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疲れた心を休めようと、<br />宿も決めぬままぶらりと出かけた爽秋の青森。<br />アートに目を、旬の食に舌を癒されました。<br />絵に描いたような秋の恵みに出会った、小さな旅です。<br /><br />※訪問地〜三内丸山遺跡、青森県立美術館、酸ヶ湯温泉

青森旅行記‘07

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2007/10/16 - 2007/10/17

8275位(同エリア9657件中)

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arzaga10

arzaga10さん

疲れた心を休めようと、
宿も決めぬままぶらりと出かけた爽秋の青森。
アートに目を、旬の食に舌を癒されました。
絵に描いたような秋の恵みに出会った、小さな旅です。

※訪問地〜三内丸山遺跡、青森県立美術館、酸ヶ湯温泉

同行者
一人旅
一人あたり費用
1万円 - 3万円
交通手段
自家用車

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  •  行く先をはっきり決めずに出た小旅行。でも最初に<br />青森市に06年にできた青森県立美術館と、隣り合う<br />三内丸山遺跡を訪ねる計画だけはありました。<br /> 住んでいる秋田からマイカーで2時間半。リンゴ畑が<br />赤く色づく東北道を行きました。青森ICを下りる手前<br />から道が分かれるごとに案内が出ていて、迷わずに<br />遺跡に到着。「時遊館」という真新しい体験学習施設<br />から、遺跡には無料で入れます。8年前に来た時には<br />周りに建物などない原野だったのに、びっくりです。

     行く先をはっきり決めずに出た小旅行。でも最初に
    青森市に06年にできた青森県立美術館と、隣り合う
    三内丸山遺跡を訪ねる計画だけはありました。
     住んでいる秋田からマイカーで2時間半。リンゴ畑が
    赤く色づく東北道を行きました。青森ICを下りる手前
    から道が分かれるごとに案内が出ていて、迷わずに
    遺跡に到着。「時遊館」という真新しい体験学習施設
    から、遺跡には無料で入れます。8年前に来た時には
    周りに建物などない原野だったのに、びっくりです。

  •  三内丸山遺跡は、5500〜4000年前頃、縄文時代の<br />集落跡とのこと。つまり、分かっているだけで1500年<br />もの間、ここに人が定住していたのでしょう。住居が<br />復元展示されていますが、年代によって様式がだいぶ<br />違います。写真はどれも竪穴式住居ですが、中央は<br />木の骨組みにカヤのような植物を葺いて作ったもの、<br />右手前は木の皮を張り巡らせたものです。ほかにも、<br />柱を四方に組んで上に屋根を載せた、いわゆる建物<br />らしい建物もあります。歴史の教科書の世界…(笑)。

     三内丸山遺跡は、5500〜4000年前頃、縄文時代の
    集落跡とのこと。つまり、分かっているだけで1500年
    もの間、ここに人が定住していたのでしょう。住居が
    復元展示されていますが、年代によって様式がだいぶ
    違います。写真はどれも竪穴式住居ですが、中央は
    木の骨組みにカヤのような植物を葺いて作ったもの、
    右手前は木の皮を張り巡らせたものです。ほかにも、
    柱を四方に組んで上に屋根を載せた、いわゆる建物
    らしい建物もあります。歴史の教科書の世界…(笑)。

  •  雲は浮かんでいましたが空は高く、ススキがきれい<br />でした。そのむこうにちょっとだけ見えている屋根が、<br />柱を組んだ住居の復元展示です。

     雲は浮かんでいましたが空は高く、ススキがきれい
    でした。そのむこうにちょっとだけ見えている屋根が、
    柱を組んだ住居の復元展示です。

  •  遺跡の中で一際目立つのがこれです。6本の柱で<br />支えられた櫓のような建造物。見張りのためとも、<br />火を点して灯台にしたとも考えられているそうです。<br /> 櫓はもちろん復元。発掘時には柱を埋め込む6つの<br />穴と、クリの木の柱だけが見つかりました。現在の<br />柱は復元されたものです。高さ20m。こんな巨大な<br />クリの木は国内では見つからなかったため、なんと<br />はるばるロシアから運んだそうです。20mの上空から<br />イガが落下してくるのを想像すると恐ろしい…(笑)。

     遺跡の中で一際目立つのがこれです。6本の柱で
    支えられた櫓のような建造物。見張りのためとも、
    火を点して灯台にしたとも考えられているそうです。
     櫓はもちろん復元。発掘時には柱を埋め込む6つの
    穴と、クリの木の柱だけが見つかりました。現在の
    柱は復元されたものです。高さ20m。こんな巨大な
    クリの木は国内では見つからなかったため、なんと
    はるばるロシアから運んだそうです。20mの上空から
    イガが落下してくるのを想像すると恐ろしい…(笑)。

