2002/04/28 - 2002/05/04
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旅人のくまさんさん
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<2002年4月29日(月)>
昨日のテレビ放送では、ソウル付近で大雨が降り、崖崩れなどの被害が出たことを繰り返し放送していました。
この悪天候のために、国内線が混乱し、旅行計画も大幅に変更する事にしました。変更を余儀なくされたと言うより、気まま旅なので、最も都合がいいように、柔軟に対応することができました。不思議な事に、韓国全土で天候が優れない日が多かったのに、用意した傘を使う必要もありませんでした。出来上がった写真を見ても、快晴の雪嶽山など、新緑の韓国を存分に満喫できました。
<大韓航空事務所で>
大韓空港事務所へは9時の開店に合わせて、一番乗りしました。最初は、チンド(珍島)への経由地であるモッポ(木浦)までの航空券の入手です。実は、当日変更ありの旅行で、最初に諦めた目的地が、このチンドです。29日までお祭りをやっていて、その時期を逃しては折角の苦労も半ば失われてしまいます。
しかし、結局、チンド行きは、今回は諦めざるを得ませんでした。釜山・木浦間の国内航空路線が廃止になっていたからです。往復を電車では、今回の旅行の大半が費やされてしまう事になり、勿体無いことになります。この国内線路は、今回、キンポ空港の観光案内所で入手した案内地図にもちゃんと記載されていました。廃止されたのは、つい最近の事のようでした。こういった経験は良くある事で、駄目なら、他の方法を考える事に時間を費やした方が得策です。
大韓航空事務所で対応してくれたのは、昨年の時もメインに対応してくれた女性でした。若いものの、中々の実力者らしく、事務所の女性同士、目配せして日本人相手に相談に乗ってくれました。ややこしいことを頼むので、こちらも日本語が堪能な方の方が有難いことです。
色々ややこしい事を頼んだので、それを整理してみます。
?帰りの5月4日のインチョン、名古屋間のリコンファームと往復の航空チケットの購入。ただし、一人がウォンの現金で、もう一人はカードで。また、オープンチケットの半券は名古屋発釜山間。
?4月30日のキメ、ヤンヤン間の国内線の予約。ただし、予約だけでチケットは購入しない。
?5月1日のヤンヤン、キンポ間の国内線の予約。ただし、予約だけでこれもチケットは購入しない。
このほかにも、
?インチョンからの帰りの便は、なるべく前の席をとって欲しい。
?ヤンヤン空港は、ソクチョ空港と比べて、悪天候によるキャンセルの発生頻度は?
?韓国内の宿は引き払ったので、連絡先はケータイ電話へ。
?慶州からキメ空港へのリムジンバスの運行状況。殊にホテル以外に停車する場所。
等と注文しましたが、全て正確に処理してくれました。一番時間をかけてくれたのは、慶州からのリムジンバスの運行でした。何箇所かに電話をかけて確認して戴きました。
日本への帰りの便は、エコノミークラスの料金で、席だけはビジネスクラスをとってありました。大韓航空のスカイパスに記載された利用回数が、Muさんの場合40回以上、私でも20回だったので、優遇してもらったようです。決して、毎年大韓航空事務所に難しい話を持ってくる、ブラックリストに載っている日本人の二人連れと判断されたのではないと思っています。丁寧にお礼を言って事務所を後にしました。
国内線の航空チケットを買わない理由は、払い戻し手続きが面倒な事を経験済みだからです。他の便への切り替えで、清算するのは問題ありませんが、払い戻しは、実質出来ないと考えた方が当たっています。
今回も、キメ、ヤンヤン間の予約を取りましたが、結局、翌30日は天候不順のため、キメ空港発は全便欠航となりました。それで、チケットを買わなかったのは大正解となりました。
<移転した市外バスターミナル>
最初の目的地は、市外バスターミナルです。モッポ経由、チンドへの旅行を諦めましたので、結構時間に余裕が生まれました。それで、今日は慶州へのバス移動です。文武王海中陵などが主な目的地です。
最初に向かった市外バスターミナルは無くなって、その跡地はロッテデパートになっていました。仕方ないので、もう1つの市外バスターミナルまでタクシーで向かいました。地下鉄の北東の終点、老圃洞(ヨルンドン)駅です。釜山の名刹、凡魚寺(ポモサ)駅の1つ先になります。
市外バスターミナルの移転はよくある事です。バス運行システムの再編成がされているのではないかと推測したくなります。
慶州へは電車でも行く事ができますが、バスの場合と比べ、どちらも1時間余りであり、大差が無かったと記憶しています。
<文武王海中陵を目指して>
慶州の方の市外バスターミナルは以前と変わっていませんでした。先ずはこのターミナルのコインロッカーに荷物を預けてから、行動する事としました。行動する前に腹拵えです。駅から少し離れた店で、昼間からやや重たいプルコギを注文しました。安い焼肉です。量がたっぷりありました。この店に決めたのは、駅近くは、観光タクシーの客引きが鬱陶しかったためです。ビールも頼んで、満腹しました。と言うより、少し食べ過ぎました。飲み物代を含めて一人千百円でした。
バスで1時間ほどなので、タクシーは使わず、文武王海中陵へ向かいました。トンヘ(東海)、日本でいえば日本海に面した海中の陵です。旅行解説記事によりますと、『私が死んだら東海の海中に埋めてくれ、死後は竜と化して、東海から侵犯してくる倭寇から国を護るから』と死の床で語ったとあります。世界でもまれな海中陵です。日本のテレビでも、この珍しい陵を紹介していました。文武王は、歴史書によれば、三国統一に一生を捧げた新羅の王様です。
竜に化身すると言えば、中国の影響を受けているのかも知れません。中国では、竜は皇帝の紋章に使用されていました。指5本が皇帝の竜で、4本がそれに次ぐ寺院の紋章、3本もあることを、中国、台湾旅行の際に耳にしました。実際に文様の違いを、陶器等で実見しました。
