2012/03/09 - 2012/03/09
71位(同エリア698件中)
まりあさん
年に2度は、ひと月単位の海外旅行をやるのだ、と決意しての2年目。2012年の第一弾は、南米のアルゼンチンです。
アルゼンチンというと、たいていの人が思い浮かべるのが、イグアスの滝と氷河観光かと思いますが、天の邪鬼な私のアルゼンチンは、ちょっと違うパターンでした。寒いのが嫌いで、船酔いするので、氷河観光は勧められはしましたが、行く気は皆無でした。イグアスの滝は、行くつもりだったんですが、航空券をチェックすると、アルゼンチンの国策で、外国人の料金は、アルゼンチンの国民の数割増しでした。旅行会社に問い合せると、首都ブエノスからイグアスへの往復チケットが、440ドルと言われて、断念しました。1985年頃に2度ほど、お仕事でイグアスの滝に行きましたので、440ドルを費やす価値はないかな、との判断でした。
毎年一度はスペイン語圏に滞在するという決心をしてますが、それは、せっかく身につけても、使わないと錆びてしまうスペイン語を維持したい、と思うからなので、私の場合、スペイン語圏は、どこにいてもいい、というメリット(?)があります。ホテル代はケチらずに、3つ星から4つ星に滞在して、スーパーで食糧を買い込んで、町をぷらぷら歩いて、映画館に行ったり、教会でたたずんだり・・・
と、今回も、そんな私オリジナルの旅になりました。
そして・・・・
1年前の夏に、変更不可、キャンセル不可の航空券を、23万円で買い求めました。たぶん、過去に買った航空券の中でも、もっとも高いものだったと思います。今まではたいてい、10〜15万円以内で買ってましたが、燃油の値上げで、やたら高くなりました。しかも、キャンセル不可ですもんね。だいぶ、うじうじと悩みましたが、「ええい〜、決断力が肝心じゃ」とばかりに、「エイヤッ」とクリックして買い求めました。
そして、買ってから、アレコレと調べていくうちに、だんだんと青ざめていきました。
日本語のガイドブックを見ても、英語版のガイドブックをみても、「アルゼンチンは南米の中で、もっとも安全な国のひとつ」と書かれていたからこそ決心したのですが、南米という日本から、はぁ〜るか彼方の国の情報は、なかなか伝わりません。
2001年に国のデフォルトという大経済危機を経験してから10年たった国は、おそらく日本と同等かそれ以下の政治家にしか恵まれず、どんどんとその姿を変容していたのです。調べれば、調べるほど、「こわぁ〜い」国でした。たとえば、「ブエノスアイレス治安マッブ」というサイトを見つけてチェックしていると、もっとも安全といわれる地域でも、事件の起きていない交差点はなかったり、いろんな情報源で、「ここは危ない」「ここはひったくりが多い」「ここはケチャップ強盗が多い」などなど、エリア別に×印を入れていたら、地図が真っ黒に・・・げっ。
心配性で怖がりの私は、今までに、メキシコに留学して、インドを旅して、南米周遊の旅をしてという時、いつも何冊かの本を読み、最近ではSNSのサイトを調べて、いろいろと心配しながら行きますが、たいていの場合、到着してしばらくすると、だんだんと緊張がゆるんでいき、「なぁ〜んだ、心配したのが馬鹿みたい」となって、最後の日々は、その国をほんとうに自由に闊歩している私がいるんですよね。
だからきっと今回も、行ってしまえば、どうってことないわさ、と信じて行きました。
でも、行ってから、歩いてみて、テレビのニュースを見て、ますます、ますます、恐くなってきたのは、今回が初体験でした。それゆえ、そういう感覚をバーチャルに体験していただくために、今回は、美しい写真を選別して入れるのではなく、あくまで時系列に、私が見た聞いた感じたことを、写真と文章で綴っていきたいと思います。
じつは、あまりいい写真がないのです。
町自体は、スペインやメキシコに比べて、そう美しいとは思いませんでした。「南米のパリ」と呼ばれますが、それはアルゼンチン人が呼んでいるのであり、まあ、そこそこ趣きのある町並ではありましたが、突出して美しいとは思いませんでした。
それよりなにより、治安が悪過ぎて、カメラを持って歩けなかったんですわ。それゆえ、あまりいい写真はないのですが、時系列を重んじて、入れていきます。
