2008/08/11 - 2008/08/16
213位(同エリア954件中)
きっちーさん
南京から、列車でゴトゴト上海へ戻ってきました。
鉄道上海駅から地下鉄に乗り換え、手荷物としてはかなり負担なトランクを転がしながら『人民広場』駅へ。
お久しぶりの上海博物館へ行くのだ!
せっかく来たし、博物館めぐり!
まあ、トランクルームはあるでしょ。
地下鉄から地上に出たところで迷いに迷った末、どうにか辿り着きますが、すっげー行列!!
なんと、南京博物院に続いて、ここも無料!!
すごいぞ、中国。
そんなにオリンピックって、ステータスなのかし~ら?
スポーツ全般に興味の無い、自分には理解しがたい・・。
しかし、この行列にうんざりしたきっちー家は、トボトボと東亜飯店に向かうのでした。
だって、ギュウギュウの博物館なんて・・・日本と変わんないじゃん。
荷物を宿に置いて、南京東路のファッションビルのうえにあるレストランで遅い昼ゴハン。
お母さんは、しつこく龍井茶を頼みましたが、ひとくち飲んで固まります。
「・・・まずい」
ひと口もらって私も、
「・・・マズイ」
同じお茶とは思えません。
茶葉の品質ではなく、水そのものがくさいのです。
熱過ぎたとみたか、眉をしかめて茶を啜っている母を気遣って、ウェイターさんがすばやくコップに水を入れて運んできてくれます。
水・・。
はははっ。
元凶が来ちゃったよ。
注文を聞いてくれたときから、やさしく片言の日本語で応対してくれた人で、お礼を言うとにっこり笑ってくれて、とっても感じのよい男性です。
それだけに、彼の好意を無にできず、いちいちうるさいお母さんが、おとなしく飲んだフリをしています。
そうそう、人の好意は大切にしなきゃね。
まっ、水をのぞけば、上海の料理はとても美味しい。
旺盛な食欲で、テーブルの上の料理をたいらげ、お腹いっぱいです。
満足満足。
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 鉄道
- 航空会社
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-
「上海観光と、蘇州観光とどっちがイイ?」
「どっちでもいい」
「疲れたんなら、上海観光にしとく?」
「お母さんどっちでもいい。あんたが決めて」
またか・・。
南京から戻ったばかりで、また移動というのも大変かと思いますが、上海観光は前回ひとり旅でやっちまったし・・。気持ち的には、蘇州に行ってみたいなー。
んなワケで、翌日。
ふたたび、上海駅〜。
一泊した南京とは違って、荷物も無く、手ぶらでラクチン。
日帰りですから。
まずは、切符です。
メモで、9時あたりの蘇州行きを頼みますが「没有」だそうで、1時間待ちになりますが、10:12発を購入。
近場の観光地だし、それなりに混んでんだね、きっと。
そんなこんなで、あっという間に蘇州駅到着。
広っ!駅、広っ!
長く長いホームを、他の乗客の人たちと共にそぞろ歩いて、改札を出ます。
駅前大通りには、バスとタクシー乗り場があり、どちらも行列。
白タクのおいちゃん達が、客引きにウロウロしています。
やばい。うさんくさい(笑)。
観光地のにおい。
怪しげな客引きはシカトで、タクシーの列に並びます。
ちゃんと配車係の人もいます。
横入りする人もなく、無事タクシー乗車。
さて、蘇州について真っ先にお母さんが行きたがったのは・・・。 -
コチラ!
-
お母さん、大満足!
ちなみに、母上はこの日、南京で購入した楽ちんビーサンを履いていたのですが(写真のターコイズブルーのやつ)、あまりにラフスタイルすぎて、「夕食に」と入ったホテルの高級レストランで、不審尋問されてました(笑)。
だから、高いトコはやめようって言ったのに〜。
・・・・って、ココどこすか? -
ザッツ・留園!!
いや、ワタクシとしては、蘇州イコール西塘みたいな水路が涼しげに交差する東洋のヴェニス〜、みたいなのを見たかったんですけど・・。
暑いし。
水路ないし。
した石が敷き詰められてるから、反射しまくりだし。
暑いしーっ!
