2009/05/26 - 2009/05/26
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j-ryuさん
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☆福島県の南会津や奥会津には大内宿をはじめ
まだたくさんの萱葺き屋根の民家が残っています。
その多くは今なお住まいとして使われ、古き良き
日本農村の原風景がそのままタイムスリップしたかのように
見ることができます。
今回は旧舘岩村の前沢曲家集落や下郷町の大内宿を
のんびり巡って来ました。
- 交通手段
- 自家用車
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☆我が家からR118を会津方面に30分ほどで天栄村の鳳坂峠(830m)、ここは太平洋と日本海の分水嶺で、少し下ると羽鳥湖が見えてきます。
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☆羽鳥湖畔を下り15分ほどで下郷町のR121に突き当たり、さらに南会津町(旧田島町)を南下し、会津高原駅あたりからR382に入り、ようやく旧舘岩村(現南会津町)です。
さらに舘岩川沿いに進み旧村役場から5分ほどで、目的地の前沢曲家集落に到着です。
同じ県内でも我が家からここまで約2時間。
道は国道なので快適でしたが、いや〜慣れない道は遠いです(^_^;)。 -
☆前沢曲家集落は、文禄年間(1592〜1595)に横田城主・山内氏勝の家臣、小勝入道沢西という人が主家が滅んだ際に移り住んだことに始まると伝えられています。集落は、初め舘岩川近くにあったと言われ、何らかの理由で現在の位置に移動したようです。 地名の由来は、集落の前に沢(川)が流れていた事からきています。(南会津町HPより)
観光客の車は集落には入れないので
R352沿いの駐車場に止め、そこから歩いて橋を渡り集落に入ります。
写真は集落と反対側R352沿いの土手から撮ったものです。
頑張って山の上に上れば集落全体を俯瞰できるようですが、根性がないのであきらめました(^_^;)。 -
☆舘岩川に架かる橋を渡ってすぐ右手に昔懐かしい水車小屋が見えてきます。
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☆水車小屋の並びには『バッタリ小屋』と呼ばれる
杵搗き小屋があります。
昭和30年頃まで、茅葺のバッタリ小屋が小沢に沿って並んでいて2,3軒が共同で、米、粟、きび等を搗いていたそうです。
その後廃れましたが再建され、平成9年12月『水車とバッタリが杵をつく音』が将来に残したい『うつくしまの30選』として福島県の認定を受けたそうです。 -
☆この水車小屋のある一帯は「前沢ふるさと公園」といって、花菖蒲や芍薬など季節の花々が植えられています。
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☆「バッタリ」♪と言うより「バッタン」♪という音でなかなかいい響きです。しし脅しと同じ原理ですね。
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☆集落入り口にある説明文によると、
『雪深い奥会津地方特有の曲家は労働力として馬や牛と同じ屋根の下で、家族同様の生活を営んで来たなごりです。明治40年、集落全体の13戸・神社・寺が焼失する大火があった。再建に約1年かかり、隣接町村や・越後の大工、13人の棟梁とその弟子たちが携わったと言われており、統一的な景観美を生んでいます』だそうです(^^ゞ。 -
☆前沢曲家集落には23軒の民家(農家)があり、そのうち
11軒が萱葺きです。10軒が曲家造りですが、この家は入母屋風造りです。
でも片側が切り取ったような屋根なので、以前は曲家だったのかも知れませんね。 -
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☆深い山あいなので田んぼは少ないようで、
遅い田植えが終わったばかりでした。 -
☆橋のたもとに1軒だけ民家があり、少しあるくと集落になります。
10軒の曲家のうち、集落一番手前のこの1軒は
曲家資料館として内部を公開しています。
(他の民家内部は非公開)
R352沿いの駐車場で入館券を売っています。
大人300円 小人150円 (4月下旬〜11月中旬 ・冬期間休み)
私が訪れたとき発券場は閉まっていましたが、
集落へは無料で入れました。
