2008/09/14 - 2008/09/14
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STAMP MANIAさん
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最近ひそかなブームになっている(?)という「東京近郊区間大回りの旅」に挑戦してみた。
東京周辺のJR線に設定された【東京近郊区間】内で完結する乗車券の場合、乗車経路は一定のルール内で自由に選べるという特例を利用して、初乗り運賃で超遠回り乗車をするという“遊び”。
今回は八高線・両毛線・水戸線・成田線・東金線などをまわり、約15時間掛けて関東平野をほぼ一周した。
※※※注意※※※
東京近郊区間大回りには、当然ながら守らねばならないルールがある。
【同じ駅を2度通ってはならない】
【改札外に出てはならない】
また、ルートの始点駅・終点駅が東京近郊区間内であることはもちろん、途中の区間も全て東京近郊区間内であることが必要。
このルールに反した経路で乗車した場合は不正乗車となり、本来の運賃+2倍の増運賃を請求されることがある。
故意に不正なルートで乗車すれば、それは犯罪。(詐欺罪の構成要件云々と議論を挑むなかれ! 鉄道営業法にも罰則はあります)
ルールに関して、大手マスコミまでが解釈間違いをしている節があるので、十分注意すべし。
≪必読! よくある勘違いの例≫
(1)ルートは一筆書きでなければならない
これは絶対に犯してはならない勘違い。
大回り乗車の解説で「一筆書き」という単語を安易に用いてはならない。
近郊区間大回りではルートの“交差”は不可。
(2)一都六県内のJR線で可能
この遊びが可能なのはあくまで「東京近郊区間」の範囲内。
首都圏や一都六県(関東地方)の範囲とは一致していないので要注意。
東京近郊区間の範囲はこちら
http://www.jreast.co.jp/kippu/1103.html
東京以外に大阪・福岡・新潟にも近郊区間が設定されており、同様の遊びが可能。
※追記※
2009年3月より東京近郊区間が拡大されたため、大回り乗車が可能な範囲が現在とは異なっています。
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まずは今回のルートを。
立川駅から青梅線で1駅の「西立川駅」を出発し、隣の「立川駅」まで。
西立川から、拝島・高麗川・高崎・小山・友部・我孫子・成田・佐倉・成東・大網・蘇我・東京・川崎を経由して立川へ。
写真の赤線のルート。
黄線は、東京近郊区間の最外周ルート(のうち、今回通らなかった区間)。
東京近郊区間大回りに挑戦する場合、一番簡単なのは、今回のように、最外周を基本に一部を端折るルート取り。
起点駅からなるべく早めに最外周に出て、飽きた所で終点駅に戻れば良い。
今回のルートを例に取れば、八高線で飽きれば倉賀野から、両毛線で飽きれば小山から、水戸線で飽きれば我孫子から、成田線で飽きれば佐倉からと、それぞれ最も効率的且つルールを逸脱しないルートで立川駅に戻れる。
最外周のうち、根岸線・鶴見線・東金線は、通らなくても以後のルート取りに影響しないので、最初から端折っても構わないだろう。
なお、鶴見線に関しては、鶴見駅に中間改札、浜川崎駅に改札外乗換があるので、駅員とのやり取りが不安ならば避けた方が良い。
大回りのルート決定には、パズル的要素が大きい。
よく考えないでルートを決めると、途中で旅行を切り上げようとした場合、袋小路に迷い込むことになる。
コツの1つとしては、最外周の内側にある駅のうち、複数路線が乗り入れる駅、特に8の字の要にある駅は、なるべく避けて通ることである。
特に大宮駅・赤羽駅・西国分寺駅・新松戸駅は、旅程の最初の方で通ってしまうと、後々回復不能な事態に陥る危険性が高い。
また、何故か大回りの旅をターミナル駅から始める旅行者が多いのだが、上記の理由から、ターミナル駅から最外周方向に1つ先の駅から始め、ターミナル駅で終了する方が、ルート変更が生じた場合に融通が利く。 -
