2008/07/16 - 2008/07/16
47位(同エリア95件中)
まみさん
2008/07/16水 アルバナシ日帰り&ヴェリコ・タルノヴォ
【宿泊:Hostel Pashov(ヴェリコ・タルノヴォ泊)】
・コンスタンツィリエフ・ハウス・ミュージーアム
・聖誕教会
・アルバナシ・パレス(外観のみ)
午後ヴェリコ・タルノヴォに戻り
・グルコ通りのサラフキナ・ハウス・ミュージーアム
・民族復興期博物館
・近現代史博物館
・サモヴォドスカタ・チャルシャで買い物
・聖ニコラ教会(着いたのが18時だったので入れず)
この教会だけのためであっても、アルバナシに行く価値はあると断言できます。
めくるめくフレスコ画の世界。
半分地面に埋まった、ずんぐりむっくりの棺おけのような建物の外観からは、とても想像つきません。
フレスコ画は聖書を題材としていて、昔は字が読めないのがふつうの庶民のための宗教教育にも使われたでしょう。
装丁も美しい豪華な写本の中のイラストや装飾が、次々とこの教会の内壁に貼り付けられていったよう。
まさしく、教会中の壁という壁に描かれた、文字のない聖書です(たまにちょこっとありますけとね)。
色鮮やかでプリミティブな絵というのも私のツボにハマって、たまりません。
誰も観光客がいないのではないかと思ったアルバナシでも、ここでゆっくり過ごしていた間、何人もの見学者と次々とすれ違いました。
フランス人4人グループ、1人旅の男性、親子3人連れに、ぞろぞろやってきたスペイン人団体。
あとで村の中心の広場で、この静かな村に不似合いな大型観光バスがやって来ては、あっという間に過ぎ去るのを目にしました。
ここだけを目当てにやって来たに違いありません。
団体ツアーの旅程にも組み込みやすいのでしょう。ヴェリコ・タルノヴォからちょっと寄り道するだけのことですからね。
「16世紀から17世紀の間、アルバナシの比較的慈悲深いトルコ人支配者は、教会建築をいくつか許可しました。現在も村に残っている最も古い教会は、聖誕教会として有名であり、ほぼ間違いなくブルガリアでもっとも魅力的な内装をもつ教会の一つです。1632年から1649年の間に描かれた精巧なフレスコ画は、教会内の5室の空間を寸分のすきまなく埋め尽くしており、中央のイコノスタシスは壮大です。教会の内部には、2000以上の場面の中に3500人を超える人物が描かれています。教会にはまた、トリャヴナ出身の彫刻家によって創られた豪華な木製のイコノスタシスもあります。」
(Lonely Planet(2nd edition 2005年刊)より私訳)
残念ながらお金を払っても写真撮影不可。
でもカラー写真が美しい絵はがきと5つ折りの手軽なパンフレットが教会内でも販売されていました。
また、教会の外では、イコン制作の国家資格を持った人が描いた教会内のフレスコ画の模写を販売していました。
教会内のフレスコ画の代わりに十分なるので、有料でしたが、写真を撮らせてもらいました。
アルバナシの聖誕教会のパンフレットのある写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/14421141/
※右側に広げてあるものがそうです。2.50レヴァでした。
(2008年7月現在、1レヴァ=約0.5ユーロ、1ユーロ=約170円で換算)
関連の旅行記
「2008年ブルガリア・ハイライトその14(完):ブルガリアでゲットしたもの」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10267157/
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見た目は棺おけのような聖誕教会
入場料は4.00レヴァでした。写真は不可。 -
中庭の古い墓地
まるで埴輪のような……これでもきっと十字架ですよね。 -
聖誕教会を入口側から撮ったところ
赤レンガのアーチがあって、こう見るとなかなかお洒落な外観@ -
聖誕教会の立体図と平面図
※旅先のわがノートより
字は汚くて恐縮ですが、右側が聖誕教会の平面図で、左側がその平面図のうち、左半分のL字型の部分(ナルテックス=拝廊)の立体図のつもりです(笑)。
この壁という壁、天井まですきまなくフレスコ画が鮮やかな色彩で描かれていました。
L字型のナルテックスは、かつては列柱に囲まれた外拝廊だったようですが、柱と柱の間もふさがれて完全に建物の中の一室となり、その内側にまたフレスコ画が描かれました。
右の平面図は、上から、礼拝堂、そしてイコノスタシスの壁に接している信者の入れる部屋の真ん中がナオス、そして3番目の空間(チケット売り場の背後)もナルテックスで、女性信者が参列する場所です。
(昔は女性はナオスまで入れませんでした。) -
教会で買ったパンフレットより
パンフレットの写真は、横木で屋根が支えられているL字型の部分のフレスコ画(上)と、天井の「キリスト・パントクラトール(Chirst Pantocrator=全能の神キリスト)」のイコン(右下)と、「三位一体」(左下)のフレスコ画です。
一緒に添えた人形は、ソフィアのギフトショップで買い物をしたときにおまけでもらった小さなペアの民族衣装人形(木製)です。これに1mlのローズオイルがついていました。
