2009/01/04 - 2009/01/04
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ぼすとんばっぐさん
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父親の希望で今年のお正月は‘繁昌亭’で落語を聴きに行くことに決定。
出発前は、落語・・・地味やなぁ、と今いち気乗りがしなかったのですが、行ってみると結構楽しめました。噺家や観客の着物姿にも囲まれ、お正月イベントとして良かったです。
繁昌亭へ向かうついでに、近くにある‘大阪くらしの今昔館’にも立ち寄って見ることにしました。今回はイイ意味でいろいろ期待を裏切ってくれました~。
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江戸時代の大坂の町並みを再現しているという、
‘大阪くらしの今昔館’。
再現といってもビルのフロア内でのことなので、そう大したことは出来ないだろうと、そんなに期待をせずに行ってみたのですが・・・。
入口8階から、長〜いエスカレーターに乗って10階へ。
●住まいのミュージアム 大阪くらしの今昔館
http://house.sumai.city.osaka.jp/museum/frame/0_frame.html
※天神橋筋6丁目駅に直結している
‘住まい情報センター’の8階〜10階にあります。 -
10階から窓ガラス越しに見下ろすと、下にはリアルな江戸の町風景が。
ここだけ見ていると、町角で人が本当に遊んでいるかのよう。そして、左屋根の上には2匹の猫もいます! -
目線を正面に戻すと、町屋の瓦屋根を見ることが出来ます。遠くに見えるのは火の見櫓。
10階から9階に再現されている大坂の町を眺め、桂米朝の語りによる説明テープを聞きながら、まず町全体の様子を知る流れになっています。 -
それでは階段で10階から9階の大坂の町へ。
布の演出が粋! -
9階の外壁面には、江戸の大坂の町で見られたものが
色々描かれていました。 -
当時の大坂市内の地図。
-
中へ入るとすぐ目の前にあるのは、先ほど上から見ていた大通り。両脇には町屋がずらりと並び、それぞれ店構えをしています。
大通りでは羽子板で遊ぶ人や・・・、 -
南京玉すだれで遊ぶ人たちも。
他にもからくりおもちゃなどが置いてあって、自由に遊びを体験出来ます。 -
大通りに並んでいるお店のひとつ、「呉服屋」さん。
のれんは、日除けと店看板の役割を果たしていたらしい。 -
「小間物屋」さん。
簪や櫛など髪を結う品物や化粧品を扱うお店。
女性ご用達のお店だからか、のれんにもお福さんのイラストが。 -
お店に近寄って見学。
何と言うか・・・、細部までこだわり抜いて再現しています。本当に店先で品物を見ているよう。ミュージアムという面白さ以上に、映画セットを訪ねたような楽しさがあります。
そしてセンスが良い!
ちょっと想像以上のレベルの高さに驚きました。 -
ここは町会所だったかな。
格子の向こうにも細々としたものがリアルに置かれています。奥にある豹の毛皮、見えますか? -
「人形屋」さん。
入口前にはお面がたくさん飾られています。 -
中にはおもちゃや人形がズラリ。
確かに資料を読んだり絵だけを見るよりは、随分とわかりやすい。それに見ているだけで楽しいです! -
人形屋の奥はミュージアムショップになっています。
今はお正月なので、書初体験をしていました。 -
ミュージアムショップの更に奥。
このまま歩くとお店の裏側へ出ます。 -
「本屋」さん。
奥にいる人形パネルはお店の人?
上には書籍の宣伝、下には芝居の役者絵がプロマイドとして置かれています。 -
「合薬屋」さん。
この町で一番大きい家でした。
薬屋さんは昔からお金持ちだったのかな? -
この店で一番目立つ、
黒漆で塗られた置看板‘ウルユス’。
空をバラバラにすると→ウルユ。
最後のスと合わせて言葉にすると「空ス」。
体の中の悪いものを空にするという意味で、
江戸時代に実際にあった‘万能薬’だったのだとか。
その万能薬を調合する店、ということで堂々とした看板が置かれているようです。 -
資料によると、典型的な町屋は店と住むところが一緒になっていて、表(大通りに面している方)に「店の間」を構え、その奥に居住空間と接客空間があるのだそう。
それでは、のれんをくぐって合薬屋の奥を覗いて見ることに。 -
のれんをくぐると、まず左手に仏壇が置かれている部屋がありました。
-
更に奥には台所が。
(他に見学者がいたので通り過ぎてから撮影) -
台所の隣にある大広間。
なかなかの豪邸です。
それにしても、ちゃちっぽさを感じさせない再現。
パンフレットによると、史料や絵画をもとにして細部にまでこだわってデザインをしたのだそうです。建物も当時の手法が使われ、江戸時代の伝統的技術が凝らされているとのこと。
建築材料は現代のものですが、様式は江戸時代。
本気の再現という感じです。 -
更に大広間の一番奥には縁側があり、その脇にはトイレがありました(右が男性、左が女性用?)。手前の臼は手を洗うところかな。
この合薬屋はお金持ちだからか、縁側の向かいには大きな蔵もありました。 -
大通りとその脇の町屋だけではなく、路地もいくつか再現されています。
建物は本物の木を使っているので(ハッポースチロールに色を塗ったりしていない)、上を見上げさえしなければ本物の路地を歩いているみたい。 -
大通りから路地を抜けてみることに。
-
路地の途中に2匹の犬を発見!その奥には赤い祠も!
