2007/09/01 - 2007/09/13
1位(同エリア32件中)
Katsyさん
- KatsyさんTOP
- 旅行記22冊
- クチコミ1件
- Q&A回答4件
- 162,499アクセス
- フォロワー22人
南米ブラジルの大自然というと普通はアマゾンの密林を連想するだろうが、アマゾンの南には広大な湿原地帯が広がる。
アマゾンにも劣らないほど多様な生き物たちを育む、パンタナール大湿原である。
スケールのビッグな水辺と草原が織り成す風景の中で営まれてきた魅力的な生態系!
アマゾンより開けていて見通しのいいパンタナールのほうが、野生生物の観察や撮影には適しているという。
パンタナール滞在中は、アニマルフォトハンターの小生にとっても実に充実した日々となった…
南米大陸のど真ん中・パンタナールに10日間ほど滞在して、今回も野生の生き物たちに迫ってみた。
乾期の大湿原で、ボートクルーズやトレッキング、バードウォッチングでサファリして撮った南米の仲間たち…
そのときの写真を、当方のホームページ「アニマル・ワールド」で公開中!
アドレス http://animalworld.starfree.jp/ からトップページを開いて、“世界の動物たち”をクリック、世界地図上の⑫または、右ウィンドウのブラジルをクリックしてブラジルのページを開いてお楽しみください。
この旅行記では、主にパンタナールの風景をはじめ現地のロッジ様子や人々の生活のさわりなどを紹介します!
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 50万円 - 100万円
- 航空会社
- デルタ航空
PR
-
パンタナール北部の玄関口、クイアバ空港に到着!
-
パンタナールは観光的に大きく北(マット・グロッソ)と南(マット・グロッソ・ド・スウ)に分かれている。
このクイアバは、マット・グロッソ州の州都。 -
クイアバとパンタナールの動物撮影ポイントとの中継地・ポコネでサファリのための装備を整えて出発!
南パンタナールの玄関はカンポ・グランデという街だが、サファリポイントへ行くには交通の便が悪く、さらにセスナで各ロッジ間を移動しなければならない。
その点北パンタナールは、アクセスが非常に楽でサファリもしやすい。 -
その理由は、マット・グロッソを南北に走るパンタナール縦断道路のおかげ。
主なサファリポイントとサファリの基点となるロッジの数々が縦断道路沿いに点在しているからだ。
ロッジ間の移動も車で楽にできる。 -
パンタナール縦断道路のゲートにて…
まずは、縦断道路沿いの様子をお伝えしよう。 -
路面はところどころ舗装されてはいるが、日本の道路ほど整備はされていない。
移動中、特に奥地では砂埃がひどい。 -
道路沿いに見られる“動物飛び出し注意”の表示板もいかにもパンタナールらしい。
野生動物たちとの出会いを予感してワクワクする。 -
カピバラに注意!
子連れのカピバラのイラストが微笑ましい。 -
こちらはいかにも南米、オオアリクイに注意!
チョクチョク道路を横断したりするのだろうか… -
やがて道路沿いに見えてくる島状森林の数々。
乾期のパンタナールでは、草原に小さな森が点在している。 -
乾期には草原の場所が、雨期になると一面水に覆われるようになる。
水深は1~2mぐらい。 -
小さな森たちは、草地より1~2mほど高く盛り上がっているところに木々が生えているため、雨期でも水面上に存在することができるそうだ。
-
手前の草地が水面に置き換えられた状況をチョット想像してみてほしい。
ウン、やっぱり島に見える…? -
雨期に島となった森は、動物たちの格好の避難場所となるらしい。
島状森林の成り立ちについては、後ほどまたふれる… -
そして、お待ちかね!
パンタナール名物、メガネカイマンの大群!!
水辺はまさに、カイマン地獄(ワニにとっては天国か??)! -
ワニがウジャウジャ!
-
ウジャウジャウジャ!!
-
ウ~ジャウジャウジャ!!!
-
ウ~ジャウジャウジャウジャ!!!!
-
水辺の大群はワニのカイマンばかりではない。
大型の水鳥たちも団体さんでお出迎え! -
縦断道路沿いで見られる水鳥の群れで圧倒的に多いのが、ズグロハゲコウとアメリカトキコウ。
-
水鳥もウジャウジャ!
