2012/09/01 - 2012/09/14
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デブと某医さん
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吾輩も猫である。明治の文豪夏目某とは縁もゆかりもない。主人、吾輩を見ては「シマジロー、オマエはいいなぁ。なんの悩みもなく寝てばっかり」と…。が、昨年末リタイアすると主人も自由を謳歌、毎日ぐうたらしている。尤も自由を得た代償にフトコロ具合はかなり不自由のようだが…。
さて、吾輩は生後間もなく主人の愚息に拾われつくば(茨城)でマンションライフを始めた。その後、愚息夫婦に赤ん坊が生まれ、主人の家(高槻市)に養猫に出されて間もなく3年になる。一方、愚息は昨夏、三十代半ばでにわかに職を辞し無収入の医学生(3年次編入)に転身、吾輩を驚かせた。
その転身で「吾輩の運命や如何に?」と案じたが、主人の家での暮しが続くことになった。この機に、おそらくは「終の棲家」となる此処高槻の街歩きをしてみたので、「旅猫」と言うより「住猫」の目でわが街を書いておく。猫の目でクルクル点描するのでテキトーに端折ってご覧頂きたい。
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【JR高槻駅周辺】
高槻市は人口36万人の中核市。保健所、パスポートセンターを独自に有するが、市財政には高くつくだけだろう。「捨て猫はどうしているか?」と? 知りたくない!
以前、主人の愛犬が亡くなった時、市役所に「ゴミと一緒に出して下さい」と言われ憤然とした由。民間の霊園で埋葬したらしいが、吾輩が虹をわたるときは…知りたくない!
JR駅は市の中心部を東西に走る東海道線にある。主人が来た三十数年前は木造平屋…の駅舎だったそうだが、周辺の再開発とともにすっかり別の街に生まれ変わった。 -
デパートやマンションが並ぶ駅北。かつては「郊外の一戸建」がサラリーマン人生のアガリ!と言われたが、今や中心部の高層マンションがアガリ!に変わりつつある。
駅前の高層マンションは「傘も要らない」JR直結。「息子に…」と思って見学会に行った主人、3LDKで6〜7千万円!にビックリしていた。 -
JR駅に連なる道。写真ではこの奥!の駅前ロータリーのあたりで、西国街道を往来する信長、秀吉など戦国武将が休息をとったとの言い伝えがある。
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京都から大阪を結ぶ西国街道のちょうど真ん中、芥川宿。格子戸はじめなかなか風情のある通りである。猫? よく見かけるに決まってる!こういう旧い佇まいには猫が似合う。
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東西をつなぐ狭い西国街道が、駅に向う南北の大通りと交わるところ。
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その狭い西国街道もこのあたり数百メートルだけ広くなる。デパート、マンション、某大学の附属小中高、大病院などが連なるゆえ…。
なお、この道の左(北)にある某花屋さん。ここの猫草!は絶妙に美味で、秋〜冬にかけて、主人がよく買ってきてくれるのが嬉しい。 -
駅から少し北には「天神さん(上宮天満宮)」。毎年2月25〜26日は駅前〜天神さん一帯が歩行者天国となる。露店がぎっしり並び、老若男女で身動きできないほど賑わう。
十数年前、宮司さんがヘソを曲げ?祭りが廃れたが、今は往時の盛上がりが甦った。なお信心深い主人は息子の受験の度にしっかりお詣りしたゆえ一度もスベらなかった由。 -
この階段を上るとお宮さんがあるが、息子の受験が終わってから主人は殆ど行かなくなったようだ。この急な階段がキツイ!らしい…。
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天神さんのちょうど裏にある小高い丘陵は天神山古墳。一帯に「古墳群」があり、紀元前100年頃、弥生人のムラがあったとされ、6世紀になると昼神車塚古墳なども造られた。
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平安時代の三十六歌仙の一人伊勢姫(877〜939年)が隠棲した地とされる。
「難波潟 みじかき芦の ふしの間も 逢はでこの世をすぐしてよとや」 -
高槻と言えばキリシタン大名高山右近が有名だが、この伊勢寺、右近に焼き払われた歴史もある。が、市教委の「インターネット歴史館」にその記述はない。
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駅前商店街を北西方向に少し歩くとJT生命誌研究館がある。初代館長は岡田節人、2代目(現)は中村桂子。分子生物学では超!大物で、日本の最先端の研究に取り組む。主人の息子も一時この分野に進み、主人も若干の色眼鏡?でこの施設を見ていた。
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JR東海道線から京都に向かうと左手に見える。工事中の橋脚は新名神高速道のもので、いつの間にかグ〜ッ!と工事が進んでいた。山並の向こう(京都側)は「山崎の合戦」の舞台となった天王山、大山崎につづく。
ここの山肌から地下には「タチソ」の暗号名で呼ばれた高槻地下倉庫跡がある。先の大戦で、戦況によっては大本営をここに移そうとしていたと伝えられる。 -
継体天皇陵は何処か…。論争のあるところだが、市教委はこの今城塚古墳こそ「大王の陵」であるとする。6世紀築造の典型的な前方後円墳、学術的に間違いなさそうだ。
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こんな埴輪(レプリカ)の野外展示もある。猫の埴輪がなぜにゃいのか!?