ダラダラ汗をかきながら、カメラ使ってると、またヘンなもんばかり撮れてしまいます。
カエルだ、Lだ(注:デスノート。まだハマってる)。
留園には、美しい花鳥風月の敷石があったのですが、カメラに残っていたのはこんなんばっか・・。
ウケねらいもしつこいと面白くないヨ。 -
こちらは、コウモリ。
あまりの蒸し暑さに、お母さんも歩くのも億劫になったか、「喫茶店〜。喫茶店はないの〜?」をくり返します。
たしかに、3大竈の南京よか暑いっすよ。
ゆらゆらしながら、庭園を彷徨うと、お土産屋さんに『Coffee』の張り紙が!!
「お母さん、きっちゃてんダヨ!きっちゃてん!」
「コーフィ〜。カフィ、チュセヨ〜」
「それ、ハングルだから。ウォヤオ、カーフィじゃない?」
「カーフィ〜・・・っ」
バイオハザードすれすれのふたりに、ドアを開けてくれた女性が目を丸くしています。 -
室内は喫茶店ではなく、掛け軸や民芸品が所狭しとならんでいます。
「カフィが飲みたいんですけど〜」
あやしげな中国語ですが、上品な雰囲気の女性は、にっこり頷いて店のすみに2脚のイスを運んできます。
「トゥ、カフィ?」
「あ。ワン、カフィー。私は、ウーロンティーで」
クーラーのきいた室内で、ようやく息をついて、飲物を待ちます。
イヤでも、ここホントにまるっと、お土産屋サンなんですけど・・。
いきなり、商品のあいだでお茶しちゃって、いいんだろうか。お客さん入ってきたら、どうすんだろ?
見た目的におかしくない?
女性は店のコーナーに置かれた、コーヒーメーカーに豆を入れ、手馴れたようすで挽き始めます。
「・・まずいコーヒーかもね」
お母さんが声をひそめます。
「ああ、水がってこと?お母さんは、コーヒーだから、どっちにしたって泥っぽい味だからいいじゃん。私、お茶にしちゃったし。やばいかな?」
失礼なことを言い合っているうちに、ほろ苦い香りが漂ってきます。
「どうぞ」
と、マグカップでコーヒーと烏龍茶が差し出されます。
「謝謝」
ひとくち飲んだお母さんの顔が輝きます。
「おいしい!」
「あ、そう?」
コーヒーの旨さはさっぱりなので、味見してもどうなのか分かりませんでしたが、烏龍茶を飲んでも、上海での独特の苦味や臭みはありませんでした。
やっぱ、あそこは海が近いからかなー?河口だから?
コーヒーと烏龍茶で50元と、やや観光地的ぼったくり価格でありましたが、お母さんがすっごく喜んでいるので、まあ、いっか。
女性は、お母さんが行きたいという観光施設の載った地図を手渡してくれて、なにかと丁寧に接してくれます。
「ガイジンさん・・!!」(自分らがそうなんですけど)と、構えていた母が、通じてないのに日本語であれこれ話し掛けて、なにやら打ち解けています。
ヨカッタね。
お礼を言って、お土産屋兼喫茶店の外へ出ると、瞬間に汗がひたいに浮きます。
まとわりつくような暑さに根負けし、すべてまわる気も失せて留園をあとにする事に。
・・・と、すぐにでも出たいところですが、出口が分からず!!
猛暑なか、ふたたび右往左往。
し、死ぬ・・。
ようやく、『Exit』と書かれた標識を発見し、ヨロヨロおもてに脱出。
狭く区切られた広いスペースっていうのは、方向感覚が狂いますね。
迷路みたい。
ちかれた〜。
施設の前でだべる、眼光も鋭い客待ちタクシーはおっかないので、大通りまで歩いて、流しのタクシー拾います。
蘇州は網の目のように、バスが行き来しているので、バスに慣れちゃえばすごく動きやすいかも。
タクシーも、正規のタクシーはしっかりしてます。
言葉が通じなくても丁寧な応対をしてくれて、それだけで「蘇州っていいトコだな〜」と思えてきます。
やっぱ、旅の思い出は人との出会いだ。
そんなことを実感しつつ、お母さんの次のリクエスト先、寒山寺へ。 -
寒山寺、到着。
蘇州=水郷というイメージしかないワタクシですが、お母さんの中では、『漢詩の世界』のようで。
この寒山寺も、有名なお寺なんだそうです(知らないけど)。
お寺の前の駐車場にも、中国の観光客の人たちがたくさんいて、中国国内的にも観光スポット。
つか、お母さん。
「どこでもいい」といっていた割には、行きたいところが具体的じゃない? -
小さな廟がかたまっているような、お寺とちがい、寒山寺はゆったりスペースをとって作られているので、かなり開放感のあるお寺です。
大きな池が、庭いっぱいに広がり、観光客の皆さんが水辺でひと休みしています。
お寺というより、ちょっとした離宮みたい。 -
ありきたりな鐘の前で写真を撮りたがる、母。
なんで?なんで?
