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 春といえば桜。桜といえば京都。京都の枝垂れ桜のその艶やかさは毎年でも見に行きたいものです。京都の桜の名所と言えば数多く、1冊の本にできるくらいあり、実際に、数多くの京都の桜めぐりの本が出ています。今年、私も1冊買いました。講談社から出版されている「徹底京都桜めぐり」(【監修】佐野藤右衛門、【写真・文】水野丹石)です。この本は実際に片手に持って京都の桜めぐりをするのには便利な1冊です。しかし、ここに掲載されている桜の名所を全て見て回るのには桜の季節は少し短いかも知れません。この本には、東京の人では知らない京都の桜の名所が記載されています。1つ目は、南禅寺界隈(から哲学の道)では「桜の一番美しいところ」として紹介している「清流亭」の桜です。残念ながら、この本では道の反対側にある碧雲荘と取り違えています。出版社の担当者に間違いを知らせ、水野さんに確認したところ、間違いだったので来年印刷する分から訂正するとの回答を得ました。たまたま、私は昨年南禅寺で桜を鑑賞して門前で犬の散歩をしていた人がいたので「この辺で桜のいいところはありませんか?」と声をかけたら、「何処からこられましたか?」「横浜です。」「それならこの先に桜の綺麗なところがありますよ。」と言って案内してくれたのが、清流亭でした。満開の桜を満喫できました。横浜に帰ってから南禅寺界隈のこの庭の名前を調べましたが、隣の碧雲荘までしか辿り着けずに、小さな道を超えたところの名前には辿り着くことができないでいました。たまたま、このときの桜見の旅で、仁和寺からバスに乗り京都駅に行く帰路で、二十歳過ぎの娘さん連れのご夫婦と乗り合わせ、「横浜から桜見に来ました。南禅寺を上ったところの庭の桜が一番綺麗でした。」と話すと、ご主人は「ああ、大松さんのところの庭ね。綺麗な桜だったらこの先にある植木屋の農園の桜がとんでもなく綺麗だから。」とバスの後ろを指して教えてくれたことを思い出しました。とうとうこの3月に大松株式会社のホームページで福利施設のボタンをクリックすると、あの目に焼きついた桜が出てきたのでした。清流亭のホームページがあったのです。Webで探すのに1年近くもかかりました。早速、インターネットの「お気に入り」に登録しました。<br /> 今年も清流亭の桜を見に行きました。今年は白の枝垂れ桜が散り出す頃に赤の枝垂れ桜が咲き出し、昨年のように同時という訳にはいきませんでした。4月の始めの気温が低かったからです。特に、高台寺の庭にある紅白の枝垂れ桜は今年は散々なものでした。朝の8時過ぎに、清流亭の入り口に軽自動車が止まっており、庭で撮影をしていました。私が、そこにいた背広姿の白髪の紳士に、「今日は大松さんのお庭を借りて撮影会ですか?天気がいいので良かったですね。」と声を掛けると、紳士は、「私が大松だ。」と答えるではありませんか。この美しい庭園のオーナーではありませんか。社用で着物を撮っているところでした。取り巻きの額が広くなった重役か部長と思しき人に持っていた本を見せたら、「講談社も佐野さんも知っている。」と笑みを浮かべていました。モデルさんはアラフォーとおぼしき上品で綺麗なご婦人でした。<br /> 2つ目は、醍醐寺憲深林苑の枝垂れ桜です。この本にも醍醐寺「三宝院奥のシダレザクラ園のお茶席」の説明書と写真が載っています。しかし、この憲深林苑の桜園を楽しむ見物人は数えるほどです。三宝院を入ったところの紅枝垂れ桜(糸桜)を見て、玄関先の仮設トイレまで行くと用が足りてしまうからでしょうか。醍醐寺に花見に何度も来ているリピータの人でさえもこの憲深林苑の桜園の枝垂れ桜を鑑賞したことがないのが実情です。さらに奥まで行く人だけが抹茶を頂きながら、落ち着いた醍醐の花見が出来るのです。私がこの憲深林苑の桜園を知ったのは、三宝院の案内係りのおばさんから聞いたからです。昨年の冬の1月に醍醐寺を訪れて、改札係りのおばさんたちに彼女らが撮った桜の写真や彼女らが桜を背に写っている写真を見せてもらい、「春になったら桜を見にぜひ来てください。」と勧められ、また、庭園や書院の案内係りのおばさんと親しく話していたら、「春になったら桜を見にぜひ来てください。奥にも桜がありますから。」と勧められたからです。寺の係員でも中々憲深林苑の桜園のことは観光客には教えないようです。冬場の観光客がほとんどいない時期にはこうした情報が得られるものなのです。<br /> 3つ目は谷原苑です。今年からは東京方面からの桜見ツア−が企画されるようになり、知られるところとなりました。娘さん連れのご夫婦のご主人が言っていた「この先にある植木屋の農園」が谷原苑です。この本にも谷原苑の項が設けられ、「ベニザクラの桃源郷」と謳っています。谷原苑では土日の入場料金は1200円と平安神宮神苑入場料の2倍となっているが、人気は高い。もっとも、平安神宮神苑ほど交通の便は良くなく、谷原苑の桜をぜひ見たいという花見客しか訪れない。バスの便は少なく、それでも立命館大学からは少し便が増える。東京方面からの桜見ツア−客も金閣寺−谷原苑の間は徒歩のようだ。私は金閣寺からタクシーを拾った。「谷原苑まで。」と行き先を告げたら、運転手は新人で、谷原苑は知らないと言う。タクシー無線で道を聞いていた。「これからの時期は谷原苑までのお客が多くなるから道をしっかり覚えるように。」と若い運転手に助言した。金閣寺から谷原苑まではワンメータで560円であった。これなら歩ける距離だ。谷原苑の桜の開花状況は一昨日に電話で聞いていたので咲き始めであることは知っていた。料金所で、「きょうは600円?それとも400円?」と聞くと、「200円です。」と答えが返ってきた。「え!200円!!それじゃ何にも咲いていないな。」というと、「ぼちぼち咲き始めました。」と言う。せっかく来たのだから見ていくことにした。谷原苑では花の咲き具合で入場料を決める良心的な料金システムを取っているのだ。この日はさすがに人が少なく、バス時間まで1時間ほどいたがお客は2、3人程度であった。谷原苑で人を全く入れないで写真が撮れました。やはり、桜の見頃はまだまだ先です。帰りがけに谷原苑の植木職人に「桜の赤は年によって濃い薄いがあるがどうしてですか?」と質問すると、「冬の温度や肥料の量で決まる。温度が低く、肥料が多いと赤が濃くなる。」と答えた。上賀茂神社で店を出していた植木屋の大将の答えと同じであった。<br /> 余談になりますが、京都の桜の名所巡りをして一番気に入ったのは清流亭の桜、二番は憲深林苑の桜園、三番は平安神宮神苑の桜と平野神社の桜でした。旅ではいつもそうなのですが、自分で自ら得た情報が一番の情報となります。また、旅先での地元の人との会話は良い旅の思い出となるものです。<br />