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わが町内。昭和40年代半ばに低い丘陵地が開発されて生まれた街。駅から北へ4〜5km、主人が現職の頃は、金曜日の仕事帰りはウォーキングで帰ったらしい。何を考えながら歩いていたのか…。おそらくは仕事でヒートした頭を鎮めていたのだろう。
入居第一世代は殆どリタイアしている。かつて盆暮にはみんな郷里に帰りひっそりしていたのに、今や盆暮になると他府県ナンバーの路駐が増え子どもの声が目立つ。
小さなお店が各種入った公設市場風の「銀座デパート」、小さくても元気のいい商店街、ゆったり寛げた喫茶店、不味いけど安かった食堂、気安く相談に乗ってくれた薬局、記念写真も撮れたDP屋…み〜んな、なくなった。なくならないのはわが猫族かなぁ…。 -
前記写真を撮った小高い住宅地を逆にわが町内から見る。かつてハイカーによる山火事も起きていた山が、バブル最盛期にわかに住宅地に変貌した。数年前わが家にステイしたシアトルの青年は、この住宅地を「グレイト! ビバリーヒルズだ!」と評していた。
なお開発で山を追われた野鳥がわが町内に一斉に避難し大変な憤慨、否!糞害を起こした。まぁ鳥たちの罪ではない。一方、張本人!は頬被りだった。人間てヤツは…。 -
その小高い山を切り開いた住宅地に6〜7世紀に造られた約50の小さな古墳群(帯仕山古墳群)がある。たとえばこの階段を上ると…↓
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石棺があったとみられる所に出る。両隣はじめ一帯にごくごく普通の住宅が建ち並ぶ。 猫? そりゃ猫には絶好の隠れ家だわにゃあ!
近辺に残る古い地名「服部」「宮之河原」「大蔵司」には、渡来人が住んでいたと言われ、ささやかながらそれなりの古代文化圏であったのだろう。 猫? さぁ…。 -
帯仕山古墳の裏(西)には戦国武将三好長慶の築いた芥川城跡がある。主人の散歩コースの一つでもあり行きたいのだが、スズメバチがいて近づけない(泣)。「一日一組(数名)」しか泊めない「幻の宿」or「隠れ家」と言われる宿もすぐ近くにあるが、一度も…。
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高槻と亀岡の境界は町内から10km余り北だが、写真のあたりが市街化区域の最北端。山を「切り通し」た道で、主人が来た三十数年前は岩肌が露出していた由。
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↑切通しから1km余北へ行くと、ここでも「新名神」の建設工事が進められている。既に山はかなり削られている。便利になればそれでいいのか…。
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このあたりは市街化調整区域。「村の鎮守」の八阪神社は清和天皇時代(850〜881年)に建てられた由緒ある神社。ほぼ源流に近い芥川が流れ、日陰に入ると真夏でも涼しい。
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境内の入り口横にあるこの石櫓は、底に水抜きがあるため「風呂桶」だったとの説がユニークだ。吾輩が一風呂浴びるにはちょうど良さそう…だが、やめておく。
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付近の畑、民家の庭先にしばしば見かける向日葵。
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亀岡市に向かう山道を東に折れると「せせらぎの里」に出る。地元のハーブ、キノコなど無農薬野菜を盛り土窯で焼くピザのお店があり、野菜とスープのセットはすこぶる美味。
手作り!の家屋には、陶器工房もある。寧ろ工房のためにご主人がこの地に越して来られ、奥さまも「私も何か…」と始めたピザの店の由。ただし吾輩のクチには合わにゃい! -
この工房を出てしばらく散策すると、京都と大阪の境界「出灰(いずりは)という地区に出る。不動明王さんが祀られているとの看板を見て、細君が「行こう」と…。主人と吾輩は若干!気が進まないながら、止む無く細君を追い林の小路に入る。