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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空港からのタクシーに、強姦された日本人が過去にいた、と聞いて、びびりましたが、事前にホテルに依頼した、出迎えのレミースと呼ばれるハイヤーで、無事にホテルに到着しました。
レミースという制度は、私の体験上では、チリ、アルゼンチン、そしてたぶんウルグアイであるようですが、タクシーとはまた違う、ハイヤー的なシステムです。
アルゼンチンのガイドブックにも、そして私が尋ねた全てのアルゼンチン人が、「タクシーは危ない。少し高いけど、レミースを使え」と言いました。レミースは、予約なしでも、空港にレミースの販売カウンターがあるのですが、「レミースも、やばいのがいる」と言われたので、ホテルに出迎えを頼みました。
185ペソ(3700円)で、空港で私の名前を書いたステッカーで出迎えてくれて、ホテルまで送迎してくれます。ホテル手配なので、安心でした。
両替は、空港の荷物引き取り所にある両替所は、ぼったくりレートと聞いてはいましたが、外に出ると今度はひったくりだらけらしいので、静かな税関内の方が安心なので、レミースに支払う分の100ドルだけ両替しました。
たしかに、この時点のレートは、1ドル4.3ペソぐらいなのですが、空港の中のは1ドル3.65ペソぐらいの、ぼったくりレートでした。
レミースの運転手さんにお金を渡すと、彼は、お札を動かして、贋札かどうかチェックをしたので、さっそく、「どうやって見分けるのか」を教えてもらいました。
紙幣の50とか100の金額のところの角度をかえてやると、インキの色が、緑から青色に変わります。変わればOK、贋札は、色が変わらないそうです。50ペソ以上の札を渡すと、たいてい相手は、角度を変えて、確認しています。
へぇ〜、そんなに贋札が横行しているんだ、と学んだ日でした。
もうひとつのチェックポイントは、人物柄の透かしマークです。 -
ホテルはLas NacionesというMicrocentroと呼ばれる地区にある4つ星です。老朽化しているので、4つ星の割には値段が安く、82ドルですが、予約サイトの値段に、21%の税金が加算されるので、けっこう高いです。
今まで、ガイドブックの値段は、世界のインフレ傾向ゆえ、じっさいには、数割増しのことが多いですが、今回は、下手すると2倍3倍にもなってるものがありました。なので、ガイドブックの数字を信じて予算を組むと、痛い目をみます。
本当は、6000円ぐらいが希望ですが、今回は治安の不安もあり、8000円以上のホテルを選ぶことにしました。
在住経験のある知人に尋ねたところ、9 de Julio通りとフロリダ通りの間、オベリスクのあるコリエンテス通りから、数ブロック以内が、比較的安全なようです。
ただし、コルドバ通りからさらに北に数ブロック行ったところにある、レティーロ駅の裏手のバスターミナルに隣接して、Villa31と呼ばれる、スラム街があり、殺人事件も日常的に起きるようなエリアなので、くれぐれも迷い込まないことです。
もっとも安全な地区にあるホテルに滞在して、そこから北に7ブロック歩いた所にあるサンマルティン広場では、私の到着のひと月前に、フランス人観光客がカメラを奪われまいと抵抗して刺殺される、という事件があり、私を震え上がらせました。その広場に面したレティーロ駅の裏手には、スラム街があるという、そんな恐い地区からほんの7ブロックのところに滞在したのは、今回が初体験となりました。
メキシコも恐いけど、少々迷って歩いても、スラム街に迷いこむことは、絶対にないですもんね。
ホテルにチェックインの時、「景色の見える部屋」を希望して、26階の部屋をもらいました。夜など、女一人で外を歩くのが恐いので、この26階からの眺めをじっくりと楽しみました。 -
初日にホテルから少し歩いたときに見つけた、ショッピングセンターのフードコート、パティオ・デ・コミーダ。オシャレでした。
フードコートは、料理がしょぼいわりに、値段は高い目で、700円から1000円ぐらいかかります。 -
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ショッビングセンターの名前は、Galelias Pacifico。
この写真が、そのフードコートです。
Wokという言葉を、よく外国の中華料理で見かけますが、海外在住体験の乏しい私は知りませんでした。ここで食べたのが、Wokの中華料理だったんですが、その意味を、今回、アルゼンチンで知り合ったアメリカ人女性に教えてもらいました。