「『楓橋夜泊』よ」
「ハイ?」
「有名な漢詩。『月の出る夜、長江の流れにのって船旅をしていると、蘇州郊外の寒山寺の鐘の音が、響いてくる・・』ってね」
「知らん」
「あんた、そんなのも知らないの?」
知らん。
つか、ふつーにみんな知らないと思うぞ。
「でもね、この詩にはおかしな所があって、『霜がおちる夜にカラスの鳴き声がする』っていう表現があるの。霜がおりるのは明け方だし、カラスは夜には鳴かないでしょ。
ヘンじゃない?」
母、マニア。ヲタク。 -
わかったような、そうでもないような漢詩よか、こーいう方が面白くないですか?
なんか、飾られていた石絵。 -
「これよ!コレ!」
聞いてない母。
さきほどの漢詩が、たしかにデカデカと掲げられています。 -
こんなのも。
可愛いけど・・どういう古刹だ。
有名なのに、これはアリですか。
どこかユーモアの見え隠れする、寒山寺です。 -
廊下に並ぶ漢詩の石版を、お母さんがゆっくり読んで歩いているあいだ、境内をチョロチョロ撮影してまわります。
広々とした寒山寺は、なかなか趣きがあって、素敵なお寺です。
見物しているうちに奥まで来てしまい、そろそろ戻ろうかと思っていると、細い回廊を散策する、腰のまがったお婆さんと目が合います。
こっちに向かって、ニコニコ笑ってくれるので、軽く会釈すると、なにやら話しかけられます。
ははは・・・さっぱり聞き取れず(汗)。
「対不起〜。不是、中国人。不明白、漢語」
そう言っても、お婆さんは気にしたようすもなく、微笑みながらひと言ふたこと声をかけてくれて、またゆるゆると回廊を歩いていきます。
「あんた、ほんとにどこ居ても、年配の人に話し掛けられてるわね」
気がつく、あきれ顔でお母さんがうしろに立っています。
まあ、じーちゃんばーちゃんには、弟ともども、すっごい可愛がられたせいか、お年寄りは好きだけどね。
「若い人には、まったく相手にされないのにねえ〜」
何気に失礼なんですけど・・。 -
さて、お寺も見たことだし、今度は私の行きたい所へ行こう行こう。
寒山寺の前は、ひっきりなしにタクシー客が乗り降りするので、それほど待つこともなく、乗車できます。
運転者さんに、お願いします。
「到、蘇州博物館」 -
薄日が射す曇り空だった蘇州の天気が、にわかに怪しくなってきます。
夏なのになあ〜。
日本もそうだけど、中国の夏も例年と異なり、やたら不安定。
大陸性のカラッとしていたのが、じめじめした亜熱帯のような空気の肌触りです。
ぼやっとしているうちに、博物館前にタクシーが止まります。
町の中心部にちかくなったせいか、人の行き来が激しくなり、蘇州博物館前も観光客のちいさな列が出来ています。 -
チケット・ボックスへ並ぶと、なんとその場で手渡しでチケットが貰えます!!
やった!
ここもタダだ!
ありがとー!北京オリンピック!!
ぜんぜん関係無いのに、これでみっつめの施設を無料で入場させてもらっちゃいました。
なんだか、申し訳ないような気分ですが、観光客には好評のようで、みなさん嬉しそうにチケットを受け取っています。
「だったら、チケット無しで出入り自由にしても良いのに・・」
と、思いますが、それでも入場者数は重要なようで、入口できちんと半券を回収していました。
さあ、早速なかへ。 -
蘇州博物館は、わりと新しい施設のようで、池のある中庭をぐるりと白い建物が囲んでいます。
中庭へは、いくつかの出入口が設けられていて、ちょっとした休憩ができる東屋が設けられています。
建物自体、すっきりシンプルなつくりで、正面が2楼と地下階。左右のウィングは、1階のみで奥へと伸びています。
展示品の量は、上海や南京にくらべてそれほど多くはないのですが、宗教関係や細工物の展示が充実しています。 -
大好きな玉細工。
「色がちょっとイマイチかな・・」
知ったようなことを言いながら、パチリ。 -
博物館の面白いところは、満遍なく収集しているようでいても、そこはかとなく展示している人たちの趣味が窺われるところ。
蘇州博物館は、大きい物はあまりないのですが、すこし小ぶりだけれど精魂込めてつくったような、リアルな展示が印象的です。
これなんか、すごい。
ポートレートみたい。 -
小さいんですけど、表情とか着物のすその流れとか、
「うまいよなあ〜」
ガラスに張り付いて、写真を撮ってきました(笑)。 -
タイトルは・・・
『黄楊木座相読書老人』
って、そのまんまだな。 -
ネコ!
