2010/05/23 - 2010/05/23
103位(同エリア430件中)
みにくまさん
久しぶりに雨降りの日曜日。
こんな時は出かけるのをやめる、ってのが過去の私たち。
今は雨が降っているなら屋内でやっているイベントを探す。
以前とは比べ物にならないほど、元気に外へ出かけるようになりました(*^_^*)
今回探した屋内でやってるイベントは、大阪市立自然史博物館で開催中の「大恐竜展」です。
そもそも大阪市立自然史博物館って、どこにあるのか知らない方も多いと思いますが、東住吉区の長居公園というところにあります。
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関西初上陸 大恐竜展 〜知られざる南半球の支配者〜
2010年3月20日〜5月30日
大阪市立自然史博物館
開館時間 9:30〜17:00
休館日 月曜
入館料 大人1200円/高校・大学生700円
中学生以下無料 -
大恐竜展
町の中で↑のようなポスターを何度か見かけて、そのうち行こうと思っていたのですが、今月いっぱいの期間なので、うっかりしていたら忘れてしまいそう。
今日は久しぶりの雨の休日ということで、こういった屋内のイベントを見るにはちょうど良い。
というわけで雨の中長居公園の大阪自然史博物館へやってきました。
館内に入ると、週末ということもあってか、親子連れを中心にかなりの客で賑わっていました。 -
1 プロローグ 大陸移動と恐竜の進化
DINOSAURS OF GONDWANA
アメリカと日本が1年に数センチずつ近づいていることが、GPS(全地球測位システム)を使って計測され、実際に大陸が移動していることが確認されたのは、比較的最近のことです。
理論上「大陸が移動する」ということが専門家の世界で認められるようになったのも1960年代のことでした。それ以前には、各大陸は大昔から現在の位置にあったと、専門家の間でも信じられていました。従って、かつてウェゲナー(1880〜1930)が提唱した大陸移動説も、あまり顧みることなく忘れ去られてしまっていたのです。
大陸がどのようなメカニズムで移動し、超大陸パンゲアの分裂と移動の時期と重なった恐竜たちの進化は、どのような影響をうけたのでしょうか。 -
メソサウルス
Mesosaurus brasiliensis
古生代ぺルム紀に、淡水に住んでいた爬虫類で、全長40cm〜1m。細長い顎には、針のような歯がたくさん生えていた。水中での生活に適応して、身体は流線型で細長い。体全体の半分ほどもある長い尾は左右に薄く、これをくねらせて泳いでいたと考えられる。足には水かきがあった。
ゴンドワナ大陸の中でも、現在の南アメリカとアフリカの南部だけで、化石が見つかっている。 -
メソサウルス
Mesosaurus brasiliensis
不完全な全身骨格(実物)
学名(属)の意味:中間のトカゲ
分類:竜弓類・中竜目・メソサウルス科
時代:ベルム紀
産地:ブラジル
所属:大阪市立自然史博物館 -
メソサウルス
Mesosaurus brasiliensis
メソサウルス復原画 -
グロッソプテリス
Glossopteris sp.
学名(属)の意味:舌のようなシダ
分類:グロッソプテリス類
時代:ベルム紀
産地:オーストラリア
所属:大阪市立自然史博物館
グロッソプテリスはベルム紀から三畳紀にかけて南半球に繁栄した裸子植物。
グラッソとはラテン語で「舌」を意味し、葉が舌の形に似ていることからこの名がある。
葉は大きなものでは長さ1mにもなった。この化石が南アメリカ・アフリカ・インド・南極・オーストラリアの各地で大量に発見された。
今では海で隔てられた地域だが、かつては一つの陸地でつながっていたこと、つまり南半球を占める大きなゴンドワナ大陸が存在していたことが立証されることとなった。
グロッソプテリスの化石が産出するところでは、他の植物がほとんど混じっていないため、グロッソプテリスだけからなる林をつくっていたと考えられている。 -
2 超大陸パンゲアの時代
DINOSAURS OF GONDWANA
恐竜の出現は、三畳紀後期のはじめころ(約2億2000万年前)の、南アメリカと考えられています。
その頃は、ジュラ紀中期(約1億7000万年前)まで続く、超大陸パンゲアの時代で、地球上の大陸はただ一つ、パンゲアだけでした。
この時代の恐竜は、世界中どこでも比較的よく似ていました。最も原始的と考えられている恐竜、アルゼンチンのエオラブトルや、アメリカのコエロフィシスもそんな仲間です。 -
2 超大陸パンゲアの時代
DINOSAURS OF GONDWANA
通路の様子
子供連れが多いと思いきや、老若男女幅広い層のゲストが訪れています。 -
エステメノスクス 頭骨(レプリカ)
Estemmenosuchus sp.