Wokは、中華鍋の意味で、あの底の丸い中華鍋で炒めた料理、というのが定義だそうです。saute' ソテーした、というような感じでしょうか。
それゆえ、Wokとあっても、その味付けは千差万別で、今回、アルゼンチンで食べたWokについては、やたら塩味が濃く、味付けが強烈で、あまり口にはあいませんでした。ただ、野菜が中心なので、温野菜をとれる、というメリットはありました。 -
初日の朝、時差で早く目がさめた時に見た、朝焼けの景色です。
部屋は、東向きで、プエルト・マデーロからのラプラタ川が見えます。
真っ赤に焼けた空に、ブエノスアイレスの高層ビルのシルエット。
この景色、このホテルで、何度も目にしましたが、いつもぼーっと、空の色が移り変わるのを楽しんでいました。 -
ラプラタ川を渡って、対岸のウルグアイに行く船(だと思います)
ホテルの部屋から、この旅行のために買い求めた、ソニーの黒いコンデジで、撮影しました。 -
ブエノスアイレスの大聖堂です。
劇場のような正面ですが、この中がカテドラルです。 -
角度を変えて、カテドラル。
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ピンク色が個性的な大統領府の建物です。
カサ・ロサーダと呼ばれてます。
夜は、イルミネーションがあるそうですが、怖がりのびびり屋なので、行かず、でした。 -
ブエノスアイレスの滞在を何日にしようか。
私は、長い目滞在なので、ホテルの予約は、いつも、ブッキング・コムの、キャンセル自由なプランでとります。
今回は、4月上旬までの滞在で、そのあたりは、聖週間でホテルが売り切れる時期なので、事前にしっかり予約をおさえて、旅しながら調整していきました。
最初のブエノス滞在は、たったの四泊で、すぐに地方都市に脱出する計画でした。なぜなら、メキシコやその他のラテンアメリカ体験で、首都は治安が悪くても、地方都市は安全、という経験則があるからでした。
(今回は、思いっきり、それに裏切られてしまうのですが・・・泣)
どうせ、最後の日々は、ゆっくりブエノスアイレスにいるのだから、とくにあちこち行かずに、二階建てバスで、ざっと町を流して、自分がどの程度、好きになるのか。治安の不安をおしても、歩く価値があるかどうかを見分けるために、バスに乗りました。 -
バスの上から、写真を撮りまくりました。
ホテルの周辺をまず、歩いてみた時、誰も一眼レフをもっておらず、小さいカメラでさえ、持っている人はほとんどいない、という事実にショックを受けました。
カメラだけではなく、携帯電話目当てのひったくりや強盗も多いようで、バスの上でなら、やっとピンクのコンデジを出して、撮影できたのでした。
これは、国会議事堂です。
最初、この近くのホテルを予約していたら、ここはしょっちゅう、抗議集会が行われ、暴力的なデモに発展することが多いので、危ない、とアドバイスされて、ホテルを変えました。
Piqueteroという言葉があります。「ピケをはる連中」という意味で、アルゼンチンのニュースでは、このピケテロが、どこかの道路にバリケードを築いて、交通を遮断する、というのが日常的でした。 -
バスから写した、高層ビル。
金持ちは、セキュリティーのがっちりした高級マンションに住むことで、身を守るようです。金持ち居住地区には、たくさんの高級マンションがありました。(この写真は、単にビルが美しいから選択したもので、マンションかどうかは知りません) -
ウルグアイに渡る、ブケブスと呼ばれるフェリーのターミナル
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港の風景
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ソーラーフラワー。
太陽電池のパワーで、開いたり閉じたりするそうです。
この近くも、よく観光客が、襲われてるそうで、一見平和そうな、緑多い公園なのですが、油断はできないようです。 -
そのエリアにある、美術館。
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たぶん、パレルモだったと思いますが、オシャレなカフェやレストランの立ち並ぶ、リッチなエリアです。ただし、わりと近くに例のスラムもあるので、私はやっぱりのんびり歩く気にはなりませんでしたが、基本的には安全な地域だそうです。
