1993/09/12 - 1993/09/19
5位(同エリア16件中)
北風さん
マレーシア最大の国立公園「TAMAN NEGARA (タマン・ネガラ国立公園)」は、マレー半島の中央に位置していた。
クアラルンプールからバスで2時間揺られた後、高速ボートで3時間!
日本では見た事がない巨木と本当の熱帯雨林ジャングル。
このジャングル・トレッキングで、俺は生まれて初めてあの生き物に出会った。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス 船
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マレーシア最大の国立公園は、マレー半島の中央に位置していた。
クアラルンプールからバスで2時間揺られた後、なんとここから高速ボートで3時間かかると言う。
周りはジャングル一色!
川の色は黄土色!
転覆したら・・・なんて考えたくもない。 -
船酔いとお尻の痛さに耐えてやっとたどり着いた国立公園事務所は、大小の川が合流する分岐点に位置していた。
ヘリポートまで完備するモダンなホテルが目の前にそびえたつ。
周りの熱帯雨林から見事に浮いているこのホテルの裏はいきなりジャングルになっていた。 -
ん?
ジャングルに埋もれるように橋が見える。
キャンプ場までのつり橋らしい。
うーん、先程のホテルとは全く違う簡素な物だ。
こういう所はモダンでもかまわないのだが・・
「支払う代価に比してサービスは向上する!」
・・ジャングルでも資本主義の理念は貫かれている気がする。 -
翌朝、ジャングルトレッキングに出かける事にする。
マレーシアは世界でも有数の巨木の産地だと言うがさすがに木がでかい!
特に「パネル・ツリー」と呼ばれる、巨木の根は地表にまるで木を支えるつっかえ棒みたいに張り出しており、行く手をさえぎっている。
しかもこの木、根っこは地表に出るタイプらしくちょっとの風でよく倒れるらしい。 -
少し歩くと、本当にパネル・ツリーがひっくり返っていた。
ベルギー人のトレッカーが土の壁の前でなにやら写真を撮っている。
近寄ると土の壁と思われていた物が、ひっくり返ったパネル・ツリーの根っこらしい事がわかった。
なんて大きさだ! -
熱帯雨林の大木は、より多くの陽射しを得る為に高さを競い合う。
その為にジャングルの中は妙にすかすかした薄暗い空間が広がっていた。
その薄暗い中、なにやら2足歩行で動き回る影が見え隠れする。
細い小道をたどった先に人家があった。
しかし、これが人家といえるだろうか?
小枝を組んだ上に草を敷き詰めた粗末なテントと呼んだほうがいいのかもしれない。
テントの中には全裸の子供と半裸の女性がうずくまっている。
これがここら辺に昔から住んでいる少数民族の家だと知ったのはずっと後の事だった。 -
旅日記
「熱帯雨林の恐怖」
もうそろそろ、今日の宿泊地にたどり着こうとする頃、ベルギー人のミッシェルが急に足がむずむずすると言って座り込んだ。
ブーツを脱いで靴下を下げると、今まで図鑑でしたお目にかかれなかった「恐怖」がうごめいていた。
俺の小指ほどの大きさの「ヒル」が・・5匹も!
これは、そこらへんのスプラッタ・ムービー顔負けの光景だ。
思わず3人とも飛び上がる!
そしてその足の甲で5匹のヒルが踊り狂う。
ミッシェルいわく、不思議と痛みは無いらしい。
見ている内から、パンパンに身体を膨らませ満腹になったのか、ボタボタと地面に落ちていった。
トルコ人のジョーいわく、普通にとろうとしても頭が皮膚に残るので、タバコを押し付けたりするのが対処法との事。
現地の人間は、ヒルは痛みを麻痺させる液を出して血を吸い続け、無理にとるとなかなか血が止まらなくなるのでそのままぶら下げて歩くらしい。
ヒルは1回満腹になるとそれで1年はもつらしく、今日ミッシェルは5匹のヒルの養い親になったわけだ。 -
さて、次は俺の番だった。
ブーツに分厚い靴下まで履いている俺は自信満々に靴下を下げる。
・・・俺は両足で12匹もの養い親になっていた。 -
「ハット」と呼ばれる見張り小屋に着いたのは、出発してから3時間後だった。
3人とも血だらけだ。
本当にヒルは血が固まらない様な液を出すらしい。
既に取り除いた傷口から血が流れ続ける。
特に不気味なのが、ジョーの首筋だった。
普段は草陰で獲物を待っているヒルが、上空からの果敢なダイビングによってジョーの頚動脈をゲットした結果、彼は首から血を流し続けるゾンビとなってしまった。
へとへとになって、動物が登ってこられない様に急にした階段を見上げる3人は、他人が見たらホラー映画の一シーンと見えたかもしれない。 -
ハットの窓からは、ジャングルの中に開けた平地を見下ろせた。
以前は夜になると野生の像や虎が見れたらしい。
そして俺たちは・・
夜通し張り込んだ結果、ねずみ1匹見つけられなかった。
スリルと言えば、月に照らされたジャングルと懐中電灯に照らされたジョーの首筋を見たときぐらいだった。
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