-
ウ~ジャウジャウジャ!!
-
これは、乾期で水量の減った水場で魚たちが逃げ場を失い捕らえやすくなったために、ワニや水鳥たちが大挙して集まってきた光景。
これだけたくさんのワニや水鳥を養えるだけの魚の豊富さに、ただただ驚くばかり…
しかも、そんなワニや水鳥の大群が容易に見られることも乾期のパンタナールのすごいところ! -
道路沿いの樹上に見つけたズグロハゲコウの巣。
豊かな魚に支えられて子育ても順調そう。
乾期の恵みを受けて、雛もきっとスクスクと育つことだろう… -
しかし、一方で乾期のパンタナールが生み出す風景は湿地や水辺ばかりではない。
雨期に一面水没していた大地は干上がり、場所によってはひび割れた地面が強烈な日差しに晒されているところも… -
乾いた大地に点在する蟻塚群。
いかにもオオアリクイなどがいそうな雰囲気ではあったが… -
下車してしばし探索するも、オオアリクイは発見できず…
しかし、この年(2007年)は気温が以上に高く、極度の乾燥注意報も出ていたのでアリクイが出てくる可能性も大だとか… -
縦断道路沿いに面してあり、高い展望台で知られるアララス・エコ・ロッジに立ち寄る。
-
今回のサービスショット:その①
ロッジの周辺は湿原やバードサンクチュアリが広がっており、ロッジの敷地内には野生のカピバラの群れがやって来る(一部住み着いている?)。
とにかく、カピバラの写真は撮り放題! -
今回のサービスショット:その②
カピバラのアップ。
世界最大のげっ歯類(ネズミの仲間)、ヌーボーとした表情が何ともいえない。
一体何を考えているのか…
観察していても飽きることがない不思議な動物…
カピバラの写真は、当方のホームページ「アニマル・ワールド」( http://animalworld.starfree.jp/ )で公開中! -
ロッジから展望塔までは長い木道を歩いていく。
その途中、目前に広がるバードサンクチュアリ。 -
アララス・エコ・ロッジの展望塔。
高さ約25m。
おそらく、北パンタナールで一番高い展望塔か…
そのてっぺんからはパンタナールの大パノラマが楽しめるとか。 -
展望塔から望むパンタナール大湿原。
このとき、湿原に赤毛で大きめの動物を発見!
後で塔を降りてから、確認しに行ったところアメリカヌマジカだった。 -
ここの展望塔の面白いところは、湿原を眺めながら180度後ろを振り向くと、全く違う光景が広がっていたこと。
湿原の裏は、乾燥したサバンナ(カンポセラード)。
そしてもう一つ、展望塔の面白かった点は樹上の鳥たち(特にオオハシ類)を簡単に近くから撮影できたこと!
通常は高い木の上にいて地上から小さくしか撮れない鳥を、鳥が止まる木の枝と同じくらいの(それよりも高い)高さから狙えるので、バッチリいいポートレートが撮れた。 -
今回のサービスショット:その③
パンタナール縦断道路をさらに南下していくと、道路わきの草地にメスのアメリカヌマジカを発見!
アメリカヌマジカの写真も「アニマル・ワールド」で掲載中!
(http://animalworld.starfree.jp/) -
縦断道路の終点近くの湿原風景。
到着したのは日暮れ時…
北パンタナールと南パンタナールの境界あたりに位置する街、ポルト・ジョフレまでは目と鼻の先。 -
このあたりの湿原にもやはりカイマンの群れが…
この後、日が落ちるのを待って再び来た道を北上した。
南米最強の肉食獣・ジャガーを探しながらの夜道だったが、結局見つけることはできず… -
さて、パンタナール縦断道路をはずれていよいよ本格的サファリへ!