そして家の外壁板には雨に侵食された様子が再現!
町にリアルさを出すため、あちこちに細かい演出が効いています。
それにしてもこの犬、上手に作られている〜。 -
路地を右に曲がると、裏長屋があります。
裏長屋では、つつましい住人の暮らしを再現。
大工や青物売りなどが住む庶民の家だったようです。大通り沿いの町屋と比べると、随分小さいつくりになっていました。 -
裏長屋のひとつ。
入口に藁のようなもので飾られているのは、江戸時代のお正月の飾り。このミュージアムでは季節ごとに飾り付けを変えるらしい。
そして、裏長屋の上には木の棒に止まっているスズメたちが。スズメのポーズもそれぞれ違っています。リアルさへのこだわりを感じる〜。 -
目を薄めて天井を見上げると、本当の町風景のようです。
-
町屋の上にはベランダに洗濯物。
更にその奥には火の見櫓があります。
この火の見櫓にはお正月ならではの凧が飾られていました(この角度からは見えませんが)。この凧もちゃちっぽくなく伝統工芸という感じできちんと作られていました。
このミュージアム設計を指揮した人は誰?と興味が湧くほど、心憎い演出だらけです。大阪市の運営とは思えない。 -
ここは先ほど通ったリアルな犬がいる町会所。
裏側から中へ入ってみることに。
随分後で気が付いたのですが、今は夕方の設定(というハズ。建物もやや赤くなっている)。 -
裏庭には井戸があり、中へ入るとすぐに台所があります。戸の上にはこちらも同じくお正月の飾りが、井戸の上には鏡餅があります〜。
-
釜戸とその上には‘火の用心’の張り紙。
包丁や桶などの小物もちゃんと置かれています。 -
壁には傘が備え付けられていました。
ここは玄関でもあり台所でもあり。 -
縁側から覗くとお膳がずらりと並べられていました。
-
別の角度から見ると、床の間には掛け軸が掛けられ、その下には羽子板と鏡餅のお正月セットが。
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町会所を見学した後は「お風呂屋」さんへ。
お風呂屋さんでは江戸時代の町の様子について、1日に数回シアター放映されます。 -
脱衣所とロッカー。
入口にあるのれんをくぐるとすぐ目の前にあるので、もし忠実に再現しているのなら、かなり大胆な脱衣所です。
また、江戸時代の銭湯は男女かまわず混浴だったそうですね。(途中で混浴禁止令は出たようですが。)今からは考えられない! -
洗い場がシアターになっています。
下は床暖房になっているので、混雑してきたら座布団を敷いて座って見ることができるようです。沢山の人が一同に集まる場所(集まって自然な場所)→お風呂屋さん。
考えてますね〜! -
洗い場の脇には掛け湯や桶、そして壁には色々なお店の宣伝広告が貼られていました。入れ歯の広告なんてものもありましたよ。
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上に貼っている‘湯銭’。
大人 8文
こども 6文
ちのみ子 4文
ぬか袋 3文
ちのみ子は無料ではないのか。お湯を使うのに、ちのみ子とか関係ないということなのでしょうか。
-
上映が終わりスクリーンが上がると、後ろに隠れていた湯船が登場。
赤い屋根がある飾りのようなものは石榴口(ざくろぐち)と呼ばれ、湯船の手前に入口として設けられたものらしい。
この入口が設けられたことにより、湯船の中は暗く水の濁りをわかりにくくしたのだとか(後に石榴口は撤廃を言い渡されるようです。) -
シアターが終わってお風呂屋さんを出ると、外は真っ暗だったのでびっくり!!
