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■ウズベキスタンの美しき日本語ガイド ヴィーカ<br /><br />「あらっ、鈴木さんじゃないですか?!」<br /><br /> タシケントを出発する飛行機に乗り込むために、乗客の行列に並んでいたとき、後ろから元気な声が聞こえてきた。振り返ると見覚えのある、綺麗な顔立ちに満面の笑みを浮かべた女の子が立っていた。それは前回の渡航の際に知り合った、現地日本語ガイドのヴィーカだった。ヴィーカは朝鮮系ウズベキスタン人で、初めて出会った時、あまりの日本語の流暢さとその顔立ちから日本人がウズベキスタンに移住をして、ここで日本語ガイドとして働いているのかと思ったくらいだった。「さっき空港で鈴木さんをみかけたんですけど・・。でも本当お久しぶりですね!」とにこやかに、そしてまた流暢な日本語でヴィーカは続けた。ヴィーカは本当に才色兼備で、外見は女優の仲間由紀恵にそっくりで、よく日本からくるお客さんにもそう言われるらしい。当のヴィーカは日本に来たことがないため、長いあいだ仲間由紀恵を知らなかったようだ。しかしながら日本に留学したことがないのに、あそこまで文法はもとより発音まで違和感なく身に着けた彼女の努力には本当に脱帽である。<br /><br />「これからウルゲンチに行くんですか?今回もお仕事ですか?」「そう、さっきウズベキスタンに着いて、これからヒワに向かうところなんだ。でも今回は仕事じゃないよ。休暇で来たんだー。」「そうなんですか!そんなにウズベキスタンが好きになったんですね(笑)。」と話は盛り上がる。やっぱり万国共通でいえることだが、同じ歳くらいの女の子が集まると、本当に話が次から次にとめどなく沸いてくる。ヴィーカと私は同い歳だったし、同じ旅行業に携わる人間としても息が合った。<br /><br />「私は今回もまた仕事なんです。じゃあ、またあとで。ホテルで会いましょう!」ヴィーカは前回出会った時と同様、今回も仕事でお客さんと一緒にタシケントを発つところだった。今回もたまたまそのお客さんと日程が同様だった為、ヒワからタシケントに戻るまでの間、同じ都市を回ることになっていた。今回のウズベキスタンへの旅行は前回の渡航でお世話になった人たちへのお礼まわりも兼ねていたので私はとてもうれしくなった。まさかここで会えるとは!<br />約1時間半のフライトの後、ウルゲンチの空港に降り立った私たちは、予約していた送迎のドライバーを探した。<br /><br /> しかし他の乗客が次々にドライバーと顔合わせをしていく中、私たちのドライバーは一向に現れない。そして、タシケントの空港と同様に、タクシーの運転手たちが次から次に話しかけてくる。待っても待ってもなかなかドライバーが現れないので、仕方がないからこのドライバーの山の中から一人誰かを選んで、ホテルまで送り届けてもらおうかな・・・と思いかけたころ、ヴィーカが向こう側に見えた。<br /><br />「ヴィーカ!ちょっと聞いてよ。私たちの予約した車が来てないみたいなの・・・。」そう私が言うと、「あら、本当?!ちょっと待ってね。」と私が予約した会社の担当者(といってもその人も私たちの友人なのだが)に携帯で電話してくれ、手を打ってくれた。間もなく私たちの送迎ドライバーが現れ、問題解決。ヴィーカのおかげでスムーズに事が進んだ。無事にドライバーと出会えた私たちは車に荷物を積み込み、ヒワへと向かった。

忘れえぬ人々との出会い in ウズベキスタン(2)

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2007/10 - 2007/11

2149位(同エリア2184件中)

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1

JIC旅行センター

JIC旅行センターさん

■ウズベキスタンの美しき日本語ガイド ヴィーカ

「あらっ、鈴木さんじゃないですか?!」

 タシケントを出発する飛行機に乗り込むために、乗客の行列に並んでいたとき、後ろから元気な声が聞こえてきた。振り返ると見覚えのある、綺麗な顔立ちに満面の笑みを浮かべた女の子が立っていた。それは前回の渡航の際に知り合った、現地日本語ガイドのヴィーカだった。ヴィーカは朝鮮系ウズベキスタン人で、初めて出会った時、あまりの日本語の流暢さとその顔立ちから日本人がウズベキスタンに移住をして、ここで日本語ガイドとして働いているのかと思ったくらいだった。「さっき空港で鈴木さんをみかけたんですけど・・。でも本当お久しぶりですね!」とにこやかに、そしてまた流暢な日本語でヴィーカは続けた。ヴィーカは本当に才色兼備で、外見は女優の仲間由紀恵にそっくりで、よく日本からくるお客さんにもそう言われるらしい。当のヴィーカは日本に来たことがないため、長いあいだ仲間由紀恵を知らなかったようだ。しかしながら日本に留学したことがないのに、あそこまで文法はもとより発音まで違和感なく身に着けた彼女の努力には本当に脱帽である。

「これからウルゲンチに行くんですか?今回もお仕事ですか?」「そう、さっきウズベキスタンに着いて、これからヒワに向かうところなんだ。でも今回は仕事じゃないよ。休暇で来たんだー。」「そうなんですか!そんなにウズベキスタンが好きになったんですね(笑)。」と話は盛り上がる。やっぱり万国共通でいえることだが、同じ歳くらいの女の子が集まると、本当に話が次から次にとめどなく沸いてくる。ヴィーカと私は同い歳だったし、同じ旅行業に携わる人間としても息が合った。