ところで、文武王海中陵は、バスの中から垣間見ただけです。ヨンナムまでバスの切符を買いましたが、そこは文武王海中陵を少し過ぎた街でした。付近に何も無いところなので、海岸線を散歩して、そこが始発の折り返しのバスに乗って慶州へ戻りました。
<原子力発電所>
海岸線には、まだ地図にも載っていない原子力発電所がありました。海岸線に発電所が建設されたので、海岸線を走る街道が山側に一部ルート変更になったようです。
発電所の構内は全て鉄条網で囲われ、要所には見張り所が設えられていました。勿論、軍がそこを固めているようでした。日本の感覚で判断すれば、確かに違和感があります。しかし、海岸線全体が不法入国を防ぐ警戒がされている韓国の現状では、当然の事かも知れません。
万が一、原子力発電所がターゲットにされたテロが発生した場合、対応に苦慮する場面も容易に想像できます。むしろ、武力浸入には無警戒に近い日本の原子力発電所のほうが、世界の非常識になってきているのかも知れません。日本でもNGOグループなどが原子力発電所への浸入行動を試みはじめていることが、改めて思い起こされました。容易に浸入された原子力発電所が、新聞で大きく報道されていました。
堅く固めた原子力発電所の構内とは打って変わって、近くの公園は綺麗に整備されていました。これもバスの中から垣間見ただけです。もし、これが原子力発電所に関係しているのなら、韓国でも電源立地に関しては、地元への配慮がされているようです。付近に余り民家を見かけない原子力発電所近くなので、無関係と言う事は無いように思われました。
<慶州の古墳に登る>
今回、初めて古墳の1つに登りました。開放された古墳公園の中の前円後円墳です。あたりに大きな建物がないので、遠くまで見渡せました。登ってみて初めて、古墳が単独ではなく、連続して築かれていることが実感できました。遠くは山の裾まで古墳群は伸びていました。王族だけでなく、その側近なども祭られているのでしょう。大小さまざまな土盛が遠望できました。
ところで、日本のご陵との一番違いを感じるのは、韓国の古墳は全て草だけで、木々が覆い茂っているのを見かけない事です。日本のご陵は原形を探すのが困難なほど木々が生い茂っています。ご陵以外の古墳発掘でも、先ずは木々の伐採から始められているようです。
<慶州の宿>
慶州では以前にMuさんが泊った事があると言う、市外バスターミナルに隣接した旅館にしました。最初に泊った時は、まだ一部工事中だったという、新しい旅館です。モーテルの表示がありますので、旅館より少し高目の値段です。慶州が有名な観光地であるためかも知れません。ただし、高いといっても1泊3万ウォン、3千円でした。
ところで、モーテルは宿のクラスや形式を示すものです。一番安い旅人宿(ヨインスク)から、ミンパク(民宿)、ヨガン(旅館)、チャン(荘)、モーテル、ホテルなどの順になります。新しいだけに設備もよく、タオルなども揃っていました。
天気もまずまずでしたので、この宿で最初の洗濯をしました。有料のコイン式ドライヤーで少し乾かした後、肌寒さを感じましたが、よく乾くよう窓を開け放ちました。更に、夏用の扇風機をコンセントに差し込んで、暫く回しておきました。
その甲斐があって、翌朝にはほとんど乾いていました。仕上げは、朝目覚めた後に扇風機を回し、床のオンドルも利用しました。オンドルの微かな暖かさが心地よさを覚える外気温でした。洗濯用に日本から持参したクリップ付きの紐が、早速役に立ちました。今回の旅行では、もう1回洗濯すれば済みそうです。余分な荷物を持たないようにしていますので、毎回のことです。
慶州へ向かうバスの中で
葉桜や寺院に続く道遙
麦の穂のまだ青々と韓の畑
文武王海中陵へ向かうバスの中で
唐土の丈一尺の山の春
山越ゆる風に若葉の白さ哉
山藤を愛でて桐花の峠道
九十九道青葉若葉の峠越え
耕運機田に残されて山侘し
漣の立ちて田植の空重し
松若葉司馬遼偲ぶチマチョゴリ
慶州で
畏みて登るご陵や草若葉
古を若葉も知らず韓の古都
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス タクシー
- 航空会社
- 大韓航空
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翌日の朝食を摂ったソウル荘旅館近くの店スンドウプです。7種類のキムチと焼き魚がついて、僅か350円です。味にも満足できました。
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そのお店の値段表です。一部の値段は修正されていました。下から2行目のスンドウプは3500ウォン。日本円で約350円です。
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地下鉄駅から釜山駅への通路付近です。地下鉄側からは、一旦は階段を上って釜山駅に向かう事になります。
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大型のクレーンが聳え、駅舎工事は最盛期です。日韓ワールドカップに間に合わせるような工程でないのは、明らかです。
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1年振りの釜山駅でしたが、駅前の様相が一変していました。駅舎の建替え工事のようです。左手には鉄骨の骨組みが見えています。
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観光案内所の屋根上の部分は、鳩のお宿になっていました。どう見ても、最初から巣箱の構造にしてあるようです。
