2011/03/09 - 2011/03/10
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世界攻略者さん
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ミャンマーと国境を接する雲南省瑞麗市。国境貿易で栄えるこの町には、ミャンマー的なものが溢れています。今回、4つの旅行記を通して、ガイドブックにも載っていない瑞麗のディープな過ごし方を紹介したいと思います。テーマは国境越え。まずは瑞麗の基本情報からお話しましょう。
**情報は2011年3月のもの。1人民元=12.3円で計算。
== 瑞麗の向こう側 シリーズ一覧 ==
① 瑞麗 - 中国の中のミャンマー <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10537955/
② 姐告 - スルッとミャンマー裏カジノ
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10537957/
③ 畹町 - ミャンマー気ままにフリープラン
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10538910/
④ 一寨両国 - ミャンマー人大量輸送ルートをゆく
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10538955/
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[目次]
瑞麗
食環境
街歩き
翡翠マーケット
ミャンマー人街
タイ族の村
まとめ -
[瑞麗]
雲南省南西の町、瑞麗(ルイリー、写真青い点)にやってきました。人口16万の約半数が少数民族で、その内訳は、タイ族8割、チンポー族2割。街はコンパクトでゆったり。南国ののんびり感と中国の利便性を兼ね備えた過ごしやすい町です。
大理から来る場合、朝出発、または寝台バスで8時間。本数の多い大理->保山、保山->瑞麗を乗り継いで来ることも可能です。昆明からだと、寝台バスが一日一台出ています。この町はビルマ貿易の最前線。車で10分も走ればミャンマー国境です。このユニークな位置取りを利用して、瑞麗ライフを楽しんでみたいと思います。 -
バスターミナルから外に出ると、ほぼ間違いなく、カジノの客引きに声をかけられます。ミャンマー側のカジノに無料送迎してくれるとのことですが、詳しいことはわかりません。
このバスターミナル北側の道(南卯街、写真)が、瑞麗の目抜き通り。アパレル店、電器屋、スーパーなどが並びます。道端に両替オバサンが多数いるところを見ると、ミャンマーからの客も多そうです。この南卯街の北側には巨大な翡翠マーケットがあるので、後ほど訪問してみます。
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街のレイアウトを把握したところで、次は宿探し。ホテルは沢山あり、南卯街の周辺と、南に1,2ブロック下った通り(辺城路や卯喊路)に点在しています。他の雲南の町同様、相場は安めで50-100元(600-1200円)程度で比較的まともな標準間に泊まれます。ビジネスマンが多い土地柄のため、月極の料金を設定しているところもあります。あるホテルでは、50元の標準間が一ヶ月800元(約1万円)と約半額。
どうも、昆明辺りまでなら簡単に労働許可が出るようで、ヤンゴン出身の華僑のオジサンが守衛をしていました。
写真: 80元(1000円)の部屋。エアコン、給湯タンク、インターネット付き。 -
[食環境]
宿を決めたら、次は街の食堂をチェック。幸い、瑞麗には便利なぶっかけ飯屋(快餐)が沢山あります。料理を3-4品選んで7-10元(80-120円)くらい。おかずにバラエティがあり、面倒な注文から開放されます。この手の店は、翡翠マーケット近くの「白井西巷」、後述の「新民東巷」と農貿市場などに数軒固まってあります。
写真: ミャンマー人経営の白井西巷の店。ここも基本は中華料理。 -
残念ながら、ぶっかけ飯屋は、夜遅くまで営業していません。逆に、夜になって活気を帯びてくるのが、串焼き系の屋台や麺類の店。
瑞麗最大の屋台街が、街の東、姐崗路にある華豊美食広場(写真)。華豊市場というショッピング街の奥にあります。主に串焼きや鍋物類の店が中心です。タイ族料理、チンポー料理、ミャンマー料理もあるとのことですが、試していません。 -
日中、食べ歩き系の屋台が並ぶのが、翡翠マーケット「辺貿街」東側の入り口。この近くの駐車場は、夜になると米線などの屋台街になります。
写真: 肉・モツ焼きの屋台。一つ2元(25円)。 -
