2007/01/01 - 2007/01/07
128位(同エリア425件中)
きっちーさん
南京をあとにし、杭州経由で向かうのは水郷の古鎮『西塘』。
この写真の町!
行ってみたかったんです!
『MI?』のロケ地だからって?
いいえ、違います。
ダオダオの『冬至』のロケ地っぽかったから〜っ!←行ってみたら違いましたが・・。
ダオダオ=陳道明
冬至=中国の横領事件を扱った連ドラ
いきおい勇んで、経由地である(こちらのほうが有名な)『杭州』行きのバスに、乗車します。
さて、その先には何が待っていたかというと・・・。
まあ、この写真の町なんですけど(笑)。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス タクシー
- 航空会社
PR
-
南京から西塘への行き方は、二通り。
?いったん上海まで列車で戻り、バスで嘉善へ行きバスを乗り継ぎ、西塘へ。
?長距離バスで杭州経由で乗り継ぎをし、西塘へ。
行く前に散々悩みました。
?の列車のほうが移動時間が短いのですが、本数が出ているのは?のバスです。
そうすると本数がある分、?のほうが早いかも?
?南京(列車)→上海(バス)→嘉善(バス)→西塘
もしくは
?南京(バス)→杭州北〜東バスターミナル(バス)→西塘
どうすんの?どうすんのよ、オレ〜っ!?
つづくぅ〜とはいかないので、結局、?の南京(バス)→杭州北〜東バスターミナル(バス)で行くことに。
杭州までは、時間や料金を調べてくれたホテルのお姉さんのお陰で、すこぶる順調でした。
問題は、杭州市内!
南京からの終着地点、杭州・北バスターミナルから、東バスターミナルまで、タクシーで移動したのですが・・・。
ウワサには聞いていましたが、ひどい渋滞でなんだか大変。
ようやく東ターミナルの窓口へたどりつき、
「西塘、一張票」
と告げると、窓口の小姐が、
「没有」
と首を振ります。
ええ〜っ!
ホントに!?
直通バスが無いの??
ここから西塘行きのバスが出てるって、『歩き方』に載ってたんですけどっ。
真っ青になっている私の横から、『はいっちゃる友の会』メンバー(割り込みする人)がさかんにお姉さんに声をかけますが、それを無視して小姐は何か話し掛けてきます。
窓口のスクリーンを見るように言われているようなので、それに目をやると『嘉善』と表示されています。
「嘉善で乗り換えれば、すぐですよ」
小姐が言います。
「それでお願いします!」
「30元です」
先行き不安ですが、ひとまず彼女の助言に従って、15:55発『嘉善』行きのチケットを購入。
大丈夫かな〜!? -
杭州→西塘の直通バスは存在しないことがわかり、思いがけず遠回りをする羽目になりました。
西塘古鎮への入場は、PM6:00までだそうなので、間に合うのか心配です。
17:25ごろ、嘉善バスターミナルへ到着。
バスを降りるとすぐに、旅館のリーフレットを手にした客引きさんが一斉に寄って来ますが、それどころじゃないのよ〜!
西塘が、閉まっちゃう〜っ。
通してくれ〜。
トランクを掴んで、バタバタと駐車場からターミナルビルへ入ります。
「西塘、一張票!」
17:30出発のチケット、4元をゲットします。
ああ、間に合わない・・。
きっと、30分じゃ無理・・・。
嘉善から西塘へ向かうバスは、温泉街の送り迎えバスのような10人乗りくらいの、マイクロバス。
カップルや親子連れで、すぐに埋まります。
急げ、急げ。
窓の外は、徐々に薄暗くなってきます。
ついたとしても、宿はとれるのかな?
