2012/08/08 - 2012/08/08
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世界攻略者さん
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宮島に続き私が訪れたのは、呉市にある大和ミュージアムと「てつのくじら館」。かつて東洋一の軍港として栄えたこの町は、今でも海軍と密接なつながりを持っています。平和記念式典に参加したその足で戦艦見学とはなんとも矛盾していますが、広島とはそもそもそういう土地なのです。
*** 情報は2012年8月のもの
==ディスカバー西日本 シリーズ==
その1 山陽本線 名所名物つまみ食い
① 姫路城、尾道、広島カープ編
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10697556/
② 広島平和記念式典 参列編(原爆ドーム)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10698096/
③ 宮島、厳島神社編
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10697675/
④ 大和ミュージアム、てつのぐじら館編 <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10697943/
⑤ 夏の甲子園、通天閣、中華街、後楽園編
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10706937/
その2 西日本 ジグザグ海の道 全4作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10707470/
その3 近畿編 (執筆予定)
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[目次]
呉への道
大和ミュージアム
- 戦艦大和
- 大和の模型
- その他の模型
てつのくじら館(海上自衛隊呉史料館)
- 外観
- 自衛隊の乗り物
- 資料展示
- 海軍カレー
- 潜水艦見学
呉線の旅
費用
まとめ
地図: 赤い点 - 左から宮島、広島市、呉市。 -
[呉(くれ)への道]
呉駅へは、広島駅から電車で30分。私は宮島口から乗車しているので、乗り換え時間も含めると1時間ほどかかりました。3時過ぎに呉駅に到着。 -
[大和ミュージアム]
駅を出て陸橋のコンコースを海のほうに進んでいくと、大和ミュージアムの建物が見えてきます。途中に観光案内所あり。 -
入り口手前にあるのは、戦艦陸奥(むつ)に搭載されていた大砲。これも、かつて呉の海軍工廠で造られたものです。軍事産業が盛んだった呉市は、戦前広島市を越える大きな町でした。
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入場料500円を払い、中に入ります。まず最初に呉の軍港としての歴史がこれでもか!ってほど詳しく説明されています。時間がなければ、ビデオ展示だけ見ればいいでしょう。
大和ミュージアム: http://www.yamato-museum.com/ -
[戦艦大和]
戦前、多くの戦艦が呉で製造されました。その中でも一番の注目は、やはり戦艦「大和」。日本で製造された世界最大の軍艦で、アニメとの相乗効果もあり多くの人の心にその名が刻まれています。この博物館は大和をフィーチャーしているだけあり、大和建造にいたる歴史や採用された技術などが事細かに説明されています。別フロアーでは、CGによる建造行程の再現ビデオもありました。 -
当時の最高技術を結集して造られた「大和」でしたが、すでに戦いは空中戦の時代に突入。昭和20年4月、呉から沖縄に向かう途中、米軍航空部隊の攻撃に遭い、あえなく撃沈してしまいました。これは当時の日本軍の無力感を象徴する出来事で、終わってみれば、大和は一度も活躍することなくこの世から去ったのでした。(アニメの方では大活躍しています。)
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さすがアメリカ軍。大和が攻撃される映像を残しています。
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大和の残骸は、今も水深350メートルの海底に眠っています。大型戦艦だけあり、乗組員の数は3000人以上。そのうち運よく助かったのは、たったの276人。ミュージアムには、沖縄特攻に出撃した乗組員の遺書や遺品も展示されています。
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[大和の模型]
多くの人、特に子供らは、戦争や技術の詳細に興味はないでしょう。そこで、この博物館のシンボルでありメイン展示物となっているのが、戦艦大和の1/10モデルの模型。全長26.3メートル、高さ5.7メートル。建物の中心部に堂々と鎮座しています。 -
このエリアは三階まで吹き抜けになっているため、いろいろな角度、高さから大和を見ることができます。繰り返しますが、これは10分の1のスケールです。26.3メートルを10倍してみましょう。甲板の上に商店街がすっぽり入るような長さです。
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[その他の展示]
大和の模型の他、海軍つながりで人間魚雷「回天」、特殊潜水艇「海龍」、ゼロ戦などの実物が展示されています。 -
室内展示のいいところは、上からも眺められるところです。