学名(属)の意味:冠をかぶったワニ
分類:単弓類・獣弓目・エステメノスクス科
時代:ベルム紀
産地:ロシア
所属:大阪市立自然史博物館
原始的な獣弓目(きゅうきゅうもく)の仲間。
大型で胴体は太短く、頭には大きな角が生えていた。鋭い切歯を持っていたが、何を食べていたかはよく分かっていない。 -
イノストランケビア 頭骨(レプリカ)
Inostrancevia sp.
学名(属)の意味:ロシアの地質学者A.イノストランツェフに献名
分類:単弓類・獣弓目・ゴルゴノプス科
時代:ベルム紀
産地:ロシア
所属:林原自然科学博物館
大型の獣弓目。
サーベルタイガーのような大きな牙を持っており、硬い皮膚をもつ動物を襲って食べていたと考えられている。
哺乳類と同じように、肘が後方へ膝が前方へ向いて、前肢と後肢が胴体の下で前後に動くようになり、軽快な動きが可能であっただろう。 -
エオラプトル 不完全な全身骨格(産状レプリカ)
Eoraptor lunensis
学名(属)の意味:暁の泥棒
分類:竜盤目・獣脚亜目
時代:三畳紀後期
産地:アルゼンチン サンワン州
所属:国立科学博物館
これまでに見つかった中では、最も原始的な特徴をもつ恐竜と考えられている。
骨の中の空洞が大きくなっているので、恐竜全体の祖先ではなく、獣脚類の祖先に近いと位置づけられることが多い。
二足歩行で、食肉に適した歯を持っていた。 -
コエロフィシス 全身骨格(産状レプリカ)
Coelophysis bauri
学名(属)の意味:中空の形
分類:竜盤目・獣脚亜目・コエロフィシス科
時代:三畳紀後期
産地:アメリカ ニューメキシコ州
所属:大阪市立自然史博物館
北アメリカに分布していた原始的な小型肉食恐竜で全長約3m。首と尾が長く、すらりとした体で、後肢も細長く走るのは速かっただろう。
昆虫や小型の爬虫類を食べていたと考えられる。
大量の化石がまとまって発見されることがあり、群れで生活していたと考えられている。 -
コエロフィシス 全身骨格(産状レプリカ)
Coelophysis bauri -
ブラキオサウルス 頭骨(レプリカ)
Brachiosaurus brancai
学名(属)の意味:腕トカゲ
分類:竜盤目・竜脚下目・ブラキオサウルス科
時代:ジュラ紀後期
産地:タンザニア
所属:福井県立恐竜博物館
体重数10トンといわれる巨体にもかかわらず、頭骨は小さく、大きな穴があるので大変軽くできている。
真中の高くふくらんだ部分に鼻の穴があった。へら状の歯で、植物を摘み取るように食べていた。 -
ステゴサウルス 頭骨(レプリカ)
Stegosaurus armatus
学名(属)の意味:屋根トカゲ
分類:鳥盤目・剣竜亜目・ステゴサウルス科
時代:ジュラ紀後期
産地:アメリカ ユタ州
所属:福井県立恐竜博物館
ステゴサウルスは背中に大きな骨の板が並んでいる恐竜(自然史博物館本館第2展示室に全身骨格を展示)。
体のわりには頭骨は小さく低い。
植物を食いちぎっていた口先の部分に葉はなく、くちばしが付いていた。 -
キカデオイデア 幹(実物)
Cycadeoidea sp.
