2006年6月 小僧 たかなみ に乗る:TaxNaXさんの旅行ブログ
ちょっと古い話だが、この手の旅行記を余り見掛けないので、過去を思い起こしながら旅行記としてしたためる。
2006年6月、家内の友人から海上自衛隊 護衛艦『たかなみ』の体験乗艦のチケットを頂いた。
当時『たかなみ』は竣工から3年目の最新鋭汎用護衛艦。
イージス艦として名を馳せるこんごう型護衛艦よりも新しい。
晴海埠頭からこの護衛艦『たかなみ』に乗艦しての東京湾クルーズは貴重な体験となった。
晴海埠頭にて護衛艦『たかなみ』を背景に一枚
たかなみは海上自衛隊第4世代の汎用護衛艦たかなみ型の1番艦。
艦番号はDD-110。
全長151m,全幅17.4m,基準排水量4,650tと、汎用護衛艦としてはかなりの大型艦。
54口径127mm単装速射砲、対潜ミサイル、艦対空ミサイルの三重の対空火網を備え、シースパローや20mm機関砲をはじめとする多くのサブシステムを持つステルス艦である。
たかなみ出航。
たかなみには4機のガスタービンエンジンが搭載されている。
巡航用ロールスロイス社製13,500PSのエンジンが2機。
高速用ゼネラル・エレクトリック社製16,500PSのエンジンが2機。
高速航行時は4機全てを使い、最高速度は30kt(ノット)。
1海里は1852mなので、自動車のような表記だと56km/hとなる。
客船の舶用エンジンは重油を燃料とし機関音が大きいが、この艦の機関音や振動は非常に小さい。
なので東京湾内でそろりと動いている筈なのに、滑るように速く動いているように感じる。
写真はデッキから艦橋方向を撮影したもの。
90式艦対艦誘導弾 SSM-1B
国産の艦対艦ミサイルで、ハープーンと同様の4連装発射筒から発射されるが、精度と対妨害性はハープーンよりも高い。
こういうのはお飾りで抑止力となり、実際に使用しないのが正しいと思うのだが、こうして眼前にあると正直興味は尽きない。
写真撮影について念入りに確認したが、「見られちゃマズイ所は隠してますから写真は撮って頂いて結構です」と言われたので、臆せず撮影した。
こういった制御室関係の他、食堂にも入れて貰えた。
ビスケットのような非常食(と思しき物)の試食もさせて貰えたり、面白い体験ができた。
主砲
イタリア オート・メラーラ社製 54口径127mm単装速射砲
後方からの撮影。(砲身が僅かに写っている)
むらさめ型護衛艦の76mm速射砲に比べ速射性能が半分以下になったとは言え、冷却システムを備えた砲身からは1分間に45発の連射が可能。
砲座と砲身の動作デモンストレーションを行っていたが、砲座の回転運動や砲身の仰角調整運動は恐ろしく速い。
間近で見ると、もう殆ど玩具のようにキビキビと動く。
この速射性能と狙い調整の素早さがレーダーによる高精度測距と一体になる事で、主砲一門でも十分役を成すのである。
因みに32kgの砲弾を射程24kmで飛ばせるらしい。
背景に写る吊り橋はレインボーブリッジ。
写真中央に白く写っているのが20mm機関砲 『ファランクス』
アメリカ合衆国 レイセオン・システムズ社製。
ゼネラル・エレクトリック社製20mmバルカン砲、捜索レーダー、追跡レーダー、火器管制システムを一体化した無人の完全自動防空システムである。
白い部分上端の半球部に探索レーダー、円筒部に追跡レーダーを内蔵し、その下に20mmバルカン砲、更にその下に弾倉を配す。
航空機やヘリコプターの迎撃用に思えるが、実は本来の目的は対艦ミサイルの迎撃である。
シースパローなどの対空火網を潜り抜けた対艦ミサイルを近接で打ち落とす為の最終防衛手段となる。
探索レーダーが目標を探知すると脅威度を判定し、追跡レーダーが最も脅威度の高い目標を自動追尾し、目標が距離2km程度に迫った時点から迎撃を開始する。
その後も迎撃しつつ、追跡レーダーが目標と自身の弾道の誤差を測定しながら自動で狙いを修正するのだそうだ。
これも迎撃動作のデモンストレーションを行っていたが、まあ回頭速度の速い事。
1/100のモデルでもこれ程機敏には動けまい。
艦載ヘリコプター SH-60J 『シーホーク』
オリジナルのSH-60Bはアメリカ合衆国シコルスキー・エアクラフト社製だが、現在は三菱重工業がライセンス生産している。
最大速度275km/h、航続距離584km。
主な任務は水平線外の索敵、対潜水艦戦闘など。
体験乗艦には小学生も沢山参加していたが、SH-60Jの周りにはオヤジばかりが集まって来る。
体験乗艦が終わった。
恐らくこんな経験は二度とできまい。
貴重な体験をさせて頂いた。
ただ、純粋に興味としては良い体験だったが、これは紛れも無い兵器である。
トマホークのような艦対地用火器は装備していないので護衛艦を標榜するものの、その気になれば自衛以上の事も出来てしまう。
強力な自衛手段として有効な艦船である事は否定しないが、出来得れば『存在自体が抑止力』である域を出ず、デモンストレーションだけで終わって欲しいと願う。
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