京都の桜-知られざる名所

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2009/04 - 2009/04

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

 春といえば桜。桜といえば京都。京都の枝垂れ桜のその艶やかさは毎年でも見に行きたいものです。京都の桜の名所と言えば数多く、1冊の本にできるくらいあり、実際に、数多くの京都の桜めぐりの本が出ています。今年、私も1冊買いました。講談社から出版されている「徹底京都桜めぐり」(【監修】佐野藤右衛門、【写真・文】水野丹石)です。この本は実際に片手に持って京都の桜めぐりをするのには便利な1冊です。しかし、ここに掲載されている桜の名所を全て見て回るのには桜の季節は少し短いかも知れません。この本には、東京の人では知らない京都の桜の名所が記載されています。1つ目は、南禅寺界隈(から哲学の道)では「桜の一番美しいところ」として紹介している「清流亭」の桜です。残念ながら、この本では道の反対側にある碧雲荘と取り違えています。出版社の担当者に間違いを知らせ、水野さんに確認したところ、間違いだったので来年印刷する分から訂正するとの回答を得ました。たまたま、私は昨年南禅寺で桜を鑑賞して門前で犬の散歩をしていた人がいたので「この辺で桜のいいところはありませんか?」と声をかけたら、「何処からこられましたか?」「横浜です。」「それならこの先に桜の綺麗なところがありますよ。」と言って案内してくれたのが、清流亭でした。満開の桜を満喫できました。横浜に帰ってから南禅寺界隈のこの庭の名前を調べましたが、隣の碧雲荘までしか辿り着けずに、小さな道を超えたところの名前には辿り着くことができないでいました。たまたま、このときの桜見の旅で、仁和寺からバスに乗り京都駅に行く帰路で、二十歳過ぎの娘さん連れのご夫婦と乗り合わせ、「横浜から桜見に来ました。南禅寺を上ったところの庭の桜が一番綺麗でした。」と話すと、ご主人は「ああ、大松さんのところの庭ね。綺麗な桜だったらこの先にある植木屋の農園の桜がとんでもなく綺麗だから。」とバスの後ろを指して教えてくれたことを思い出しました。とうとうこの3月に大松株式会社のホームページで福利施設のボタンをクリックすると、あの目に焼きついた桜が出てきたのでした。清流亭のホームページがあったのです。Webで探すのに1年近くもかかりました。早速、インターネットの「お気に入り」に登録しました。
 今年も清流亭の桜を見に行きました。今年は白の枝垂れ桜が散り出す頃に赤の枝垂れ桜が咲き出し、昨年のように同時という訳にはいきませんでした。4月の始めの気温が低かったからです。特に、高台寺の庭にある紅白の枝垂れ桜は今年は散々なものでした。朝の8時過ぎに、清流亭の入り口に軽自動車が止まっており、庭で撮影をしていました。私が、そこにいた背広姿の白髪の紳士に、「今日は大松さんのお庭を借りて撮影会ですか?天気がいいので良かったですね。」と声を掛けると、紳士は、「私が大松だ。」と答えるではありませんか。この美しい庭園のオーナーではありませんか。社用で着物を撮っているところでした。取り巻きの額が広くなった重役か部長と思しき人に持っていた本を見せたら、「講談社も佐野さんも知っている。」と笑みを浮かべていました。モデルさんはアラフォーとおぼしき上品で綺麗なご婦人でした。