学名(属)の意味:ソテツの特徴を持つ
分類:裸子植物キカデオイデア類
時代:ジュラ紀
産地:アルゼンチン
所属:大阪市立自然史博物館
裸子植物キカデオイデア類。ヤシ類に見かけは似ているが、被子植物ではなく裸子植物。ソテツに似ているが、ソテツとは異なる系統と考えられている。
幹の鉱化化石の表面にあるひし形の模様は、葉の落ちた痕である。葉の落ちた痕が斜めの列をつくっていることは、葉がらせん状に配列していることを示している。
よく見るとひし形ではなく細かな同心状の構造が見えるところがある。この部分に種子や花粉をつくる生殖器官が付いていた。 -
恐竜がいた時代に生きていた植物
キカデオイデア
Cycadeoidea sp.
アロウカリア
Araucaria mirabilis -
3 ゴンドワナ大陸の時代
DINOSAURS OF GONDWANA
白亜紀に入ると、パンゲアは南北にほぼ完全に分裂し、南のゴンドワナ大陸の中でも少しずつ分離が進みます。そして、アフリカと南アメリカが最終的に分離したのは、白亜紀前期と後期の境界ごろ(ほぼ1億年前)です。
南アメリカのマプサウルスとアフリカのカルカロドントサウルスは、ともにこのころの恐竜ですが、互いによく似ているのは、分離してからあまり時間が経っていないからだと考えられます。 -
3 ゴンドワナ大陸の時代
この辺りから大型の恐竜が展示されてきます。
恐竜の骨格はもとより、ライトアップによって壁に映し出された影も迫力があります。
小さいお子様の中には泣いてしまう子も・・。
私はお子様の中に混じって、恐竜写真をひたすら撮る。
時にはお子様の目線から撮影し、より迫力のある写真を目指しました。 -
アフロベナトール 復原骨格
Afrovenator abakensis
学名(属)の意味:アフリカの狩人
分類:竜盤目・獣脚亜目・スピノサウルス上科
時代:白亜紀前期
産地:ニジェール
所属:国立科学博物館
頭骨や体の骨はアロサウルスによく似ているが、スピノサウルス上科に含まれる(アロサウルスは自然史博物館本館第2展示室で展示)。
アロサウルスと比べると、吻部が幅狭く、歯は薄くてより鋭くなっている。
長く頑丈な腕で、獲物を捕えていたのだろう。 -
アフロベナトール 復原骨格
Afrovenator abakensis -
アフロベナトール 復原骨格
Afrovenator abakensis -
アフロベナトール 復原骨格
Afrovenator abakensis -
アフロベナトール 復原骨格
Afrovenator abakensis -
マラウイサウルス 復原骨格
Malawisaurus dixeri
学名(属)の意味:マラウイのトカゲ
分類:竜盤目・竜脚下目・ティタノサウルス科
時代:白亜紀前期
産地:マラウイ
所属:国立科学博物館
マラウイサウルスは、竜脚類としては最後まで生き残ったグループである、ティタノサウルス科に含まれ、その中では古い時期の、原始的なやや小さめの種類である。とは言っても首と尾が長く、全長10mを超える。
頸椎(首の骨)の下には前後に長い突起が伸びており、この長い首はそれほど自由には曲がらなかっただろう。 -
マラウイサウルス 復原骨格
Malawisaurus dixeri -
マラウイサウルス 復原骨格
Malawisaurus dixeri -
マラウイサウルス 復原骨格
Malawisaurus dixeri -
スコミムスの一種 頭骨(レプリカ)
Suchomimus sp.