かわいいのう〜。
飼いたいのう〜。
館内は写真可なので、見学者の人たちは、思い思い気に入った作品を写真におさめています。 -
ネコのお次は、鳥!
どれも芸がこまかくて、品があって、すごいです。
どこの国でも、芸の達者な職人さんているんだな〜と、ぽかっと口をあけて見てまわります。 -
細工物は、大好きです。
-
衝動で撮っていますので、あとからみると何を写したかったのか〜??
-
撮ってる時は、ヘンな達成感があるから気にならないんですけど。
-
OH〜。
これは、覚えてるぞ。
「孔明さんの帽子v」
って、思って撮ったのだ! -
角度を変えてみる。
いえ、本当に諸葛孔明が使用したものではありませんよ(念のため)。
たんに、イメージです。
こんなの、かぶってたんだろうな〜みたいな。 -
このように小物が充実しているばかりではありません。蘇州博物館!
若干ですが、書画もございます。 -
とはいえ、『開運!なんでも鑑定団』をみていてもわかるとおり。
素人がいちばん価値を判断しづらいのが、書と焼き物です。 -
どこがいいんだか、さっぱりわからなかったので、写真も控えめ(笑)。
-
展示室を順路に沿って進むと、民家のような建物に出ます。
にゃんじゃこりゃ? -
どこぞのお大尽の豪邸を一般公開しているのかと思いきや、解説プレートを見ると『太平天国』の関連施設でした!
以前、南京でひとり旅をした時に、あちらにも古い建物を利用した記念館がありました。
へえ〜。
こんなところにもあるんだ。
ずいぶん、勢力を広げたんだな〜。
ここら辺だと南京にも近いから、そんな不思議でもないのか。
南京には、『天王府』というデカイ宮殿もあったそうだし、それにくらべればこじんまりとしたもんだ。 -
太平天国の発起人(?)の洪秀全さんは、「自分はヤハウェ(上帝)の子であり、イエス=キリストの弟」という、ユニークな主張のもと活動したそうです。
なぜ弟・・。
「キリストの弟だ!」なんて主張は、びみょ〜にカルトっぽく聞こえますが、『太平天国』の中身は、政治的末期に陥った清王朝に対する、農民蜂起の一面が色濃くて、単に宗教的熱狂による運動とも思えません。
ただ、武力行使が長続きしなかったのは、ある意味象徴的にも感じます。
洪秀全さんが下敷きにしたのがキリスト教だけあって、礼拝堂にはプロテスタントっぽい十字架が。 -
太平天国については、ほとんど知らないので、お母さんともどもさっさと出口へ向かいます(笑)。
しかし!
一転にわかに掻き曇った空から雷鳴と、大粒の雨がっ。
しばし、雨宿り。
5分もたたないうちに、雨雲は遠ざかります。
ヘンな天気だなあ〜。
つか、出口どこやねん。 -
中国の建物は、方向音痴にはツライ・・。
なんとなく、シンメトリーなキューブがいくつも連なっているような印象があって、歩ってるうちロストウェイです。←カタカナ英語
それでもようやく、出口らしき門を発見!
