2009/04 - 2009/04
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ドクターキムルさん
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小田原市入生田(いりうだ)にある長興山紹太寺は、黄檗宗の寺で、寛文9年(1669年)に2代目藩主、稲葉正則が城下の山角町の菩提寺をこの地に移転し、宇治万福寺から鉄牛和尚を招いて開山した。
江戸初期の小田原藩主、稲葉一族の墓と春日局(天正7年(1579年)〜寛永20年(1643年))の墓がある。春日局の遺体が葬られているのは東京都文京区にある麟祥院で、四方に穴が貫通した特異な形をした無縫塔(むほうとう)の墓が建っている。他には京都黒谷の金戒光明寺にも墓が建っていた。幕末の火災によって建物が焼失し、現在では子院の清雲院が紹太寺の寺号を継いでいる。萱葺き屋根の本堂が小さい理由がうなずける。往時は七堂伽藍の整った大寺院で、山内の360段の石段を登ったあたりに伽藍跡が残る。黄檗宗独特の広大な庭園をもち、その美しさは旅人の足をとどめずにはいられなかったと伝えられている。山内には、数十町歩におよぶうっそうと生い茂った樹々や、清流がしぶきをあげて流れる様、蜜柑畑の中に残された当時庭石として据えられていたと思われる苔むした巨石などが、かつての紹太寺の名残を今に伝えている。何と言っても、長興山紹太寺は樹齢320年を超える枝垂れ桜が有名である。
(表紙写真は長興山紹太寺石段)
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