生鮮食料品を売る農貿市場(写真)は、街の東側にあります。かなり大規模な市場で、野菜や肉売り場のほか、民族衣装などの店、各種屋台もあります。
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[街歩き]
小腹を満たしたところで、街をぶらぶらしてみます。通りを歩いてまず目に付くのが中国語・ビルマ語併記の看板。南卯街より北側では、このスタイルがデフォルトです。これは、ミャンマー人客を当てにしているというよりは、ただ単に看板屋のサービスがいいだけな気がします。
二ヶ国語といえば、たまに通訳募集の求人ちらしをみかけます。そこに書かれている月給は600-1000元(7400-12500円)程度。この辺で両言語話せる人はザラらしく、低賃金でこき使われているようです。 -
次に目に付くのが、街にあふれる「一律料金」ショップ(写真)。最近、中国でもの凄い勢いで増えていますが、瑞麗は特に多い。日本と違い、大手のチェーン店ではなく、個人事業主が自由に開業するような感じです。値段設定も、2元店(25円)、6元店(75円)、10元店(120円)、12元店(150円)など品揃えによりバラバラ。
まだまだ物価の安い中国でもデフレ・トレンドはあるようで、「一元王」ラーメンや「10元」足マッサージ店など、低価格路線のものを見かけます。 -
南卯街から南下し、大きめのホテルが多い辺城路や卯喊路の方に向かいます。このエリアで異彩を放っているのが新安路の2本東にある新民東巷という小道。一見、ぶっかけ飯屋とクリーニング店が数軒づつ並ぶ普通の通りですが、夜になるとちょっとした風俗街に変わります。その絡みもあってか、この一帯の食堂や屋台は深夜も営業しています。
写真: クリーニング屋。1アイテム2元(25円)と良心的な料金。 -
このホテルエリアを歩くと、ミャンマー式を謳うマッサージ店(写真)に遭遇します。タイ式(泰式)、又はミャンマー式(緬式)で料金は1時間25-30元(300-370円)程度。両者は似てますが、タイ式が圧力をかけるように揉むのに対し、ミャンマー式は肘でグリグリやります。
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試しに二軒入ってみました。一軒目はミャンマーから来た女性が中心。中国語もかろうじて通じる程度。もう一軒はチンポー族やタイ族などの中国籍の少数民族の女性が中心。皆、(私のイメージする)ミャンマーっぽい外観のため、区別がつきません。少数民族観光を主目的としながら、基本的な違いさえ理解していない..。何をかいわんがです。
写真: 背中を踏みつける女性。 -
瑞麗には大きな夜市はありませんが、小規模なものならあります。華豊市場のひとつ北側のブロックに、新東方珠宝城という商店街があり、そこの広場に衣料品などの出店が並びます。ここでの注目はCD/DVD屋。民族音楽セクションがあり、タイ族、チンポー族、リス族、さらにタイやミャンマーの音楽VCD(4元)が購入できます。ちなみに歌の字幕は、タイ族は拡張ビルマ文字(写真)、チンポー族はアルファベット、リス族は拡張アルファベットが使われていました。中国のタイ族の言葉に興味がある人は、テレビの徳宏民語チャンネルをチェックしましょう。
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[翡翠マーケット]
最後に、瑞麗観光の目玉である翡翠マーケットへ。中国の翡翠ブームに乗っかり、瑞麗はミャンマー産翡翠の一大供給拠点となっています。「瑞麗=翡翠の町」と言っても、過言ではないでしょう。
バス・ターミナルから北に歩くと、すぐに高級そうな翡翠販売店が並ぶ「端麗宝石街(辺貿街)」に到着します。このエリアの中心にあるのが、「台麗珠宝交易市場」。ひとつの建物の中に数十軒のテナントが入っています(写真)。この建物を中心として、無数の店舗や工房が通りを埋めます。
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市内には、他にも翡翠マーケットがありますが、「観光」して面白いのはこの一帯。特に、交易市場の東側の道(白井東巷、写真)は、非常に濃いエリア。ミャンマーから来た商売人達が、路上で商談、雑談する姿に異国情緒を感じます。
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店舗を持つ資金力のない人達が集まるのが、白井東巷の一本東にある古龍珠宝歩行街。机1つ分くらいのスペースを借りて商売します。持参した石を机に並べ客を待ちます(写真)。
扱う商品は店舗と変わらず、翡翠の原石や、腕輪、ペンダントなどの装飾品です。 -
