2006/04/08 - 2006/04/08
5299位(同エリア7075件中)
あさひさん
一番杉本寺→十番報国寺→九番浄妙寺→八番明王院→七番光触寺→五番来迎寺→二番宝戒寺→二十二番極楽寺→二十一番成就院→四番長谷寺→二十三番高徳院
4月8日、潅仏会なので鎌倉三十三ヶ所巡りに出かけました。
甘茶、すっごい大好きなのでどこかでいただけるといいなぁ。
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【一番札所 杉本寺】−鎌倉市二階堂
大蔵山 杉本寺 天台宗
本尊 十一面観世音菩薩
拝観料 200円
本尊開帳日は毎月1日と18日
坂東三十三観音霊場一番、鎌倉三十三観音霊場一番
鎌倉二十四地蔵霊場四番、六番
杉本寺は天平六年(734年)創建という鎌倉でもトップクラスの古刹。
火災のときに本尊が自ら杉木の下に避難されたという伝説から杉本観音と呼ばれるようになったと「吾妻鏡」に記されているそうです。
信心の無いものが馬に乗ったまま通ると必ず落馬したんで、下馬観音と呼ばれたときもありました。
八時ちょっと前に鎌倉駅に到着。バスにて10分ほどで杉本寺へ。
発願はやっぱり一番札所から。杉本寺は坂東の一番札所でもあるので2回目です。
坂東も鎌倉も、このお寺から始めると通常の御朱印に加えて発願印を押してもらえるんです。
鎌倉三十三観音用の御朱印帖は無くって(ガイドブックをみると昔はあったみたい)無地の紐で綴るやつを買いました。
これならば札所の順番通りにまわらなくても後で順番を変えて綴れますから。
開門してすぐの時間に到着したので境内は私の他に参拝者は無く、古式蒼然とした古刹の雰囲気を満喫しました。
茅葺屋根のこの寺はわびさび感がバツグンで、いかにも札所って雰囲気が良いんですよね。
開帳日以外でも三体の秘仏御本尊の姿を遠くから扉越しにおぼろげに見せてもらえるのも嬉しい。
他にも本堂内には毘沙門天や地蔵菩薩、前立の十一面観音などもあり小さいながらも見所が多い寺です。
見所といえば、観音堂前の苔むした階段や、運慶作といわれる山門の仁王も外せません。
次は本尊開帳日に来ます!
甘茶を頂きました。熱々でした。 -
【十番 報国寺】−鎌倉市浄妙寺
功臣山 報国寺 臨済宗建長寺派
本尊 釈迦如来坐像
札所本尊 聖観世音菩薩
拝観無料 竹の庭は200円
開基は天岸慧広(仏乗禅師)。開山は足利尊氏の祖父、家時。
建武元年(1334年)創建ということは、鎌倉幕府滅亡の翌年ですね。
次の報国寺は杉本寺から徒歩10分弱。美しい竹の庭が有名で別名「竹の寺」。
潅仏会だったので、本尊の釈迦如来像や書画の掛け軸を見せてくれました。
本堂右側の部屋には平安装束を着た若い女性が、死んだ後、腐乱していって白骨になるまでを描いた奉納絵が飾られていました。
まるで夢野久作の『ドグラマグラ』みたいです。
結構新しいもので、昭和五十年代の日付が入っていました。
でも札所本尊である聖観音が見当たらないので、聞いてみると、なんと鎌倉国宝館に収蔵されていて、ここには写真しか無いとのこと。代わりの聖観音像とかも無いらしい。
今度、鎌倉国宝館に報国寺の聖観音を見に行こうと思います。
本堂裏の竹林は意外と小さいものだったけど、手入れが行き届いていて評判どおり美しかったです。
拝観券の裏に由来記があって、聖観音のことも書かれていました。
御朱印を書いてくれた御住職は茶目っ気のある方でした。
甘茶をいただきました。舌に残る後味が絶品。 -
【九番 浄妙寺】−鎌倉市浄妙寺
稲荷山 浄妙寺 臨済宗建長寺派
鎌倉五山第五位
創建 文治四年(1188年)
本尊 釈迦如来
札所本尊 聖観世音菩薩
鎌倉十三仏二番
拝観料 100円
報国寺から歩いて5分くらい。
境内はとても綺麗に清掃されていて、良く肥えた猫が何匹もいました。
本堂裏に足利尊氏の父、貞氏の墓があります。
本堂が開けてあって、本尊が見えるんだけど、中には上がれないので、距離があって仏像の種類がわからない。