  •  三内丸山遺跡から青森県立美術館へは遊歩道が<br />整備されていて、散歩しながら移動できます。沿道<br />には大きなナラの木が何本かあって、風が吹くたびに<br />ドングリがぱらぱらと落ちてきました。大人になって<br />触る機会などほとんどなくなりましたが、あの丸くて<br />つややかな実を見たら、久々の休暇の開放感からか<br />童心に返り、無心に拾い集めてしまいました。<br /> 何の目的もござません(笑)。でも骨休めの旅らしい、<br />リラックスのひとときでした。

     三内丸山遺跡から青森県立美術館へは遊歩道が
    整備されていて、散歩しながら移動できます。沿道
    には大きなナラの木が何本かあって、風が吹くたびに
    ドングリがぱらぱらと落ちてきました。大人になって
    触る機会などほとんどなくなりましたが、あの丸くて
    つややかな実を見たら、久々の休暇の開放感からか
    童心に返り、無心に拾い集めてしまいました。
     何の目的もござません(笑)。でも骨休めの旅らしい、
    リラックスのひとときでした。

  •  そしてたどり着いた青森県立博物館。直線を基調と<br />しながらも、庇の大胆な曲線が印象的な外観です。<br />外壁も内装も白で統一されていますが、びかびかする<br />ことはまったくありません。照明が暖かく、落ち着いて<br />展示を見ることができます。<br /> 収蔵品は、弘前市出身のイラストレーター奈良美智<br />を中心とする郷土の芸術家や、海外からはピカソや<br />ダリといった、いずれも現代美術の作品。久しぶりに<br />静かな気持ちで過ごす時間を手に入れました。

     そしてたどり着いた青森県立博物館。直線を基調と
    しながらも、庇の大胆な曲線が印象的な外観です。
    外壁も内装も白で統一されていますが、びかびかする
    ことはまったくありません。照明が暖かく、落ち着いて
    展示を見ることができます。
     収蔵品は、弘前市出身のイラストレーター奈良美智
    を中心とする郷土の芸術家や、海外からはピカソや
    ダリといった、いずれも現代美術の作品。久しぶりに
    静かな気持ちで過ごす時間を手に入れました。

  •  真っ白な建物と対をなすように、その周りには緑が<br />広がっています。近くで見てみると、すべてシロツメ<br />グサ、つまりクローバーなのでした。受付で案内係に<br />聞いてみると、美術館のデザインの一環として植えた<br />のだそうです。その意図までは聞きませんでしたが、<br />作り手の気持ちを感じるような、意匠の行き届いた<br />空間に改めて感心しました。

     真っ白な建物と対をなすように、その周りには緑が
    広がっています。近くで見てみると、すべてシロツメ
    グサ、つまりクローバーなのでした。受付で案内係に
    聞いてみると、美術館のデザインの一環として植えた
    のだそうです。その意図までは聞きませんでしたが、
    作り手の気持ちを感じるような、意匠の行き届いた
    空間に改めて感心しました。

  •  美術館の閉館ぎりぎりまで過ごした後、車で15分<br />ほどの青森駅前へ。宿を見つけなくてはいけません。<br />さしあたり、駅の真向かいにあった「ホテルルートイン<br />青森」に電話をかけて空室を聞くと、1室空いている<br />とのこと。温泉大浴場つき、素泊まりでシングル1泊<br />6200円とのこと。即決しました(笑)。

     美術館の閉館ぎりぎりまで過ごした後、車で15分
    ほどの青森駅前へ。宿を見つけなくてはいけません。
    さしあたり、駅の真向かいにあった「ホテルルートイン
    青森」に電話をかけて空室を聞くと、1室空いている
    とのこと。温泉大浴場つき、素泊まりでシングル1泊
    6200円とのこと。即決しました(笑)。

  •  駅前にあった店です。なんと「リンゴ店」。特産の<br />リンゴの専門店です。そんな生業が成り立ってしまう<br />なんて、さすが青森県。手の平いっぱいくらいある<br />大きなリンゴが1個100円だったので、感激して買い<br />ました。もちろん、その甘さにも感激。まだ時期的に<br />は旬よりも早く、この時は早く収穫できる早稲の品種<br />だったそうです。

