2007/03/03 - 2007/03/03
542位(同エリア663件中)
もろずみさん
府中は律令制において武蔵国の国府に定められ、政治の中心的な役割を担ってきました。江戸期には甲州街道の宿場として栄え、今も地理的に何かと便利なところにあります。武蔵野の自然と歴史がバランス良く共存している町です。
「郷土の森」は府中市立の博物館です。この種の博物館にしては広くて、野外に移築・復元された江戸期・明治から昭和初期の建物が展示の目玉です。
小金井公園内の「江戸東京たてもの園」は都内各地から移築された建物で町並を復元していますが、ここは府中の宿場に実際にあった建物を中心に周辺農家を加えた地域密着の構成です。
なので、今日はタイムスリップというより懐かしい故郷に帰ってきたという感じです。
さらに都内でも屈指の梅の名所。ちょうど今日は雛まつりで梅も見頃でした。
昼下がりに入園して夕方までたっぷり楽しめました。
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
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旧府中町立府中尋常高等小学校です。
昭和生まれですが、尋常小学校に通った覚えはもちろんありません。(^^;
でも小・中学校は木造でしたね。こんなにお洒落だったっけ? -
入り口の上部は比較的新しいデザインです。
昭和54年に新校舎に変わるまで府中市立第一小学校の校舎として現役でした。それでも軽く30年近くになります。
正に昭和の遺産です。 -
下駄箱に靴を入れて校舎の中に入ってみます。
ピカピカに磨き上げられた廊下。子供たちの歓声が聞こえてくるようです。
学校ってこんな感じでした。 -
教室に入ると木製の机と椅子が整然と並んでいます。
この風景が一日で最も長く過ごす世界の風景でした。
子供の頃のいろんなことが走馬燈のように頭の中を巡ります。 -
いきなりノスタルジックな気分でスタートしてしまいました。
あまりの現実感に圧倒されましたが、これは郷土の森博物館の野外展示です。
二階の音楽室からオルガンの音が聞こえてきたりして、昭和30年代へ気持ちだけ行ってしまいそうです。 -
学校を出ると、板塀と白壁がずっと続いています。
ずいぶんと大きな家だなぁ。こんな町はどこかにあったような気がします。
なかなか凝った配置で散策を楽しめる空間です。 -
府中宿を代表する豪商、旧田中家住宅です。
何しろ明治天皇行在所になった由緒ある建物だそうです。
左手前は表店。右奥は立派な門構えになっています。 -
門から庭へ入ると、そんなに広くはありません。
庭に面して蔵がありました。
見頃の梅と蔵のツーショットを撮ってみました。 -
向かいは旧島田家住宅。
一階は店舗、二階は土蔵のように造られています。店蔵造りと言うそうです。
川越とかにありそうですし、府中でも本町に現役のこういう店があったような・・・。 -
ちょうど3月3日の雛祭り。
店先には商品でなく雛人形が飾られていました。
結構古いもので、府中在住の家々に伝わる人形を提供していただいたようです。 -
文字はかすれて読みにくいですが、旧府中町役場庁舎。
この色使いは横浜山手の西洋館と同じ。 -
大正10年に造られた洋風建築です。
横浜の西洋館は関東大震災後に建てられたものがほとんどですので、こちらの方が古いわけです。
大正デモクラシーの雰囲気感じますか? -
一階に町長の執務室がありました。
階段を登った二階には議場と会議室があります。
議場以外の部屋はどれもこぢんまりしています。
宿直室などは畳敷きの和室なのが大正デモクラシーかも? -
役場の隣は旧府中郵便取扱所(矢島家住宅)です。
明治の初め郵便事業が始まったときに、名主であった矢島家が郵便取扱役に任命されたそうです。
左手に丸窓の窓口が見えます。今日は特別にここで郵便業務をやっていました。 -
相当に古い郵便ポスト。なんと木製です。
