雨がくる前に（上州ばーちゃん+みそまんじゅう？）

2010/05/29 - 2010/05/29

「上州名物、かかあ天下と空っ風。群馬の女は気が強い」

職場のおいちゃんに、よくからかわれます。

女の気が強かったら、まるで悪いような発言。
男性が気が強いのは美徳だけど、女性なら欠点。
ダブルスタンダード。性差別も、はなはだしい（怒）。
うっきぃーっ。

ちなみに、ここでいう『かかあ天下』とは、女性の気性が荒い――という意味ではなく、『働き者』の意味。
たぶん、分からずに使ってる。
ついでに、名物３番目の『雷』が抜けている。

まったくもって、腹立たしい。

そもそも、オイラの出身は東京なんスけど。
たまに群馬訛りがでるのは、ばーちゃんに可愛がられていた証しなのだ〜！（つか、今もなにくれ構って頂いておりまする）

そんな、８１歳になるばーちゃんのご機嫌伺いに、群馬へ日帰りってきやシタｖ

エリア 月夜野・上牧温泉(群馬)

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: タクシー 新幹線

本日、雨予報で空はドンヨリ曇っていますが、朝からいっこうに降るようすは無く？

用心に折り畳み傘をカバンに仕舞い、新幹線に母上と乗り込みます。

「あんた、上着のした半袖で来たの？馬鹿ねえ・・」

うむむ・・。
そう、もう５月も終わるというのに、群馬の気温はかなり低かった！
横浜とくらべると、３〜４度低く感じます。

さーぶーいぃよ〜。

駅からプルプルしながら歩いて、ばーちゃんちへ。

「こんにちはー！」

「あら、来たん？」

鍵の掛かっていない玄関を開けると、すでに外出準備を整えたばーちゃんが、廊下の奥から顔を覗かせます。

マミーとばーちゃんで、事前打ち合わせがあったらしく。

「さあ！行ご、行ご」

あがる間もなくタクシーが呼ばれ、猿ヶ京温泉へ向かいます。

水上温泉や法師の湯へは、連れて行ってもらっておりますが、猿ヶ京は初めてかも？？

温泉郷も不況の影響は深刻で、有名な温泉宿がつぶれているそう。
街道沿いに、人の住まなくなった空き家も増えて、どこも変わらないように見えて、そのじつタイヘンなようです。

ばーちゃんイチオシの温泉場で湯に浸かり、脱衣所で太ったの痩せたの、お決まりのトークをしていると、ばーちゃんがへそピアスに食いつきます。

「みっともないから、やめなさい」と渋い顔の母上とは異なり、興味津々。

「胸にしている人は、居ないんかい？」

・・・乳ピアスかよ。
なんで、んなコト知ってるんだ、ばーちゃんは！？


さて、この温泉館には駐車場を挟んで、劇場が隣接しています。
入浴とセットで観劇ができる、というコースがありまして。
ばーちゃんたっての希望で、劇も観ていくことに。