白井東巷を一本奥に入ったあたりには、翡翠を加工する工房が並びます。木の机に向かって黙々と作業する姿はまるで自習室のようです。
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歯医者さんのような道具を使って翡翠に絵柄を彫ります。このような1人-数人規模の工房がいたるところにあり、市場や店舗に商品を提供しています。
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原石を切断する機械
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[ミャンマー人街]
基本的に、南卯街の北側一帯がミャンマー人が多く集まるゾーン。ロンジーを穿いた男性たちが通りを闊歩したり、電動スクーターに乗る姿を良く見かけます。この地区あるゲームセンターもミャンマー人だらけ。
さらに、ミャンマー度が高いのが白井東巷を北に進んだ辺り(写真)。看板がビルマ語だけでなく、客も店主もミャンマー人というコアなエリアです。 -
通りには、ビンロウ(噛みタバコ、3元=37円)の屋台をいくつも見かけます。中国広しといえども、モヒンガー(3.5元=43円、写真)の屋台があるのは、ここくらいでしょう。売店では、ビルマ語の新聞が売られ、長距離電話のサービスもあります。
一軒だけですがDVD/VCDの露店を見つけました。DVDは、英・香・日の映画など。パッケージはビルマ語で書かれていますが、中身はビルマ語か英語の字幕。各映画を再生してみないとわかりません。ほとんどのDVD(3元=37円)は、5-6本のDVDの画質を落として一枚のDVDに収めたものです。 -
ミャンマー風喫茶店ももちろん健在。テーブルに置かれたおやつ(1-2元=12-25円)を勝手に食べて、後で清算。練乳入りのインスタントコーヒー(ネスカフェやMIKKO)が2.5元(30円)、お茶はただ。
瑞麗にいるミャンマー人の中には、日本に滞在経験のある商売人もいます。コーヒーショップにいると、一人のミャンマー人男性が日本語で話しかけてきました。彼らは、中国人と違い、日本人認識能力が高いようです。 -
彼の兄弟は今でも日本で中古車バイヤーをしているとのこと。この機会に素朴な疑問をぶつけてみました。なぜ、ミャンマーのタクシー代はあんなに高いのか。ちょっと乗っただけで3ドル(300円)もとられます。
答えは簡単。車が高いから。例えば、日本で10年落ちのカローラを2-30万円で買ったとすると、それを船で上海までコンテナで運ぶのに60万円、上海から陸路でミャンマーまで運ぶのに90万円。一コンテナで4台くらい入るので、ここまで一台当り60-70万円程度。さらに車のライセンスや国内での車検など、国家にぼったくられて、最終的には中古なのに200万円を超えてしまうとのこと。なるほど納得。ひょっとすると、他の客達もこんな感じで情報交換しているのかもしれません。 -
この白井東巷には、喫茶店、ケーキ屋、売店、床屋など雑多な店が並んでいます。ただ、よく見るとほとんどの店に「786」の文字が。アラビア文字はないものの、モスクや月と星の絵柄が看板に描かれています(写真)。はて..、彼らは実はミャンマー人ではなくバングラなのでしょうか。確かに、この街にいるミャンマー人の顔つきは南インド系が多数を占めています。
意外ですが、仏教国ミャンマーもかなりのイスラム人口をかかえています。どうもその層の人達が商売熱心で、この地でも活躍されているようです。翡翠マーケットも、中国人、仏教徒ミャンマー人、イスラム系ミャンマー人の店が混在しています。店の中に祭ってある神様やポスターに注目することで、簡単に見分けることができます。
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[タイ族の村]
ここまで、隣国のミャンマーばかりに注目してきました。しかし瑞麗市を含む徳宏タイ族チンポー族自治州は、その名の通りタイ族(とチンポー族)中心の地域。瑞麗の市街地を離れれば、各少数民族の村があり、昔から続く彼らの生活スタイルが維持されています。
一番目に付くのは、仏教関係の施設。金色のパゴダや奘房と呼ばれる出家寺など。それぞれ、弄島(南西)方面に行く道と畹町(北東)方面に行く道に点在しています。弄島へは公共バスが、畹町へは乗り合いワゴンがたくさん出ています。 -
パゴダは瑞麗の市街地にもひとつありますが、一番立派なのは瑞麗から東5キロほど先にある姐勤金塔(5元=62円、上の写真)。畹町橋に行く途中、ツアーがよく立ち寄ります。