実は、パンタナール湿原の大部分は完全な国立公園化がされておらず、一般観光客立ち入り禁止のパンタナール・マット・グロッセンセ国立公園は大湿原の中のごく一部。
パンタナールで観光客がサファリできるポイントのほとんどが個人の牧場などの私有地内にある。
なので、サファリやその基点となるロッジへ移動する場合などは、写真のように各牧場のゲートを通って敷地内をぬけて行かなければならないことも多い。
通常パンタナールでは、陸のポイントは車と徒歩でサファリする。
ここからは、ランドサファリの模様をお伝えする。 -
草原に立つイッペーの樹。
小生がパンタナールを訪れた頃は、すでに満開の時期を過ぎていたようだ。 -
パンタナールを象徴する花がイッペーの花。
日本で例えれば「桜咲く」といった趣か… -
寄生イチジクの樹。
大木にとりついてその木の養分を横取りして枯らしてしまう、別名“絞め殺しのイチジク”。
カーテンフィグツリーという名で、オーストラリアのクイーンズランドなどでも有名な植物。 -
他の木へのとりつき方は、必ずしもカーテン状に上から覆いかぶさるようにするとは限らない。
-
充分なスペースのある草原では、あくまで周りから囲むように締めつけるのが鉄則!?
-
パンタナールの草原は動物たちの楽園。
木の上を見上げるとカマドドリの巣を発見! -
一方、地上の草原には南米最大の飛べない鳥、レアの卵。
レアは、アフリカのダチョウのメスに似ているのでアメリカダチョウとも呼ばれる鳥。 -
ダチョウの卵に比べると若干小さいが…
-
テカテカ艶々したきれいな卵…
レアは父親が子育てをするそうだ。
実際卵を守っていたのもオスのレアだった。 -
レアの成鳥の写真は、「アニマル・ワールド」( http://animalworld.starfree.jp/ )で確認できます!
-
草原に僅かに残る沼地に舞い降りたズグロハゲコウのカップル。
-
干からびたカニの死骸。
パンタナールの草原には、無数のカニの死骸や貝殻が散らばっている。
一面水浸しとなるパンタナール湿原の雨期の顔が合間見えた。 -
そして、草原には蟻塚が…
根元の部分はオオアリクイにほじくられたあとか?
こうした穴を利用して、アナホリフクロウなどの生き物が住み着いたりする。 -
ついに登場、オオアリクイ(遠くてごめんなさい)!
2007年の異常な熱波により、パンタナールでも頻繁にオオアリクイが目撃された模様。
小生のパンタナールガイド・ユカワ氏が事前にオオアリクイに関する情報を入念に集めていてくれたおかげで、今回のサファリで撮影できるにいたった。 -
手前に干からびたカニの死骸…奥を悠々と歩くオオアリクイ。
乾期のパンタナールを象徴する1枚。 -
地面にオオアリクイが掘ったであろう穴に巣を作ったトックリバチの一種。
-
パンタナールの草原で撮影できた動物は、オオアリクイやズグロハゲコウの他にもカピバラやハナグマ、アメリカヌマジカ、カニクイイヌ、グリーンイグアナ、水鳥類、猛禽類など…
オオアリクイを近くから撮った写真はもちろん他の動物たちの写真も「アニマル・ワールド」( http://animalworld.starfree.jp/ )で(一部未掲載のものも)…
-
草原に点在するブッシュ。
これらのブッシュがやがてどんどん広がっていき、島状森林へと発展していくらしい… -
初期の島状森林。
落葉樹が乾期に落とした枯葉が積もり、また木々の成長する力が地面を押し上げてブッシュ一帯が周囲の草原より盛り上がり、島のような地勢に発達するという。 -
そんな島状森林の中へと入ってみることにした。
-
近づいてくる、島状乾燥林の入口。
森の中は当然徒歩、ウォーキングサファリで…
日中最高気温40℃以上の中でのトレッキングだが、歩くこと自体は大してキツいものではない。
ただパンタナールでは、ブッシュにダニがたくさんいるため、猛暑の中でも長袖長ズボン長靴という服装でトレッキングするのが理想。
長靴はガイドのユカワ氏に用意してもらった靴を着用。
ユカワ氏の話では、ダニの攻撃はかなり凄まじいようだ。 -
乾燥林の中を歩く。
森の中には写真のような道が通っている。
これらの林道は人間が計画的に作ったものではなく、パンタナールで放牧されているウシが歩いた後やそのウシを追って牧童たちがウマに乗って通ってできた道だったりする。 -
乾燥した森の中にも実りの瞬間が…
写真はバナナ、他にもナツメヤシなどが実っている。
そうした果実を目当てに鳥やサルたちが森を住処としている。 -
写真中央に写っているのが、絶滅危惧種にして世界最大のインコ・スミレコンゴウインコ(またまた小さくてごめんなさい)。
このインコを撮影できるのもパンタナールならでは!