たぶん、あれは釈迦如来ではないかと思って、札所本尊の観音サマはどちらかと納経所の方に訊ねたんだけど、観音サマは本尊で本堂の真ん中にいると言われたんですよ。
でも、あれは坐像だったので、聖観音じゃないと思うんですよね。
そんなこんなで結局札所本尊はわからずじまい。
次回はもうちょっと聞いてみようと思います。 -
【八番 明王院】−鎌倉市十二所
飯盛山 明王院 真言宗御室派
本尊 不動明王
札所本尊 十一面観世音菩薩
創建 嘉禎元年(1235年)
開基 鎌倉幕府四代将軍藤原頼経
鎌倉十三仏一番
拝観無料
境内撮影禁止なので、写真は門の外から。
参道正面、茅葺の小さな本堂に奉られているのは不動明王。28日の護摩法要のときに開帳するそうです。
堂内にはこの寺の開基でもある四代将軍藤原頼経の像もあるらしい。
源頼朝直系の将軍家が三代で途絶えた後、八歳で北条氏に傀儡としてまつり上げられた藤原頼経。30年後、北条氏に鎌倉を追放されるまでの彼の生涯はどのようなものだったのか――。
静かな境内は歴史の中へと思考を誘います。
札所本尊の十一面観音が奉安されている観音堂は本堂の右手。こちらの開帳は無し。
厨子に納められている札所本尊の十一面観音を直接拝むことはできないけど、ちゃんと閉めるならば観音堂の襖をちょっと開けて拝んでも良いと言われました。
さっそく、観音堂を開けてみました。
札所本尊は厨子の中ですが、代わりの観音像を見ることはできます。 -
【七番 光触寺】?鎌倉市十二所
岩蔵山 光触寺 時宗 聖観世音菩薩
鎌倉二十四地蔵霊場五番
境内拝観無料
本尊の拝観は予約制有料
境内には塩嘗地蔵や一遍上人像 -
【五番 来迎寺】?鎌倉市西御門
満光山 来迎寺 時宗
鎌倉十三仏十番
本尊 阿弥陀如来
鎌倉二十四地蔵霊場二番
札所本尊 如意輪観世音菩薩
境内無料
本堂内拝観 200円
近年建て替えたらしい新しいお堂には「見学の方お断り」と書かれていました。観光気分じゃダメってことです。
どきどきしながら「拝ませてください」と、拝観希望を申し出ると、快く中へ上げて下さいました。
本堂内にあがると、すぐに正面右手の如意輪観音像に惹きつけられてしまったのですが、まずは本尊である阿弥陀如来に手を合わせます。
そして、いよいよ如意輪観音。
すぐにも見たいという焦りと、緊張で、読経中なんどもどもってしまい、平常心平常心と、自分に言い聞かせました。
私は信仰心はごにょごにょ……なのですが、仏像は美術品であるまえに信仰のためのものですから、仏像観賞は礼拝を終えてからにしています。
私は如意輪観音が好きで好きで、理想の如意輪観音を求めてあちこちで如意輪観音を見てきましたが、この来迎寺の如意輪観音は本当に素晴らしい。
穏やかな表情、すべらかな頬、たおやかで官能的ですらある六本の腕の表情。
南北朝時代の傑作です。
お寺の方が御朱印を書いて戻ってらっしゃったので許可を得て、もう少し近くから拝見させてもらいました。
賽銭箱のところからだと見えなかった細かい土紋や彩色がよく見えました。
優美な姿は見ているだけで心拍数があがってドキドキする反面、なんだか泣きたくなってしまいます。
他に誰も居なかったので、こころゆくまで満喫し、如意輪観音のブロマイドも買っちゃいました。
甘茶を紙コップじゃなくてお茶碗で出してくださいました。 -
【二番 宝戒寺】?鎌倉市小町
金龍山 宝戒寺 天台宗
開基 後醍醐天皇
開山 天台座主五代国師円観恵鎮慈威和上
創建 建武二年(1335)
本尊 地蔵菩薩
札所本尊 准胝観世音菩薩
鎌倉二十四地蔵霊場一番
鎌倉江の島七福神毘沙門天
拝観料 100円
開け放たれた本堂にあがると、床に無数の桜の花びらが落ちていて、なんとも幻想的。
風に吹かれて舞い上がった花びらに導かれるように顔をあげると、本尊の地蔵菩薩が目に飛び込んできて、一瞬にして両腕にざぁっと鳥肌が立つのを感じました。
地蔵菩薩なのに坐像という珍しい姿の仏像で、醸し出すオーラが圧倒的。
優しげなのに凛としたところがあって、すごいカッコイイなぁ!
