2000/03/16 - 2000/03/19
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gdist43さん
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すべての事のはじまりは、アメリカ・シアトルに住むディビッド・ファーガスンがくれた一通のメールでした。彼によると、3月中旬に全米で唯一の1/43モデルカーのイベントがシカゴで開かれ、自分もディーラーとして参加するとのこと。“宿のほうはツインの部屋を予約してあるからオマエも来ないか?歓迎するよ!”
まだ会ったこともない他人を誘う方も誘う方だが、簡単にOKしてしまう自分も自分だ...
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 鉄道 レンタカー
- 航空会社
- ANA
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すべての事のはじまりは、アメリカ・シアトルに住むディビッド・ファーガスンがくれた一通のメールでした。彼によると、3月中旬に全米で唯一の1/43モデルカーのイベントがシカゴで開かれ、自分もディーラーとして参加するとのこと。“宿のほうはツインの部屋を予約してあるからオマエも来ないか?歓迎するよ!”
まだ会ったこともない他人を誘う方も誘う方だが、簡単にOKしてしまう自分も自分だ...。さっそくパスポートを申請して、チケットは全日空のPEXを地元のHISで手配したら、意外に安くて驚きました。『地球の歩き方』も買って読んでみると、シカゴの美術館の目玉のひとつが、ジョルジュ・スーラの『グランドジャッド島の日曜日の午後』。これは行かねば! 行ってこの目で確かめねばっ! -
さすがに手ぶらではつまらないので、ボシカのFerrari 156/85とプロバンスのMercedes W196を持っていくことにして、所有者のM氏に連絡、一週間ほどお借りできました。問題はそのパッケージングで、輸送中に破損でもしようものならシャレになりません。プロバンスのキットの箱の内寸に合わせてアクリル板を切ってもらい、そこにモデルをネジ止め。箱にアクリル板を入れたら、前後を厚手の段ボールで押さえ込んで固定。う〜ん、我ながらナイスなアイデア!
あとは... イベント会場で必要になるかもしれないビジネスカードをプリンターで印刷して、デザインナイフで30枚ほど切り分けておきます。お土産用にメイクアップのオリジナルパーツを数点と、自分の記事が載ったMG誌のバックナンバーも購入。旅のお供のカメラは、新製品のサイバーショットが間に合いそうにないので、使い慣れたFDDマビカにします。 -
いざ出発! 日暮里から京成急行で成田空港へ...。実はひとりで海外に出かけるのは、三十路にしてはじめての経験。充分な情報を身につけて、常に周囲の状況を観察しながら行動すれば間違いないはず…と、自分で自分に言い聞かせつつ、実際にはそわそわと落ち着きません。
出発ロビーの電光掲示板を見上げると、NH012便、ありました! -
この日の関東地方は久々の雨。
乗り込んだ飛行機はボーイング747-400、ユナイテッドとのコードシェア便で、それでも座席数の1/4も埋まっていなかったように思います。事前のシートリクエストで非常口の前の座席にしてもらったので、アテンダントの真向かいに座り、“いやぁ、飛行機の中って空気がめちゃめちゃ乾燥しますねえ” とかなんとか世間話を交わしつつ、約10時間の空の旅でした。 -
シカゴのオヘア国際空港に到着したのは現地時間の午前11時過ぎ。雲ひとつない青空、冷たくて強い風、はためく星条旗、アメリカに来たぁ〜!という感じです。
到着ロビーでは、先にロサンゼルスから着いていたYN氏が待っていてくれました。我がGDISTのHP(http://www.linkclub.or.jp/~ak-model/)の翻訳を受け持ってくれる彼と会い、話をすることも今回の旅の目的のひとつです。送迎バスに乗り込み、空港近くのホテルにチェックイン。 -
ホテルの部屋でYN氏と雑談していると、間もなくデイビッドも到着。身長190センチくらいの大男で、本業はAT&Tのエンジニアをしている彼は、もともとはHOスケールのスロットカーが趣味で、このヨンサンに転向してからは、自らマイクロスポーツ・レースグラフィクスというブランドを興すまでになったそうで...。
とりあえず自己紹介を済ませ、用意してあったお土産を渡してから、ホテルのラウンジで遅めの昼食。フレンチ・ディップ(ガチガチのフランスパンに薄切りのローストビーフをはさみ、ドレッシングのようなソースに浸して食べる)が美味でした! -
少々時差ボケがきつかったので、部屋に帰って1時間ほど横になってから、夕方4時から開店するという近くの模型屋へ...。近くといってもレンタカーを借りて30分ほど走らなきゃならないってところがアメリカらしいですね。
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着いた先は『M&M Models』という、ショッピングモールの一角のこじんまりした外観のお店。いざ店内に入ってみると陸海空、それにラジコンの各ジャンルとも相当な品揃えで、モデルカステンからスタジオ27からホビージャパンからエヴァンゲリオンまでなんでもアリ!の状態。
なかでも戦車関係のエッチングや改造パーツが目立って多く、1/43スケールのキットは少数派でしたが、同行のYN氏はスターターのMercedes C9やC291をめざとく見つけてゲット! 私のほうは、日本では見慣れない工具や素材を中心に買い込んできました。 -
