カトマンズ通信① ネパールの停電対策 (計画停電)

2010/01/02 - 2010/01/02

　行けばわかりますが、ネパールの電力事情はひどいです。その傾向と対策をお伝えしておきます。


**情報は2012年12月のもの。

シリーズ一覧:
カトマンズ通信① ネパールの停電対策 (計画停電) <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10442708/
カトマンズ通信② ネパールのカメラ事情 (デジカメ購入、修理)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10442767/
カトマンズ通信③ タメル 両替屋のひみつ教えます (ネパール)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10438076/
カトマンズ通信④ ネパールの携帯電話事情 (NTC、NCELL)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10566797/
カトマンズ通信⑤ タメルのどうでもいい事情 (ダンスバー)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10566509/
カトマンズ通信⑥ トレッキング・グッズ購入ガイド１ 大物・衣類編
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10571988/
カトマンズ通信⑦ トレッキング・グッズ購入ガイド２ 道具編
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10571993/
カトマンズ通信⑧ ネパールの遊園地事情 (高速観覧車、移動遊園地)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10733279/
カトマンズ通信⑨ ネパールで取るインドビザ 2013年度版傾向と対策
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10733274/


変更:
2011/05/11 内容修正。カトマンズ通信に統合。
2013/01/04 2012年秋の状況追加。
2013/03/05 究極の停電対策追加。

エリア カトマンズ(ネパール)

[目次]　

　計画停電
　停電スケジュール
　停電対策
　停電時の過ごし方


[計画停電]

　ネパールは電力の大部分を水力発電に依存しているため、モンスーンの時期以外は慢性的な電力不足に陥ります。そのため地区毎に計画停電が行われ、特に冬以降は毎日長時間の停電にさらされます。2011年2月-4月のスケジュールでいえば、日中７時間、夜間７時間、計14時間停電です。これは厳しいですねー。5月になると雨が降り始めるため、停電時間は短縮されていきます。

**秋のシーズンはここまでひどくなく、2012年の場合、10月終盤で一日2時間。12月前半で朝4-5時間、夕方以降3-4時間となっています。こう見てみると、10月は天気がいいだけでなく、電力事情的にもベストシーズンといえます。

[停電スケジュール]

　計画停電の最新スケジュールは電力省のサイトで確認できます。

http://www.nea.org.np/
右上の「Load Shedding Schedule」をクリック。

　街を歩いていると、建物の壁などに計画表のコピーが貼られているのを見かけます(写真)。困ったことに、これらはネパール語なので、デーヴァナーガリー文字が読めないと、使い物になりません。

　幸い、英語で書かれた計画表が日本大使館のページからダウンロードできます。

http://www.np.emb-japan.go.jp/jp/

　表の見方ですが、計画停電は７グループに分けて行われるので、自分のエリアがどのグループなのか知っておく必要があります。ちなみにカトマンズのタメル地区がグループ６。ポカラのレイクサイドがグループ４，ダムサイドがグループ２となっています。あとは、曜日の欄を見て、その日の停電時間を確認します。

　発電に余力が出てくると、予定より早く電気が再開することがあります。でもそれは５月以降。冬-春の期間は、計画通りきっちり停電すると考えていいでしょう。

[停電対策]

　ここまで停電がひどいと商売にならないので、お店やホテルは各自対策を講じています。大きな店舗なら、停電中ジェネレーターを稼動させ、小さな店舗ならホームUPSのようなもので、最低限の電源を確保します。


写真: 本屋に繋がれた小型ジェネレーター。

　ホテルの場合、宿のグレードにより様々です。一泊20ドル以上のクラスのホテルなら、24時間ジェネレータ稼動でテレビもコンセントも問題ないかもしれません。$10-$15のクラスなら、夜間のみジェネレーターを使う可能性があります。それ以下のクラスは、インバーター・バッテリーによる部屋の電灯のみ。パソコンとか使わない人はこれでも十分でしょう。最底辺の安宿になると、バッテリーへの投資さえしないため、夜は「ろうそく」になります。

写真: 家庭用UPSとインバーター・バッテリー

　このように、一年の大半は停電対策が必要なため、それ用の機械もお店で売られています。写真はカンティパト通りにある、ホンダ(写真)の発電機専門店。これらのジェネレーターは決して安い買い物ではなく、４万円程度のものから、１０万円を超えるものまであります。一方、比較的割安なインバーター・バッテリーは、インドのEXIDE社の製品を良く見かけます。

　これらの違いですが、インバーター・バッテリーは、電気がある時間に蓄電する仕組みのため、容量が小さいと、停電中に電気を使いきってしまう可能性があります。ガソリンなどの燃料で動く発電機はその心配ありませんが、とにかくうるさい！

　ところで..最近、究極の停電対策を思いつきました。といっても、実に古典的な方法なんですけどね。それは、コンセントの配線を変えてしまうことです。

　一部の安宿を除き、ホテルは停電中も部屋の電灯が点くように配線されています。左の写真で言えば、Aのスイッチが部屋の電灯で、ホテルの用意したインバーター・バッテリーにつながれています。一方、残りの３つのスイッチは公共電気にのみ繋がっているため、停電になれば電気が途切れます。それは、右端のコンセントのON/OFFをコントロールするBのスイッチも同じ。

　

　このスイッチ・パネルの中を覗くと、こんな風になっています。恐らく、黄色い線が公共電気、白い線がインバーター、赤い線が各照明器具につながれています。私が欲しいのは、コンセントへの給電。スイッチBから来ている線を外して、スイッチAの白い線の部分から線をつなげてやればいいのです(ピンクの線)。こうすれば、スイッチAのON/OFFにかかわらず、停電中もコンセントに電気が流れます。

　これは、ホテル従業員が改造するのを見ていただけなので、一部技術的にわからない部分もあります。それに、勝手にこんなことしちゃダメでしょう(笑)。私がここで言いたいのは、インバーターのある宿で、コンセントを24時間使えるようにするのは、それほど難しいことではないということです。実際、ロビーやホテルの従業員部屋など、一部の場所にだけちゃんと電気が来ているのは、よくある話です。

[停電時の過ごし方]

　地元の人は、停電開始時間をあまり意識していないようです。例えばテレビを見ていて、突然電気が切れます。そこで慌てず「そういえば、今日は○曜日だったな..これから○時間停電か...」そういう感じです。

　2009年末の場合、私は激安宿に泊まっていたため、停電の影響をもろに受けました。その時ろうそく代わりとして役にたったのが写真の充電式のライトです。それ以降の訪問では、部屋でインターネットをやる必要性から、24H電気のある宿に鞍替えしました。

　停電時でも、本屋、スーパー、ネットカフェ、土産物屋などの店は、ジェネレーターを使っていつも通り営業しています。停電に振り回されるかどうかは、本人のライフスタイルとホテルのクラスによって決まる気がします。その辺りを頭の片隅に入れて、ネパールの滞在をお楽しみください。

写真: ホンダの大型ジェネレーター

[リンク集]

==ネパール街案内==
カトマンズ通信 全10作
http://4travel.jp/travelogue/10442708
沈没地としてのポカラ 全4作
http://4travel.jp/travelogue/10761427

==ネパール旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=1&level2=771&level3=&sort=when

==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when&view_mode=list

==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&sort=when&view_mode=list


==電力事情関連==
[ラオス] ムアンゴイ① 桃源郷の厳しい現実
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10552014/