「私は今回もまた仕事なんです。じゃあ、またあとで。ホテルで会いましょう!」ヴィーカは前回出会った時と同様、今回も仕事でお客さんと一緒にタシケントを発つところだった。今回もたまたまそのお客さんと日程が同様だった為、ヒワからタシケントに戻るまでの間、同じ都市を回ることになっていた。今回のウズベキスタンへの旅行は前回の渡航でお世話になった人たちへのお礼まわりも兼ねていたので私はとてもうれしくなった。まさかここで会えるとは!
約1時間半のフライトの後、ウルゲンチの空港に降り立った私たちは、予約していた送迎のドライバーを探した。

 しかし他の乗客が次々にドライバーと顔合わせをしていく中、私たちのドライバーは一向に現れない。そして、タシケントの空港と同様に、タクシーの運転手たちが次から次に話しかけてくる。待っても待ってもなかなかドライバーが現れないので、仕方がないからこのドライバーの山の中から一人誰かを選んで、ホテルまで送り届けてもらおうかな・・・と思いかけたころ、ヴィーカが向こう側に見えた。

「ヴィーカ!ちょっと聞いてよ。私たちの予約した車が来てないみたいなの・・・。」そう私が言うと、「あら、本当?!ちょっと待ってね。」と私が予約した会社の担当者(といってもその人も私たちの友人なのだが)に携帯で電話してくれ、手を打ってくれた。間もなく私たちの送迎ドライバーが現れ、問題解決。ヴィーカのおかげでスムーズに事が進んだ。無事にドライバーと出会えた私たちは車に荷物を積み込み、ヒワへと向かった。

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  •  その日はヴィーカのお客さんと宿泊ホテルが一緒だったので、その日の夜にヴィーカを飲みに誘った。ホテル内にあるバーで少し飲みながら話をした。<br /><br />「あのね、嬉しいニュースがあるの!」とヴィーカはうれしそうに語りだした。「やっとロシアの国籍とパスポートが取得できたの。これでやっと海外にも出られる・・・。」<br /><br /> 実はヴィーカは元々タジキスタンの生まれだった。しかしソ連邦が崩壊して、それまで持っていた『ソ連』という国籍がなくなり、ウズベキスタンに取り残されたヴィーカの一家は、生まれがタジキスタンということでウズベキスタンの国籍も取得できず、かといって新しくできた国境を越えてタジキスタンに戻ることもできず、長い間『無国籍』という扱いを受けていたのだ。それが長い時間を経て、やっと自分自身の国籍を得られたのだ。ロシア国籍になったのは、ソ連時代の遺物や責任は全てロシアが負うという制度のもとで、そのように決定されたようだ。<br /><br /> この話は私も初めて聞いたので、なぜヴィーカが日本に来たくても来れなかったのか、どうして日本に留学せずにここまで日本語を上達させることができたのか、自然と理解できた。「きっとヴィーカは他の人のように海外に思うように出られなかった分、本当に真剣に語学を学んだんだね。」そう私が言うと、「え、そんなことないよ。私そこまで努力なんてしてないし。」と、はにかみながら笑った。でも本当に嬉しそうなヴィーカを見て、私も嬉しい気持ちでいっぱいになった。<br /><br /> その後も、長いあいだ恋人や仕事の話、家族の話などをして、私たちは自分の部屋に戻っていった。ヴィーカとはその後もやはり各都市で遭遇することが多く、現地で私たちのために民族舞踊ショーの手配をしてくれたりと、いろいろとサポートをしてくれた。本当に感謝だ。<br />私はヴィーカと出会えて本当に幸運に思うし、私もヴィーカに負けないくらいのガッツを持って何事にも取り組んでいこうと決意を新たにした。ヴィーカとはこれからもずっと友達でいたいと思う。<br /><br />(つづく)

     その日はヴィーカのお客さんと宿泊ホテルが一緒だったので、その日の夜にヴィーカを飲みに誘った。ホテル内にあるバーで少し飲みながら話をした。

    「あのね、嬉しいニュースがあるの!」とヴィーカはうれしそうに語りだした。「やっとロシアの国籍とパスポートが取得できたの。これでやっと海外にも出られる・・・。」

     実はヴィーカは元々タジキスタンの生まれだった。しかしソ連邦が崩壊して、それまで持っていた『ソ連』という国籍がなくなり、ウズベキスタンに取り残されたヴィーカの一家は、生まれがタジキスタンということでウズベキスタンの国籍も取得できず、かといって新しくできた国境を越えてタジキスタンに戻ることもできず、長い間『無国籍』という扱いを受けていたのだ。それが長い時間を経て、やっと自分自身の国籍を得られたのだ。ロシア国籍になったのは、ソ連時代の遺物や責任は全てロシアが負うという制度のもとで、そのように決定されたようだ。

     この話は私も初めて聞いたので、なぜヴィーカが日本に来たくても来れなかったのか、どうして日本に留学せずにここまで日本語を上達させることができたのか、自然と理解できた。「きっとヴィーカは他の人のように海外に思うように出られなかった分、本当に真剣に語学を学んだんだね。」そう私が言うと、「え、そんなことないよ。私そこまで努力なんてしてないし。」と、はにかみながら笑った。でも本当に嬉しそうなヴィーカを見て、私も嬉しい気持ちでいっぱいになった。

     その後も、長いあいだ恋人や仕事の話、家族の話などをして、私たちは自分の部屋に戻っていった。ヴィーカとはその後もやはり各都市で遭遇することが多く、現地で私たちのために民族舞踊ショーの手配をしてくれたりと、いろいろとサポートをしてくれた。本当に感謝だ。
    私はヴィーカと出会えて本当に幸運に思うし、私もヴィーカに負けないくらいのガッツを持って何事にも取り組んでいこうと決意を新たにした。ヴィーカとはこれからもずっと友達でいたいと思う。

    (つづく)

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