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☆曲家資料館
会津は大変雪深いところです。人々は雪国で暮らす工夫を重ねてきました。曲家(まがりや)と呼ばれるL字型の民家には、雪国で暮らす工夫が隠されています。土間が道路の方に長くつき出しています。かつては農業に馬が欠かせませんでした。雪深い冬、馬を外のうまやにつないでおくのはあまりにも忍びないではありませんか。住まいの中にうまやが設けられるようになりました。うまやをつくればどうしても、土間が大きくなります。土間から出入りするとき、道路まで離れていると雪かきが大変な重荷になります。せっかく雪かきをしたのに、一晩で1mも積もることもあります。少しでも雪かきを楽にしようと土間を道路に少しでも近づける工夫が生まれました。その結果住まいがL字型をした間取りに発展したのです。
(南会津町観光協会舘岩観光センターHPより)
※http://kankou.tateiwa.org/index.htm -
☆蔵も萱葺きですが、
防火の点からはどうなんでしょう(^_^;)。
でも味わいありますね(^^ゞ。 -
☆集落が密集している四つ角です。
各民家をつなぐ様に細い路地が入り組んでいます。
民家の敷地内には入れませんが、路地は自由に散策でき、集落の人たちもみなにこやかに迎えてくれます。 -
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☆曲家を特徴づけているのは、大きな茅葺きの屋根です。茅葺き屋根は厚みは60cmぐらいあり、冬の雪に耐え、夏は涼しさをつくり、雨音を防ぐ、優れた性質があります。しかし、茅葺き職人が次第に高齢化して、茅場も少なくなってきて、日本中から茅葺き屋根がなくなりつつあります。茅の葺き替えは村人の助け合いで行なわれてきました。助け合いを「結い」や「講」と呼びますが、今年はAさんの屋根、来年はBさんの屋根、と順ぐりに屋根を葺き替えていきます。茅葺き屋根が多いことは、それだけ村人の結束が強い証になります。
(南会津町観光協会舘岩観光センターHPより) -
☆屋根の補修に使うのでしょうか、蔵に萱が立てかけてあります。
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☆茅葺き屋根は良く見ると、形が少しずつ違います。切妻と呼ばれる屋根が両側に下る形、寄棟と呼ばれる屋根が三方向に下る形、入母屋と呼ばれる、三方向に下る屋根のうち妻側に小壁を残した形、さらには養蚕のために、寄棟や入母屋の屋根を途中で止め窓をとった形と、同じ曲家でもビミョウに個性があります。
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☆各曲家の前には掘割があり、裏の山からきれいな水が引かれています。
今でもこんこんと清らかな水が流れ、野菜を洗ったり、果物や野菜を冷やすのに利用しているようです。 -
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☆集落の裏山に小さな神社があり、そこから集落を見下ろすことができます。
以前は杉が邪魔で見えなかったようですが、
何本か切り倒して少し見えるようにしたようです。 -
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☆曲家は実際は10軒しかない筈ですが
神社から見下ろすと曲がった屋根が複雑に重なり合い
20軒近くあるように見えます。 -
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☆前沢曲家集落は全国的に有名な大内宿に比べるとまだまだ素朴で生活の匂いがする萱葺きの里です。
第三者的にはお土産屋だらけの集落にはなって欲しくないな〜と思いました。
これは観光客の身勝手な願いですが・・・(^^ゞ。
この集落からさらに20分ほど奥山には水引集落というまったく観光地化されていない萱葺きの里もあります。 -
☆R352沿いの駐車場にある公衆トイレも萱葺きです(^^♪。
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☆前沢曲家集落を後にして次は下郷町の大内宿に向かいます。
同じ道を戻っても良かったのですが、R352⇒R401⇒R289に出て、旧伊南村、旧南郷村(どちらも現南会津町)経由で駒止湿原に寄ってみることにしました。
駒止湿原(こまどしつげん)は福島県南会津郡南会津町、大沼郡昭和村にまたがる標高1,100mの高層湿原です。駐車場から徒歩5分ほどで湿原に行けるので人気があります。 -