学名(属)の意味:ワニもどき
分類:竜盤目・獣脚亜目・スピノサウルス科
時代:白亜紀前期
産地:モロッコ
所属:福井県立恐竜博物館
スピノサウルス科は魚食に特殊化した恐竜グループで、ほとんどの種類がゴンドワナ大陸に生息していました。
サハラ砂漠の白亜紀前期の地層から数体の骨格が見つかっていて、当時としてはもっともありふれた大型肉食動物で、全長12mにも達する巨大なワニと川の支配権をめぐって闘っていたと想像されます。
イギリスでみつかったバリオニクスと近縁であることから、スコミムスはスピノサウルス類がテチス海(現在の地中海はテチス海の名残)を横切って、アフリカからヨーロッパに分布を広げたことの証拠とされています。 -
スコミムスの一種 頭骨(レプリカ)
Suchomimus sp. -
4 ゴンドワナ大陸分裂の時代
DINOSAURS OF GONDWANA
約1億年前以降の白亜紀後期になると、ゴンドワナ大陸は次第に分裂し、現在の南半球の諸大陸やマダガスカル、そしてインドは今とは違う位置にあるとはいえ、互いに分離しました。
インドはこの後、大きく北東へ移動し、ユーラシアにぶつかることになります。 -
白亜紀中ごろの植物
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白亜紀中ごろの植物
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アウカサウルス 復原骨格
Aucasaurus garridoi
学名(属)の意味:アウカ(地名)のトカゲ
分類:竜盤目・獣脚亜目・アベリサウルス科
時代:白亜紀後期
産地:アルゼンチン ネウケン州
ゴンドワナ大陸でしか見つからない、アベリサウルス科に含まれる肉食恐竜。
この仲間の化石は、パタゴニアを中心とするアルゼンチン各地、そしてアフリカ、マダガスカル、インドからも見つかっていて、白亜紀後期に栄えた。
アベリサウルス科は、前肢が大変短いことが特徴。
アウカサウルスの歯の化石が、竜脚類の大営巣地から見つかったので、アウカサウルスは竜脚類の卵や赤ちゃんを餌にしていたのかも知れない。 -
アウカサウルス 復原骨格
Aucasaurus garridoi -
アウカサウルス 復原骨格
Aucasaurus garridoi -
アウカサウルス 復原骨格
Aucasaurus garridoi -
竜脚類の巣
Megaloolithus sp.
学名(属)の意味:巨大な卵石
分類:ティタノサウルス科
時代:白亜紀後期
産地:アルゼンチン ネウケン州 -
デルタドロメウス 復原骨格
Deltadromeus agilis
学名(属)の意味:三角州の疾走者
分類:竜盤目・獣脚亜目・コエルロサウルス科
時代:白亜紀後期
産地:モロッコ
所属:国立科学博物館
前肢・後肢とも極端に細長く、この大きさ(約8.5m)の恐竜としては最も足が速かったと推定されている。
骨格の産地近くの泥岩層に、デルタドロメウスのものらしい、多数の中型肉食恐竜の足跡が見つかっている。この恐竜が獲物を追って、泥のたまった川岸を走ったのだろう。 -
デルタドロメウス 復原骨格
Deltadromeus agilis -
デルタドロメウス 復原骨格
Deltadromeus agilis -
デルタドロメウス 復原骨格
Deltadromeus agilis -
4 ゴンドワナ大陸分裂の時代
DINOSAURS OF GONDWANA
この辺りは通路の両サイドに恐竜が飾られているので、とても混雑しています。
正面にはスクリーンがあり、さながら映画ジュラシックパークのような映像がながれており、こちらも迫力満点(ゆっくり見ている余裕はありませんでしたが)。 -
ギガノトサウルス 復原骨格
Giganotosaurus carolinii
学名(属)の意味:巨大な南のトカゲ
分類:竜盤目・獣脚亜目・カルカロドントサウルス科
時代:白亜紀後期
産地:アルゼンチン ネウケン州
所属:国立科学博物館
ギガノトサウルスは南アメリカを代表する大型肉食恐竜で、全長はこれまでに知られる最大のティラノサウルスよりも大きく、13mくらいと推定される。頭骨は長さ180cmもあり、ティラノサウルスの頭骨より30cm近くも長い。
同じような超大型の肉食恐竜であるため、ティラノサウルスに似た所も多いが、ギガノトサウルスの方が、頭骨は穴が大きくて、作りが華奢であり、歯は薄くて短く、前肢は大きく3本指である。 -
ギガノトサウルス 復原骨格