事前に営巣場所さえ確認しておけば、ほぼ確実にシャッターチャンスはあるだろう。 -
島状森林ではスミレコンゴウインコの他にもオマキザルやホエザル、アグーチ、テグー、小鳥類などが撮影できた。
スミレコンゴウインコのアップの写真をはじめ他の動物たちの写真も「アニマル・ワールド」( http://animalworld.starfree.jp/ )にてご覧いただけます(未掲載のものも一部あり)。 -
干上がった川でもトレッキング。
ここもおそらく、雨期にはかなりの水量が…
写真は、パラグアイジーニョ川の上流付近。
ここら辺でジャガーの足跡を発見!
しかし、ジャガー本体には出会えず…
次はパンタナールの水辺をクルーズしたときの模様を紹介する。 -
ピウバウ河川湖をクルーズする。
-
パンタナールには川ばかりではなく、川の水がたまってできた浅い湖沼(潟)も少なくない。
これらの潟は、乾期でも枯れることがないそうだ。 -
クルーズはエンジン付の小型ボートで行く。
単なるクルーズというより、ボートサファリというほうが正しいかもしれない。 -
ボートから見える潟の情景。
-
水面から岸辺にかけてホテイアオイが群生する。
-
今回のサービスショット:その④
岸辺のメガネカイマン。
カイマンは、パンタナールのボートサファリで容易に撮影できる動物の一つ。 -
今回のサービスショット:その⑤
メガネカイマンは、姿かたちこそイカツイが実際には小型で臆病なワニ。
陸上から歩いてアプローチしようとすると素早く水中に逃げられてしまうが、ボートからだと目線の高さが同じくらいになるせいかワニも安心するのだろう。
急な動作を控えれば、警戒されずにかなり近くから撮影できる。 -
近くから撮影しやすいのはカイマンばかりではなく、水鳥類も同様。
クルーズ中、岸からかなり近いところでジッとしているカンムリサケビドリを発見!
カンムリサケビドリはガンカモ科で大型のよく目立つ鳥。
ジッとしていた理由は、写真中央の物体。
我々が特別に上陸して近づくと、さすがに鳥も飛び立った。
あとに残されたものは…
どうやらサケビドリは抱卵中だったようだ。 -
カンムリサケビドリの卵。
抱卵を妨げないよう、なるべく迅速に撮影してボートへと戻る。 -
遠くに見えるサギ類の営巣林。
枝に止まっているサギたちで真っ白になっている木々!
岸辺の地上に巣を作る種類もあれば、岸から離れた樹上に営巣する仲間もいる。
このようにパンタナールの水鳥たちは、結構うまく住み分けをしているようだ。 -
船着場から見たピウバウ河川湖。
-
眼前に広がる湿原と河川湖遠景…
-
続いて、ピシャイン川をサファリクルーズ。
リオ・クラロロッジ前の船着場から出発。
群生したホテイアオイでビッシリ覆われた水面! -
ホテイアオイなどの水草を掻き分けながら進むボート。
今回のサファリクルーズでの目玉は世界最大のカワウソ・オオカワウソの撮影!
このピシャイン川流域にはオオカワウソウォッチングの穴場ポイントがある。
夕方にポイント到着をめどにボートは進んでいく。 -
岸辺に戯れるカピバラの家族。
川沿いではオオカワウソの他にもカピバラやカイマン、様々な水鳥類など撮影できる。 -
今回のサービスショット:その⑥
クルーズ中、ボートに近づいてきたメガネカイマン。 -
今回のサービスショット:その⑦
実はボートには川で釣った魚が数匹積んであり、このカイマンは毎回のクルーズごとに魚目当てに寄ってくる“常連さん”であった。
魚をチラつかされたカイマンが見せるジャ~ンプ、ジャンピング・カイマン!