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ミュージアムの庭は広場になっていて、大和の甲板を模したウッドデッキが海に向かって伸びています。大和ミュージアムに関しては、こんなところです。
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[てつのくじら館 - 外観]
続いて私が訪れたのは、大和ミュージアムのすぐ隣にある「てつのくじら館」(海上自衛隊呉史料館)。つい数年前まで現役だった潜水艦「あきしお」の中に入れるということで、密かな人気を集めています。私的にも、大和よりこちらが目当てです。
この潜水艦は、駅から大和ミュージアムに向かう途中、突然目に飛び込んできます。誰もが「うぉっ」と感じることでしょう。
てつのくじら館: http://www.jmsdf-kure-museum.go.jp/ -
私はこの潜水艦を見た時、大変不謹慎ですが、津波で打ち上げられた気仙沼の第18共徳丸を思い出してしまいました。
東日本大震災 被災地10ヶ所めぐり その4(気仙沼市)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10670289/ -
さて、この鉄のクジラ「あきしお」はどうやって、ここまで運ばれてきたのでしょう。展示パネルによると、まず呉の造船所で出入口を追加し、塗装を施します。もともとはこういう色じゃなかったんですね。次にタグボートで海上輸送された後、クレーン(写真)で陸揚げされ、最後に輸送用の台車17台をつなげて現在の位置まで運ばれました。分解することなく、完璧なドアツードアの運搬。関係者の皆さん、ご苦労様でした。
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[自衛隊の乗り物]
潜水艦の中に入るのは、生まれて始めて。ちょっと期待しちゃいます。余談ですが、私はこれまで自衛隊の乗り物をいくつか体験してきました。戦車も乗ってますし、護衛艦にも乗船しています。
戦車に乗ろう - 富士学校・富士駐屯地開設記念行事
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10580494/ -
特に思い出深いのが海上自衛隊の観艦式で、参加者は数隻の戦艦に分乗して東京湾をクルーズします。とってもレアなイベントなのですが、抽選の競争率はそれほど高くありませんでした。 他の自衛隊イベント同様、当選券はヤフオクに出回ります。
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この観艦式は三年に一度の開催で、陸海空軍それぞれ持ち回りで行います。今年は海軍が観閲式を行う年。この博物館にも告知のポスター(写真)が貼ってありました。
幸い、この博物館は抽選運など必要なし。呉に来さえすれば、誰でも潜水艦内に入れます。
平成24年度 観閲式
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/kankan/2012/index.html -
[てつのくじら館 - 資料展示]
では、中に入って展示物を見学します。この「てつのくじら館」は、海上自衛隊が史料館として運営しているもので、入場は無料。そのかわり、展示物の大半が海自に関係したものになっています。潜水艦隣の建物が展示スペースになっていて、一階部分で海上自衛隊の歴史を紹介。二階部分では、海自の掃海艇の活躍ぶりが、詳しく説明されています。掃海艇とは、海の地雷である機雷を除去し海域の安全を確保する役割を持った軍艦のことです。
写真: 機雷 -
魚雷のような形をしたこの物体はフロート。ロープを垂らして機雷を除去していく時に、浮きのような役割を果たします。
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これは、爆雷をぶつけて機雷を除去するロボット。フランスが開発しました。
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三階に入り、やっと潜水艦関係の展示が始まります。まずはパネルや模型を通して、潜水艦の仕組みや役割を解説。
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続いて艦内生活の様子を紹介。潜水艦内のスペースは大変貴重なので、隊員の寝る三段ベット(写真)は高さたった40センチ。インド鉄道もびっくりの狭さです。
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[海軍カレー]
これは夕食メニューの一例。航行中、食事は一日四回。海中にいると曜日の感覚がなくなるので、毎週金曜日にカレーを出して、一週間のリズムを整えます。 -
というわけで、海軍といえばカレー。西洋風味付けの海軍カレーは、いつの間にか名物料理となっており、呉市内の飲食店でも食べることができます。また、この博物館を始めとして、全国の自衛隊基地でも似たようなものが購入できます。
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ところで最近、企画物のカレーよく見かけます。写真は某ホテルチェーンがフロントで販売しているアパ社長カレー。海軍カレーは名前だけで食欲が刺激されますが、こちらはどうでしょう。
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[潜水艦見学]
三階の展示を見終わったところで、渡り廊下を通っていよいよ潜水艦「あきしお」に入ります。これが今回の小旅行のクライマックス。ここまでは、ただの前フリでした。 -
中に入った後、狭い通路を歩いて操縦室の方に向かいます。途中、トイレやシャワー室、隊員の寝室がありました。昼夜を区別するため、夜時間になると、照明の色が白から赤に替わります。