それに、今日はもう西塘には入れないんだろうなあ・・。
肩を落としながらため息をついて、ふと思い出します。
嘉善県は『嘉興』市内にあります。
戦時中、嘉興市は南京侵略の重要な足がかりとされました。
そう、この町もまた南京へと向かう皇軍の、もうひとつの道だったのです。
市内を中心に、ずいぶんと焼かれたと聞いています。
来る予定の無い町でしたが、「何かの縁かなあ」と不思議な感じがしました。 -
バスは西塘への直行便なのですが、バス停が無くても運転手さんに声をかければどこでも降りて良いようで、同乗しているお客さんたちは次々と降りていってしまいます。
残り客が減ったところで、運転手さんが「あとの人達、どこで降りるの?」と聞いてきます。
ああ、どうしよう、どうしよう。
答えに詰まっているうちに、隣に座っていたカップルは短い言葉を交わして、運転手さんが勧める場所で下車し、待ち構えていた人力車に乗って走り去ります。
終点ギリギリまで乗っていた、地元の学生風の女の子も買い物客が歩く商店街で、降りてしまいます。
乗っているのは私ひとり。
バスがすすむ道は、どっから見ても普通の市内。
人力車がスタンバイしていた点を考慮すれば、カップルが降りた場所が、西塘古鎮のそばだったと思われます。
いや〜。
ここどこっ!?(西塘です)
嘉善を出発して30分弱。
バスは終点の、バス会社の駐車場へ到着。
まわりはフツーのアスファルトの並木道。
どこにも、運河も古い町並みもありません。まっくらだし。
「お客さん、終点ですよ」
バスの運転手さんが振り返ります。
やばい。私しかいない・・。
「ち、チンウェンイーシィア・・」(ちょっとお聞きしたいのですが)
運転手さんが固まります。
『外人だ!』と思っているのがありあり。
『付近、有没有客桟?』(この近くに客桟はありませんか?)
客桟は、民家を改造したプチホテルです。
メモを見せると、少し安心したように運転手さんが、書き返します。
『你多少銭一晩、80、100』(一泊いくらの宿?80,100?)
あんまり安くても怖いので、
『100〜200元』と書き込むと、
「ちょっと、待ってな。報告入れたら、俺の知ってるトコに乗せてってあげるから」
言い残してバスを降り、会社の建物から2〜3分で戻ってきます。
「すぐそこだから」
運転手さんがハンドルを操るバスは、再び夜の町へ走り出します。
これって、少々危なくないっすか〜??
胃が痛くなってきます。 -
街灯が少ないせいでやけに真っ暗な、しかもひと気の無い大通りをバスが進みます。
まだ6:30前後の宵の口ですが、ビビっているので気分的には真夜中もいいところです。
バスの進む先にやはり、西塘古鎮らしき風景は見えてきません。
不安もMAXになったとき、
「小姐、ここだよ」
たいして走らないうちに、バスが停まります。
さっさと降りていく運転手さんのあとについて行くと、客桟ではありませんが間違いなくホテルです。
良かった!
イイ人だ!
「お〜い、いるか?俺!お客さん連れてきたぞー!」
「あらあら」
フロントの奥の部屋から、小太りの女性が顔を覗かせます。
「あいつ、いる?」
「ちょっと、まっててね」
「よお」40前後の男性が出てきます。
「他是朋友(こいつ、友達)」
運転手さんが男性を指して言います。
どうやら、この人がホテルのご主人のよう。
今夜泊めて欲しいと頼むと、彼はニコニコしながら頷き、トランクを持って2階の部屋まで案内してくれます。
角部屋の二間続き。けっこう広い部屋です。
「友達の紹介だから、130元でいいよ」
おお、ラッキー。
中国でもホテルのお部屋は、基本的にワンルームなんですが、このお部屋はリビングとベッドルームがわかれているし、広いし、130元はけっこーお得。
フロントに降り、宿の人が手続きを始めると、
「そんじゃ、俺帰るから」
「お、またな」
出て行こうとする運転手さんに、
「どうもありがとうございました!えーと、謝謝你!」
日本語と中国語でお礼を述べて頭を下げると、運転手さんは動揺したように目を開き、宿の人たちからも小さな声が漏れます。
なに?
なんか変なコトした??
周囲の反応にキョドってしまいますが、このときを境にただの『お客さん』から『ウチのお客さん』に格上げされます。
何事?! -
めざす西塘古鎮にたどりつけぬまま、成りゆきでお世話になることになった、『鳳凰賓館』。
家族経営の、小規模ホテルです。
運転手さんとのやり取りで、筆談が可能とわかると、宿の住人(つまりご家族)全員が、集まってきます。
しまいには、誰だか知らないお兄さんまでやって来て。
「コンニチハ」
と日本語を披露してくれたりします。
「どこから来たの?」「一人で来たの?」「年はいくつ?」立て続けの質問に、うろたえます。
しかしこの質問は、迷子か私は・・。
『我想学南京大屠殺』えーと、『我去了(訪問?)在南京的朋友。朋友的名字、孫月冬』で、『朋友介紹、西塘古鎮!』
文章あってるのかな?
