2009/07/16 - 2009/07/16
145位(同エリア177件中)
まみさん
2009/07/16木 コロミーヤ観光
・シェフチェンコ公園
・フルシェフショホ通りの教会2つ
・市場散策
・ピーサンキ(イースターエッグ)博物館
・レジ・ウクラインスキー通りの教会
・フツル(ウクライナの山岳民族)民族芸術博物館
夕方二等列車でリヴィブに戻る(窓の開かない車両で蒸し暑くて地獄の4時間半)
【リヴィブ泊:ホテル・ウィーン】
Lonely Planetの口絵カラー写真で見たとき、ここはぜひ行きたいと思った、コロミーヤのピーサンキ(イースターエッグ)博物館!
ピーサンキにちなんで卵の形をした建物だなんて!
スペインのフィゲラスにあるダリ博物館を思い出しましたが、あちらのように奇をてらったわけではなく、もっと素直な建物です。
でもピーサンキだけの稀有な博物館が、この町のハイライトです。
そして、フィゲラスのような、気取りのない、気晴らし的な散策も楽しめるかもしれないと期待しました。
今回のウクライナ旅行は、現地旅行代理店の担当者にアイデアを借りたものの、日程はすべて私の手作りです。
そこへ、ウクライナ旅行初めてで必ずしも盛り込むとはいえないこのピーサンキ博物館のあるコロミーヤを加えれば、手作りの日程はよりユニークになるとも思いました。
私は、ピーサンキは、見るだけ買うだけ飾るだけの人で、作る人ではありません。
ピーサンキ作りがいかに大変かは、帰国後、「スラヴ世界のイースター・エッグ」(ユーラシア選書・東洋書店/栗原典子・著)を読んで、少しだけ想像ついた気がします。
そこに込められた願いやたくさんのエピソードのほんの一部も。
ピーサンキ写真を思いのままに撮るのがいかに大変かは、キエフのペチェールスカ修道院にある国立ウクライナ民俗装飾美術博物館で身にしみました。
後の記憶のよすがとして図録的な写真を撮りたいと思いつつ、ほんとに図録的では写真としてつまらないと思ってしまうからなおさらです。
関連の旅行記
「2009年ウクライナ旅行第4日目(5)キエフ:国立ウクライナ民俗装飾美術博物館(2)ピーサンキ、ああピーサンキ!(イースターエッグ・コレクション)」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10374648/
それでも、10時10分から11時25分の1時間あまりの鑑賞時間で100枚以上写真を撮ってしまいました。
入場料が14.00フリヴニャに対して写真代は20.00フリヴニャですが、モトはとりまくったどころか、お釣りが出ます。
(2009年7月現在、1フリヴニャ=約14円で換算)
その上、手ごろだったので、英語版の薄いカラーパンフレット(10.00フリヴニャ)も買ってしまいました。
もちろん、ピーサンキのおみやげもね!
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/16662528/
関連の旅行記
「2009年ウクライナ・ハイライトその8:ウクライナでゲットしたもの」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10361990/
「スラヴ世界にはまた、ホンモノの鳥の卵を使った独特なイースター・エッグがあります。それはロウケツ染めのように、染料で染めたくない部分に蜜蝋を塗りながら染色を繰り返すことで、何色もの色を使った緻密な模様を染めつけて描いていくイースター・エッグです。染色によって色づけがなされているため、絵の具で模様が描かれたものとは違う独特の風合いが非常に美しく、特にウクライナではお土産としてよく売られています。」
(「スラヴ世界のイースター・エッグ」(ユーラシア選書・東洋書店/栗原典子・著)より)
ピーサンキ博物館で撮った写真は前後編の2つの旅行記に分けました。
※2009年ウクライナ旅行の旅程一覧はこちら。
簡易版「2009年ウクライナ旅行プロローグ(旅程一覧)地図付」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10359084/
詳細版「2009年ウクライナ旅行の詳細旅程」(もう1つのブログ「まみ’s Travel Diary」より)
http://mami1.cocolog-nifty.com/travel_diary1/2009/07/2009-2271.html
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後ろから見たら分からなかったピーサンキ博物館の建物は、ヨコからならバッチリ!
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Lonely Planetのカラー口絵写真では両サイドがカットされていた、ピーサンキ博物館の建物の全貌
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早速、ビーサンキ撮影!