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これは士官公室。艦長や士官が会議や食事をするところです。船内で唯一ゆったりとした場所。
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これが操舵席。潜水艦なのでもちろん窓はなし。レーダーなどの計器を見て運転します。
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コントロールするのは、主に深度と方向の2つ。シートに腰掛けて、操縦士気分を味わいます。
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ここでの最大のアトラクションは、本物の潜望鏡を体験できること。両手でハンドルを握り、港方面をのぞきます。本来、左のハンドルで上下の角度、右のハンドルで倍率をコントロールするのですが、これらの機能は使えなくなっています。そのため、見学者は6倍の固定倍率の中、ハンドルを左右に振って周辺を見渡すだけ。それでも、十分楽しめます。
実際にのぞいてみてわかったのですが、潜望鏡を通した外の眺めは驚くほど鮮明です。最初、写真か何かだと思いました。よく見ると、海上の船が動いているので、生の景色だと気づくわけです。
写真: 2つの潜望鏡。ひとつは夜用、ひとつは昼用。説明員のオジサンが常駐しているので、わからないことは質問しましょう。 -
今私が見ているのは、上に飛び出た潜望鏡からの眺め。左右にハンドルを振るたびに、先端のレンズも動いているはずです。二本の潜望鏡の間に見えているのはアンテナ。恐らくGPSでの位置測定に使うのでしょう。写真ではわかりにくいですが、下の矢印のあたりに、魚雷を発射する穴が左右それぞれ3ヶ所づつ開いています。
こんな感じで潜水艦見学は終了。次の目的地に向かいます。インパクトのある外観と、有意義な体験。「てつのくじら館」は、やはりオススメです。 -
[呉線の旅]
この後、広島には戻らず、呉線を使って東に移動していきます。山陽本線と比べて時間はかかりますが、海沿いのルートなので景色がいいのでは、と考えたわけです。 -
観光列車の瀬戸内マリンビュー(写真)も同じルートを通るのだから、景色が悪いわけがない!
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と、期待して乗車したのですが、思ったより海が見えません。文字通り海沿いの開けた場所を通るのは、忠海駅から三原までの3区間くらい。その他の場所は、線路脇の森が途切れた時に、ときおり海が見えるくらい。眺めに関しては正直期待はずれでした。
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その一方、この路線は鉄道ファンには一定の人気があるようです。単線でトンネルが多いのが特徴。いかにもローカル線といった趣きで、鉄道研究会と思われる高校生らが先頭車両からの眺めをムービーで記録していました。
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呉から1時間40分後、三原駅で山陽本線と合流。糸崎乗り換えで、さらに30分ほど走り福山市に到着です。私は明日ここで丸一日用事があるので、旅行は一日お休みです。
[費用]
二日目にかかった費用です。食費は除く。
18きっぷ 2300円
平和記念史料館 50円
路面電車 150円
厳島神社 300円
豊国神社 100円
大和ミュージアム 500円
ホテル 4000円
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計 7400円 -
[まとめ]
旅行二日目は、平和記念式典、厳島神社、大和ミュージアム、潜水艦、と盛りだくさん。丸一日かけて広島の魅力をしゃぶりつくしました。もう一日あれば、もっと余裕をもって観光できたのですが、まあよしとしましょう。この後、再び山陽本線を通って大阪方面に戻ります。もちろん、復路でも途中下車しながら、観光地を「つまみ食い」していきます。乞うご期待! -
[リンク集]
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&sort=when&view_mode=list
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when&view_mode=list
==西日本旅行記==
屋久島と山ガール、そしてヤバ過ぎる雨の日 全3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10690816/
SUNQパスで行く九州 全3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10718904/
西日本 ジグザグ海の道 全4作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10707470/
==自衛隊関連==
戦車に乗ろう - 富士学校・富士駐屯地開設記念行事
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10580494/
==青春18きっぷ利用==
ワイルドな青春18きっぷの使い方 東京->富士山、彦根、青森
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10580484/
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