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奘房で立派なのは、喊沙にある喊沙奘房と大等喊にある寺のもの。どちらも弄島へ行く途中、タイ族の村の中にあります。喊沙奘房(上と左の写真)は比較的大きな奘房ですが、あまり人気を感じません。どこも似たような感じなので、1、2箇所見れば十分でしょう。
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奘房はたいてい村の奥、道路から少し離れた場所にあります。村の入口でバスを降り、奘房まで集落の中を歩いて行くことになります。建物の半分くらいは、竹を編んだ壁の家。それがたくさん並んでいる風景はのどかです。
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ある日、畹町行きのワゴンに乗っていると、途中の村で祭りが行われているのに遭遇しました。途中下車して見てみることにします。見た感じ仏教関係の催しで、ステージ上では、歌や踊りのプログラムが用意されていました。
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サロンを着る女性は最近少なくなってきましたが、祭りの時は別です。若い女性達が、カラフルで体にフィットした民族服を着る姿は実に華があります。正装するのが好きでたまらない様子が伝わってきます。
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人だかりができているのが、音楽VCDの露店。売り場の女性が言うには、タイ族の音楽ではなく、ミャンマーの音楽とのこと。そんな訳ないと思いますが、文字が似ているためよくわかりません。代わりに、前回の祭りを録画したDVD(3元=40円)を購入しました。
瑞麗市街地では漢族とミャンマー人(人種は色々)、郊外ではタイ族とチンポー族。一体、自分がどこにいるのかわからなくなる時があります。宗教、人種、国籍、母語..が複雑に絡み合い、最後にはそれらの属性なんてどうでもよくなってきました。 -
[まとめ]
このように瑞麗は、漢族中心の見慣れた町にいながら、土着のタイ族と接し、隣国のミャンマーをも感じることのできるユニークな場所です。住み心地も良く、何日でも滞在できそうです。
しかし、これだけで満足していてはいけません。ミャンマーはすぐ先にあるのです。何とかして、国境の向こう側に行ってみたい。行けるのか、行けないのか...。結論から言えば、一応行けます。それでは、瑞麗の向こう側にご案内しましょう。続きは後続の旅行記で。 -
[リンク集]
==中国旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=1&level2=2&level3=&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when&view_mode=list
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&sort=when&view_mode=list
==雲南旅行記==
虎跳峡の歩き方 全3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10523702/
麗江逃票日記 全6+3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10527829/
梅里雪山を巡る旅 全5作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10526168/
元陽棚田トレック 全4作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10551785/
雲南 少数民族マーケットハンター 全3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10573334/
中国国境のカジノタウン 全3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10573770/
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この旅行記へのコメント (1)
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- ぎっ太さん 2018/01/04 17:15:44
- すばらしいです
- 洗練された構成の楽しい役に立つ旅行記ですね。
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