2009/07/19 - 2009/07/20
92位(同エリア145件中)
ごんぶとさん
半年ぶり、2009年初となる世界遺産訪問の場所に選んだのは日本。2年前に登録されたばかりの最新スポット「石見銀山」だ!大阪出張中の連休を利用し、新大阪から岡山・出雲市経由で大田市へ。5時間かけてはるばる銀の都へやって来たのだ。この身果てるまで見尽くしてやらァ!!
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー 新幹線 JR特急 JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- その他
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日本に存在する世界遺産は2009年現在で14箇所。今回の「石見銀山」訪問によって、そのうち10箇所を制覇することになる。張り裂けんばかりの胸を押さえながら、この記念すべき10thアニバーサリーを楽しむことにしよう。
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・新大阪→岡山 新幹線50分
・岡山→出雲市 特急やくも3時間
・出雲市→大田市 山陰本線40分
(約12000円)
いやぁ〜、実に長い列車の旅だった。とうとうここまで来てしまったのだな。単線の1両ワンマン車両なんて初めて乗ったよ。。。 -
大田市駅前は実にのどかだ。人も車も全然いない…。
って、世界遺産だよなァ?ココ。 -
ここから世界遺産登録地域の大森町まではバスで30分ほどだ。今回は大森代官所跡で降りることにした。
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●Iwami Ginzan Silver Mine and its Cultural Landscape
登録区分 文化遺産
登録基準 文化遺産(ii), (iii), (v)
登録年 2007年
そうして大森町への潜入に成功!それでは、街の中心を流れる銀山川を上るようにして、見学して行くとしよう。 -
まずはこの街並みの北端に位置する「城上神社」から。大森町を貫く一本道は、ここからスタートするのだ。
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寛政12年(1800年)に発生した大火事によって、実に街の2/3を失ったという大森町。この城上神社もその時点で焼失しており、現在の社殿は1812年に再建されたものだという。
それにしても、このしめ縄は見事だな。 -
拝殿の天井に描かれた龍。柏手が共鳴することから「鳴き龍」と呼ばれている。この極彩色の色使いはなかなかに目を惹くじゃないか。
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城上神社の隣りには、バス停の名にもなっている「大森代官所跡」が。銀山一帯を幕府直轄領(天領)とするための役所の跡地だ。
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建物自体は国の史跡にも指定されている。現在は石見銀山資料館として、かつて使われていた工具や古文書を展示しているのだ。
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代官所を後にし、南下を開始する。左手の白い壁は、国の重要文化財にも指定されている「熊谷家住宅」だ。
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綺麗な赤い屋根が特徴のこの住宅は、かつて銀山経営を務めていた有力な商家で、金融業や酒造業までにも手を伸ばしていたという。500円で内部拝観が可能だ。
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この先もまだまだ旧家が続く。
山陰合同銀行が街の景観を崩さずに溶け込んでいるところがまた、良いじゃないか。 -
こういう景色を見ると、何だかホッとするんだよなァ。
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そんな街並みにイキナリ現れる「観世音寺」。このイキリタツ岩山はインパクト大だ。
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大森町には高い建造物がないので、以外にも観世音寺では展望台的な楽しみ方ができる。GOEMON風に言わせると「絶景、絶景!」といったところ。
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「町並み交流センター」はかつての裁判所。明治時代の裁判所の雰囲気を今に残している。
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こちらは代官所地役人だった旧河島家の住宅。1991年に復元修理が行われており、現在は200円で一般公開されている。
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扉のない門や塀に囲まれた母屋、道に面した庭など、武家屋敷の特徴をよく伝える遺構。地域で唯一公開されている武家屋敷で、本当に貴重なものなのだ。
たぶん隠し部屋なんかの仕掛けもあるんだろうなァ。 -
旧河島家を更に進むと、左手にこんなオブジェ(?)が。
…ってか、これ。やばくね?
ユネスコ的に、やばくね? -
ここで道は二手に分かれる。左へ曲がる道は「羅漢寺」へ通じているのだ。(正面は銀山方面)
とりあえず、左へ! -
おおっ。
この反り橋はまさしくガイドブックで見た「五百羅漢」!! 500円を払って、いざ見学と参ろう。 -
間歩よりもむしろこちらの方が興味あったので、早くもアドレナリンが耳から大量放出だ。
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五百羅漢は、観世音寺住職「月海浄印」が銀山労働により亡くなった人の供養や労働者の安全のために発願し、明和3年(1766年)に完成したものだそうだ。
もちろん、世界遺産「石見銀山」の構成資産の一つとなっている。 -
銀山採掘の技術がいかんなく発揮された石の遺跡。
中には3つの石窟があり、中央の石窟に釈迦三尊、左の石窟に251体、右の石窟に250体の羅漢像が安置されている。 -
それぞれ表情の異なる石像が250体立ち並ぶ様は圧巻だ。
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これが中央の石窟。
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どの角度から見ても興味深い外観を示す。
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シャッターを押す手が止まらねー!