ところが、こっちも入り口っぽい。
博物館と、どっちからでも入れるようになってるのかな〜? -
ゲートを出ると、元の博物館入り口のすぐそば。
なんだ、一周しただけか。
「もう、お母さん疲れちゃったー。帰る」
「え〜!やだー。水路とか見たいんだけど!水路!」
「いやよ。暑いもの」
「何しに蘇州まで来たのーっ!東洋のヴェニスだよ!見ようよ、水路!」
「どうせ、濁ってて臭いわよ」
「う・・・っ(そりはありえる)」
ふと見ると、博物館の前の道路で観光客の皆さんが写真を撮っております。
なんと、そこには道に沿って水路が流れているのでした。 -
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・もういっか、ここでも。
母上の指摘どおり、(臭くはありませんが)濁った水路です。
つってもですね、ヴェニスの水路だって別に水は澄んじゃいなかったし、生活排水のにおいがプンプンしていたので、そんなに綺麗なモンじゃないんですけどネ。←以前、ウェンティンと行った事があるのだ
結局、蘇州で撮った水路メディアは、これだけであった。ちょっとサミシイ。
「くたびれた〜」「暑い〜」「帰りたい〜」の3パターンをくり返す母に負けて、駅へ向かうことにします。
ちぇ〜っ。
まだ、三施設しか見てないじゃん。
もっと、いてもいーのにィ。時間あるんだしさー。
「帰りの列車が取れなかったらどうするの!」
ぶーぶー。 -
マミーにせかされて、しぶしぶタクシーで蘇州駅へ戻ります。
1時間後に出る上海行きの軟座を購入し、駅のコンビニでミネラルウォーターとちまきを購入。
「あれ、お母さん食べないの?」
「お腹の調子が悪いのよね〜」
美味しいのに、もったいない。
蘇州駅には、菓子や焼きとうもろこし屋さん、売店などの軽食が出来るお店に、列車を待つ人たちが盛んに出入りしています。
旅行者だけでなく、仕事っぽい人も多いかんじです。
大勢がどっとなだれ込むとヤバイので、出入り口には柵が設けられ、係りの女性たちが切符をチェックして、出発時間が近い人だけを建物へ入れています。
30分くらい前なったところで列に並び、切符を見せて入ろうとしますが、すごい勢いでまくし立てられて入れてもらえません。
「なんで〜。まだなの〜?」
15分前になっても、ダメ。
これはさすがにおかしいと、インフォメーションにも声をかけたのですが、英語が通じず。
メモを差し出しても、筆談をしてくれません。
こ、困った。
乗り遅れたらどうしよう〜。
柵に寄り掛かって暇そうにしている警備員さんに切符を見せ「入れてもらえなかった〜っ」と訴えると、
「小姐、入り口が違うんだよ。軟座は、あっちに待合室があるから」
と、教えてくれます。
あ、そうなんですか。
なんだよ、インフォメの人よか、警備員さんのが親切だ。
教えてもらった方向、駅に向かって右側の方に歩きますが、駅ビルは途切れてしまい、ゲートらしきものがありません。
もう一度、駅の売店の人に尋ねると、やはり「あっちだよ」といわれます。
「あっちはどこやねん〜」
ようやく、『関係者以外立ち入り禁止』のように警備員さんが2人も立っている小さな門で、「ここがそうだよ」と言われます。
わからんぞ!こりは!
看板だしといてくれい。
門をくぐると、さらに別館のような待合室。
玄関を入った所で、2階への階段の前でセキュリティー・チェック。
ちっちゃい手荷物なので、ペットボトルの水を警備の人の目の前でひと口飲むだけでおしまい。
切符の座席を確認して、駅員さんが画板に挟んだリストに記入しています。
手書きですか?
たしかに、お客さんいないのにパソコン管理するよりは、エコロジーか。
すかーし!
軟座待合室は、硬座にくらべて本当に人がいないのに、広〜くスペースが取られています。
2階の椅子が並べられた部屋には、窓があちこちにあり、明るく開放的な空気が漂っています。
ブルジョアだ、ブルジョアだ〜。
気後れしつつ文句たれながら、お母さんともども端っこに腰を落ち着けます。
コンビニで買ってきたちまきでも食べるか。
軟座待合室にいるのは、ぴっちりスーツを着込んだビジネスマンや、お金持ってそうな家族連れ。
ビニールに入ったちまきを買い食いしている私を、チラ見しています。
いーでしょ!お腹すいたんだもん。
なんだか場違いな雰囲気ですが、お母さんは、「トイレきれいだったわよ。あんたも行っといたら?」と、いたってマイペース。
やがて、「列車が到着します」とアナウンスが流れ、駅員さんが誘導を始めます。
上海駅と同じく、ここでも待合室からチョクでホームへ降りることができます。 -
入り口は違えど、ホームは一緒。
と、いうわけで再び、長く長〜い蘇州駅のホームを「おそらくココいらへん、乗り場」という辺りまで歩きます。
ホームのはしっこまで歩かされる、お母さんのうしろ姿!
「あんた、ヘンな写真撮らないの!」
・・・ケツがでかいのは遺伝だな・・。 -
ほどなく、周恩来さんの顔プレートの入った(!)列車がホームに滑り込みます。
-
その名も、『周恩来号』!