白い馬のいるピーサンキと、カラフルな格子や波や雪の結晶のような模様が美しいピーサンキ2つ。 -
単色のピーサンキ、これがいわゆる「クラーシャンキ」かな
と思ったけど、違うみたいです。
クラーシャンキに当たるものは、ひょっとしたらあったかもしれませんが、写真を撮っていません。
たぶんシンプルすぎて、他のもっと華やかなピーサンキに目が奪われてしまったのだろうと思います。
「古代信仰の時代に直接的な起源をもち、もっとも古くから作られてきたのが、「クラーシャンキ」です。これは「きれいなもの」というような意味で、単色で染めたエッグです。他のキリスト教諸国と同様、赤いものがもっともよく作られますが、黄色、緑、青、オレンジなど、黒を除くあらゆる色でつくられます。お土産品として売られることはまずなく、イースターのお祝いに食用とするため、ゆで卵を使って家庭で作られます。最も基本的、かつ重要なイースター・エッグといえるでしょう。」
(「スラヴ世界のイースター・エッグ」(ユーラシア選書・東洋書店/栗原典子・著)より) -
塗料がぷっくりふんらんでいるピーサンキ
2008年のブルガリア旅行でお土産に買ったのと同じタイプです。 -
花柄が可愛いピーサンキと十字架のモチーフのピーサンキ
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青いにわとりのピーサンキに、ウクライナのピーサンキの特徴の房飾り
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タネでぎっしりコーティングされたピーサンキ
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敬虔な正教会のモチーフのピーサンキ
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ユニークなピーサンキに飾られた台の全体
これらのピーサンキはろうけつ染めには見えないのですが、どうなんでしょ。 -
シックな黒系統と緑地に花もようのピーサンキ
「黒は夜明け前の闇や大地の象徴で、大地の肥沃さを表すともいわれますが、赤と同様、死後の紙の色でもあり、赤い色がもつ意味はそのよい面にのみ限定されているのに対して、黒にはその畏怖すべき面、すなわち死と深く関連づけられており、黒という色自体にはよいイメージはないようです。しかしながら、別の色と組み合わせることによって、黒い色のもつ恐るべき力はよい意味に発現されるようです。(中略)そして死後の神の色を両方使った赤と黒の組み合わせは、恐れ多い中にも強く、ピーサンキの力を発揮させてくれると考えられていたようです。このため、黒は多色をもちいるピーサンキにはよく使われますが、単色染めのクラーシャンキは黒で作られることはないのです。」
(「スラヴ世界のイースター・エッグ」(ユーラシア選書・東洋書店/栗原典子・著)より) -
ゆで卵置きみたいに割れている珍しいピーサンキと、右隣のピーサンキ、表面のざらざら素材は何でしょう?
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ラインだけの模様のシンプルなピーサンキもあり@
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まさにウクライナらしいピーサンキ!?
ピーサンキ博物館に展示されていたのはウクライナのピーサンキだけではありませんでした。
写真を撮るのに夢中で、1つ1つのラベルを確認はしなかったし、ウクライナ語のみでしたが、ウクライナ以外の地名が書かれているのも目にしました。
「ピーサンキは(中略)スラヴ世界のイースター・エッグの中でもクラーシャンキとともに最も古い歴史をもっています。その他のイースター・エッグはキリスト教の祝日イースターを祝う品としてその様々な装飾方法が発展してきたのに対して、ピーサンキとクラーシャンキ作りの伝統は、キリスト教伝来以前の古代信仰に直接関連しているといわれます。
他の多くの民族と同様、スラヴ民族もまた卵には特別な力があると考え、卵自体が古来より信仰の対象とされていたわけですが、卵のもつ力を強めるために色をつけたクラーシャンキに、さらに願いや祈りのこもった模様を描いたピーサンキには、卵自体に対する信仰とそこに描かれる模様とに、スラヴ民族の古代信仰の要素が二重に反映されているといえるでしょう。」
(「スラヴ世界のイースター・エッグ」(ユーラシア選書・東洋書店/栗原典子・著)より) -
シカが描かれたピーサンキに注目しつつ
「動物は、豊穣、子孫繁栄、富、健康の象徴です。もっとも多く描かれるのは鹿です。夜、地下に沈んだ太陽が翌朝ふたたび空に輝くのは、鹿がその角で太陽を押し上げているからであるという言い伝えもあり、人間に太陽の光と暖かさをもたらす重要な動物でもありました。また、死者の魂を死後の世界に導くともいわれます。そして毎年新しく生えてくる角は、地上の植物が毎年生えてくることを連想させ、農耕などを助けてくれると考えられています。」
(「スラヴ世界のイースター・エッグ」(ユーラシア選書・東洋書店/栗原典子・著)より) -
羊の模様のピーサンキと
「羊もまたよく描かれる模様です。羊は男性の力や創造力、自然の再興の象徴です。羊は、その全体像が描かれることもあれば、角のみが描かれることもあります。羊の角は稲妻の象徴、あるいは新芽の象徴といわれます。」
(「スラヴ世界のイースター・エッグ」(ユーラシア選書・東洋書店/栗原典子・著)より) -
華やかな花模様
今年(2009年)に作られたピーサンキのようです。
「ウクライナではクラーシャンキは普通、ゆで卵に彩色したものであり、教会でイースターの祝福を受けた後、食べたり遊びに使ったりすることが許されていたのに対して、ピーサンキは「茹でてはいけない」、「食べてはいけない」、「遊びに使ってはいけない」といわれ、本来は生卵、それも生命の宿らない無精卵ではなく、新たな命を内包している有精卵を使って作らなければならないので、様々な制約がありました。スラヴ民族にとってピーサンキとは、イースターのあいさつや贈り物に使うための彩色卵であるだけでなく、古代信仰における魔術的な重要性を帯びたものであったのです。」
