2007/05 - 2007/05
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ドクターキムルさん
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八尾の曳山
越中八尾といえば越中おわら風の盆が有名であり、宿は半年前には予約で埋まるそうだ。東京では知られてはいないが、越中八尾曳山祭は一度は見ておきたい祭りである。
第1に、地元民の祭りである。これほどの曳車が引き回される祭りなのに、観光バスがほとんど来ないという観光ズレした昔ながらの祭りである。この年(2007年)は快晴だったのに駐車場では観光バスが1台しか止まっていなかった。祭りの日なので河川敷まで駐車場に設営されていたが、車はほとんど駐車しておらず、町の常設駐車場が満杯になる程度で足りていた。勿論、祭りは毎年ゴールデンウィークの祝日5月3日に行われるのにだ。
第2に、曳車の豪華さだ。曳山の装飾には井波の彫刻、高岡の彫金、城端の漆工など加賀藩の名工の作が惜しげもなく散りばめられ、豪華絢爛の一言に尽きる。八尾の曳山は1台に20余りの彫刻が飾られており、彫刻山とも呼ばれ、それらのほとんどは漆を使った彩色が施されている贅沢で極彩色鮮やかな芸術山車です。特に曳山の後方に飾られている大彫と見越は各町の趣向が凝らされた見事な作品ばかりです。一般的な祭りの山車では四方幕や幔幕が張られたり、前と後には錦絵の幔幕が張られたりするが、八尾の曳車は四方に 堆朱彫刻が施されどこの祭りの山車よりも豪華である。
第3に、街角の角回しも昔のままで、京都祇園祭りのように見ごたえがある。最近ではジャッキで持ち上げて山車を回転させることが多い中で、こうした昔のままのやり方は祭りの風情があって良い。
八尾の曳車は6台あり、創設年順に、上新町(1741年創設、人形:在原業平)、東町(1742年創設、人形:小野小町)、西町(1746年創設、人形:恵比寿)、今町(1775年創設、人形:天神)、諏訪町(1869年創設、人形:神功皇后、竹内宿弥)、下新町(1883年創設、人形:大黒天)の各町内が持つ。元禄期以降の創設であり、この頃は羽振りが良かったのだ。この内3つの曳車は越中八尾観光会館(曳車展示館)に常時展示されている。それ以外の3台の曳山は曳山祭が終わればすぐに解体し山蔵に収められる。
前年に、ツアーで越中八尾観光会館を訪れた際に、この豪華絢爛な山車に出会い、館の学芸員に質問した。「どうしてこれほど立派な山車がこんなところにあるのか?」学芸員は、「八尾は富山藩の財政を支えた町で絹を一手に扱い、財をなし、それを注ぎ込んで祭りの山車が豪華になった。」と答えてくれました。「来年はぜひ祭りを見に来ます。」と言って八尾を後にした。早速翌年に訪れた訳です。そして越中八尾曳山祭を楽しむことができました。
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