『M&M』から戻り、ラウンジで遅めの夕食を取った後、YN氏の部屋で今年後半から来年にかけての計画の打ち合わせ(悪だくみ)を少々。自分の部屋に戻ってみると、ディビッドは既に就寝中。そ〜っとシャワーを使い、自分のベッドにもぐり込みました。
翌朝、あまり眠れなかったけど7時には目がパッチリ! デイビッドはお土産にあげた日本の雑誌『モデルカーズ』を枕元において、食い入るように眺めながら、記事についていろいろ質問をぶつけてきます。こちらもつたない英語で必死に答えて、朝からスロットル全開!(笑) -
この日の朝食も、またもやホテルのラウンジで、普段なら寝ている時間の胃袋にボリュームたっぷりのエッグベネディクトを流し込むという難儀な仕事! 美味しかったけどね。
今日一日はシカゴ市内の観光を予定しているので、レンタカーでダウンタウンを目指し、高速道路をぶっ飛ばします。東京もクルマが多いなと思ったけど、ここではケタ違い。道路を流れているクルマ、止まっているクルマ、駐車場の規模だって半端じゃありません! -
◎シカゴ美術館
アメリカ三大美術館のひとつで、入場料は大人8ドル。印象派の作品が多く、ゴッホ、セザンヌ、ルノアール、どの壁を見わたしても聞き覚えのあるビッグネームばかりで、正直ありがたみが薄れます(笑) 印象に残ったのはレンブラントやターナーといった古めの時代の絵画。そしてティファニーの銀器や中世の甲冑群、ウォーホールの『毛沢東』やイームズの家具など、まったくもって脈絡がありません。
ちなみに左の写真はピカソの『老いたるギター弾き』の前で、友達の背中を机がわりにメモを取るハイスクールの集団。 -
こちらに来る前から楽しみにしていた『グランドジャッド島の…』は、まずその大きさに圧倒! 近寄って見たときのマチェールも、想像をはるかに超えていて素晴らしかったです。メインの展示室を囲む通路の壁には、スーラがこの大作を仕上げるための数々のスケッチや点描の習作が飾られていて、これらも心に響くものがありました。
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美術館を出てからは、しばらくダウンタウンを散歩。ミシガン通りをはさんで美術館の斜め向かいにある茶色の建物は、有名なシカゴ交響楽団のオーケストラホール。この日もコンサートがあるらしく、周辺をダフ屋らしき人物がうろついてたのは万国共通です。
その隣の隣のビルにはシカゴの建築財団のショップがあって、土産になりそうな絵ハガキ等を購入しました。 -
◎風の街
昼食は街角のサンドイッチ店で軽めに、トイレの鍵がロックされていて、使いたいときはいちいち店の人に鍵を借りなきゃいけないところがアメリカ的です。お腹がふくれたところで、再びシカゴの街へ...。こうしてのんきにブラブラできたのも、ごつい革ジャンを着たディビッドが一緒に歩いてくれていたおかげだと、今になって冷や汗かいたりして。
ミシガン湖から吹きつける強風のおかげで、朝のうち曇っていた空も、いつのまにか青空です。見上げるスカイスクレイパー♪ -
ミシガン湖沿いをドライブしながら空港近くのホテルに戻り、ガソリンを満タンにしてレンタカーを返却。部屋に帰ってから再び、ディビッドと模型トーク。このときはYN氏が通訳に入ってくれたので助かりました。それにしても英語圏の人ってマシンガンみたいによくしゃべるよなぁ。
夜7時頃からは、明日の『Strictly 43rd Show』の前夜祭のようなミーティングに参加しました。集まっていたのはガタイのいいオジサンばかりで、供されたピザやコーラのサイズの大きいことといったら! -
三日目の朝は6時に起床。もちろんデイヴィッドは先に起きていて、今朝はもう一冊の『モデルカーレーサーズ』を熱心に見ていた。恐るべし!
7時になっても頼んでおいた朝食のルームサービスが届かず、デイヴィッドは自分のブースを準備する都合もあって、先に会場へ出かけていった。部屋のTVで『デジモン』を見ながら、YN氏とよもやま話をして時間をつぶす。
イベント開始時刻の8時になったので、一階のボウルルームに降りていくと、既にご覧のような状況。“おおきなおともだち” が背中をまるめて小さなミニカーに見入っている姿は、なんとも微笑ましい光景です。 -
◎Strictly 43rd Show
メールでお誘いを受けたときは、“全米で唯一の1/43スケールのモデルカーショウ、ブースは200余、来場者600人!”というふれこみでしたが、実際の感じはスワップミートに近いものがあって、それでもマーシュモデルは自分のところの製品を並べてアピールしていました。ここのトレードマークのカエルは、オーナーのジョン・シモンズ氏の趣味らしいです(笑) -
こちらはカナダから出ばってきたダーハム・クラシックスのブース。ハンドメイドをうたうだけあって仕上げは美しく、日本だと尼崎のカーナというモデルショップで扱いがあるそうです。“パパとマムとオレの他に従業員が8人いて、1車種につき2百台くらい作ってるよ”とは、二代目社長のニックのコメントでした。
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このブースは『1/43の完成品作ります!』 地元のビルダーが作品見本をずらりと並べていました。塗装も仕上げのクリアーをコートした上から研ぎ出しを行った、いわゆるミラーフィニッシュで、なかなかリーズナブルなお値段。ちなみにビルドサービスを請け負うブースは、ここ以外にもかなり見かけました。
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個人が出店しているらしきブースでは、貴重なキットもけっこう見かけます。私はこのオジサンから旧AMRの二代目250GTOと512BBと512LMと935K3とロンドーVSDと…(以下略)を手に入れました。ラッキー!