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/14421140/
関連の旅行記
「2008年ブルガリア・ハイライトその14(完):ブルガリアでゲットしたもの」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10267157/ -
教会で買ったパンフレットより
パンフレットの写真は、礼拝堂(上)と、奥にイコノスタシスがあるナオス(下)です。
礼拝堂はあのイコノスタシスの向こうにあり、聖職者以外立入禁止ですから、たぶんこの礼拝堂は見ていないです。
(ただし、L字型の部分に覗き穴がありました@)
一緒に添えた人形は、カザンラックで買った1mlのローズオイル入りの民族人形(木製)(ペアで3.50レヴァ)です。
ローズオイルは人形のスカートやズボン部分にそれぞれ入っています。
でも目当てはもちろん、人形の方@
人形の衣装はロドピ山脈地方の民族衣装らしいです。
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/14421101/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/14421102/
関連の旅行記
「2008年ブルガリア・ハイライトその14(完):ブルガリアでゲットしたもの」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10267157/ -
教会で買ったパンフレットより
パンフレットの写真は、教会の中で一番大事な要素であるイコノスタシス(上)と、女性信者の部屋であるナルテックスのフレスコ画(下)です。
ナルテックスのフレスコ画は、左側は「イエスの誕生」、右上は「最後の審判」の一部(悪魔を退治する天使と天国・地獄行きを秤で測る天使)、右下はおそらく「エッサイの樹」(いわばイエスの聖書解釈による家系図で、古代イスラエルの王ダビデの父エッサイから始まっています)の一部ではないかと思います。
一緒に添えた人形は、カザンラックで買った1mlのローズオイル入りの民族人形(木製)(ペアで3.50レヴァ)です。
さきほどのロドピ山脈地方の民族衣装の人形と一緒に買いました。
この人形の衣装はトラキア平原地方の民族衣装らしいです。
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/14421101/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/14421102/
関連の旅行記
「2008年ブルガリア・ハイライトその14(完):ブルガリアでゲットしたもの」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10267157/
イコノスタシスについては、こちらの旅行記の写真コメントをご参照ください。
「イコンのこころ」(高橋保行・著/春秋社)から、イコノスタシスの説明となりそうな部分を引用しています。
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/11967865/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/11967883/
関連の旅行記「2006年ハンガリーとルーマニア旅行第18日目(4):ブラショフ中央公園とルーマニア正教会」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10135677/ -
イコン製作の資格(マイスター)を持っている人による聖誕教会のイコンのレプリカ
旧約聖書の創世記より、イブの誕生の場面など
レプリカといっても、ブルガリアを含む東方キリスト教(正教会)では、きちんと資格を持った人が描いたものは、イコン同然と考えるはずです。
ここからしばらく続くイコンのレプリカの写真は売り物です。
写真を撮るだけでも有料でしたが、値段敵的にもチップみたいなものと思えました。
ただ、いくらだったかは旅のノートにメモしそこねたので忘れてしまいました。 -
旧約聖書の創世記より、蛇の誘惑の場面
イブまで腹が割れてるのはちょっと怖いかも(笑)。 -
旧約聖書の創世記より、エデン追放
中世らしい絵なので登場人物の顔の表情が乏しいのも味があるのですが、このアダム、なんだか嘘泣きしてるみたい@ -
受胎告知
背景の建物は、まるで実在の建物をモデルにしたように見えます。 -
聖ゲオルゲかな
と思ったのですが、槍の下いるのはドラゴンではなく、兵士ですね。
じゃあ誰かしら。 -
マイスターの証明書
四ヶ国語! -
三賢者の訪問
とりわけカラフルで、色の配置が素敵だなと思った絵です。 -
聖母の死
光輪のある真ん中の人物がイエスで、イエスが抱いている包帯ぐるぐる巻きの赤ん坊はおそらく聖母マリアの魂でしょう。
これからイエスがマリアの魂を天国に連れていくのではないかと思います。 -
旧約聖書の預言者・聖エリヤ?