☆駒止湿原は大谷地(約14ha)、白樺谷地(約5ha)、水無谷地(約8ha)からなり、国の天然記念物指定保護区になっています。 この3つの谷地を結ぶ木道と道路は約2kmで往復約2時間かかります。
駒止湿原の特徴は低層から高層へ3種類の湿原があり、幅広い種類の植物を見ることができます。 その数は471種類のものぼるそうです。
今回はあまり時間が無かったので、大谷地だけを散策してきました。
ちょうど水芭蕉、タテヤマリンドウ、リュウキンカなどが見頃で、谷筋にはまだ残雪もありました(^^♪。
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☆湿原に行けば水芭蕉なんてそう珍しい花じゃありませんが、この駒止湿原の水芭蕉はそんじゅそこらの水芭蕉とは違うんです。
スルドイ人は気付いたかもいれませんが、花びらのように見える白い仏炎苞(ぶつえんほう)はふつう一枚です。でもここの水芭蕉は2枚(双苞)なんですよ。
他の湿原でも稀に咲くことはあるそうですが、
群生して咲いているのは世界でもこの駒止湿原だけなんだそうです(^^♪。 -
☆リュキンカ(立金花)
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☆タテヤマリンドウ(立山竜胆)の群生もちょうど見頃でキレイでした〜(^^♪。
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☆駒止湿原と言えばワタスゲ(綿菅)の群生も有名なんですが、これがワタスゲ?とお思いでしょう。
これは花でこの後に真っ白でフワフワの綿毛になります。 -
☆駒止湿原を後にR289を田島方面に下ると途中の
金井沢集落に全国的にも貴重な萱葺き造りの南泉寺鐘楼門があります。鐘楼門は寛政6年(1794)に建立されたそうで、春は枝垂桜の名所としても人気があります。 -
☆南泉寺の近くには使われなくなった水車小屋がありました。
水を流せばそのまま使えそうで放っておくのは
もったいない気もします。 -
☆南泉寺を後にR289⇒R121に入り旧田島町を抜けると大内宿のある下郷町です。
同町の会津鉄道・湯野上温泉駅(ゆのかみおんせんえき)は、日本で唯一萱葺き屋根の駅として有名です。
この駅舎は大内宿の最寄の駅ということで1987年(昭和62年)に萱葺きの屋根の駅舎に建て替えられました。
駅名の通り近くには大川の渓流沿いに18軒の湯野上温泉がります。 -
☆湯野上温泉駅から車で約10分山あいに入ると
大内宿に到着です。
集落の手前に共同の駐車場があり普通乗用車で1日300円かかります。
集落の見学は無料です。 -
☆ 大内宿は会津若松と今市(栃木県)を繋ぐ会津西街道(下野街道)の宿場町でした。江戸時代に会津西街道は会津藩や新発田藩(新潟県新発田市)、村上藩(新潟県村上市)、米沢藩(山形県米沢市)の参勤交代に利用され、本陣をはじめ旅籠や問屋などが設けられ大いに賑わっていたそうです。
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☆時代は明治と代わり、新しい時代を迎えても大内宿は江戸時代のままでしたが、明治17年、日光街道( 現在の国道118)が大川沿いに開通すると、人、物の流れが新しい道路に移り、大内宿は時代に取り残されていきました。日光街道は関東と会津の最短距離で道幅も立派だったので大内宿のある下野街道は廃れる一方で、しだいに大内宿は山間の僻村として忘れらていきました。
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☆しかし、時代から取り残されたことが幸いし、多くの萱葺き家屋が残り、昭和56年(1981)に宿場町としては妻籠宿、奈良井宿に次いで全国3番目に重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
現在の大内宿は保存運動に力を入れ、トタン葺きを再び萱葺き屋根に戻す民家が増え、電柱を無くし、舗装道路も撤去し、掘割(水路)を復活するなど古来の大内宿の姿に戻りつつあります。 -
☆通りの水路にはこんこんと清らかな水が流れ
昔懐かしいラムネやサイダーが冷やされていました。
冷蔵庫でギンギンに冷えた炭酸飲料よりまろやかなな味でしたよ(^^♪。 -
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☆一時は廃れた大内宿も今や南会津を代表する観光地に変貌し、人の流れが絶えることがありません。
