1）．旅の始めに<br /><br />　　　　　　　　　　天を衝く　畸形を照らす　良夜かな<br /><br />　　「香港」は、上海、シンガポールと並び、中華料理の覇を競う街と言われている。1940年代の中国の騒乱期に、中華料理界の人材の多くが、英国領であった香港へ、逃避している。最近、「フランス料理」の新しい風である、「ヌーベル・キュイジーヌ」が、欧米で、持て囃されているようだ。生き馬の目を抜くが如き「香港」の中華料理界にも、その影響が見られるという話を耳にするや、最先端の「中華ヌーベル・キュイジーヌ」を味わおうと、香港への、食の旅の計画を、早急に企てたのである。<br /><br /><br /><br />２）．『Yan Toh Heen』での中華料理（九龍）<br />　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<br />　　香港に到着したこの日の夕食は、宿泊先から近い九龍にある「コンチネンタルホテル」内のレストラン『Yan Toh Heen』を、宿泊先のホテルから予約を、してもらていた。この店に入るや、「九龍」から「香港島」の夜景を眺めることのできる、ハーバービューの席へ案内された。<br />　　席に着くや、隣の席で食べている「北京ダック」を見て、僕も、早々に、「北京ダック」を、注文した。こんがり焼いたダックの皮に、葱を載せ、甘い味噌を付けて、それをクレープで巻いたものを、４枚ほど食べた。続いて出された「清蒸星班」（蒸しハタ）も、絶品であった。ボイルした蝦の殻をむき、聊か甘みのある醤を着けて食べる「白灼蝦」は、口に入れるや、舌でそのぷりぷり感を楽しみ、時に、甘口の「紹興酒」で、口を清めながら、中華料理の組み合わせの面白さを楽しんだ。「フカヒレの蟹肉入りスープ」は、口に入れるも、そのまま飲み込んで良いものかと、一瞬戸惑いながら、ゆっくりと、胃に収め、その微妙な味を、堪能していた。そして、「ポメロマンゴ」のデザートで、余韻に浸りながら、食事を終えた。<br /><br /><br />３）．『龍景軒』での中華料理（「香港島）<br /><br />　　翌日の夕食は、香港島の「フォーシーズンホテル」にある『龍景軒』に出かけた。店に入るや、香港島から九龍を見渡せるハーバービューの、窓際の席に、案内された。この季節は、何と言っても、蒸した「上海蟹」（大閘蟹）である。朝上げの蒸した上海蟹の甲羅を剥がし、それを器に、蟹肉と蟹味噌を絡ませて、濃厚な味を楽しんだのである。<br />　　この日の料理は、蒸した上海蟹の他には、フォアグラをたっぷりと入れた濃厚な炒め料理、料理長自慢の「ローストチキン」、茸に中国野菜を合わせて、サーッと炒めた野菜料理が続き、最後のデザートは、「香芒楊枝甘露」に、甘味菓子が添えられていた。<br />　　目の前の、「九龍」の素晴らしい夜景を眺めながら、中華ヌーベル・キュイジーヌを味わう至福の時を、この夜も大いに楽しんだのである。（完）<br /><br />

【香港】　香港　＊　中華ヌーベル・キュイジーヌを味わう　旅する

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2012/10/27 - 2012/10/29

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彷徨人MUさん

1）．旅の始めに

　　　　　　　　　　天を衝く　畸形を照らす　良夜かな

　　「香港」は、上海、シンガポールと並び、中華料理の覇を競う街と言われている。1940年代の中国の騒乱期に、中華料理界の人材の多くが、英国領であった香港へ、逃避している。最近、「フランス料理」の新しい風である、「ヌーベル・キュイジーヌ」が、欧米で、持て囃されているようだ。生き馬の目を抜くが如き「香港」の中華料理界にも、その影響が見られるという話を耳にするや、最先端の「中華ヌーベル・キュイジーヌ」を味わおうと、香港への、食の旅の計画を、早急に企てたのである。

２）．『Yan Toh Heen』での中華料理（九龍）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　香港に到着したこの日の夕食は、宿泊先から近い九龍にある「コンチネンタルホテル」内のレストラン『Yan Toh Heen』を、宿泊先のホテルから予約を、してもらていた。この店に入るや、「九龍」から「香港島」の夜景を眺めることのできる、ハーバービューの席へ案内された。
　　席に着くや、隣の席で食べている「北京ダック」を見て、僕も、早々に、「北京ダック」を、注文した。こんがり焼いたダックの皮に、葱を載せ、甘い味噌を付けて、それをクレープで巻いたものを、４枚ほど食べた。続いて出された「清蒸星班」（蒸しハタ）も、絶品であった。ボイルした蝦の殻をむき、聊か甘みのある醤を着けて食べる「白灼蝦」は、口に入れるや、舌でそのぷりぷり感を楽しみ、時に、甘口の「紹興酒」で、口を清めながら、中華料理の組み合わせの面白さを楽しんだ。「フカヒレの蟹肉入りスープ」は、口に入れるも、そのまま飲み込んで良いものかと、一瞬戸惑いながら、ゆっくりと、胃に収め、その微妙な味を、堪能していた。そして、「ポメロマンゴ」のデザートで、余韻に浸りながら、食事を終えた。

３）．『龍景軒』での中華料理（「香港島）

　　翌日の夕食は、香港島の「フォーシーズンホテル」にある『龍景軒』に出かけた。店に入るや、香港島から九龍を見渡せるハーバービューの、窓際の席に、案内された。この季節は、何と言っても、蒸した「上海蟹」（大閘蟹）である。朝上げの蒸した上海蟹の甲羅を剥がし、それを器に、蟹肉と蟹味噌を絡ませて、濃厚な味を楽しんだのである。
　　この日の料理は、蒸した上海蟹の他には、フォアグラをたっぷりと入れた濃厚な炒め料理、料理長自慢の「ローストチキン」、茸に中国野菜を合わせて、サーッと炒めた野菜料理が続き、最後のデザートは、「香芒楊枝甘露」に、甘味菓子が添えられていた。
　　目の前の、「九龍」の素晴らしい夜景を眺めながら、中華ヌーベル・キュイジーヌを味わう至福の時を、この夜も大いに楽しんだのである。（完）