 2つ目は、醍醐寺憲深林苑の枝垂れ桜です。この本にも醍醐寺「三宝院奥のシダレザクラ園のお茶席」の説明書と写真が載っています。しかし、この憲深林苑の桜園を楽しむ見物人は数えるほどです。三宝院を入ったところの紅枝垂れ桜(糸桜)を見て、玄関先の仮設トイレまで行くと用が足りてしまうからでしょうか。醍醐寺に花見に何度も来ているリピータの人でさえもこの憲深林苑の桜園の枝垂れ桜を鑑賞したことがないのが実情です。さらに奥まで行く人だけが抹茶を頂きながら、落ち着いた醍醐の花見が出来るのです。私がこの憲深林苑の桜園を知ったのは、三宝院の案内係りのおばさんから聞いたからです。昨年の冬の1月に醍醐寺を訪れて、改札係りのおばさんたちに彼女らが撮った桜の写真や彼女らが桜を背に写っている写真を見せてもらい、「春になったら桜を見にぜひ来てください。」と勧められ、また、庭園や書院の案内係りのおばさんと親しく話していたら、「春になったら桜を見にぜひ来てください。奥にも桜がありますから。」と勧められたからです。寺の係員でも中々憲深林苑の桜園のことは観光客には教えないようです。冬場の観光客がほとんどいない時期にはこうした情報が得られるものなのです。
 3つ目は谷原苑です。今年からは東京方面からの桜見ツア−が企画されるようになり、知られるところとなりました。娘さん連れのご夫婦のご主人が言っていた「この先にある植木屋の農園」が谷原苑です。この本にも谷原苑の項が設けられ、「ベニザクラの桃源郷」と謳っています。谷原苑では土日の入場料金は1200円と平安神宮神苑入場料の2倍となっているが、人気は高い。もっとも、平安神宮神苑ほど交通の便は良くなく、谷原苑の桜をぜひ見たいという花見客しか訪れない。バスの便は少なく、それでも立命館大学からは少し便が増える。東京方面からの桜見ツア−客も金閣寺−谷原苑の間は徒歩のようだ。私は金閣寺からタクシーを拾った。「谷原苑まで。」と行き先を告げたら、運転手は新人で、谷原苑は知らないと言う。タクシー無線で道を聞いていた。「これからの時期は谷原苑までのお客が多くなるから道をしっかり覚えるように。」と若い運転手に助言した。金閣寺から谷原苑まではワンメータで560円であった。これなら歩ける距離だ。谷原苑の桜の開花状況は一昨日に電話で聞いていたので咲き始めであることは知っていた。料金所で、「きょうは600円?それとも400円?」と聞くと、「200円です。」と答えが返ってきた。「え!200円!!それじゃ何にも咲いていないな。」というと、「ぼちぼち咲き始めました。」と言う。せっかく来たのだから見ていくことにした。谷原苑では花の咲き具合で入場料を決める良心的な料金システムを取っているのだ。この日はさすがに人が少なく、バス時間まで1時間ほどいたがお客は2、3人程度であった。谷原苑で人を全く入れないで写真が撮れました。やはり、桜の見頃はまだまだ先です。帰りがけに谷原苑の植木職人に「桜の赤は年によって濃い薄いがあるがどうしてですか?」と質問すると、「冬の温度や肥料の量で決まる。温度が低く、肥料が多いと赤が濃くなる。」と答えた。上賀茂神社で店を出していた植木屋の大将の答えと同じであった。
 余談になりますが、京都の桜の名所巡りをして一番気に入ったのは清流亭の桜、二番は憲深林苑の桜園、三番は平安神宮神苑の桜と平野神社の桜でした。旅ではいつもそうなのですが、自分で自ら得た情報が一番の情報となります。また、旅先での地元の人との会話は良い旅の思い出となるものです。

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  • 清流亭の桜。<br />

    清流亭の桜。

  • 清流亭での撮影風景。

    清流亭での撮影風景。

  • 醍醐寺憲深林苑の枝垂れ桜。

    醍醐寺憲深林苑の枝垂れ桜。

  • 谷原苑の桜。

    谷原苑の桜。

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