写真は最初に通った小間物屋さんです。
各お店には灯りがついて、すっかり夜景色。
そっか、シアターの時間に合わせて照明を変えているのか〜。シアターをお風呂に入っている時間と見立てて、シアター前(お風呂屋に行く前)は夕方、シアター後(お風呂屋の帰り)は夜、とことんリアル〜!!
(私の推測ですが、きっとそういうことだと思う。)
それからまた朝がやってきて、途中雷もあったりして(効果音付)、そこらのテーマパーク顔負けです。私は気が付きませんでしたが、鳥のさえずりや町人の声などの効果音もあったようです。
実際の広さより、随分広く感じたビルの1フロア。
落語へ行く途中に軽く立ち寄っただけなので、見学時間はシアターを含めて1時間も無かったのが残念〜!ここは結構遊べるところだと思いますよ。 -
下の8階では、明治、大正、昭和の大阪の様子を模型で展示。
写真は床一面に広がっている大阪市の地図。 -
大阪市内の模型。
この模型も細かくつくられています!
中央にある大通りが堺筋。
今は御堂筋が大阪のメインストリートですが、昔は堺筋がメインだったそうです。 -
川口居留地の模型。
はじめて知ったのですが、大阪にも居留地というのがあったんですね〜。現在の大阪市西区にあったそうで、今は神戸のように居留地の建物は残っていないそうです。 -
ルナパークの模型。
ルナパークって何?と調べてみると、今でいう通天閣がある新世界につくられた遊園地だったのだそう。開業は1912年の夏。
ルナパークはルナ(月)パーク(園)ということで、「月の園」という意味らしい。なかなか洒落ています。さらに調べてみると・・・衝撃的でした。
今の歓楽街で賑わっている大阪の下町としても代表される新世界は、もともとはパリをイメージしてつくられた町だったそうです。えっ!!パ、パリ!?
そして、通天閣はエッフェル塔をイメージしてつくられ(そうだったの!?)、下には凱旋門に見立てた建物をつくり、その上にはそのエッフェル塔風の通天閣をのせ、そこを中心にパリと同じく放射状3方向の通りを北側につくったのだそうです。
し、知らなかった〜〜!!
え〜と、今はパリのパの字の雰囲気もありません。
まぁ、パリに負けてなるものかと(?)凱旋門の上にエッフェル塔を乗せて欲張ったところなんかは、いかにも大阪という感じですけどね。
ルナパークはそんな通天閣を挟んで放射状3通りの反対側(南側)にあったそうです。そして通天閣からルナパークまではロープウェイで結ばれ、模型ではそれも再現されていました。
町の雰囲気は変わるものですね〜。ちなみに大阪空襲で焼けた為、今の通天閣は2代目らしいです。 -
模型の他に、当時使われていたものが展示されていました。
氷冷蔵庫。
電気冷蔵庫が出来るまでは、これを使っていたのでしょうか。 -
ガスストーブ。
アンティーク調の椅子みたいな形をしていますね。 -
炭アイロン。
炭はどう関係しているんでしょう? -
ステレオ。
左右の穴から音がでるようです。
この大阪くらしの今昔館は2001年4月に出来たらしいのですが、今まで名前は聞いたことがあるというくらいで良く知りませんでした。
今回初めて行ってみましたが、なかなか充実した内容だったと思います。遊びながら体験して学ぶ・・・面白くてわかりやすかったです。
とりあえず、昔のことを知る前に再現したものに興味をもってもらおう、再現してつくったものに興味がもてればそこから吸収できるものも多いだろう、という思いを感じました。 -
これからが本日のメイン、
天神橋筋商店街を通って‘繁昌亭’へ向かいます。 -
日本一長いと言われている商店街ですが、端から端まで(ほぼ)歩いたのは今回が初めて。本当に長いです。そして両側にはお店もびっしり。完歩すると約2.6Kmの距離になるらしい!