オーストラリアのジャンピング・クロコダイルに比べると距離が近い分スケールも(危険度も)小さい。
ジャンピング・クロコダイルに関しては、オーストラリアの旅行記で公開中(http://4travel.jp/traveler/katsy/album/10210048/)。 -
ヒメウとサギ類の営巣林。
-
他のロッジからクルーズしに来たボートと出会う。
本旅行記には写真は掲載しないが、この日にオオカワウソの写真は撮れた。
カワウソたちは群れ(家族)単位で川を移動するので、彼らの動きを読みながらボートで先回りするのが撮影のコツ。
日が落ちてかなり暗い中での撮影になるので、高感度対応で撮影には臨みたい。
他の観光客たちもオオカワウソを撮影できたのだろうか… -
別の日、サンタ・テレサロッジからピシャイン川にクルーズに出てみた。
元来は、オオカワウソの撮影ポイントもサンタ・テレサ周辺にあったようだが… -
相変わらず、ホテイアオイの中を進むボート。
川辺の景色は、リオ・クラロ周辺と大差なし。 -
川の中州に集う、カピバラとカイマン。
陸のサファリにも通じるものがあるが、この雑多感がパンタナールの魅力。
ただ、オオカワウソの一家には出会えたが、前日ほどいい写真は撮れず… -
パンタナール縦断道路沿いにあるロッジのそばを流れるピシャイン川に比べて、北パンタナールの奥地を流れているのがパラグアイジーニョ川。
上流辺りは、ところどころ干上がっていてウォーキングサファリができる(前出65番目の写真参照)。 -
パラグアイジーニョ川ではオオカワウソはもちろん、水を飲みに来るというアメリカバクなども狙い目!
バクは南米最大の陸生哺乳類。
とても警戒心が強く、めったに見られないそうだが、遭遇できればかなり撮り応えのある被写体。 -
さすがに奥地だけあって、川の沿岸周辺の森も深くまるでアマゾンに来たよう(アマゾンは未訪問だが)。
いかにもバクが出現しそうなうっそうとした景観だが、残念ながらバクには出会えず… -
川面を覆いつくすホテイアオイの花…
乾期のパンタナールの彩りに一役買っている。
パンタナールの水辺をサファリクルーズして撮影したオオカワウソやカピバラ、カイマン、水鳥類やカワセミ類、猛禽類などの写真は「アニマル・ワールド」( http://animalworld.starfree.jp/ )にて公開中(一部未掲載のものも)!
-
イブニングクルーズの締めくくりは川面に映える夕日…
小生のサファリも辺りが暗くなるギリギリまで撮影しているが、動物撮影の合間には南米の日暮れの郷愁に浸る瞬間も…
動物撮影終了後には夕景も押さえておく。
写真は、ピシャイン川の夕景。
以下、パンタナール各地で撮った夕景をお楽しみください… -
ピウバウロッジ周辺の牧場を照らす夕日。
-
ピウバウロッジ周辺の島状森林に沈む夕日…
-
パンタナール奥地、カランダロッジ周辺の夕景。
-
ロッジの名前を出したついでに、ここで今回のパンタナール旅行で小生が泊まったロッジのいくつかを紹介しよう。
写真は、ポサーダ・リオ・クラロ(リオ・クラロロッジ)の外観。
パンタナール縦断道路沿いのロッジには、大抵プールが設置されているようだ。
パンタナールの日中は猛暑なので、たまにはプールで水浴びもいいが、小生は動物たちを追いかけるのに忙しく泳がずじまいだった。 -
ポサーダ・リオ・クラロの敷地内で飼われているウマたち。
パンタナールのロッジのほとんどは、本業で牧場を経営している。
というより、各牧場のオーナーたちが乾期の観光収入源としてそれぞれロッジを設けたといってもいい。
なので、敷地の内外ではウシやウマが頻繁に見られる。
パンタナール観光ではサファリやクルーズの他、乗馬なども楽しめる。
ロッジにお願いすれば、牧場のウマを借りて湿原を乗り回すこともできるようだ。 -
ポサーダ・リオ・クラロのエントランス前にて…
パンタナールの宿には、アタマに“ポサーダ”とか“ファゼンダ”などの呼称がついていることが多い。
中国の宿に使う“飯店”や“賓館”のような意味か? -
ピシャイン川のほとりに位置するポサーダ・リオ・クラロ。
隣接する船着場から手軽にクルーズに出られる便利なロッジ。
オオカワウソの写真を撮影できた、小生にとっては思い出の宿! -
ピシャイン川でオオカワウソを狙える宿としては、ファゼンダ・サンタ・テレサ(サンタ・テレサロッジ)も忘れがたい。
写真は、ロッジの外観。
やはりピシャイン川の河畔にあり、船着場へはポサーダ・リオ・クラロより楽に出られた。 -
北パンタナール奥地にある、カランダロッジ。
ポコネからだと車でパンタナール縦断道路とは別方向に行くとある。
到着早々オオアリクイを撮影できた!