しばし、その姿に見とれてしまいました。
鎌倉三十三ヶ所巡りを始めたものの、なかなか仏像が見れないもんだから「……地方霊場ってこんなものなのかなぁ」としょんぼりしていたところだったののです。
嗚呼、だけどだけど。来迎寺に続けて、この宝戒寺でもたてづづけに良い仏像を満喫できるなんて。もう今日はこれだけで、鎌倉に来た甲斐がありました。
鎌倉国宝館の地蔵菩薩(国重文)と比肩するほどの見事な仏像。この本尊の地蔵菩薩、きっと無指定じゃないよね。
そう思って寺で貰った案内を読むと、「本尊 国宝・重要文化財」と書かれていました。
昔は国宝だったけど、法改正で今は重要文化財ってこと。
やっぱりそうか。仏像を見る目もちょっと肥えてきたかな?
これだけの仏像を常時見せてくれるとは、本当に有り難いです。
子育経読地蔵大菩薩と呼ばれる本尊以外にも立像の地蔵菩薩や閻魔大王像などが奉安されています。
鎌倉三十三番の札所本尊、准胝観音は本尊の左側にありましたが、暗くてよく見えなかったのがちょっとだけ残念。
でも、気が付くと本尊に目がいちゃうのであまり気にならなかったです。
この宝戒寺は滅亡した執権北条家の霊を慰める為に、後醍醐天皇が足利尊氏に命じて建てさせた寺です。
北条義時以来の執権屋敷跡にあって、寺の本堂や門扉には北条氏の家紋である三鱗が入っています。
北条家の滅亡は、菩提寺の東勝寺で火を点けて一族870人以上が自刃するという壮絶なものだったから、怨霊になると困るもんね。
宝戒寺は別名萩の寺としても有名です。
植えられている300本の萩は全て珍しい白萩で、これまた珍しい白い彼岸花も咲くのだと聞いてぐっときました。
だって白は、――そう、源氏の旗の色ではありませんか。
滅亡した鎌倉幕府を弔う寺になんて相応しい鎮魂の華なんだろうか。
今度は是非秋に来てみたいです。
甘茶を頂きました。 -
【二十二番 極楽寺】−鎌倉市極楽寺
霊鷲山感応院極楽寺 真言律宗西大寺派
開基 北条重時 開山 忍性
本尊 釈迦如来
札所本尊 如意輪観世音菩薩
鎌倉十三仏十二番
鎌倉二十四地蔵霊場二十番、二十一番
拝観無料
宝物館は1月1日〜1月15日、3月彼岸〜6月30日、9月彼岸〜11月30日期間中の土日祝のみ開館で300円。
境内撮影禁止
清涼寺式木造釈迦如来立像開帳日 4/7〜4/9
奥の院忍性五輪塔一般公開日 4/8
潅仏会のこの日に鎌倉行きを決めたのはこの極楽寺の本尊開帳に合わせてのことです。
木造釈迦如来立像は宝物殿の中でご開帳されていました。
京都の清涼寺の釈迦如来の姿を写したもので、そのまま「清涼寺式の釈迦如来」と言われます。
清涼寺の釈迦如来は「生身の釈迦」と呼ばれるんだけど、――――なるほど。
柔和な表情、スラリとした体躯。
薄い布がぴったりと張り付いて、身体の線をあらわにしていて、なんだかなまめかしいです。しかし、それでいて清廉。
ガンダーラで生まれた仏像は中央アジアや中国を経由して日本まで伝わる間に途中の国々の文化の影響を受けてくるのですが、この「清涼寺式の釈迦如来」は5世紀頃のインドのマトゥーラ仏そのもの。
長い年月と距離を経てもこんなに正確に伝達されているのは凄いことだと思います。
宝物館には他にも釈迦如来坐像や十大弟子像などがあります。
忍性の大五輪塔がある奥の院へは本堂裏から道に出て5分ほど。道しるべがひとつしか無くて、途中不安になりましたが、同じ目的らしき人の後について行ってなんとかたどり着きました。
忍性の五輪塔も撮影禁止でした。
高さは約4メ一トル。石塔のことはわからないのですが、五輪塔としては大きいのでしょうか。
札所本尊の如意輪観音は大師堂に奉られています。常盤御前の念持仏だったとのこと。
700年の歴史を誇る古刹ですが、全国的に有名になったのは昭和51〜52年に「俺たちの朝」という勝野洋主演の青春ドラマの舞台なったことがきっかけのようです。(去年DVDも出ました)
甘茶をいだだきました。
花まつりの三日間は100円以上の寸志で客殿で抹茶もいただけます。 -
【二十一番 成就院】−鎌倉市極楽寺
普明山 法立寺成就院 真言宗大覚寺派
創建 承久元年(1219年)
開基 北条泰時
本尊 不動明王
札所本尊 聖観世音菩薩
鎌倉十三仏十三番
拝観無料