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先ほどの分かれ道へ戻り、今度は銀山方面へ。
行き方はいろいろあるみたいだが、銀山川沿い遊歩道を使ってみることにした。だって「遊歩道」って、楽しそうじゃん? -
…が、「時間に限りがございます」。
名残惜しいが、致し方なし。五百羅漢(羅漢寺)をあとにし、最終目的地「龍源寺間歩」へ向かうことにした。 -
アスファルトにデカデカと「龍源寺間歩」の文字。
そない強調せんでも分かるわい! -
ここからは「遊歩道らしい」光景が広がっている。木々の間を抜けていけば、自然と龍源寺間歩に辿り着く…という目論みだ。
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だが…
昨日が雨だったせいか、この川けっこう急流。足を滑らせたらアウトだぞ…。
楽しそうといったのは大きな間違いだったようだ。 -
ってゆうか、この川の向こうに小さな間歩の入口があるらしいのだが…流れが急過ぎて渡れねーよ!
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川越えは諦めて、先を急ごう…。
龍源寺間歩に近づくと、あちらこちらの岩壁にほら穴があった。中は公開されていないが、これも銀山採掘時の間歩の一つなのだという。ひとつひとつにそれぞれ番号が付けられていた。(全部で500以上あるらしい) -
野ざらしに墓が並んでいる。銀山で亡くなった人たちのものだろうか?独特の空気がある。
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もう、すぐそこに龍源寺間歩の入口が見える。
が、その前に、アジサイがあまりにも綺麗だったのでパチリ。 -
さあさあ!ついに!
最終目的地の龍源寺間歩に到着!!
遊歩道1時間の徒歩は以外に疲れたなァ。 -
この入り口をくぐると…
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坑道が続いていた!
中はヒンヤリとして寒いくらいだ。 -
龍源寺間歩は、江戸時代中期に開発された代官所直営の坑道。全長約600mある大規模なもので、国史跡にも指定されている。
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こんな風に補強されている箇所も。
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ノミの痕がそのまま残っていて、かつての苦労が伝わってくる。大変な作業だっただろうなァ。
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って、アレレ?もう終わり??
意外とあっさりしてるのね。
ま、入場料400円だもんな。こんなものか。 -
今度は来た道を戻る。あまり整備されていない荒れ果てた道もあったりなかったり。
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中には、ほとんど廃墟と化した寺もちらりほらり。
こういうとこって、昼間でも鳥肌が立つな。 -
ガイドブックから消されたいわくつきの処刑場(首切場)跡地。江戸時代に銀山から銀を盗めば、この場所で問答無用に斬首されたという。今では石碑が静かにたたずむのみで、かつての面影もなく荒廃していた。
しかし、ここもやはり何かが潜んでいそうな重々しい雰囲気がある・・・。 -
気付けば大田市に着いてから飲まず食わずだ。処刑場跡地からすぐのところにある「Cafe住留」に入ってみた。
ここは、どんなガイドブックにも必ず載っている有名店。なかでも「牛すじトロトロハヤシ」が旨いと評判なのらしい。が、着いたときは既にハヤシ完売。うどんくらいしか残っていなかった…。でもこのうどんも悪くない。 -
さて…腹も満ちたし、次はどうしようか?
というわけで、まだ1時間ほど時間があったので、世界遺産センターへ行ってみることにした。 -
これがユネスコの証明書やね。
一旦は「普遍的な価値の証明が不十分」として登録延期を勧告されたわけだけど、逆転登録に至って本当によかったと思う。実際にここまで来てみて、そう感じた。 -
そろそろ帰りの時間だ。
「がっかり遺産」なんて呼ぶ人もいるけれど、個人的には結構見どころの多い、楽しめる観光スポットだと思った。街並みや間歩や寺社それぞれを単体で見たら、それほどグッとはこないかもしれない。でも、全てを総合的に俯瞰して見たとき、その価値や興味は何倍にも膨れ上がる。そういう場所なんだ、ここは。
(完)
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