Giganotosaurus carolinii -
ギガノトサウルス 復原骨格
Giganotosaurus carolinii -
ギガノトサウルス 復原骨格
Giganotosaurus carolinii -
ギガノトサウルス 復原骨格
Giganotosaurus carolinii -
ギガノトサウルス 復原骨格
Giganotosaurus carolinii -
ティラノサウルス 頭骨(レプリカ)
Tyrannosaurus rex
学名(属)の意味:暴君トカゲ
分類:竜盤目・獣脚亜目・ティラノサウルス科
時代:白亜紀後期
産地:アメリカ
所属:林原自然科学博物館 -
マプサウルス 復原骨格(成体と幼体)
Mapusaurus roseae
学名(属)の意味:大地のトカゲ
分類:カルカロドントサウルス科
時代:白亜紀後期
産地:アルゼンチン ネウケン州
所属:名古屋市科学館
マプサウルスはゴンドワナ大陸に生息した典型的な肉食恐竜である、カルカロドントサウルス科の代表的な種類で、同じ科のギガノトサウルスなどとともに、1億年〜9000万年前の南アメリカを支配した、超大型獣脚類です。
最大の個体は全長13mに達したと考えられますが、比較的軽快な体系を持ち、重量型のギガノトサウルスとは対称的です。
マプサウルスの発掘地では、300個以上の骨が発掘され、大人から子供まで、少なくとも7個体分の骨が混ざっていることが分かりました。一方、他の恐竜の化石は全く見つかっていません。
このような化石の見つかり方から、マプサウルスは大きさ、つまり年齢の違う個体が、群れを作っていたとも考えられます。さらに、大きさの違う個体は親子で、マプサウルスは子育てをしていたという説も出されています。 -
マプサウルス 復原骨格(成体と幼体)
Mapusaurus roseae
手前がマプサウルス成体、手前下が幼体、奥がギガノトサウルスです。
★ トップ写真 ★ -
マプサウルス 復原骨格(成体)
Mapusaurus roseae -
マプサウルス 復原骨格(成体)
Mapusaurus roseae -
マプサウルス 復原骨格(成体)
Mapusaurus roseae -
マプサウルス 復原骨格(幼体)
Mapusaurus roseae
★ 元トップ写真 ★ -
マプサウルス 復原骨格(幼体)
Mapusaurus roseae -
マプサウルス 復原骨格(幼体)
Mapusaurus roseae -
マプサウルス 復原骨格(成体・幼体)
Mapusaurus roseae -
ティラノサウルス 後足(レプリカ)
Tyrannosaurus rex
学名(属)の意味:暴君トカゲ
分類:竜盤目・獣脚亜目・ティラノサウルス科
時代:白亜紀後期
産地:アメリカ
所属:林原自然科学博物館 -
ウネンラギア 復原骨格
Unenlagia comahuensis
学名(属)の意味:不完全な鳥
分類:獣脚亜目・マニラプトル類・ドロマエオサウルス科
時代:白亜紀後期
産地:アルゼンチン ネウケン州
アルゼンチンで初めて見つかった、ドロマエオサウルス科の恐竜。同科は軽快な体系で足の速い活動的な肉食恐竜であり、鋭い歯、立体視のできる目、両手足には強力な鋭いカギ爪を持っていた。
この科は鳥の祖先に近いグループで、鳥が羽ばたくのと同じように、腕を上下に動かすことができた。
南アメリカではウネンラギアに続いて、他にもこの科の恐竜化石が次々と見つかり、ドロマエオサウルス科がモンゴルや北アメリカだけでなく、南アメリカにも広く分布していたことが明らかになった。 -
ウネンラギア 復原骨格
Unenlagia comahuensis -
アナビセティア 復原骨格
Anabisetia saldiviai
学名(属)の意味:考古学者アナ・ビセットにちなむ
分類:鳥脚亜目・真鳥脚類
時代:白亜紀後期
産地:アルゼンチン ネウケン州
ゴンドワナの植物食恐竜といえば、ティタノサウルス類のような竜脚類がほとんどであると考えられていたが、アナビセティアのような原始的な鳥脚類もいたことが、最近分かってきた。
植物を細かく切り刻むのに適した顎と歯、細長い前肢、すばやく物をつかむ手、速く走るための非常に長く強力な後肢、かたくて長い尾、など竜脚類にはない特徴を持っていた。
ローラシアでは白亜紀に、鳥脚類が多くの種類に分かれ、全盛期を迎えた。 -
アナビセティア 復原骨格
Anabisetia saldiviai -
パタゴニクス 復原骨格
Patagonychus peuratai
