さようなら西町大和

2007/09/15 - 2007/09/16

金沢への出張で立ち寄った富山で、偶然にも西町大和が、あと二日で閉店することを知った。「西町大和（にしちょう・だいわ）」といっても北陸出身の人にしか解からないでしょう。富山市の中心部の西町交差点に立つ「大和富山店」というデパートです。この大和から歩いて１０分ほどのところで生まれ育った私にとって大和は、遊び場でもあったのです。屋上には様々な遊具があり、小さな動物園もありました。映画館もあって、ターザンがアアアッアーと叫んでました。大食堂では、日の丸の旗がチキンライスにちょこんとのっかり、ソフトクリームはとろけんばかり。様々な文化的催事も行われ、カラーテレビを初めて見たのも大和。零戦を見たのも大和。この西町大和は、昭和７年に建ち、昭和２０年の富山大空襲にも耐え、７５年にわたり富山の町の変遷を眺めてきたのです。父や母から繰り返し聞かされた悲惨な大空襲。西町大和の店内にも凄惨を極めた光景が繰り広げられていたと聞きますが、私が知る西町大和は、平和日本の象徴のような存在でした。さようなら西町大和。７５年間ご苦労様でした。前置きが長くなりました。今回は、高速バスを利用して富山に着き、「越中おわら」で有名な八尾（やつお）へ行き、それから金沢に行ってきました。

エリア 富山市(富山)

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 高速・路線バス JRローカル

今は町村合併で富山市八尾町となりましたが、ちょっと前までは、ずーっと富山県婦負郡八尾町（ねいぐん・やつおまち）でした。この八尾は毎年９月１日、２日と町内で繰り広げられる「おわら風の盆」が有名です。坂の町、八尾は三味線・太鼓・胡弓が奏でる幽玄な音色と優美な踊りで埋め尽くされます。それとは別にもう一つ、八尾の魅力に毎年５月３日に行われる「曳山祭」があります。東町・西新町など町ごとに伝えられている六本の曳山。その曳山に夜ともなれば無数の提灯に灯がともり、その幻想的な姿、美しさを表現するのは難しい。半世紀も前、幼い私のまぶたに焼きついた、その光景は生涯忘れ得ないものです。この曳山が常時展示されているのが、「越中八尾観光会館」で、３台の曳山が展示されています。豪華絢爛な曳山は、一見の価値があります。

名鉄バスセンターを出発した富山行き高速バスは、名神、東海北陸道を通り、途中で「ひるがの高原ＳＡ」「道の駅・白川郷」で休憩し、散居村で有名な砺波平野を経て富山に向かいます。「ひるがの高原ＳＡ」からは、天気がよければ白山や大日ヶ岳を望むことが出来ます。