これも今日は実際に葉書を入れれば集めに来てくれます。
郵政公社も粋なことをやってくれるじゃないですか。 -
明治時代のポストマンのユニフォーム。
戊辰戦争の官軍の軍服みたいで、いかめしい感じがしますが郵便も官の権威の元に行われていたのですからね。
明治の錦絵に出てきそうです。 -
藁葺き屋根の農家は2つあります。
その一つが旧河内家住宅。ハケ上の農家の典型的なスタイルだそうです。
府中は養蚕が盛んで、屋根裏には蚕棚があります。 -
中には囲炉裏が切ってあります。
移築復元の農家のシンボルみたいなものです。
昔、田舎に行くとここが団欒の場でしたっけね。 -
ちょっとイメージ写真風に雰囲気を演出してみます。
椿を垣根に使うスタイルというのがありましたね。 -
ハケ下に小川が流れていて、復元された水車小屋があります。
この水車は灌漑用ではなくて米搗き用です。昔はこんな水車がいたるところにあったようです。
水辺には水仙が群生してました。郷愁を感じますね。 -
日溜まりをのんびり歩いてみると里の風景もあります。
こんなに気持ちの良い公園だったかな。陽気のせいかも知れませんね。
移築建物群はまだ続きます。 -
菜の花畑の向こうに背の高い垣根が見えてきます。風除けのためのものです。
武蔵野は昔は空っ風が吹くと畑の土が舞い上がって土埃が凄まじかったなぁ。
風で麦畑がうねる風景は綺麗だったけど、土埃には閉口した覚えがあります。 -
旧越智家住宅です。
ハケ下の農家の造りで、この藁葺きの母屋は江戸時代に建てられたものです。
多分ここで一番古い建物でしょう。 -
万葉歌碑がありました。詠人は武蔵防人の妻。
「赤駒を 山野にはかし 捕りかにて 多摩の横山 徒歩ゆか遣らむ」
「多摩の横山」は国府から見て多摩川の南にある丘陵を言います。
どちらを見ても平坦な関東平野で、低いながらも山並が続いていることから枕詞にもなりました。
「横山の道」にも歌碑がありましたね。 -
最後は旧三岡家長屋門です。
土壁で藁葺き屋根の長屋門は、門を許された豪農ながら武家に遠慮したもののようです。
三岡家は村役人も務めた家柄で、この門は江戸後期に建てられたそうです。 -
ということで移築建物を丁寧に見て来ました。
続いては本日の目的である梅林へと向かいます。
何だか建物だけでも来た甲斐があったように感じてますが、これからが本題。
梅の数は60種1100本と都内でも有数。広々とした梅林は花霞のかかったよう。 -
今年は梅が早かったので早咲きは散り、中咲きと遅咲きが見頃。
梅は咲き始めの方が美しいので少し遅かったかも知れません。
密集している所を探して花撮り開始です。 -
たくさんの花をつけた枝垂梅。
これだけ咲いていれば十分花見気分を満喫できます。 -
さすがに観賞用の梅林だけあって種類も豊富です。白梅も見事に咲いていました。
しかし、一応ここの梅の実は収穫して加工するようです。
帰りに「昆布梅」を買って帰りましょう。 -
春の花を探していたら色鮮やかなクロッカスを発見。
他にも地面には福寿草や花ニラも咲いてました。
春の花がぼちぼち揃ってきましたね。 -
梅林を散策していたら水音が聞こえてきました。
行ってみると立派な滝があり渓谷美も味わえます。
変化があって楽しい公園散歩になります。 -
梅以上に見頃だったのは満開のサンシュユの木。
枝振りの良い大きな木で見応え十分です。花も綺麗。 -
ということで建物にも梅林にも満足。
密度の高い散歩で時間の経つのも忘れるおど充実してました。
そろそろ閉園の時間が近づいてきたので退散します。 -
バス停は長蛇の列ができていました。今日は結構の人出です。
観梅の最後のチャンスだったのかも知れませんね。
バスに乗るほどでもないので、歩行者専用の下河原緑道を歩いて駅に戻ることにしました。
だいぶ日が長くなってきましたね。
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