2005/05/15 - 2005/05/23
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JIC旅行センターさん
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■美術館とバレエを堪能したペテルブルグ
キエフ発サンクトペテルブルグ行きの便は、乗客のほとんどがロシア人かウクライナ人風で、東洋人は私だけらしかった。日本人がそんなに珍しいわけはないはずなのに、なぜか周囲の好奇の目を感じた。
ペテルブルグで入国する際には、パスポートコントロールで、担当官にいわれのない文句を言われて予想外に時間をとられてしまい私が最後になった。急いで出口へ向かうと、送迎係が早く早く!と大手を振りながら待っていた。なんとすでに私のスーツケースまで持って待っている。バゲージクレーム・タグを出すようにせかされた。
ペテルブルグは、南国キエフと違い、まだ木々に緑はなく冬の姿をしていた。街行く人もまだコートやマフラー姿で、キエフとの距離の差を感じた。
翌朝、日本語ガイドと一緒にプーシキン市のエカチェリーナ宮殿へ。車に乗るとガイドは道々車窓から見えるものの興味深い説明をしてくれ、私もまたいろいろ質問をしたりしながら、プーシキンまでの1時間はあっという間だった。
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車を降りて、宮殿まで歩く間の道沿いの芝生に黄色と白の花が咲いていた。подснежникですよ、とガイドが教えてくれた。「マツユキソウ」、マルシャークの「12の月」に出てくる春を告げる4月の花で、いつか見てみたいと思っていた私は、興奮のあまりしばらくは近づいてくる宮殿よりも下ばかり見て歩いていた。
ぜひもっとよく見て写真も撮りたいと思うのに、咲いているのは芝生の中ほどの遠いところばかり。それでも願いは帰り際ついに叶い、ほんとは禁止されているのだろうけれど、一輪だけ摘ませてもらった。押し花になって今も手元にある。5月のマツユキソウは異例で、今年は冬あまり寒くなく、春暖かくなるのが遅いせいだろうということだった。今回のペテルブルグは寒くて天気もあまりよくなかったが、かえって素敵な出会いがあったことはうれしかった。
宮殿内を1時間、歴史や修復の状況を交えた説明を聞きながら見学した。日頃不勉強な私にとっては、このような名所はひとりで見るよりも解説があるほうが見ごたえがあっていいものだなと思った。
エクスカーションが終わってガイドと別れた後、アレクサンドル・ネフスキー修道院を訪ねた。ちょうど少し陽が射してきて、新芽が出始めて薄緑色がかった墓地を美しく照らしていた。入って左側の墓地にはロマノーソフや建築家などの墓があるというが、日本の墓地のように墓が並んでおり、年代を感じる様だった。
対して右側の墓地は公園のような雰囲気で、間隔を置いてそれぞれ立派な像が建っている。足元には球根の花が植えてあったり、よく手入れされていた。ドストエフスキー、ムソルグスキー、グリンカ、リムスキー・コルサコフ、チャイコフスキー。著名人のお墓は、よそのツアーガイドが集めて説明している人だかりですぐにわかった。 -
A・ネフスキー修道院を出た後、先ほどのガイドに教えてもらったカフェ「Кошкин дом(コーシュキンドム)」に行った。ひとり旅だと、ホテルでの朝食の他はついおろそかになってしまうので、今回の旅の前には「1日1度は必ずお店に入って食事をしよう」と決めていた。キエフでは移動時間に重なったり道に迷ったりで、結局お店には入れなかったので、いよいよである。ボルシチ、ニシンとビーツのサラダと黒パン、値段が安くてどれもとても美味しかった。こんなロシア料理のカフェが東京にあればきっと私は通うのにな・・・。
夕方は、チケットが手に入ればバレエを見たいと思っていたので、マリンスキー劇場を目指した。道行く人々に教わって「マルシュルートカ」なる乗り合いバスに乗ることができたが、バスには何の表示もなく停留所もないこの乗り物は、とても便利だけれど、勝手のわからない観光客にはまず無理だなあ・・・とつくづく思った。開演は間近だったが、劇場入り口近くで売っている人からチケットを手に入れることができ、念願のマリンスキーバレエ「バヤデルカ」を観ることができた。振り付けも変化に富んで面白く、また踊りもすばらしくとても楽しい舞台だった。3回の幕間には、隣になったフィンランド人の親子にワインやコーヒーをご馳走になって、心もすっかりあたたかくなった。
翌日は、雨だった。スパース・ナ・クラヴィを見た後で、ロシア美術館へ行った。前回訪れた時にとても心に残る画家の絵があったのだが、その画家の名前を覚えてこなかったのが心残りで、どうしてももう一度見たかった。館内にはまだ小さなロシアの小学生たちの見学集団があちこちにいて、先生が小さな子供たちを集めるのに声を張り上げたり、生徒を前に抑揚のある調子で説明をしたりしていた。ロシア美術館ではよく小学生の見学会があるらしい、エルミタージュほどは混まないけど、とそういえば昨日のガイドが言っていた。 -
私は目的の絵を探し、他の部屋は闊歩して歩いた。見ればすぐわかる自信があったとおり、幾部屋か巡ったあとでその絵は見つかった。M.Lebedevの3作品。深く生き生きとした緑のある景色が描かれている。探している間、もしかすると今見ても前に見た時ほど心惹かれないのかもしれない・・・とも思ったりしたが、見つけた時は「あった!」という喜びでいっぱいだった。飛ばしてきた他の部屋の分までとは言えないが、何度か戻っては見て、また戻っては見てを繰り返した。その後、イコンの部屋をゆっくりと見て心から満足した。
今回はイサク聖堂の上まで昇りたいと思っていたのだが、天気が悪かったのでまた次回にとっておくことにした。グリボエードフ運河沿いのカフェ「PRO КОФiЙ(プロコーフィ)」で前日と同じようなボルシチと「美女のサラダ」(?男性も注文していたが)と黒パンとコーヒーの昼食を美味しく頂き、サンクト・ペテルブルグでの残り時間を過ごした。
この後、夕方のバスでノブゴロドへ移動である。ホテルで頼んでおいたタクシーは15:00。エルミタージュ、イサク聖堂、夏の庭園、行けなかった所たちにまたね・・・とつぶやきながらネフスキー通りを後にした。
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