2001春、韓国紀行9(7):5月27日:釜山・コモドホテとその界隈:旅人のくまさんさんの旅行ブログ
<2001年5月27日(日)>
あっという間に、小旅行のおしまいの日です。それでもプサンと、慶州の観光を大いに楽しむことが出来ました。午後の便で出発午前の便での帰国ですから、なお更、慌しい旅行となりました。
<朝食>
コモドホテルでの朝食は、バイキング方式でした。洋食と和食も用意されていました。ホテルだと、何となく洋食を食べたくなる気分になります。珈琲とトマトジュース、パンとバターがあれば十分ですが、今朝は他にもたんと品数がありました。
私の場合、この朝もお腹の調子は何とも無く、日本へ戻ってからおかしくなったのが、不思議と言えば、不思議です。20年程前に経験した食中毒の時には、
「食中毒の症状は、早く出たほうが軽く済む事が多いです。遅いと長引く事もあります」
と医者か、看護婦さんから言われたことを、つい、思い出してしまいました。
その時は、症状が遅く出たものの、それ程長引きはしませんでした。今回は、かなり遅く症状が出て、典型的に長引いてしまいました。この間、20年の歳月の経過かによる体力の衰えのためだと、諦めるより仕方がないでしょう。そうやって、割り切るものかとも思いましたたが、なんとも割り切れません。
ただし、今回の場合、周りがおかしいと思ったら、私も早めに正露丸を飲むべきだったことです。この点だけは大いに教訓になりました。
<コモドホテル界隈>
朝食の後、まだ十分に時間がありましたので、一人でコモドホテル界隈を散歩しました。この連休に釜山に来た時、遠くからコモドホテルを見渡せましたので、高台に建っていることは分かっていました。リムジンバスで、コモドホテルを経由して空港に向かった時も、随分と坂を登った記憶がありました。
しかし、今朝ホテル界隈を散歩してみて、改めてその地形が実感できました。
「釜山では自転車が少ないですよ。坂が多いですから」
と、聞いた記憶が蘇って来ました。一旦坂を下ったら、とても自転車で上がる事ができる傾斜ではありません。坂を下った数だけ、登りの自転車の数が要りそうな険しさです。
この時、その昔、父に説明してもらった佐世保の街をふと思い出しました。良港に付き物の地形なのかも知れません。神戸の町もそんな地形だったような気がします。それぞれの町が、夜景が綺麗なのも共通しているようです。
ビルの谷間の階段を覗き見ると、一層、その険しさが実感できます。また、そんな地形なので、遠景が殊のほかに素晴らしいものです。この連休に、大韓航空ビル近くからコモドホテルを西に遠望しましたが、今度はそのビルを東に遠望できました。
些細な事でも、旅の空では感慨を覚える事があります。この時も、ふとそんな気持ちが湧いてきました。ほんのまれにしか来る事ができない場所だったら、一層その気持ちが強くなるものに違いありません。
<帰国、キムチのお土産店>
ガイドのイーさんは、時間前にホテルに出迎えにきてくれましたが、
「すみません。昨日風邪を引いてしまって、大きな声が出ません」
と、恐縮されていました。確かに可哀想な位、声がしわがれていました。ガイドのイーさんは、声だけが急におばあちゃんになってしまいました。
コモドホテルは大韓航空のリムジンバスの経路になっていますので、わざわざ迎えにきてもらう必要は無かったものの、セットされたツアーなので断るわけにもいきません。
「その分、旅行代金を安くして下さい」
と、頼んでみても、もう遅すぎます。日本で貰った旅行プランには『5月27日、韓国食料品店へご案内後、空港へ』とちゃんと書き込んであります。お土産店とのリンクも旅行社の不可欠部分なので、ツアーを頼んだ以上、これも断れません。
コモドホテルから空港までは、たいした距離ではありません。仮にトンネルの手前で混み合っても、搭乗に間に合わないような事態は心配することはありません。それでも出発2時間前に空港に着けるようホテルを出ました。帰りのフライトは11時30分発の大韓航空機、KE-753便です。1時間半もかからずに名古屋へ到着しますので、国内旅行より近いと感じる旅の終りです。
旅行社の『韓国食料品店へご案内』は、お土産店への立寄りです。それが、キムチの特売店です。
「その店は、空港の入り口近くの左手でしょう?」
と、ガイドさんに尋ねましたら、
「その通りです。買わなくてもいいから、是非立ち寄って下さい」
と言われました。風邪を引いたガイドさんを苛めては、申し訳ないので、その言葉通りに従いました。 実は、旅行の前に、
「キムチはお土産にすると重たいので、出発する前に通販で買っておいたほうがいいですよ」
と、皆さんに勧めていました。その事もあって、どうしても『キムチを買いたい』と、言う人はいませんでした。しかし、店に入ってしまえば、何しろ、ベテランの売り子さんは、勧め方が巧いものです。
「安いキムチもありますが、体によくありません。そんなキムチは素材をみんな中国から輸入しています」
「この店のキムチは、素材もすべて国内で生産して、安全面でも厳しい試験をしています」
「安いキムチは、安いだけの理由がありますが、本当のキムチを是非試してみてください」
と言って、試食や、お茶を勧めてくれます。決め手は、
「余ったウォンでも日本円でも結構です」
と、殺し文句が出ます。空港でも同じことですが、緩みがちだった財布が、旅の最後とあって、底が抜けてしまう事、請け合いです。
確かに海の幸、山の幸がたっぷり入った王様キムチは美味しいものです。味がまろやかです。白菜の間に挟まれた松の実、栗、イカなどを食べる時、至福の一品となります。ビールの泡が目の前に浮かんでは、こちらの負けです。買わない積りの私も、ポッサム(王様)キムチを買い求めてしまいました。どのみち、空港の土産店で最後に買い求めようと考えていましたので、同じことです。
<おわりに>
本当に短い小旅行でしたが、中々変化に富んだ面白旅行でした。この小冊子を早く纏めて、ご一緒に旅行した皆さん方にプレゼントしようと計画していましたが、個人的な身辺の慌しさで、つい2ヵ月ほど遅れてしまいました。
旅は不思議なもので、旅から戻った時には、ほっとした気分になるものの、少し時が経つと、また、次の旅への思いが募ってしまいます。
若い頃に覚えた『月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。船の上に生涯をうかべ馬の口をとらえて老いをむかふる者は、日々旅にして旅を栖とす』に始まる芭蕉の『奥の細道』は、今でも、ふと口ずさんだり、頭の中を駆け巡っていたりします。
『片雲の風にさそはれて、漂白の思いやまず』の序章が、次の旅への誘いを掛けてきます。次の旅への思いを込めて、この小冊子の締めくくりとします。(本文完)
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