2012/12/16 - 2012/12/16
42位(同エリア405件中)
DANAさん
町田市鶴川の丘陵地帯に、昭和15年から移り住んだ白洲次郎・正子ご夫妻。
二人とも、超の付くお金持ちの御家柄だった。思春期をオックスフォード大学、アメリカハートリッジ高校で過ごし、昭和の大恐慌で帰国。そして出会った。
次郎さんは、岡山の九鬼家家老・儒学者の御家柄。正子さんは樺山伯爵家ご令嬢。
数年前にNHKで放映された「白洲次郎」。日本にもこんなカッコイイおっちゃんがいたのかと思った。ついでにこんなお転婆なお姫様がいたのかとあきれた。
二人が終生を過ごした武相荘。我が家からは小田急線で2駅。いつかは伺わねばと思っていた。
何故、移住したのが昭和15年だったのか。大金持ちの家で成長し、恐慌のために家が没落して帰国した二人は、お互いに一目惚れして結婚。宵越しの金は持たない人たちだったらしいけど、戦局が戦争に傾いた時に考えたそうな。オックスフォード大学で生涯の親友となったストラットフォード18世・ロビン。カントリー・ジェントルマンの基本を彼から学んだのか。とにかく、正子の乳母に縁のある鶴川村で物件を探したらしい。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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小田急線鶴川駅。
駅舎を出たら東口へ向かう。 -
焼肉屋のある十字路を左に曲がって、ひたすら道沿いに歩いて行くと、鶴川団地行き平和台入口というバス停に。
そこに、やっと案内板。無愛想やな〜。 -
この交差点からさらに上に行くのだが…。
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派手なユニクロ店舗の角を左に曲がるとやっと武相荘入口に。
武(武州)相(相州)の狭間にある鶴川村だから、武相荘という名前にしたとか。ついでに、人に媚びない二人だから無愛想…というシャレも含めて名前を付けたとか。 -
道に迷いながらも、なんとか到着。午後の日差しがさしこんでいる。
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鉄製の門に、愛想のかけらもなく「武相荘」。
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九鬼藩家老・儒学者の家系に生まれた白洲次郎さん。
NHKのドラマで一番印象に残っているのは、彼の母が熱心なキリスト教信者で、昭和初期の(多分)プロテスタント神戸教会の礼拝シーン。
「イエスはん あてを好いたはる イエスはん強い方やから
あて弱くても 怖いことあらへん あてのイエスはん あてのイエスはん
あてを好いたはる」 主我を愛す、主は強ければ…と子ども讃美歌やね。
いいなー。嬉しかったな。
でもって、この次郎さんは大金持ちのおぼっちゃまで、昭和初期にオックスフォードに留学。悪さばかりのアカンたれで、島流しも兼ねていたとか? -
お金に任せて車道楽。オイリーボーイと呼ばれたと。
そこで仲良くなったストラットフォード伯爵家のロバートぼっちゃま。終生の親友となる。
君子の交わりは水の如し。ベタベタしないが道義と義理を貫く。
この車、凄すぎる? なんで昭和15年代に武州鶴川村の百姓家に駐車していたわけ? -
車は家の手前に駐車され、母屋に向かう門。
多分、購入してから30年間手を入れ続けたからこその門構え。
買いとった時のいきさつは、是非白洲正子自伝をお読みください。
なかなか良い文章です。小気味がいい。作者のお転婆と教養の両方を堪能できます。 -
この、「しんぶんいれ」と書いてある字。
白洲次郎さんは、第二次世界大戦中、本当に農業を堪能したようだ。
それを面白がる妻も凄い。 -
極力手を加えないようにしたのか?
茅葺の屋根が懐かしい。 -
庭先に冬のお使い。
赤い実の可憐さ。 -
ガラスは、多分買いとってから徐々に入れ替えていったのでしょう。
二人が購入した時は、雨洩りとか木の痛みがひどかったらしい。
ただ、梁や柱は年を経てもしっかりとしていたとか。 -
手を加え過ぎない方が素敵だけど、だんだん洋風になっていくのは持ち主の好みと合っているのかも。
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母屋。この奥に、晩年まで白洲正子さんが執筆いていた6畳間がある。執筆のためにこの6畳間に入る時、常に緊張と怖れを抱きつつ入ったとも。
残念なことに、屋内は全て撮影禁止。フラッシュをたかなければ撮影OKの欧州系美術館を想うと、世界市民の感覚も持ち合わせていた二人はどうだったの?と問いたい気分。売店で「白洲正子収蔵品の写し」という廉価なコピーが売っていたけど、それこそは撮影&コピー禁止じゃないの? -
母屋の先に「鈴鹿峠」。
とにかく凝り性な夫婦。二人の間に生まれたお子様方は、乳母や育ちかもしれないが、コンプレックスは無かったのかな…。
ただ礼讃て言うのは不思議(あくまでも庶民のDANAです。お聴き逃しのほどを)… -
母屋全景。
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冬が来てしまいましたね。
多摩丘陵の冬は、結構寒いのです。
もう少し訪問が早かったら、晩秋の紅葉を拝見できましたね。 -
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母屋の入口、いい感じです。
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納戸の一階には、バーベキューコンロ、農機具、かんじき、かき氷器、等など。この人たちの生活は、若くして欧米の文明に触れて日本に戻り、日本文化と、敗戦で焼失したプリンシプルをこの家で融合させていたのですかね。すごいな。
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お手洗いの内部。
ステンドグラス風の小窓。
いたるところに正子さんの文章が掲げてあるけど、やりすぎるとクサイね。 -
お手洗いの天井ですら、この凝り方。
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武相荘は、鶴川街道沿いユニクロの角を左に入った坂道の上。
案内板は無愛想ですが、こんな袢纏をまとったおじさんがにこやかに案内してくれます。自家用車では来れません。
是非、鶴川駅から徒歩で。その昔、青山二郎や小林秀雄と夜通し飲んで胃潰瘍を患いながらも始発の電車で鶴川に降り立ち、山道を武相荘まで歩いて帰ったその道を。 -
今は、すっかり塗装されて、見渡す限り真似真似洋風住宅が林立していますがね。
武相荘、春にも伺いたく。
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この旅行記へのコメント (2)
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- pedaruさん 2013/01/14 06:33:14
- 地味ながら味わい深く・・・
- DANAさん お早うございます。
解説の面白さで読後が充実感を持てました。ご夫婦揃って名声を得るというのは少ないケースですね。与謝野鉄幹、晶子などのように・・・
いたるところに正子さんの文章が掲げられているけど、クサイ・・・まさにその通り、やや足りないくらいが日本人の美意識に叶う・・・
今年もよろしくお願いします。
pedaru
- DANAさん からの返信 2013/01/14 14:44:17
- RE: 地味ながら味わい深く・・・
- pedaru様
ご投票ありがとうございました。そして、大変ご無沙汰いたしました。
武相荘、ずっと気になっていたのに、やっと行けました。
主人公のお二人はとても趣味が良かった?みたいなのに、やりすぎると野暮になる…。でも楽しめました。
今年もよろしくお願いいたします。大雪の中、下の娘は成人式。
DANA
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