他にも、ジャガーやアメリカバクなど大物狙い向けの拠点。
一般観光ではあまり利用されないサファリの穴場。 -
カランダロッジ外観。
縦断道路沿いのロッジに比べると宿泊設備などは質素だったが、フレンドリーなオーナー一家の家族的なもてなしは小生にとって心地よかった(食事も家庭料理的でおいしかったし)。
また、ロッジのスタッフ(牧童)たちも周辺の野生動物たちの情報に詳しかった。 -
カランダロッジでもウマたちが放牧されていた。
ここで育てられたウマたちは、やがてブラジル中の他の州へと出荷される。
パンタナールは、ブラジル国内でも指折りのウマの産地だそうだ。 -
遠くにロッジを望む。
このカランダロッジはいつごろから営業しているのかは訊かなかったが、パンタナール一帯が2000年にユネスコの世界自然遺産に登録されてから、めっきりとロッジの数が増えたらしい。
事実、小生が1998年頃にパンタナールについて調べたかぎりでも、パンタナール現地内の宿泊施設がほぼ皆無だった覚えがある(クイアバやカンポ・グランデから通うしかなかった、非常に不便)。
世界中の人々に大自然のすばらしさを知ってもらうにはいいことだとは思うが…
パンタナールには牧場の経営と生態系の維持が両立され、人間と野生動物がうまく共存しているモデル地域としていつまでも存続してほしいものである。 -
最後に旅行記を締めくくる前に、パンタナール現地の人々を少し紹介しようと思う。
写真は、パンタナール縦断道路で見かけた牧童。
どこの牧場で働いているのだろう?
アルゼンチンなどでは牧童のことをガウチョと呼ぶが、パンタナールではピアーンと呼ばれているらしい。 -
クイアバ空港近辺で見かけたパレード!
地方豪族のお祭ということだが、ピアーンたちも大勢参加してるようだ。
主役はピアーン!? -
さすがにサンバやカーニバルのお国柄だけあって、パンタナールのような奥地でもカラフルで派手な行列だった。
-
-
白バイ越しに見えるパレード…
-
パレードを見送る白バイ警官。
交通整理も白バイ1台と警備風景もパンタナールではのどかなものだ… -
今回のパンタナール旅行で小生の専属ガイドを務めてくれたのは、現地ポコネ在住の湯川宜孝氏(写真右)。
実はガイドの仕事は副業?で、普段はネイチャー映像コーディネーターをしている。
彼が手がけてきた作品は、日本国内放送分ではNHKの「生きもの地球紀行」などの自然番組や民放のパンタナールを舞台にした紀行ドキュメンタリーなど数々…
彼自身が現地ガイドとして出演した番組もあるとか。
また、湯川氏は写真家でもあり、90年代から現地に腰をすえて大湿原の魅力を撮り続けてきた。
彼のプロカメラマンとしての経験や勘が今回の小生のサファリ撮影旅行を大いに助けてくれた(特にオオカワウソやオオアリクイの撮影)。
湯川氏の夢は、パンタナール内に土地を買い現地に博物館とエコロッジを兼ねた自前のビジターセンターを作ること。
少しでも多くの観光客(特に日本人)たちにパンタナールの大自然と魅力的な生態系を紹介し、環境保護に対する理解を深めてもらおうという壮大な志には感服した。
湯川氏には、ぜひともその夢を実現させてほしいものだ。
また小生も湯川氏に負けずに、少しでも多くの世界中の野生動物たちと出会い、大自然の中に生きる彼らのポートレートを撮ろうというロマンを持ち続けていたい。 -
クイアバ空港を飛び立ち、パンタナールを後にする。
-
眼下に臨む乾期のパンタナール湿原。
蛇行する川、点在する島状森林… -
上空からクイアバ川が見えた。
-
この後、サン・パウロを経由して帰国の途に…
-
今回の旅行記オマケのショット。
帰りに寄ったサン・パウロの騎馬警官たち。
パンタナールとは違って、大都会サン・パウロは治安が悪いのか街中警官だらけ!