この寺は西と東の両側から階段で上がれるんですが、階段の数は煩悩と同じ108段。両側には般若心経の文字数と同じ262株の紫陽花が植えられています。
鎌倉で紫陽花の寺といったら、北鎌倉の明月院が有名ですが、この成就院も勝るとも劣らないそうですよ。
山門前からの眺めが絶景。由比ガ浜を一望の下にできます。
ここは鎌倉守護の要七つの切通しのひとつ、極楽寺切通し。なので新田義貞の鎌倉攻めのときは戦場となって燃えてしまい、移転して江戸時代(元禄の頃)に現在の場所に戻ってきました。
本尊の不動明王は縁結びの不動さま。
札所本尊の聖観音も本堂内にあるそうですが、納経所には「内拝謝絶」と紙が張ってあり、残念ながら直接拝むことはできません。
成就院は昔々弘法大師が虚空蔵求聞持法を修めたお寺。なので鎌倉十三仏巡りでは虚空蔵菩薩のお寺になっています。
虚空蔵求聞持法っていうのはですね、福徳と智慧の仏さまである虚空蔵菩薩の真言を百万遍唱えると、記憶力と知力がぐぐーんと超絶アップするというもの。
日数も回数も厳密に決められていてかなり厳しいものです。
成就院の前の道を鎌倉長谷方面に少し下ると、星月の井と星井寺と呼ばれる虚空蔵堂があります。
ここの虚空蔵菩薩は日本三虚空蔵のひとつに数えられ、1月13日の初護摩のときに開帳されます。 -
【四番 長谷寺】−鎌倉市長谷
海光山慈照院 長谷寺 浄土宗
札所本尊 十一面観世音菩薩 鎌倉市長谷
拝観料300円
日本最大の木造仏である長谷観音のお寺。
長谷寺も坂東のときに来たので二回目ですが、前回は月曜日だったので宝物館が見れませんでした。
今の宝物館の展示は「阿弥陀如来」。
ちょうど雨が降り始めた為、観音堂と宝物館の中は雨宿りついでに展示物を見る人も増えて、展示室は人でいっぱいでした。
前から、なんで長谷寺は浄土宗なのに観音菩薩を奉っているんだろう、パンフレットには長谷観音と阿弥陀如来と両方「本尊」って書いてあるので疑問だったのですが、寺の略年表を読んでちょっとわかりました。
長谷寺は創建当初から浄土宗だっだわけではなく、観音像は長谷寺が浄土宗になる前からあったんですね。
そして今は単立なんで、なんでも有りなんですね。 -
【二十三番 高徳院】−鎌倉市長谷
大異山 高徳院 浄土宗
本尊 阿弥陀如来
札所本尊 聖観世音菩薩
拝観料 200円
高徳院は誰でも知っているほど有名な鎌倉の大仏さまのある寺ですが、開基や開山、大仏の造立についてなど、不明なところも多いです。
与謝野晶子も男前だと歌で賞賛した大仏さまは、鎌倉唯一の国宝仏像。20円で大仏さまの中にも入れます。
札所本尊の聖観音が納められている観音堂は大仏の後ろ、回廊の裏側になります。
多くの人で賑わう阿弥陀如来の前とは対照的に、ひっそりとした観音堂。
札所本尊の聖観音像は徳川二代将軍秀忠の念持仏だと伝えられています。
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この旅行記へのコメント (2)
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- 旅のトランクルームさん 2006/04/13 08:27:02
- 鎌倉の寺巡り紀行
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<FONT COLOR="#0000FF">はじめましてm(_ _)m <B>旭さんへ</B>
<FONT COLOR="#CC0066">
鎌倉はお気に入りの場所なので興味を持って拝見しました。
丁寧な記録もとても参考になります。
今後も続編を期待してます^^v
生意気に感想を書き込んでしまいました┌○"ペコッ</FONT>
- あさひさん からの返信 2006/04/13 23:28:16
- 見てくださってありがとうございます>旅々さん
- はじめまして、旅々さん。
会員登録したばっかりで、まだ旅行記の書き方も手探り状態なのに、見て下さる方がいらっしゃるなんて、びっくりしたり、恥ずかしかったりしております。
色々と機能の勉強しつつ、少しずつでも増やしていけるようがんばります。
書き込んでくださりありがとうございました!
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