もしかしたら江戸時代以上に繁栄しているのかも(^^ゞ
通りの家々はほとんどがお土産屋や蕎麦屋などを営んでいます。 -
☆通りの背後は湯殿山というようで、お堂(子安神社)も萱葺きです。
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☆湯殿山の急な石段を昇ると萱葺きの小さなお堂(子安神社)があり、木々の間から大内宿全体が見渡せます。
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☆この通りは500mもあるそうですよ。
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☆湯殿山から見下ろす大内宿はフォトジェニックで一番の人気スポットです(^^♪。
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☆大内宿では毎年、半夏の日(7月2日)には古式ゆかしい高倉宮ゆかりの半夏まつりが
冬には2月の第二土曜・日曜日に「大内宿雪まつり」がおこなわれます。
雪に埋もれた静寂の大内宿もまた素敵でしょうね(^^♪。 -
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☆蔵も萱葺きです。
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☆一時は舗装された通りも昔の道に戻されました。
その分埃っぽくなったので、ときおり水撒きの光景が見られます。 -
☆大内宿には名物料理やお土産もたくさんあります。
信州高遠から伝わった大根おろしの高遠そばや葱1本で食べる葱そば、栃餅(とちもち)のあんころ餅や、ジュウネン(エゴマ)味噌をぬって焼いたしんごろう餅など、さてどれを食べましょうか(^^ゞ。 -
☆素朴な会津路へまた寄ってがんしょ(^^♪。
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この旅行記へのコメント (4)
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- シベックさん 2009/06/06 17:44:24
- 南会津の茅葺集落
- j-ryuさん、はじめまして!
先ほどは、私のページにお越しくださって、ありがとうございました。
前沢曲家集落や大内宿の茅葺集落には懐かしさを感じます。
時代に取り残された集楽。でも、今では脚光をあびる貴重な存在ですね。
いつか訪れたい・・憧れの茅葺集落です。
大谷地に咲く2枚の双苞を持つ水芭蕉は、初めてみました。
R252で会津から長野方面に抜けたことはありますが、このあたりはまだ未踏の地です。
山野草なども豊富な、素晴らしい山間の南会津を楽しませていただきました。
シベック
- j-ryuさん からの返信 2009/06/06 20:58:02
- RE: 南会津の茅葺集落
- シベックさん、こんばんは。
前沢曲家集落や大内宿など一時は時代に取り残されましたが、
何が幸いするか分かりませんね。
なんか人間の人生にも当てはまるようで
あきらめてはアカン、投げてはアカン、腐ってはアカンと
励まされてきたようです(^^♪。
駒止湿原は駐車場からわずか5分でアクセスでき
子供やご年配の方も簡単に珍しい湿原植物が見られるので
ずいぶん遠来よりみえていました。
私のようなモノグサにもピッタシです(笑)。
福島にはまだまだ見所がたくさんありますので
また機会がありましたら是非お出でください。
ryu
-
- montaさん 2009/05/31 16:53:01
- こんにちは。
- 前沢曲家集落は萱葺きの建物と緑の風景がとても
綺麗です。子供のころは良く萱葺き屋根の家を
見かけましたが、今はみかけません。
ずっと残してほしい日本の里の風景ですね。
大内宿は整然としていてジオラマみたい。
映画村みたいですね。
- j-ryuさん からの返信 2009/05/31 20:13:30
- RE: こんにちは。
- montaさん、こんばんは。
奥会津をドライブしていたら
まだポツポツと萱葺きの民家(農家)が残っていて
びっくりしました。
まとまって残っている所はうまく観光化していますが
それ以外はそう遠くないうちに消えていくんでしょうね。
大内宿はあまりにきれい過ぎて
ほんと時代劇のセットみたいです(^_^;)。
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