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小さな、しかし立派な不動明王さんであった。お詣りしていると近くで滝に打たれていたという修験者数名に出会った。 で、細君またもや「行こう」と…。
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滑って転びそうになりながら数分歩くと、滝に出た。大きな滝ではない。しかし雰囲気のある、「気」を感じさせる滝ではあった。主人には、何かと心の揺れる日々、暑さを忘れゆったり「気」を頂くひとときであったにちがいない。
帰路、黄昏の中、総てを流し去る烈しい夕立を突っ切り車が走る。さすがの吾輩も、若干、極めて、滅茶苦茶、死ぬほど…恐怖であった。 -
神峯山寺に向かう入口となる市バス停「神峯山口」。円型の木製で、なかなか面白い。
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神峯山寺、本山寺、ポンポン山への標識。神峯山寺へ0.8km、本山寺へ4.1km、ポンポン山へ7.6km。かなりの急坂だが、関西圏では結構!人気のある軽登山道だ。主人は若い頃、子ども会の世話役で一度登ったらしく、そのトシ!で再チャレンジ? あり得ない!
ポンポン山への登山(ハイキング)道は綺麗に整備されていて、本山寺の近くまでは車も通れる。歩きながらあたりの景色も愉しめ、途中に広場もある。主人「なぜもっと息子とここに行かなかったのだろう」と悔いていたが、当時は忙しく余裕がなかったのであろう。 -
地産野菜は殆どが無人販売で一山「百均」。細君が訊ねると、「最初に始めた時は、お金なんか入るだろうか?と思ったが、ちゃんと入っていて嬉しかった」と。朝採れの美味しい野菜で、オマケまで頂いた細君は、ニコニコ…。
地産の「どぶろく」もあったが、下戸の主人には評しようがあるまい。かわりに吾輩が飲みたいが、夏目某の猫のように、酔っ払って最期を迎えてはならぬので…控えた。 -
神峯山寺は、毘沙門天を本尊に8世紀半ばに創建。新西国霊場十四番札所でもある。
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奥に安置されている阿弥陀如来像は国の重要文化財に指定されている。
ここの墓地には主人が尊敬し慕った先輩も眠っている。46歳の働き盛りに虹をわたった先輩の墓前に、主人、いつまでも頭を垂れ手を合わせていた。 -
神峯山寺から本山寺までは3.3km。かなりの急坂で…へばる。道の両側に土が剥きだしになっているところでは、しばしば化石が発見される。
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「七丁」標識。この標識を見ると、間もなく本山寺下の階段が近い。が、そこからポンポン山までは更に3.5km、しかもかなり険しい。
体力は、三十代と還暦過ぎた現在では天地の開き! 主人、遂にここでギブ・アップ。山に向かい深々と一礼し下山を始めた。主人にすれば「これぞ退き際の美学」であろう。 -
…と言うことで、わが街(高槻市北部)の点描を終える。他にも摂津峡、森林観光センターなど興味深いところがあるが、それはまた別の機会に譲りたい。吾輩としては、「猫の目」で見たわが街というものを少しなりとご理解下されば望外の幸せである。
ではではもうひと眠り…。
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この旅行記へのコメント (6)
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- さんぽさん 2013/02/26 19:30:30
- 近所なんでしょうね、吾輩も北清水公民館の北東の住民です。
- デブと某医さん、初めまして。
毎日、見慣れている光景うれしく思います。
もっと、高槻の良さを配信していきたいと、非力ながら思っています。
さんぽ
- デブと某医さん からの返信 2013/02/27 15:20:56
- RE: 近所なんでしょうね
- 初めまして。