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◎模型コンテスト
併設のイベントとして、雑誌『Model Cars』(日本のネコ・パブリッシングとは関係ありません)が主催するモデルカーコンテストが開かれていて、“せっかく日本から持ってきたんだし、出してみなよ”というデイヴィッドの勧めもあって、F156/85とW196の2台を出品することにしました。 -
結果は... メルセデスのシルバー塗装の綺麗さが受けて1位、ボシカのフェラーリは2位でした。
賞金は?…ありません。
表彰式は?…ございません
でも、トロフィー貰えたし、良かったじゃん! -
さて、イベントも無事に終了して明日はいよいよ帰国、ということで、でも待てよ... なにかやり残したことはないのか? シカゴといえば夜景、そう、夜景を見ずしてシカゴを語るなかれ!
デイヴィッドはマーシュモデルの一行と近くのレストランにステーキを食べに行く約束があったので、夜7時、YN氏と二人で地下鉄に乗り、ダウンタウンに向けて出発。『地球の歩き方』には “シカゴ交通局のなかでもっとも安全といわれている” と書いてあったけれど、日が落ちたら別物と思ったほうがいいかもしれません。YN氏の表情も心なしか緊張しているし、それに振動と音がスゴイ! 日本の地下鉄とは比べものになりません。 -
レイク通りの駅で地下鉄を降りて、夜の街の雰囲気を楽しみながら、目的地のジョンハンコック・センターまで、およそ2キロの道のりを歩いていると、通りの脇に馬車発見! 観光客向けですかね?
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◎シカゴの夜景
30分ほど歩いて“ビッグジョン”に到着。もっと混み合っているかと思いましたがそうでもなく、入場料8ドルを払って94階の展望台に向かう高速エレベーターに乗り込みます。展望台からの景色は、オレンジ色の光の洪水が窓の向こうから押し寄せてくるって感じでした。
ちなみにこのジョンハンコック・センター、ビルの半分以上が居住用のアパートだそうで、さすが地震のない国はやることが大胆です。 -
展望台の売店でお土産用のTシャツを買って、帰り道はミシガン通りを南へ...。この界隈は東京でいえば銀座みたいなもので、ティファニーとかニーマン・マーカスなどの有名店が軒を揃え、通りの雰囲気もゴージャス。でも、交差点でちょっと信号待ちをしていると、ホームレスがコインをせがんで声を掛けてきます。シカゴの冬はとても厳しいと聞いていたので、彼らの存在はちょっと驚きでした。
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途中、ミシガン通りのシカゴ川を渡る大きな橋の手前で自然に足が止まりました。左手には有名なトリビューン・タワー、右手にリグレー・ビルがそびえ立ち、タワーの頂上にはもちろん星条旗。漆黒の空間に悠然とたなびく星条旗が、なんともカッコ良かったです。
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再び揺れのひどい地下鉄でオヘア空港まで戻り、ホテルのシャトルバスに拾ってもらって自分の部屋に帰りついたのが午前零時。デイヴィッドは明日の出発が早いということで、既に夢の中。彼を起こさないようにそーっとベッドに入ったけれど、眠れない!
仕方がないのでバスルームにノートを持ち込み、トイレに腰掛けてこの三日間を振り返りつつ、日記のようなメモを書き連ねます。明日の朝、彼に直接お礼の言葉をいうために、和英辞書から幾つかのフレーズも準備しました。 "certainly,promise,to meet,again." あぁ、このままでは明日、別れ際に泣いてしまうだろうなぁと思った途端に涙が出てきて、深夜のトイレで泣く三十男(笑) はたから見ればバカみたいですが、まぁ、仕方ありません。 -
◎無事帰国
翌朝、ホテルの玄関でデイヴィッドを見送った後、チェックアウトの時間までまだ余裕がありましたが、YN氏と私も早めに出発することにしました。空港カウンターでのチェックイン、出国手続きもスムースでしたが、飛行機の座席についてようやく一安心。成田に着くまで眠れませんでしたが、静かにじっと目をつぶり、この三日間の出来事を振り返っていました。 -
その後、アメリカの模型雑誌に掲載された『Strictly 43rd Show』のレビュー(その1)
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その後、アメリカの模型雑誌に掲載された『Strictly 43rd Show』のレビュー(その2)
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その後、アメリカの模型雑誌に掲載された『Strictly 43rd Show』のレビュー(その3)
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その後、アメリカの模型雑誌に掲載された『Strictly 43rd Show』のレビュー(その4)
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