     駅前にあった店です。なんと「リンゴ店」。特産の
    リンゴの専門店です。そんな生業が成り立ってしまう
    なんて、さすが青森県。手の平いっぱいくらいある
    大きなリンゴが1個100円だったので、感激して買い
    ました。もちろん、その甘さにも感激。まだ時期的に
    は旬よりも早く、この時は早く収穫できる早稲の品種
    だったそうです。

  •  翌朝。朝食を求めて駅前をぶらつくと、市場を見つ<br />けました。見つけた場所が驚きです。なんと、駅から<br />歩いて3分くらいの、若者で賑わうファッションビル<br />の地下に広がっているのです。1階入口には受付嬢、<br />噴水、雑貨屋。そしてエスカレーターを下ると、いき<br />なり市場です。まるで別世界なのが文字通り新鮮で、<br />とっても愉快でした。

     翌朝。朝食を求めて駅前をぶらつくと、市場を見つ
    けました。見つけた場所が驚きです。なんと、駅から
    歩いて3分くらいの、若者で賑わうファッションビル
    の地下に広がっているのです。1階入口には受付嬢、
    噴水、雑貨屋。そしてエスカレーターを下ると、いき
    なり市場です。まるで別世界なのが文字通り新鮮で、
    とっても愉快でした。

  •  予定も決めていなかった2日目。八甲田山で見頃の<br />紅葉を見て、酸ヶ湯温泉に入ることにしました。でも<br />その前に寄り道です。八甲田に入る手前にある観光<br />リンゴ園に、一人なのにも関わらずリンゴ狩りをする<br />ために立ち寄りました。実は東北道を運転している<br />時から、真っ赤なリンゴが気になっていたのでした。<br /> 何ヶ所かある農園のうち、訪ねた所は入園100円で<br />食べ放題(1個しか食べられなかったけど…)。食べる<br />より、鈴なりのリンゴの写真を撮りまくっていました。

     予定も決めていなかった2日目。八甲田山で見頃の
    紅葉を見て、酸ヶ湯温泉に入ることにしました。でも
    その前に寄り道です。八甲田に入る手前にある観光
    リンゴ園に、一人なのにも関わらずリンゴ狩りをする
    ために立ち寄りました。実は東北道を運転している
    時から、真っ赤なリンゴが気になっていたのでした。
     何ヶ所かある農園のうち、訪ねた所は入園100円で
    食べ放題(1個しか食べられなかったけど…)。食べる
    より、鈴なりのリンゴの写真を撮りまくっていました。

  •  八甲田山の紅葉は、錦秋と言うにふさわしい見頃で<br />した。そして青森市街から小一時間、酸ヶ湯(すかゆ)<br />温泉に着きました。平日なのに駐車場は満杯に近く、<br />観光バスも来ていて賑わっていました。標高900m、<br />300年前から続く温泉宿で、その名の通り湯は酸性。<br />混浴の大浴場「千人風呂」が有名です(別浴もあり)。<br /> 混浴とはいっても、男女で浴槽の両端に分かれて<br />入ります。浴場は薄暗く湯煙が立ち上っているので、<br />それほど周りを気にせずに入れる感じでした。

     八甲田山の紅葉は、錦秋と言うにふさわしい見頃で
    した。そして青森市街から小一時間、酸ヶ湯(すかゆ)
    温泉に着きました。平日なのに駐車場は満杯に近く、
    観光バスも来ていて賑わっていました。標高900m、
    300年前から続く温泉宿で、その名の通り湯は酸性。
    混浴の大浴場「千人風呂」が有名です(別浴もあり)。
     混浴とはいっても、男女で浴槽の両端に分かれて
    入ります。浴場は薄暗く湯煙が立ち上っているので、
    それほど周りを気にせずに入れる感じでした。

  •  湯上りには宿の隣りのそば屋で昼食。「酸ヶ湯そば」<br />といい、つなぎを使わない十割そばで、名物だそう。<br />新そばの香りを堪能しました。<br /> たった二日ですが、小旅行を五感で満喫しました。<br />忙しい日常から抜け出して、名跡と紅葉、旬の味覚、<br />そして真新しい美術館に出会い、秋の青森に心から<br />癒されました。<br />                        (おわり)

     湯上りには宿の隣りのそば屋で昼食。「酸ヶ湯そば」
    といい、つなぎを使わない十割そばで、名物だそう。
    新そばの香りを堪能しました。
     たった二日ですが、小旅行を五感で満喫しました。
    忙しい日常から抜け出して、名跡と紅葉、旬の味覚、
    そして真新しい美術館に出会い、秋の青森に心から
    癒されました。
                            (おわり)

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