(「スラヴ世界のイースター・エッグ」(ユーラシア選書・東洋書店/栗原典子・著)より) -
かごいっぱいのピーサンキ
「現在、お土産用をはじめ飾りとして作られるピーサンキは、腐敗して破裂しないように中身を抜いて作られていますが、本来は中身を抜くなど上記の観点からは言語道断でした。
卵表面には気孔があり、それがふさがれていない限り卵は呼吸しているため、うまくいけば年月を経るうちに中身が乾燥し、半永久的にピーサンキは保存できるそうです。一方、何らかの理由で気孔がふさがれてしまうと中身が腐敗して破裂してしまうようですが、昔のスラヴ人たちは自然と破裂してしまうピーサンキがある一方で、いつまでも保存できるピーサンキもあることに何らかの意味を見出していたのかもしれません。」
(「スラヴ世界のイースター・エッグ」(ユーラシア選書・東洋書店/栗原典子・著)より) -
袋に入ったような珍しいピーサンキと赤い鳥の模様のピーサンキ、そして金字で描かれたピーサンキ
「ピーサンキはまた、地中に埋めたり水に流すことは許されていますが、決して割ってはいけないといわれていました。割れたピーサンキに模様が残っていると、魔女がその破片から水分を集めて呑んでしまったとき、そのピーサンキを作った人の水分が失われ、最悪の場合には死んでしまうと考えられていたからです。割れてしまった場合には地中に埋めるか川に流すか、あるいは模様の1つ1つが判別できなくなるほど粉々にくだかなければならないということです。」
(「スラヴ世界のイースター・エッグ」(ユーラシア選書・東洋書店/栗原典子・著)より) -
1階のイースターの展示
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十字架になっていた一部
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十字架の形に並べられたピーサンキ
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その一部、どれ1つとして同じピーサンキなし@
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売店の巨大な卵、たぶんダチョウの卵かな
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ウクライナらしい房飾りのあるピーサンキ
階段の壁に展示されていました。 -
さわやかなブルーの色づかいのピーサンキは珍しいかも@
これも階段の壁に展示されていました。 -
2階のピーサンキの中の円形の部屋に展示されていた人形たち
これもウクライナのイースターを示した人形でしょうか。
部屋は意外に薄暗かったので、ノーフラッシュで手ぶれなしの写真をゲットするのはなかなか大変でした。
(作品保護のため確かフラッシュは禁止。もっともフラッシュの人工的な光は好きではないので、可であっても使わなかったと思います。) -
花にあふれた森の中で乗馬する3人の女の子の人形
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楽器を奏でる男の子たち
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輪になってダンス
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イースターのパンを持って
背景にぐるりと、ピーサンキのショーケースが写っています。 -
着飾った女の子たちや馬たち
乗馬する女の子たちの人形が2つもありました。 -
2階のガラスケースの中に1つ1つ展示されていたエッグ
一番古くて1910年代くらいのものがあったと思います。
これは十字架のモチーフだと思いますけど、どこか墓地みたいに見えてしまいます(苦笑)。 -
どこかプリミティブな花の絵
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お馬さんに注目
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シカ狩りのモチーフ!?
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このプリミティブさが気に入った!
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十字架磔のピーサンキ
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下からも覗いてみたところ@
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向かい合うハトのモチーフ
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犬? オオカミ?
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きれいな色使いのピーサンキと、赤い目の仔馬のモチーフのあるピーサンキ
「2009年ウクライナ旅行第12日目(3)コロミーヤ:このために日程を組んだ、本命のピーサンキ(イースターエッグ)博物館・後編」へとつづく。
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10431024/
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