学名(属)の意味:パタゴニアの爪
分類:獣脚亜目・マニラプトル類・アルバレツサウルス科
時代:白亜紀後期
産地:アルゼンチン ネウケン州
パタゴニクスは、親指だけが大きく、ほとんど一本指と言っても良いような特殊な手を持つ、アルバレツサウルス科に属する。
この奇妙な指を含む前肢を使って地面を掘ったり、指先を何かに引っかけてひっぱったりすることができたと考えられる。
現在のアリクイやセンザンコウと同じような生活をしていたのかもしれない。 -
パタゴニクス 復原骨格
Patagonychus peuratai -
パタゴニクス 復原骨格
Patagonychus peuratai -
カルカロドントサウルス 頭部(生体復元)
Carcharodontosaurus saharicus
学名(属)の意味:ホオジロザメの歯をもつトカゲ
分類:竜盤目・獣脚亜目・カルカロドントサウルス科
時代:白亜紀後期
産地:モロッコ
所属:国立科学博物館
アフリカで発見されたカルカロドントサウルスは、南アメリカのギガノトサウルスとよく似た大型肉食恐竜です。
名前の一部の「カルカロドン」は、映画「ジョーズ」のモデルになったホオジロザメの属名で、あまり曲がっていない歯が、サメの歯に似ていたことによる。
頭骨の長さは約1.6mとティラノサウルスなみであるが、空洞が大きく、幅が狭く細長いので、ティラノサウルスより軽かったであろう。 -
カルカロドントサウルス 頭部(生体復元)
Carcharodontosaurus saharicus -
カルカロドントサウルス 頭部(生体復元)
Carcharodontosaurus saharicus -
カルカロドントサウルス 頭骨(一部実物)
Carcharodontosaurus saharicus
学名(属)の意味:ホオジロザメの歯をもつトカゲ
分類:竜盤目・獣脚亜目・カルカロドントサウルス科
時代:白亜紀後期
産地:モロッコ
所属:福井県立恐竜博物館 -
カルカロドントサウルス 頭骨(一部実物)
Carcharodontosaurus saharicus -
プロトケラトプス(赤ちゃん) 幼体集合化石(レプリカ)
Protoceratops andrewsi
学名(属)の意味:最初の角のある顔
分類:鳥盤目・角竜亜目・プロトケラトプス科
時代:白亜紀後期
産地:モンゴル
所属:林原自然科学博物館
プロトケラトプスの化石はモンゴルでたくさん見つかっている。このブロックには15匹の赤ちゃんが同じ方向を向いて埋まっているのが分かる。
この赤ちゃん化石よりも小さな化石が見つかった例もあるので、この15体は、卵からかえってしばらくたっていると考えられる。
赤ちゃんたちは生まれてからしばらく巣にとどまっていたのだろうか?
その間親は赤ちゃんにえさを運んでいたのだろうか?
子育てをする親恐竜の姿を想像させるような化石だ。 -
プロトケラトプス(赤ちゃん) 幼体集合化石(レプリカ)
Protoceratops andrewsi -
トリケラトプス 頭骨(実物)
Triceratops sp.
学名(属)の意味:3本の角のある顔
分類:鳥盤目・角竜亜目・セラトプス科
時代:白亜紀後期
産地:アメリカ サウスダコタ州
所属:林原自然科学博物館
白亜紀の終わりごろ、北アメリカに住んでいた角竜の仲間で、全長6〜9m。頭骨の後ろの部分が首や肩を覆うように広がり、目の上に2本、鼻の上に1本の角があった。
骨の覆いと角は、雄同士の争いや、肉食恐竜の攻撃から身を守るためのものだったのだろう。
オウムのようなくちばしで植物を噛み切り、奥歯で細かく刻んでいた。 -
トリケラトプス 頭骨(実物)
Triceratops sp. -
5 エピローグ 日本の白亜紀の恐竜たち
OINOSAURS OF JAPAN
恐竜の発掘・研究は、今も世界各地で続けられています。
日本では1981年にはじめて恐竜化石が確認されて以来、これまでに15道県から恐竜が発見されています。最近では三重県・兵庫県・福井県で、白亜紀前期の地層から、ティタノサウルス類に近い原始的な種類(ティタノサウリア類またはティタノサウルス形類)の骨格の一部が発掘され、注目されています。
ティタノサウルス類は最近までゴンドワナ大陸の特徴的な恐竜と思われていたからです。
日本の恐竜化石が、ティタノサウルス類やその仲間の進化の道筋を研究するうえで、重要な役割を果たすかもしれません。 -
ティタノサウルス科 (実物)
Titanosauridae gen.indet.