もっとひねろや〜っ!
乗り込んだ周恩来号は、ほぼ満席。
乗車券にある座席を探したところ、もう誰かが座っています。
ひるむな。
中国は座席にわりとアバウトなのだ。
声をかければ、どいてくれる。
「すんませーん、そこ私たちの席なんですけど〜」
と切符をみせます。
すると、「え?私もここなんですけど・・」
見ると、座っている小姐の乗車券も確かに同じ座席ナンバー。
「ダブルブッキング?」
「もう、これだから中国は!」
お母さんのやや偏見に満ちた文句が始まる前に、通りがかりの車掌さんに「座席がダブっちゃってるんですけど」と、うったえます。
「本当だ。おかしいなあ」
2枚の切符を見比べ首をかしげていた車掌さん、
「あっ!」
「ハイ?」 -
車掌さんが、乗車券の日付を指差します。
なんと私たちの切符は、翌日の日付!
「えーっ!ちゃんと『今日の列車を』って頼みましたよ」
あわてて、切符を買った窓口に出したメモを見せると、
「ああ、本当ですね。じゃあ、空いたお席になってしまいますけど」
列車が走り出しているので、いまさら降りてもらうわけにもいかないと思ったか、
「こちらへどうぞ」
車掌さんは空いた席を見つけてきてくれます。
「これだから中国は、いい加減で嫌!」
ぶちぶち文句を言う、マミー。
でもさ、中国は何度か旅してるけど、中国の列車で日付を間違えられた事ってないよ。これが初めて。
フランスでは、3回もあったけど。
母と中国は、乗り物の相性が悪いというか・・。
以前、初めて北京へ行った時も乗るはずの飛行機がフライト・キャンセルで、最終便まで放っておかれ、しかも宿泊ホテルも交渉しないとおさえて貰えず、そのうえ「この時間のフライトで」と指定された時間に到着したチェックイン・カウンターで「そんな話は聞いていません」といわれた、苦〜い経験が・・。
でもでも、そんなピンチを助けてくれたのも、中国のビジネスマンと、台湾のビジネスウーマンでした。
ホテルで通訳してくれたり、「聞いてないので、困ります!」渋い顔をする航空会社の人に、発券するまで交渉してくれたんです。
(一緒にキャンセルされていた日本団体旅行のツアー・コンダクターなんか、自分のトコのお客さんがどうにかなったら、もうあとは知らん振りして行っちゃったのに)
なので、私的には結構いい思い出なんですけど。
母にとっては『中国=嫌な思い出』としてフォーエバーになっており、なにかっちゃその件でこき下ろしています。
最後、ドキッとした蘇州の旅も、列車に揺られて上海へ〜。
上海で、さらなる困難が待ち受けているとも知らず・・。
後編へ続く!!
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この旅行記へのコメント (2)
-
- okuyanさん 2008/09/21 23:26:15
- じじいぃ〜・・・(`-´;
- こんばんは!きっちーさん。
相変わらずお母上との見事なボケ・ツッコミぶり。
楽しく拝見いたしておりますですよぉ〜♪
ところで12月に私めも二度目の上海訪問をすることになりました。
うちのおっかあ同行のため、ガッツリと格安ツアー参加なのでほとんど自由散策というわけには参りませんが、定番観光地をそれなりに楽しんで来たいと思います。
それにしても、上海ってこんなに怪しいジジイだらけだったかしらん?
うーん、私めとんと覚えが・・・(−−;
コメントを楽しみにしてますね!それじゃ、前払いのポチッ♪
でわっ!
- きっちーさん からの返信 2008/09/22 14:55:27
- RE: じじいぃ〜・・・(`-´;
- こんにちは!
ボケ×ボケなので、関西の人にはウケないかもしれません(笑)。
12月かー。
夏もあっという間で、もうすぐ10月ですね。
年末の予定がお決まりとは、さすがです!
写真は、蘇州のものなので上海にはおりませんのでご安心を。
「芸がこまかいなー」
と、写真をたくさん撮ってきましたが、たしかにおっしゃるとおりお年寄りばっかですね。きっと、長生きはめでたいことの象徴なんでしょうね。
いつも、投票いただいて有難うございます!
全然、ブログへいけてなくてすみません!
(勝手に使っている;)会社のパソコンだと、文字入力は余裕ですが、写真が載ったった画面はみえなくて。
休みの日にまたお邪魔します!
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