多少違ってても、漢字で理解してもらえます。
孫さんのことは話すと長いので、友達(朋友)ってコトで。
西塘のことは別に紹介はされてないんですが、喋れないのでとりあえず、そう説明しておきます。
南京大虐殺を『学ぶ』なんて、せっかく説明してもらったのに、理解できなかったヤツが何を言うって感じですが。
まあ、それはそれ、これはこれ。気持ち的には、学びに来たんです。
なんつって、言い訳ばっかだな〜。
黙ってメモを読んでいた、宿のお祖父さんが目を細めて、
「私らは、南京大虐殺についてはよく知らないが・・」
ほっと息を吐きます。
「孫が、『老街』で働いている。迎えに行く時あんたを連れて、街を案内してあげよう」
え?
ホントですか?
今日はもう諦めていた『西塘古鎮』へ、連れて行ってくれるというのです。
6:00過ぎちゃってるけど、いいのかな。
ありがとうございます! -
そんじゃ腹ごしらえ!
さっきは胃が痛かったのに、ゲンキンなものです。
ホテルに食堂は無いので、近くで食べれる場所を訊ねると、「すぐそこに美味しい店があるから、連れて行ってあげる」と、ホテルのご主人。
さきほどの運転手さんのお友達、単雅洋(『草』かんむり)さんが請合ってくれます。
ご近所のよしみかお店に入ると、単さんは勝手に厨房へあがり込んでオーダーを伝え、店に来ていた馴染み客の料理を勝手につまみ(!)、さらに代金をまけさせてくれたりと、大活躍?
おなかいっぱいで、さっそく西塘ナイト・クライビィングへ出発です!
公安(警官)の前歴を持つお祖父さん(単さんのお父さん)と、お茶目な単さんに連れられて、夜の町を歩きます。 -
夕飯をとった食堂の脇に、細い路地があります。
お祖父さんと単さんは、漆喰の壁に挟まれた細い道を、するすると直進します。
地元の人同士、軽く声をかけ合いながらすれ違う、ありきたりな道。
やがて左右の壁が木造の古い建物に変わり、足元もコンクリートから石畳へ変化します。
そして・・・。
不意に目の前がひらけ、じめりとした水の匂いが鼻をくすぐる水路が現れます。
真っ暗な水の渕。
民家の軒に吊るされた赤い提灯が、煌々と揺れています。
今日1日探しまわった、景色。
西塘古鎮です! -
写真だとぜんぜん見えないんですが。
すごーいっんです!
キレイなんです!
「すっげえな、すげえな、スゴイですねっ!」
日本語で言っても、興奮は伝わります。
2人とも笑いながら、ときには筆談、ときには通じないけど中国語で、水路をまたぐ橋の解説をしてくれます。
ごく見慣れたアスファルトの町の、路地をほんの少し入っただけで、タイムスリップしたような不思議な光景が広がっています。
本当に、建物のすぐ裏なんです。
探しまわる必要なんてまったくなく、こんなすぐ近くに!
入場料なんて要らないし、6:00で閉まってしまうというのも、ガイドブックに書かれていたことは、すべてデタラメでした。
ただ、細い路地を入って行けばよかったんです。
その路地を見つけさえすれば、誰でも行き来できる町、西塘老街。
赤い光がほのかに反射する水路の両脇には、客桟と小さな店舗が肩を寄せ合い、路上の椅子とテーブルで泊り客が軽食を楽しんでいます。
旅館どうし馴染みなのか、お祖父さん達は宿の女将と短い立ち話を繰り返しながら、のんびりと進みます。
会話の端々から、2人が私のことを紹介しているのがわかります。
日本人っていうだけなら、そんなに珍しくもないと思うんですが・・?