洞窟で修行している聖人というとすぐに思い浮かぶのは聖ヒエロニムスですが、火の車に乗って昇天するというと旧約聖書の預言者エリヤです。見送りは、弟子のエリシャ。
また、エリヤには、神のはらいでカラスが肉とパンをもってきてエリヤを養うというエピソードもあります。
もう少し説明すると、イスラエル人が異教バアル信仰をやめないこらしめで雨を降らせなくしたときに、異教徒信仰の王に命を狙われていたエリヤに、神は川のそばで身を隠すように命じて、そしてカラスにエリヤのために肉とパンを運ばせたというのです。
光るものを加えているカラスのようなものがいるから、やっぱりこの聖人はエリヤでよさそうですね。 -
使徒ペテロと聖パウロ
文字が読めたので分かりました@
左側はイエスの一番弟子で、イエスから天国の鍵を預り、最初の教会を建てたとされる聖ペテロです。
右側はイエスの直接の弟子ではなかっけれど、あちこち旅してキリスト教を広く布教した聖パウロ。書物を持っているのは、彼のたくさんの手紙が新約聖書に含まれているからでしょうね。 -
洗礼者ヨセフ
彼はよく羽根が生えたボロ服姿で描かれているから(カトリックでなくどちらかというと東方正教会で)分かりました。イエスに洗礼を行う聖人です。
皿に載っている生首は自分の首のはずです。オスカー・ワイルドが戯曲した有名な「サロメ」で首を切られる聖人ですからね。 -
エタル野外博物館のイコン製作所でもみた有名なイコン「生命の車輪」
17世紀のもの
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/15217545/
関連の旅行記
「2008年ブルガリア旅行第8日目(5):エタル野外民俗博物館・後編」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10297119/
今回のブルガリア旅行の前半を案内してくれたガイドが言っていた有名なイコンです。
聖誕教会にあるとは知りませんでした。
真ん中の円盤は、真ん中から、太陽と、月の満ち欠けの4つの様相(周りの月はみんな満月に見えますけどネ)と、黄金宮の星座(黄色の半円のところ)と、12の月(緑のところ)が描かれています。
図柄には「最後の審判」に通じるものもありますね。
王座に座る神の両側にいるのは、アダムとイブのはず。着衣でどちらも男性に見えなくもないですけどね。
車輪を回しているのは、審判の天使と審判される死者でしょうか。
車輪から落ちてドラゴンに飲み込まれている人は地獄落ちなのでしょうね。
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この旅行記へのコメント (2)
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- huberさん 2019/10/27 22:19:28
- アナバシ教会
- こちらの教会もブルガリア正教ぽっくって素晴らしいですね。ソフィアへのエアチケットを買う前にまみさんの一連のブルガリア旅行記を読んでおくんだった、、、。アクセスも悪くなさそうだし計画をきちんとすればこちらの教会も見られましたね。まみさんの記事を参考にして再度、今度はイースターの頃に行きます!!!
- まみさん からの返信 2019/11/05 06:25:43
- RE: アナバシ教会
- huberさん、こんにちは。今度はイースターの頃ですか!
イースタ特有のお祭りや特別なイベントもありそうですが、祭り期間は通常であれば休みでないところが休みの場合もあるでしょうから、ぜひ気をつけてくださいね。
それにしても自分の旅行記をひっくり返しても、記憶が新しいうちにさっさと仕上げておいてよかったと思います。
今年はフォートラベルの海外旅行記も、ココログも遅れていますが、ココログの方は最近、なんとかアップできました。あと1記事!
> こちらの教会もブルガリア正教ぽっくって素晴らしいですね。ソフィアへのエアチケットを買う前にまみさんの一連のブルガリア旅行記を読んでおくんだった、、、。アクセスも悪くなさそうだし計画をきちんとすればこちらの教会も見られましたね。まみさんの記事を参考にして再度、今度はイースターの頃に行きます!!!
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