ご訪問&投票、ありがとうございました。
> 毎日、見慣れている光景うれしく思います。
こんなお近くに4traの方がいらっしゃるとは…。
70年代半ばから此処(Mが丘3)で三十数年を過ごしています。
そんなに愛着がある街でもありませんが
それなりに落ち着いた住み心地のよいところだと思っています。
おそらくは 終の棲家となりましょう。
これまで何処かでお目にかかっているでしょうし、これからもたぶん…。
お写真からは(お互いに)識別できますまいが、それもよしとしましょう(笑)
> もっと、高槻の良さを配信していきたいと、非力ながら思っています。
淀川の「鵜殿葭の原の炎舞」、一度も行ったことはありませんが、そのうち…。
トルコ旅行記、季節と旅程はやや異なりますけど、楽しく拝読(見)しました。
ご活躍とご健筆を心よりお祈り申し上げます。
デブと某医 拝
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- 讃岐おばさんさん 2012/10/13 11:09:04
- こんにちは〜
- 私が娘と一緒に通っている美容院にも2匹、アメショーが居ます。
行ったときは携帯で写真を撮らせてもらっています。
個性があって猫ちゃんも面白いですよね。
猫ちゃんから見た、住んでる街歩き、楽しく拝見させていただきました。
- デブと某医さん からの返信 2012/10/13 14:03:51
- RE: こんにちは〜
- 讃岐…さま
こちらへのコメント、ありがとうございます。
> 私が娘と一緒に通っている美容院にも2匹、アメショーが居ます。
美容院の深窓のお嬢さんのようなハイソな猫ちゃん?と較べますと、
わが家のトラ猫シマジローはガラッパチで、
下町の江戸屋猫八風とでも申しますか…(世代がしれますね)。
> 個性があって猫ちゃんも面白いですよね。
どの猫もよく似ていて、しかしまるで異なるのは人間と同じ…ですね。
小椋佳「孤高の鷹」…『誰のようにも生きられず誰のようにと生きもせず』
という点では、孤高の人間と猫性に共通点があるかもしれません。
> 猫ちゃんから見た、住んでる街歩き、楽しく拝見させていただきました。
ありがとうございます。
「吾輩も猫である」という雑文を書いておりますが、
暇なのに他事にかまけてなかなか進みません。
森本哲郎氏に同名の書があることがわかり、やや意欲をそがれました(泣)
まぁ、売り出すものではありませんけれども…。
ブログ、拝読いたしました。
毎日たくさんアクセスがあるのですね(驚きました)。
また暇にあかせて時々訪ねさせていただきます。
デブと某医 拝
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- こおりさん 2012/09/26 22:11:27
- 同じ沿線住人です(少し無理がありますが)
- 再び旅行記へお邪魔しています。シマジローくんはよく調べてから日記をしたためているんですね(^^)
もう20年近く前ですが、実家の父が高槻の某大学病院に入院していて、お見舞いに行ったら必ずドエルでカヌレを初めとするスイーツをよく買って帰っていました。名前を忘れてしまいましたが、阪急高槻駅近くのおうどん屋さんもとても気に入っていました。あれから訪れる機会がなくて残念です。
- デブと某医さん からの返信 2012/09/27 00:41:02
- そうでしたか…RE: 同じ沿線住人です
- > 再び旅行記へお邪魔しています。
何度でもいらっしゃってください(笑)
> シマジローくんはよく調べてから日記をしたためているんですね
もともとは息子が拾ってきた猫をわが家の養猫にしたシマ、
最近は私も猫語が少し話せるようになってきたところです(笑)
> もう20年近く前ですが、実家の父が高槻の某大学病院に入院していて…
実は今日、飛蚊症が酷くてその大学病院に予約をとっております。
加齢は…御し難いです(泣)
ドエル、阪急を南に出た角の小さなお店ですよね。まだありますよ!
私、甘党ですからしばしば…。
沿線でしたら、一度いらっしゃって『懐かしい街歩き」記でも…(笑)
ではでは…。
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