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釜山の地下鉄車内風景。こんな場所での撮影はフラッシュをオフにしてからにしている。日本よりは、はるかに車内マナーがよい。
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地下鉄に乗っての行き先は、老圃洞(ヨルンド)駅です。市外バスターミナルの発着駅を目指してです。
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街中の電柱の光景です。縦横に電線が走っていました。こんな光景に目がいくのは、職業病のようなものです。
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ここは、開放された無料の古墳公園です。チェーンがあるものの、跨いで中へ入れます。車止めといったものでしょう。
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古墳公園の中には、通り抜けの通路が出来ていました。歩いている途中で、幾人かとすれ違いました。
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古墳の裾に咲いていた菫の花です。名古屋では菫の時期は過ぎましたので、少し緯度の違いがあるようです。
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手頃な古墳に上って慶州の市内を見下ろしました。高い建物の邪魔がないので、左手方面から連なる古墳群が望めました。
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視点を代えて、こちらの方角にも視野を邪魔するものはありません。大小、様々な古墳が頭を出していました。
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高い古墳の上からの撮影です。小さな杜が見えますが、古墳は見当たら無い方角です。
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古墳公園の中の平らになった広場の光景です。ところで、古墳の土はどこから運んできたものでしょうか。
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今度は、前円後円墳の高い方の頂を目指しました。急な傾斜ですが、登るのにそれ程困難はありませんでした。
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古墳の傾斜を右手に入れての市街地方面の撮影です。古墳の足元に小さな山が見えます。
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前円後円墳の高い方の古墳から低い方の古墳を見下ろしての撮影です。
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古墳の上から、少し市街地の方にカメラを振って、Muさんの記念撮影です。さすがにこちら方面には古墳は見受けられません。
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夕暮れが迫り、遠くの山は霞んできました。日本では奈良が一番似た雰囲気です。『奈良』は、韓国の『ナラ(国)』が語源とする説があります。
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飲食店の店先には、ドリンクケースのほか、豆腐や香木のようなものが無造作に置かれていました。
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学生さん向きの店は多く見かけましたが、中々飲める店はありません。夕食は牛肉が入ったコムタンです。自分の好みに味付けです。
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泊まった宿のお風呂です。私の場合、シャワーからちゃんとお湯が出れば、それだけで十分です。
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泊まった宿の部屋の様子です。清潔に掃除されていました。扇風機のお世話になる季節ではありませんが、洗濯物には便利です。
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テレビではソウルでの大雨のニュースが流れていましたが、ここ慶州は、洗濯日和です。持参した紐が役立ちました。
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洗面台です。一通り、石鹸類やタオルが揃っていました。こんな時は、持参のタオルは濡らさないようにしています。
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部屋にあったテレビで、明日の天気予報のチェックです。アジア・ウェザーの画面です。タシケント、イスラマバードやカブールなどの文字が見えます。
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韓国のTVでは、どちらかのチャンネルで、韓国時代劇のドラマが放送されています。これも時代劇の場面です。
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朝鮮王朝時代の宮廷内部辺りが舞台となった場面でしょうか。衣装や調度品等、時代考証もされているのでしょう。
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