分類:竜盤目・竜脚下目・ティタノサウルス科
時代:白亜紀後期
産地:アルゼンチン
所属:徳島県立博物館 -
ティタノサウルス科 (実物)
Titanosauridae gen.indet. -
ティタノサウリア科 (鳥羽竜) 右上腕骨(レプリカ)
Titanosauria fam.indet.
分類:竜盤目・竜脚下目・ティタノサウリア類
時代:白亜紀前期
産地:三重県鳥羽市
所属:三重県立博物館
日本で最初の確実なティタノサウリア類の化石で、1996年9月に鳥羽市安楽島町の海岸で発見されました。
尾椎4個、左右の上腕骨、左右の大腿骨、左橈骨、右脛骨、右腓骨、左坐骨などが見つかっており、全長は16〜18m、体重は31〜32トンと推定されています。
竜脚類1個体分の骨が多数見つかったのは、日本では初めてのことでした。
最初はティタノサウルス類と発表されましたが、今ではティタノサウリア類と考えられています。 -
ティタノサウルス形類 (丹波竜) 尾椎(実物)
Titanosauriforms fam.indet.
分類:竜盤目・竜脚下目・ティタノサウルス形類
時代:白亜紀前期
産地:兵庫県丹波市
所属:兵庫県立人と自然の博物館 -
ティタノサウルス形類 (丹波竜) 肋骨(産状レプリカ)
Titanosauriforms fam.indet.
分類:竜盤目・竜脚下目・ティタノサウルス形類
時代:白亜紀前期
産地:兵庫県丹波市
所属:兵庫県立人と自然の博物館 -
ティタノサウルス形類 (丹波竜) 肋骨(産状レプリカ)
Titanosauriforms fam.indet. -
丹波竜復原画
-
ジュラ紀の恐竜たち
本館常設展には、特別展に展示されていないアロサウルスやステゴサウルスなどのジュラ紀の恐竜や、化石・昆虫・植物など、自然に関する展示がいっぱいです。
常設展拝観料 大人300円/高校生・大学生200円
中学生以下、65歳以上の方、障害者手帳をお持ちの方は無料です。
◎ おしまい
この旅行記のタグ
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この旅行記へのコメント (2)
-
- ANZdrifterさん 2010/05/24 22:17:53
- Re:珍しい恐竜たち、勉強になりました
- みにくま さん こんばんは
珍しい、名前も聞いたことがない恐竜たちの 見事な写真に 圧倒されました。
実は 小生は 日本で一つしかない古生物学科の出身ですが 知らない恐竜たちの 名前の解説まで付いていて 本当に勉強になりました。
これだけの情報を きちんと整理して紹介するのは まさにプロの仕事ですね。
もう 戻ることを夢想だにできない年齢になってしまいましたが ひと時は専門にしようかと考えた古生物学の美しさに 懐かしさと 珍しさを感じました。
夢を未来と混同していた 若い時代を つかのま 思い出させていただいた見事なブログに 一票投じて 失礼します。
有難うございました。
ANZdrifter
- みにくまさん からの返信 2010/05/25 13:51:31
- RE: Re:珍しい恐竜たち、勉強になりました
- ANZdrifterさん、こんにちは〜。
恐竜博物館の旅行記をみていただき&投票いただき、ありがとうございます。
私は恐竜に関してはほとんど知識の無い素人なので、専門家の方に見ていただき、参考になったとのお言葉をいただけると、一生懸命旅行記を作成したかいがありました。
写真の撮影とデータ整理に関しては慣れっこで、旅行記にすることを考えて写真を撮っています。なので今回苦労したことと言えば、大量の説明文をタイプする作業だけでした。
名前の解説はちょっと面白いですよね。
博物館っていうと、固い文章・難しい解説、というイメージがあるのですが、名前の由来の一文で、解説を読むのが楽しくなるように工夫されている気がしました。
こういう工夫は、私たち素人や子供にとってはけっこう嬉しいものです。
では〜(^O^)/
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