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2006年10月21日(土)<br /><br />秋空の真っ青に輝く金沢に、第四高等学校卓球部の面々が集い、60年前の回顧談が続く。<br /><br />1947年(昭和22年)10月、入部して早々に考えたのは、コーチ探しだった。<br />早速新聞で知った石川県選手権個人優勝の前多さんを自宅に訪ね、コーチを懇請する。<br /><br />「一度行ってみましょう。しかしコーチは時間がなくて無理です」<br />とのことで、コーチの依頼は諦める。<br /><br />しかし一度だけでもこの人の卓球を見たことは、非常に大きな収穫だった。<br />県の最高レベルを、目の当たりに見ることが出来たからである。<br /><br />当時は、テレビやビデオなどはなく、生きた見本が唯一の手本だった。<br />私は、まぶたに焼きついたこの人の華麗なフォームを、寝ても覚めてもくり返しイメージした。<br /><br />食糧難との戦いも、筆舌に尽くせないものだった。<br />練習を終えて暗くなった家路をたどる私は、空腹の極でまさに千鳥足、玄関に倒れこむ有様である。<br /><br />しかし、いかに練習を繰り返しても、腕は一朝一夕には上がらない。<br />一向に上達の兆しが見えないまま、練習開始後二ヶ月で、秋の大学高専個人戦に出場した。<br />結果は一回戦0(5-21 7-21)2で、惨めな敗北を喫した。<br /><br />このときに気づいたのは、まず精神力の大切さだった。<br />それから、一つでいいから、誰にも負けない絶対的な技を持つことである。<br />

第四高等学校卓球部【06】極貧だが夢と情熱があふれていた時代

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2006/10/21 - 2006/10/21

4683位(同エリア4761件中)

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ソフィ

ソフィさん

2006年10月21日(土)

秋空の真っ青に輝く金沢に、第四高等学校卓球部の面々が集い、60年前の回顧談が続く。

1947年(昭和22年)10月、入部して早々に考えたのは、コーチ探しだった。
早速新聞で知った石川県選手権個人優勝の前多さんを自宅に訪ね、コーチを懇請する。

「一度行ってみましょう。しかしコーチは時間がなくて無理です」
とのことで、コーチの依頼は諦める。

しかし一度だけでもこの人の卓球を見たことは、非常に大きな収穫だった。
県の最高レベルを、目の当たりに見ることが出来たからである。

当時は、テレビやビデオなどはなく、生きた見本が唯一の手本だった。
私は、まぶたに焼きついたこの人の華麗なフォームを、寝ても覚めてもくり返しイメージした。

食糧難との戦いも、筆舌に尽くせないものだった。
練習を終えて暗くなった家路をたどる私は、空腹の極でまさに千鳥足、玄関に倒れこむ有様である。

しかし、いかに練習を繰り返しても、腕は一朝一夕には上がらない。
一向に上達の兆しが見えないまま、練習開始後二ヶ月で、秋の大学高専個人戦に出場した。
結果は一回戦0(5-21 7-21)2で、惨めな敗北を喫した。

このときに気づいたのは、まず精神力の大切さだった。
それから、一つでいいから、誰にも負けない絶対的な技を持つことである。

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