ワタクシ、生まれて初めて『大衆演劇』っつーものを体験しました☆

しごく単純な人情劇で、続けて観たいとは思いませんが、まあまあ笑えたかな〜くらいですが、ばーちゃんは違ったみたいです。

「今まで観たなかで、一番つまらなかった！」

「そうなの？」

「おばあちゃんは、１ヶ月に２８日観に来てたんよ！」

１ヶ月に２８日って、ほぼ１ヶ月じゃん（笑）。

ハマると追っかけるのは、この血筋だな・・。
まったくグレートな、ばーちゃんだぜ。

ばーちゃんによると、ひと月ごとのローテーションで劇団と演目が変わるそうで。

今回は、ハズレだったようです。

「いつもはもぉ〜っと、面白いんよ。今日は泊まっていかないんかい？」

ばーちゃんには申し訳ないですが、仕事があるので２人そろって辞退すると。


「また、休みになったら泊まりにさ、おいで」


タクシーで村へ戻り、「買い物、してくから」とスーパーの前で降りた、ばーちゃんが手を振ります。

うん。
休みとって行くかんね。

「じゃあ、上毛高原まで」

ばーちゃんを降ろして、そのままタクシーで新幹線の駅へ行こうと、運転手さんへ声をかけると、母上が待ったをかけます。

「みそまんじゅうを買ってく」

「は？」

「運転手さん、この辺りにみそまんじゅうを売っているお店は？」

「そうだいねー・・。後閑駅の前にあった火群庵は無くなっちゃったけどね。すこし先で、再オープンしてますよ」

「あれ？大型スーパーの敷地にありましたよね？」

「たい焼き屋になっちゃったいね」

「ええ〜っ？！」
「みそまんじゅう〜っ」



ここで説明が必要かも。
『みそまんじゅう』とは、何か？

みそまんじゅう、または『焼きまんじゅう』と呼ばれる、群馬のロコおやつデスｖ

群馬名物だと、温泉・養蚕・ガラス工芸・蒟蒻・スキー場、なんかが連想されるのかなあ。

あんま「みそまんじゅう！」とか、「焼きまんじゅう！」って即答する人は、県外では聞かない。
そんくらい、知名度的には低いんじゃないかと思いますが・・。

・・・がっ！！

チョ〜旨いんですよーっｖｖ
行くと、必ず食べてます！

ネット通販や、たまにデパートの物産展でも売ってますが、地元のちっちゃい店舗で焼いたのと比べるとぉ〜・・。
全然っ！
だんちだ、だんち！！



それでも、今回の群馬訪問、メインはばーちゃんへの顔見せ兼ご機嫌うかがいであったハズ。

さすがに、おやつはスルーするのかと思ったら、甘かった。
ママ上は、食い気で生きている（笑）。

後閑駅まえにあったＡコープは、さら地にかわり。
みそまんじゅうの売店も、空き店舗になっています。

ロコおやつも、徐々に廃れつつあるのかも知れません。

駅前を過ぎ、しばらく走ったところで、道路わきの駐車場に『群馬名物　焼きまんじゅう　火群庵』の白い旗が、大量に見えてきます。

おお〜・・っ！

店舗は、以前の火群庵と瓜ふたつ。
もち、こっちのがおニューでキレイすけど。

火群庵はテイクアウトが基本ですが、こうして座って食べられるスペースもあります。

タクシーの運転手さんによると、５月初旬にコチラへ移ってきたそうで。

へえ〜。
すこし、広くなってる。

メーターをとめて待ってくれるという、運転手さんのご厚意に甘えて、まとめ買いするママ上。

待っている間も、めっちゃ笑顔です。

まあ、分かるけどね。
おいしいから。

うちらのお持ち帰り用を焼いている間にも、車で乗り付けた奥さんが、２串ほど頼んでイートインで待っています。

やっぱ、人気なんだなあ〜。
ロコしか知らんが。

楽しい寄り道して、ようやく上毛高原駅へ到着。

別れ際に、タクシーのおじさんにもおすそ分けして、いよいよおやつターイム♪

ハイ、これがみそまんじゅう★

あんま、見た目は美しくありませんが（笑）。

えーと、左側が餡子入り。
右側が、プレーン。

まんじゅうに味噌餡が入っているのではなく、ふっくら蒸しあげた生地の表面に、味噌ダレをぬって炭焼きすることで、外はサックリ＆なかはシットリｖｖ

お茶と一緒に頂くと、いっそう美味しく召し上がれます。

もう、コレ撮っているあいだも、「早くして」とママゴンがせかしちょります（笑）。

慌てなさんな！

「ハイ、どうぞ」

を合図に、さっそく飛びつくマミー。

ここ、駅の構内。
ウッドベンチでございます。

つか、人少ないからイイけど、まわりがいても完全にアウトオブ眼中で、食べてそうだな（笑）。
食道楽だから。

これが５分も経たずに、胃袋に消えまする。
ワタクシも、半分頂きやシタｖ

デジカメで撮っているときは、「そんなのいいから」なんつってたくせに食べ終えると、

「あとで、画像をケータイにメールしてくれる？」

って・・・そんなに好きか？？

「食べたーっ」

満足そうな、母上。

キラキラしてます。

「おまんら、なにしに来たかーっ」

と、駅の一角を占める、天狗サマにも怒られそうですが。

まあ、ばーちゃん元気そうだし、温泉入ったし、みそまんじゅう食べたから！

満足、満足。

ホント、何しに来たんだか（笑）。

４時をまわりホームへあがると、新幹線の到着を告げるアナウンスが流れます。

結局、曇りのまま天気はもったみたい。
傘はいらんかったなあ〜。

じゃあね、バイバイ。
また来るねん♪

新幹線の車窓の向こうに、上毛高原の看板が遠ざかります。




コクリ、コクリ、しながら横浜へ戻ると、傘をさしている人は居ないものの、アスファルトは雨に濡れていて、どうやらすこし前まで降っていたもよう。

そして、暖か〜い！！
温度が全然違います。
１時間チョットなのになあ。

は〜っ。
なんか、旅しちゃった気分？

そう思って、急遽アップしてみました（笑）。
ばーちゃんと、ロコおやつの話しばっかの、小さな旅です！

また、そのうちやってしまうかも〜。
それまで、バイバイ★

きっちーでした。