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この旅行記へのコメント (4)
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- Sausalitontonさん 2012/05/19 18:58:14
- どきどきの旅ですね♪
- まりあさん
こんにちは。
年に2度の一カ月旅行ですか! 準備が本当に大変ですね。返金・変更不可の航空券を半年以上も前に予約というのも、なかなか勇気がいりますね ^^;。
私の中ではまだ南米は遠い国で、自力で一カ月の旅をする度胸はありませんが、改めて旅行記を順番にゆっくり読ませていただき、いつか来るであろう南米旅行に向けての糧にさせていただこうと思います☆
Sausalitonton
- まりあさん からの返信 2012/05/19 20:34:06
- RE: どきどきの旅ですね♪
- Sausalitontonさん、コメントをありがとうございます。
今回の旅は、治安面でのドキドキが大変でしたが、15年前までは治安のよかったアルゼンチンが、ここまで治安悪化したのは、なぜなんだろう、と哲学しながらの旅。
こうして無事に戻ると、いろいろと有意義な旅でした。
ネット検索が面倒くさくて、慣れたANAでの購入が多いのですが、燃油が高く、また、以前は、安いチケットでも、3万円払うとキャンセルできたのに、最近は、キャンセル不可が当たり前になりつつあるのでしょうか。
チケットをエイヤッと買うのも勇気がいりますが、一人海外旅行のおかげで、判断力や決断力だけは、どんどん磨かれていくようです。
今年は、異例にあと二回、海外に出るかもしれません。
今度は、一眼レフでの撮影に頑張りたいと思います。
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- まみさん 2012/04/26 12:59:22
- 興味深かった計画編
- まりあさん、こんにちは。
行っている最中の報告も興味深く読ませていただきましたが、立案中のもの大変興味深かったです。
私も先にまずえいやっと航空券を発券してから、細かい日程をゆっくり立てるので、とってから行くしかないという心境で立てることはよくあります@@
幸い、治安については、立案中にだんだんと、まあそろそろ大丈夫なんではないか、と思える方向なのですが。。グルジアといいキルギスといい。
それにしても、カメラを堂々と表に出して町中の撮影ができないくらい、というのは哀しいですね。。
それでも、ささっと撮った街角のスナップ写真とは思えないくらい、すてきな写真揃いだなぁと思いました。
旅行写真は芸術的な写真もいいけれど、自分が行ったことがなく、あまり日本に情報が入ってこないところは、ささっと撮ったスナップ写真ってすごく興味深いです。
ゆっくり続きを拝見させてもらおうと思います〜。
- まりあさん からの返信 2012/04/26 15:35:09
- RE: 興味深かった計画編
- まみさん、こんにちは。コメントをありがとうございます。
チケットを買う前に、ある程度はチェックしたつもりだったんですが、今の世の中の動きって、早いんですね。そして、これだけ情報があふれている今なのに、遠い国の姿って、実物大とはかけ離れていたり、また、多くの日本人のブログなども読めるのですが、人により感じ方も違うから、あんがい参考にならなかったり・・・
昔も今も、「情報収集」の奥の深さを感じます。
まみさんも、ポピュラーではない地への旅が多いから、この苦労を、一番よくわかってくださる方なのだと感じます。
カメラについては、今までの体験では、事前の不安をよそに、着いてみたら、そこらじゅうで一眼レフを振り回している人がいる、というものですが、ここは着いてみたら、「げっ、誰も持ってない」とショックを受けました。
まあ、たとえ一眼レフで撮影していても、短期滞在の観光客が襲われる確率は1%もないと思いますが、でも、怪我させられる可能性があるなら、1%でも、大きすぎますよね。
いつも文章の旅行記は、別枠にしてましたが、今回は、文章もここに書いてしまおうと考えています。一気に片付けようとして、めちゃくちゃ肩こりに苦しんでます。(笑)
まりあ
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