立川駅近くの無料駐輪場に自転車を止め、今回の出発駅、西立川駅まで歩く。
途中、青梅短絡線の踏切を通る。
この線路は、南武線立川駅から西進し、中央線の上下本線を立体交差で跨ぎ、西立川駅の直前で青梅線に合流するもの。
元々は、中央線を支障せずに南武線と青梅線を結ぶ貨物線だが、現在は中央線から青梅線に直通する下り列車が多く使用する。 -
■西立川6:21→拝島06:29 6.9km
普通 青梅行 603
E233系(10両) 【トイレなし】
西立川駅の券売機で、立川駅までの乗車券(\130)を購入し、出発。
勿論、乗車するのは立川駅とは逆の方向に向かう列車。
ここ西立川駅は、荒井由実(松任谷由実)の曲『雨のステイション』のモチーフとなった駅とされている。
奇しくもこの日は、傘をさす程ではないものの、雨がパラつく天気。
発車メロディも『雨のステイション』の一節が使われているらしいが、車内からはよく聞き取れなかった。 -
■拝島06:38→高麗川07:08 21.2km
普通 高麗川行 3629E
E233系(4両) 【トイレなし】
拝島駅で八高線に乗換。
乗車したのは、拝島始発高麗川行の列車。
通常八高線で使用する車両ではなく、中央線用のE233系が使われていた。
しかも、なぜか五日市線のホームから出発。
車庫から青梅線上下線を跨いで五日市線ホームに入線し、出発後、再び青梅線上下線を跨いで八高線に入る。
何故こんな面倒なことをしているのかは不明。 -
中央線用の車両なので、ドア上には液晶画面が設置されており、ちゃんと八高線内の情報も流れる。
「ドア横のボタンを押してください」とか、短い4両編成にも関わらず、階段位置の案内とか。 -
箱根ヶ崎〜金子間。
埼玉県に入ると、車窓に茶畑が広がる。 -
高麗川駅に到着した列車は、折返し「青梅特快 東京行」になるようだ。
つまり、この東京行の送り込みのため、中央線用車両を使った拝島〜高麗川間の列車が運転されている、というわけ。
1日に数往復だけ、八高線から中央線への直通列車がある。
しかし、青梅を経由しない(拝島で併結する6両は武蔵五日市始発)のに「青梅特快」とは??
高麗川駅ホームの発車案内(写真右下)も「Local TOKYO」にされてしまってるし…。 -
■高麗川07:28→高崎08:57 65.3km
普通 高崎行 229D
キハ110形(2両) 【トイレあり】
関東地方では珍しいディーゼルカーによる運転。
東北地方でローカル線に乗るとよくお世話になる車両と同型。
清潔な車内に座り心地の良い座席と、乗り心地は上々。
多少改善されたとはいえ、なお座席が硬めのE233系から乗換えると、その良さを実感する。
車内の写真は別の旅行記に。
細かい違いはあるものの、基本的に全車両同じ仕様。
http://4travel.jp/traveler/stampmania/album/10267768/ -
小川町〜竹沢間。
小川町駅を出ると、1km以上の距離を東武東上線と並走する。
まるで複線区間のよう。
この先、一旦東上線とは別ルートを走るが、再び寄居駅で合流する。
寄居駅の先では、今度は秩父鉄道線と並走する。 -
折原〜寄居間。
遠くに寄居の町が見えてくる。
この先、線路は大きく右カーブして寄居駅に入る。
JR線と私鉄線が交差する駅の場合、真っ直ぐ走るJR線に私鉄線がSカーブで取り付くことが多いが、寄居駅では、逆にJR線の方がSカーブで取り付いている。 -
丹荘〜群馬藤岡間。
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丹荘〜群馬藤岡間。
利根川の支流、神流川を渡る。 -
高崎駅手前に、旧型客車が留置されていた。
現在でも営業運転可能な状態にあり、時々イベント列車として走っている。 -
高崎駅のホームで遅めの朝食。
だるま弁当で有名な駅弁会社「たかべん」が出している立ち食いスタンドで、ラーメンを食べる。
昔ながらの素朴な味で非常に良い。 -
この日は、臨時列車「EL&SL奥利根号」が運転されていた。
