1998/11/12 - 1998/11/28
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kojikojiさん
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アテネでずっと滞在していたアトスホテルともお別れ。地下鉄でターミナルBまで移動すると同時にドシャ振りの雨。ギリシャの秋がこんなにも雨が多いとは思いませんでした。メテオラへの玄関口のトリカラまでは約5時間半の長旅です。途中ラリッサで運転手の休憩があっただけでほとんど直行でした。トリカラのバスターミナルで翌々日のテッサロニキ行きのバスの時間を調べてカランバカ行きのバスに乗ります。今回の旅で初めて全部の荷物を持っての移動でしたが、途中で増えたアンティークマップの額数枚を持つのが大変でした。今部屋の壁を飾っている地図を眺めると楽しかった旅行の思い出と共に大変だった移動のことも思い出します。カランバカへのバスは超満員で座ることも出来ずに大荷物に往生しました。トリカラの町中を流れる川も氾濫して大変なことになっていましたが夕方には無事にカランバカ到着。バス停にいたホテルの主人と交渉して彼のホテルに宿泊することにしました。荷物を持ってくれたのと部屋からの眺めがいいよという言葉に惹かれてです。着いたホテルは町中にありながら部屋からは本当にメテオラの奇岩が見渡せる素晴らしい景色がありました。
ここでの2晩は近所のタベルナで地元の人と一緒にサッカー観戦したり楽しい時間を過ごしました。ここも季節外れのせいか観光客の姿は見掛けませんでした。ここでの失敗はホテルの主人に外出時は入口の鍵を持っていくように言われたのに直ぐに帰ってくると思って持っていかなかったことです。サッカーを見てお酒を飲んで戻ると真っ暗になって鍵が閉まっています。表は真っ暗で誰も歩いていません。11月下旬のギリシャの山の中、その時点で凍えるような寒さです。酔いなんてすっ飛び、ドアを叩きましたが反応はありません。このままじゃ死ぬかもしれないとか、タベルナに戻ってとかいろいろ考えていると宿の子供が3階の窓から顔を出しました。「お母さん呼んで!」丁寧にお詫びをしたのは言うまでもありません。その晩は小雨から雪に変わり翌朝は一面銀世界でした。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 3.5
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー
- 航空会社
- アエロフロート・ロシア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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バスターミナルにいた客引きのおじさんに着いて行き、彼の経営するホテルに2泊することにしました。いくつか部屋を見せてもらい、部屋から見たメテオラの奇岩です。晩秋というよりも初冬と言った方がよいほどの寒さでした。小雨は冷たいですが流れる雲がより幻想的な感じを増幅させます。
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あまりの美しさにスケッチブックの切符を貼った下に部屋からの奇岩群を描いてみました。一人旅していたこの頃は真面目にこんな時間を取っていました。この夜食事のため外出してサッカーを見ていたら遅くなってしまい、ホテルの入り口が閉まっていて危うく凍死しそうになりました。
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翌朝バスターミナルに行くとバスは運休。窓口のお姉さんが「タクシーで行くしか無いわね。タクシーなら表にいる女性二人とシェアしたら。」と教えてくれました。オーストラリアから来た二人の学生とグランドメテオロンまでタクシーで移動。ターミナルの手前にあったタクシー会社のおじさんと世間話をした後だったのでそのおじさんにお願いしました。
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グランドメテオロンはあいにくのお休み。メテオラの修道院は必ずどこかが休みなので1日で全部見る事は出来ません。そしてこの通りの雪です。3人で山の中をハイキング(車道ですが)しながら修道院を巡るのは楽しかったのですが、あまりの寒さに彼女たちは途中で帰っていきました。
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それからはずっと一人で修道院巡りを続けました。霧が流れると突然に修道院が浮かび上がり驚きと感動が交互に押し寄せてきます。晴天で無くてかえって良かったと思えました。こんな景色がずっと現れたままでは歩いていても先が読めてつまらないでしょうから。
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後ろの雪山と奇岩と修道院の景色は本当に美しかったです。風雪に耐えながら自動車道路を歩いて修道院を巡るとこちらも修道士になった気分です。雨の中傘をさしながら柿の種を食べながら道を歩いていると横を日本人ツアーのバスが通っていきます。
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「あら日本人かしら?」みたいな感じで上から見下ろされた冷ややかな視線・・・。撮影ポイントにバスが止まっても誰も降りてきません。バスの中から写真を撮って去っていきます。自分がしている旅と全く違う旅があるのだなと感じました。
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ギリシャでこんな美しい紅葉を見るとは思いませんでした。同時に子供の頃に家族で行った晩秋の立山連峰の旅で見た風景と重なって見えました。
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雨はあがりましたが濡れた奇岩は重厚さを増してすごい迫力です。スペインのカタルーニャで見たモンセラートの奇岩のようにも見えます。ガウディだったら何かインスピレーションを得るかもしれませんが凡人にはただただ美しいだけです。
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俯瞰するとものすごい広大な景色です。遠くの山々に積もった雪は多分前日の晩に降り積もったものです。
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そして岩山の間に見えるのがカランバカの町です。
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午後になって晴れ間も出てきました。
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ここが一番気に入ったポイントでした。苔生した岩肌を伝わる雨水が光って美しかったのを覚えています。
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寒かったけれどスケッチを1枚描いてみました。
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自分にとってはこの時期のこの天候の時にメテオラに来たのが良かったように思えました。そうでなかったら今残っている印象より軽い思い出だったかもしれません。
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全ての修道院の中は見せていただきましたが現在も信仰の場には変わりないので内部の写真は撮りませんでした。撮影禁止だったのかも分かりませんが。
国も宗教も違うけれど幼い頃に旅した東北の修験の山々や大峰山系の修験の山々の事を思い出しました。グランドメテオ路に街を全部制覇して、車道をブラブラ歩いて下ったら何とか夕暮れ前にはカランバカに戻れました。
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