大学で日本語を専攻したという、小姐を紹介してもらったり。
親戚が訪ねて来たかのような扱いで、すこし戸惑います。 -
水路の端まで来たところで、お祖父さんは疲れたのか宿の方へ帰っていきます。
あれ?
お孫さんを迎えにきたんじゃ・・?
おーい、おじちゃーん。
行っちゃった。
「いい店があるんだけど、寄って行かない?」
2人になったところで、単さんから誘われます。
いいお店って、飲み屋かな・・。
アルコールは、嫌いなんだけど・・。
いやいや、そんなことよりホイホイついてっちゃって、平気か。
運転手さんは良い人だったけど、その友達まで信用していいのかしら?
ヤバそうな人には見えないけど。
むむむ〜。
みなさん、どうしますー?
結局、「ちょっとだけ」という約束で、お店とやらについて行きます。
いざとなったら、逃げるってコトで。
単さんはスーパーマーケットのわきにある、広い階段をのぼります。
プール・バーが見え、
「お、ビリヤード?」と思いきや、薄暗い別の扉へ入っていきます。
ドアを隔てた奥から、テンポのある歌謡曲が漏れぎこえています。
「クラブ?お姐サンのいる店?」
ついて来たのを後悔した、そのとき・・・。 -
あ・・・。
ミラーボールが回転する、天井の高い広々としたホール。
薄暗い体育館のような店内で、ゆるやかな歌謡曲が大音量で響きます。
老若男女(子どもまで!)たくさんの人達が、ホールの中央で揺れています。
彼・彼女達がステップを踏むたびに、板張りの床からリズミカルな振動が伝わってきます。
そこは、ダンス・ホールなのでした。
単さんは入り口のカウンターでお金を支払い、2つのマグカップを受け取ります。
ふわりと湯気の立つ片方を手渡してくれます。
「いくらですか?」
「いいよ、いいよ!オレ払うから」
わーい。
おごって貰ちゃった。
入場料兼ワンドリンク制なのかな?
みなさん、それぞれカップを手にしています。
香りの良いカップの中身はアルコールではなく、お茶でした。
あ・・なんか、罪悪感・・。
単さん、疑ってしまってスミマセンでした。
心の中で、反省。
用心は必要ですが、私って狭いかな?
単さんは場慣れたようすで、壁ぎわに並ぶテーブル席の、顔見知りグループに声をかけながら、あいた椅子を物色します。
テーブル席は、ほぼ満員。
なんで、こんな人がいるんだー!
「你好!」
知人を見つけて、単さんが声をかけます。
四人がけの席にいたのは、髪の真っ白なお爺さんとお婆さん。
「合席していい?」
ご夫婦らしいお二人の了解を得て、腰をおろします。
お婆さんが、ニッコリと笑いかけてくれます。
こ、この人達はギャラリーなのかな?
それとも、ひょっとして踊っちゃうの?
音楽に負けないよう顔を寄せて、彼が声をかけてきます。
「ねえ!踊らない?!」
ええ〜っ!!
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この旅行記へのコメント (2)
-
- nao0880さん 2010/07/13 17:07:14
- 西塘に行きたい
- きっちーさん、こんにちは。
今週は上海出張、非常にめずらしいパターンです。
そして、支給された切符は変更可能の上海往復です。
加えて出発は15日帰国予定17日、18日・19日は休日。
ということは、上海で同行者と別れたら、自由に帰ってくることができます。
17日→18日のフライト変更ができれば、上海から西塘の旅ができそう。
狙ってみることにします。
同行は品証部長と営業、現地集合・現地解散の上海出張を楽しんできます。
うまく行けば、旅行記を作ります。
ではまた。
- きっちーさん からの返信 2010/07/13 19:38:50
- ワタクシも行きたい・・
- 歓迎光臨nao0880先生☆
いいなあ〜。
変更チケットって、何気にレアですよー。
今年の夏休みは、大好きな中国へ行く予定がないので、中国分不足です(笑)。
なので、私のためにゼッタイ行ってきて下さい♪
おみやげは西塘旅行記がいいですv
宿のおもしろご主人、単さんに買ってもらった西塘の民芸品の小袋、いまでもデジカメのケースにして、大切に使ってます。
いいトコですよ。
うまくお時間が取れるようでしたら、是非!
きっちー
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