上野発水上行の客車列車で、上野〜高崎間は電気機関車が、高崎〜水上間は蒸気機関車が牽引する、というもの。
電気機関車も、機関車マニアに言わせれば貴重な車両が使われているようだが、何と言っても人気は蒸気機関車の方。
通常はD51形498号機が使われる。
上野方にある車庫を出た機関車は、機回し線を通過して水上方の側線で待機するのだが、その際、ホームの脇で暫く停車する。
ホームで見学している客へのサービスだろうか、モクモクと黒煙を吐き出したりしていた。
この作業は「奥利根号」到着前に行なわれるので、列車の乗客が見学することは不可能。
「電気機関車などどうでも良い、SLを満喫したい!」という人は、高崎駅からの乗車がオススメ。 -
-
9:41に「奥利根号」が到着。
本日の機関車はEF60形19号機。
電気機関車の方は、運転日によって異なるらしい。
牽引機の予告はされないので、当日のお楽しみ、ということに。 -
電気機関車が切り離されて車庫に引き上げた後、待機していたSLがバックで近付いて来る。
元々いた見学客に列車の乗客も加わって、ホームは物凄い混雑に。 -
■高崎09:54→高崎問屋町9:57 2.8km
普通 伊勢崎行 633M
107系(2両) 【トイレあり】
SLの出発を待たず、直前の列車で隣の高崎問屋町駅へ。
乗車したのは、高崎周辺でよく見かける107系電車。
余剰になった急行型電車の機器を流用して製造された車両らしいが、車内は3ドアロングシートの通勤電車。
丁度行先幕を回している所を見たのだが、「軽井沢」「長野」等の行先もあった。
かつては碓氷峠を越えていたのだろうか?
他に「越後湯沢」「石打」もあった。
通勤電車らしく、立客満載で高崎駅を出発。 -
高崎問屋町駅。
走っているSLを見るため、この駅で降りてみた。
上りホームには、やはり同じ考えの見学者が数名。
もう一駅先の井野駅も対向式ホームのため、走行中のSLを見ることが可能。
新前橋駅では、2面4線の島式ホームの外側線に停車するはずなので、見学には不向き。
なお、上りのSLは新前橋駅で内側線に入線するようなので、じっくり見学するなら、新前橋駅で上り列車を待つのが良さそう。 -
■高崎問屋町10:13→小山11:52 88.9km
普通 小山行 447M
115系(4両) 【トイレあり】
小山行は4両編成だったため、それ程混雑していなかった。
両毛線の車両は115系が多いのだが、小山まで全線走破する列車の中にも、107系や211系のロングシート車が充てられているものがあるので注意が必要。 -
新前橋〜前橋間。
利根川に架かる鉄橋を渡る。
正面に見える高層ビルは群馬県庁。
現時点で、群馬県内一の超高層ビル。
県内一の超高層ビルが県庁、というのもどうかと思う。
あ、東京都もつい最近までそうだったっけ…。
それはともかく、群馬県庁は前橋市の観光名所でもある。
32階の無料展望ホールからは関東平野が一望できるし、昭和庁舎には、日本では珍しい本場ウィーン式のカフェがある。
以前書いた口コミはこちら。
群馬県庁展望ホール
http://4travel.jp/domestic/area/kanto/gunma/takasaki/maebashi/tips/each-hotplace-gummakenchosanjuunikaitembohoru-10006820-10051715.html
G FACE CAFE
http://4travel.jp/domestic/area/kanto/gunma/takasaki/maebashi/tips/each-restaurant-general-10051719.html -
国定〜岩宿間。
両毛線という路線名称は、旧国名である上野(こうずけ)国と下野(しもつけ)国を結ぶことに由来する。
どこにも「毛」の文字は見当たらないじゃないか、と言うなかれ。
「こうず‘け’」「しもつ‘け’」…ちゃんと「け」の字が使われている。
そもそも、上野国・下野国は、古代の毛野国(けぬのくに)を分割したものなので、本来は「上毛野国」「下毛野国」と書くべきもの。
