段、脇のエスカレーター。先程、外観で見た無数の穴が内部ではこんな風に見えています。

２階のホール部分です。今夕、演劇が開催されるそうで、ホール内部は入れません。

ホールの椅子もかなりユニークな形をしています。ベンチ周りに上部からのスポットライトが当たっているように見えますが、実はカーペットに付けられた色のグラデーションだそうです。

２階から裏手を見たところです。

２階のホール部分。小ホール部分でしょうか？

　２階のレストラン方向は、逆光のためかなり暗く映っていますが、実際は明るいです。

３階の屋上庭園に上がると、カザルスの胸像がありました。

芝生を歩いてみましたが、ふかふかしていて今日の酷暑も然程感じませんでした。屋上庭園は費用も掛りますが、コンクリートビルの夜間放射熱を考えると、街の気温は違って来ると思います。維持管理も費用が掛りますが、これからこういう建物が増えて行くと良いですね。

建物の側面

あがたの森通りにあった内科医院ですが、モダニズム建築らしい外壁です。

やっとあがたの森公園に辿り着きました。暑かったので、自販機で買ったお茶を１本飲んでしまいました。
旧松本高等学校講堂です。５時で閉館のため、内部は見られませんでしたが、外からじっくり観察してきました。

講堂の入り口上部

講堂の左手側面

入り口から左手側面

講堂の右手側面

講堂正面玄関

講堂正面玄関

講堂裏手側

旧松本高等学校本館中庭へ
1919年（大正８）4月に設立された官立旧制高校で、改正高等学校令に基づき、９番目の旧制高校でした。1949年5月に信州大学発足に伴い、包括されました。

復元された門柱
大正8年の開校以来、出入り口の門は５箇所ありましたが、戦後の学制改革に因って、正門を除いて、解体撤去され、講堂北側に放置されたままでした。
校舎保存整備委員会が復元を強く求め、中庭の出入り口に復元されたものだそうです。

中庭と取り囲む校舎です。

旧松本高等学校跡地に造られた「あがたの森公園」は広さが61000?あります。