2010/08/08 - 2010/08/08
84位(同エリア116件中)
たじまはるさん
- たじまはるさんTOP
- 旅行記7冊
- クチコミ1件
- Q&A回答0件
- 70,870アクセス
- フォロワー0人
「三毛別羆事件」=大正4年(1915)の12月9日と10日に苫前村三毛別(当時)で起こった、冬眠を逸した巨大ヒグマが開拓民が襲い、7名が死亡し3名が重傷を負ったという日本で最大最悪の獣害事件です。
その復元跡地の苫前町古丹別三渓に行ったときの記録です。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車
PR
-
苫前町古丹別地区の市街地を抜けると辺りは農村集落。
事件の跡地はここから約17?。
三毛別川の河川表示看板も迫力あるヒグマというこだわりようです。 -
ヒグマが射殺されたあたりの射止橋(うちどめばし)。
現地まで約5?。
熊の顔の絵がなぜかかわいらしくなっています。 -
現地まであと2?。
親子熊の楽しそうな絵ってのはいかがなものでしょう。緊張感に欠けてしまいます。 -
いよいよ200mになりました。
ここからダート路に。
先は日陰になっており、熊の絵が不気味に怖くなってしまいます。
緊張感が増してきました。 -
復元跡地に到着です。
まずはハリボテの小熊がお出迎え。
こんなサービスは不要と思いますが.... -
その横にある事件の慰霊碑。
「三毛別ヒグマ事件」を有名にしたのが、昭和52年に発表された吉村昭さんの小説『羆嵐』。
これは下手なホラーよりもほんと怖いので一読をお薦めします。
ドキュメンタリー本『慟哭の谷』も読むと、より事件を詳しく知ることができます。 -
が、取り急ぎ事件の概要を知りたい方は、こちらの説明板で。
-
ドドーン!
これが現地で復元されたヒグマの襲撃シーン。 -
これは怖い!
森林に囲まれ昼でも薄暗い現地に着くと二組の先客がいましたが、その二組が帰り、独りぼっちになるとさすがに恐怖を感じてしまいました。
本物のクマも出そうだけど、ハチにも注意! -
山奥までわざわざ車を走らせて、こんな復元セットがぽつねんとある......ある意味、珍スポットの一つですが、近くを旅する人は北海道開拓の苦難の歴史と日本最悪の獣害事件を感じるために足を運んでほしいものです。
-
裏側もこっそり見ることができます。
-
復元跡地に行く途中にある三渓神社。
ここには、事件で犠牲となった7名の慰霊碑があります。
施主のO氏は事件当時7歳。重傷を負った者も含め10名の被害者に対し、1名につき10頭の羆を仕留めることでその霊を弔おうと昭和16年から羆を撃ち始めます。
そして昭和52年、O氏は36年間かけて100頭の羆を仕留め、ついには三渓神社に慰霊碑を建立したのです。 -
慰霊碑の犠牲者名には、胎児殿と刻まれています。
「腹、破らんでくれ!」と絶叫して絶命したという女性のお腹にいた子供さんです。
なんとも痛ましい事件です。 -
現地を見た後は、苫前町資料館にも関連資料を見に向かいます。
途中の苫前町役場の前にあるヒグマのモニュメント。
写真ではよくわかりませんが、実は後ろ側にも顔がついていて、あっち(北)から来ても見えるという、合理的なリバーシブル・ヒグマです。
苫前の撮影スポットとしては一押しだと思いますが、わざわざ写真を撮るために車を停める人もあまりいないようです。 -
旧役場庁舎を利用した苫前町郷土資料館。
“クマ”を売りにしている町なので、当然その方面の資料は充実しています。 -
幻の巨熊と言われ、昭和55年に射止められた“北海太郎”の剥製です。
解説を引用してみます。
幻の巨熊「北海太郎」
= 雄、体重500? 足裏27? =
この羆は、町内周辺の山に、毎シーズン出没し、幻の巨熊として追跡8年、名人コンビ2代目ハンターの執念により、ついに昭和55年5月6日 羽幌町内築別 通称シラカバ沢で射止める。
この羆は「北海太郎」のニックネームで呼ばれ、幻の巨熊として剥製保(存)することになった。ご両名は苫前町開基100年の意義ある年にこれを苫前町に寄贈し、未開の地で熊と闘い、開拓に汗を流した先人の労苦を偲び深く敬意を表したものである。
....なるほど。
射止めたハンターの一人は、三渓神社に「三毛別ヒグマ事件」の慰霊碑を建立した人の息子さんだそうです。
親子二代によって100頭以上のヒグマが射止められたそうですが、人間が野生の領域にズカズカと足を踏み入れ、別に悪さをしたわけでもないであろう多数のヒグマたちを撃つのも可哀想な話です。
とりわけ“北海太郎”は8年も追われ、そして撃たれてしまいました。 -
三毛別羆事件を再現した「太田家を襲う羆」。
パンフレットなどに使われる、この資料館を代表するセットです。
が、実際には犠牲になったのは男ではなく女の人。
どこでどう間違ってしまったんでしょう。 -
こんなふうにヒグマが襲ってきたら、それはもう想像を絶する恐怖です。
-
資料館の奥には「六線沢再現展」という事件現場周辺を再現したジオラマがありました。
特別展と謳っているものの、これからもず〜っと常設されっぱなしのような気もします。
地元の有志が作ったんでしょうか、大金をかけて専門業者に作らせるよりも、がんばって作ったぞという熱い気持ちが伝わってくるものではあります。
「第一の被害現場 太田家」
かわいらしいクマです。
ランプもあってけっこう細かいところにも気を配っているようです。 -
「第二の被害現場 明景家」
クマの毛の色が変わっています。
なかなかどうして、立派なジオラマではありませんか。 -
ヒグマ以外の資料も豊富で、入館料300円はお得です。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
苫前・小平・羽幌(北海道) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
21