しかし、奈良時代に「国名は二文字とせよ」という、いかにも役人が好きそうな命令が出された。
その際、理由は不明だが、「毛」ではなく「野」の方を残したため、国名の文字と読みの関係が意味不明になってしまった。
そう言えば、群馬県は「上州」という略称を好んで使うが、そもそも「上」に意味は無いので、ちょっと違和感を感じる。
上下で国を分割したのが毛野国だけなので、特段不都合はないからなのだろうが、よく考えてみると、前中後で分割された国が「前州」「後州」と名乗るようなものではないか。
もちろん「毛州」「上毛」等もよく使われている。
栃木県の方は、「野州」を使うことが多いらしく、群馬県のように「下州」「下毛」という使い方をすることはまず無い。 -
岩宿〜桐生間。
渡良瀬川を渡る。
この手前で、左側から、わたらせ渓谷鐵道の線路が合流して来た。
ところで、正縮尺の地図で両毛線の線路を辿ると、面白い事に気が付く。
鉄道はなるべく一直線に引かれるものだが、両毛線は、沿線に点在する町をジグザグに結んでいる。
大まかに表現すると、
高崎/前橋\伊勢崎/桐生\足利_佐野/桐生\小山
というふうに走っている。
両毛線沿線は明治期の日本を支えた繊維産業の集積地帯であり、なお且つ、国土軸を形成する路線でもなかったため、線路がジグザグになろうとも、こまめに町を繋いで人と貨物を集めていたのであろう。 -
佐野〜岩舟間。
佐野駅では東武佐野線と交差する。
東武とJRが交差する駅は多数あるが、いずれも東武側が大規模なSカーブでJRの駅に並行に取り付く形になっている。
佐野駅を佐野線上り列車とほぼ同時に発車したので、暫く並んで走ることに。 -
佐野〜岩舟間。
左の車窓に、妙な形の山が見えた。 -
岩舟〜大平下間。
-
栃木〜思川間。
栃木駅は両毛線と東武日光線が交差する駅。
日光方面に向かう東武線は、新幹線かと見紛うような、随分立派な複線高架。
ここまで車内は空いていたのだが、栃木駅で大量の乗車があり、ほぼ座席が埋まった。
栃木市は、宇都宮県と合併する前の旧栃木県庁所在地で、現在でもそれなりの大都市だが、それでも異常な乗客数だった。
ボックス席の前に座った乗客が手にしていた切符を見ると、東武の乗車券と振替乗車票だった。
どうやら東武宇都宮線が止まっていたらしく、振替客が両毛線に流れて来たようだ。 -
■小山12:36→友部13:40 50.2km
普通 友部行 749M
415系1500番台(4両) 【トイレあり】
小山駅の両毛線ホームは少々離れた場所にあった。
両毛線ホームの車止側と宇都宮線ホームの端がほぼ並んでいたので、乗換距離は200m程度だろうか?
まぁ埼京線の渋谷駅ほど酷くはない。
水戸線ホームで待っていたのは415系1500番台。
座席は全車両ロングシート。
水戸線は、この形式を使用する列車が多く、のんびり車窓を楽しむには少々難あり。
E531系が使われる列車もあるらしく、こちらには一部ボックスシートが設置されているので、車窓を楽しみたいなら狙い目だろう。 -
小山〜小田林間。
電化方式が直流→交流に切り替わる地点には、電気の流れていないデッドセクションがある。
この区間は惰性で走行し、客室内の電灯も、非常用の一部を除いて消えてしまう。
昼間だとあまり気付かないが、夜間だと、急に車内が薄暗くなるので、知らないとビックリするかも。
常磐線の取手〜藤代間にも交直切替のデッドセクションがあるが、ここを走る車両は、電灯が消えない対策が施された新型車両に統一されたため、いつデッドセクションを通過したのか分かりにくい。
ただ、さすがに消費電力の大きいエアコンは停止するので、気を付けていれば分からなくはない。 -
東結城〜川島間。
鬼怒川を渡る。
鬼怒川がこんな所を流れているとは知らなかった。
地図で調べてみたら、この先ほぼ真南に進み、守谷で利根川に合流していた。 -
下館〜新治間。
遠くに見えるのは筑波山。 -
大和〜岩瀬間。
沿線は稲刈りシーズン真っ盛りだった。
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