普通の警官にはカメラを向ける気もなかったが、小生が気になったのはもちろんおウマさんたち。
騎馬の警官自体、日本にはいないので撮影の許可を得ようと恐る恐る彼らに声をかけたが、思っていたより気さくに撮影に応じてくれた。
彼らの乗るウマもパンタナールで育ったのだろうか… -
サン・パウロの騎馬警官たちと…
フラッシュのせいもあっただろうが、街の正義と市民の平和を守るため“眼を光らせて”いてほしいものである。
今回パンタナールで撮影した野生動物や野鳥の写真は、小生のホームページ「アニマル・ワールド」( http://animalworld.starfree.jp/ )のブラジル編で公開中!
ぜひ、見にきて下さい!!
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (5)
-
- 薫さん 2009/06/23 14:09:58
- 夢中で読んじゃいました
- ひとつの旅行記に100枚以上の写真と結構なボリュームなのに、面白くて一気に読んじゃいました。
まるで、BSとかの良質なドキュメントを見ているよう。
カイマンがあんなにうじゃうじゃ群れでいるのも凄かったし。
野生動物の生態を生で見れるなんて、いい体験をされていて羨ましい限りです(^^)
薫
- Katsyさん からの返信 2009/06/28 00:27:17
- 嬉しいかぎりです!
- 薫さん、旅行記へのご訪問&掲示板への書き込みありがとうございました。
パンタナール編もお楽しみいただけたようで何よりです!
> まるで、BSとかの良質なドキュメントを見ているよう。
イヤァ〜、お褒めに預かり光栄です♪
写真も100枚以上載せた甲斐がありました。
ホント、フォトトラベラー冥利に尽きます!!
ワニのカイマンがあれほどウジャウジャ群れている光景は日本の日常ではありえないことで、確かに強烈なインパクトがありました。
それだけパンタナールという地域は豊かな生態系が保たれている場所なんだと実感しました。
薫さんも動物好きなんでしょうか?
もしそうだったら、一度パンタナールを訪れてみてはいかがでしょう。
きっと、感動すると思いますよ!
とにかく、今後ともよろしくお願いします〜!
そして、お互いにいい旅を…
http://www.h7.dion.ne.jp/~katsumi
- 薫さん からの返信 2009/06/28 23:02:59
- RE: 夢中で読んじゃいました
- 返信ありがとうございます(^^)
動物は大好きです。小さい頃の好きな番組は「わくわく動物ランド」でした!
最近は旭山とか筆頭に、見てて可愛そうな動物園から変わってきている気はしますけど、野生の迫力とかを求めるなら自然界が一番なんでしょうね。
ブラジルはそれでなくても、レンソイスやウユニやアマゾンや、いろいろ魅力的な場所がたくさんあるので、憧れの場所です。ただ、お金がすごくかかる(TT)
また、旅行記読みにくると思いますが、よろしくお願いします。
薫
-
- RYKさん 2008/10/23 21:19:20
- カピバラ!!!
- 初めまして!
足あとからお邪魔させて頂きました。
このカピバラさんに反応して、書き込みさせて頂きました。
こんなに近くで御覧になったんですね、羨ましいです。
これからもお邪魔させて下さいね。
- Katsyさん からの返信 2008/11/19 01:52:25
- RE: カピバラ!!!
- RYKさん、小生の旅行記への訪問と掲示板への書き込みありがとうございました!
ブラジル・パンタナール編、楽しんでいただいたようで何よりです。
カピバラ、好きなんですか?
確かに彼らのモッソリ、ヌーボーとしたキャラはナントもいえない魅力ですよね(ヤッパ、癒し系?)。
RYKさんもパンタナールに行ったなら、必ず見ることができますよ。
間近での写真撮影もOKでしょう。
何といってもパンタナールは、カピバラ天国ですから…
RYKさんのご訪問、大歓迎です!
これからもよろしくお願いします。
そして、お互いにいい旅を…
http://www.h7.dion.ne.jp/~katsumi
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
5
117