商店街の区切りごとに飾りは若干変わるようですが、
その中でも一番気になったのはこのアーケード。上を見上げると鳥居がオブジェになっていました。大胆な飾り!天満宮へ近いからこのデザインなのかな?写真は青色ですが、進むごとに色が変わっていきます。 -
繁昌亭に到着〜。
繁昌亭は桂三枝が中心メンバーになってつくった落語専門の小屋で、大阪天満宮のすぐ傍にあります。(大阪天満宮の好意で敷地が提供されたらしい。)
●天満天神 繁昌亭 ホームページ
http://www.hanjotei.jp/ -
繁昌亭ができたのは2006年9月。
戦前も上方落語の小屋があったようですが、大阪大空襲により全て焼失。上方落語の定席としては約61年ぶりの復活になるのだとか。石にその旨が刻まれています。
戦争は失うことばかり。 -
今回見に行ったのは、新春公演。
新春公演は1/1〜1/4までの間、1日に朝・昼・晩の3公演をするのですが、出演者は全て異なっています。(4日間×3公演、全て違う出演者。同じ出演者が2回以上出ない。)
1/4出演の看板落語家の名前が表に大きく出ていました。 -
入口前には本日の演者の名札。
落語専門の小屋と言われていますが、1公演につき2組くらいは漫才や奇術などの出番があり、その人たちは赤文字で、落語家は黒文字で名前が書かれているようです。 -
繁昌亭の入口。
そろそろ夜の第三部が開場です。
扉前にいる若手の落語家が開場を告げる合図の太鼓を叩き始め、その音を聞きながら入場していきます。 -
ロビーの風景。
-
ロビーには落語家の写真がずらりと飾られていました。私自身は落語にあまり詳しくないので、誰が誰なのかよくわからず。
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真っ赤な人力車も置かれていました。
繁昌亭のこけら落としの日にパレードで使われたものだそうです。
三代目・桂春団治を乗せ、桂三枝が車を引いている写真が隣に飾られていました。 -
私たちは2階の客席へ。
舞台の大きさはそこそこありますが、会場の幅と奥行きが狭いので、後席からでも舞台が近いです。(下の写真は2階の左端前席から撮ったものですが、クローズアップはしていません。噺家の顔もはっきりと見えましたよ。)
ちなみに場内は飲食・撮影(上演中のみ)禁止です。 -
天井には提灯がびっしり。繁昌亭に寄付した方の名前が書かれているらしく、約1,500個あるのだとか。
それでは18時になり、いよいよ開演!
落語を生で聴くのは小学生のとき以来で本当に久しぶりなのですが、テレビで見るのとは面白さが全然違いますね。落語に限らずだとは思いますが、特に落語は噺家が言葉を投げ、観客が一瞬考えるという‘間’と‘一体感’があるので、この面白さはその場で空気を共有している人にしか伝わりにくい気がします。お囃子の突然の生演奏、着物を着てビシっとした空気、噺家の1人対観客への緊張感もあり、普段、お笑いについてトーク番組を見慣れているせいか、新鮮さを感じました。
***1/4 夜の部 演目(出演順)***
桂 福矢
桂 あさ吉
桂 春雨
Wonderful 佳恵(奇術)
桂 小枝
※仲入(休憩)
幸助福助(漫才)
笑福亭 小つる
桂 きん枝
最初は若手落語家が出て、仲入の前に前半トリを務める看板落語家、後半はベテラン勢で大トリはこの会一番の看板落語家という順番になるようです。
最初は桂小枝と桂きん枝しか名前を知らず、後は楽しめるのだろうかと思っていましたが、桂春雨はひょうひょうとした喋り方で最後は笑いっぱなし、漫才の幸助福助もテンポが良くて、また別のネタも見てみたくなりました。 -
終わったのは20時半頃。
あっ、入口にいるのは桂きん枝!
なんと、先ほどの出演者が出口で観客をお見送りしてくれています。そしてお願いをすれば、写真にも一緒に映ってくれるみたいです。桂きん枝の前には写真待ちの行列がズラリ。(私は隙を見て勝手に隠し撮りを・・・。)
繁昌亭はグランド花月より小ぶりの会場で料金も安いです(今回の新春公演は前売り¥2,000)。新しくて綺麗で噺家も間近で見れるからか、チケットの入手もなかなか難しいようです。この回もほぼ満席。
当日入場も出来ますが立ち見になる確率が高そうなので、出来たら早めに購入しておいた方が良さそうですね。ちなみに女性は昼間の公演に着物を着て行くと、オリジナルグッズが貰えるみたいですよ。
今、炸裂しているフリートーク番組とはまた違い、しっかり練られた話筋と噺家の演技が楽しめる落語を見て‘粋な面白さ’を感じる人は、実は食わず嫌いなだけで結構いるのではないかと思いました。おすすめします〜。
※名前については全て敬称略させてもらいました。
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