2012/10/05 - 2012/10/05
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wiz さん
■ロマネスク芸術の至宝 (2)
サント・マドレーヌ・バジリカ聖堂 身廊/側廊 柱頭彫刻 編
すべての柱頭彫刻を鮮明に写すことは困難でしたが、
”旅の記録”としてここに残しておきたいと思います。
前の旅行記「外観/拝廊」編も、こちらの旅行記も、
あえて、あまり個人的な感想を入れず、
彫刻と対応するエピソードを書く形式としました。
感想その他については、最後に記しておきました。
* これから行かれる皆さんの参考になるように、
柱頭彫刻のある 位置 については明確に、
加えて、インターネット検索などで調べたい時に
少しでも多くの情報が得られますように、出来る限り
仏語と英語で、 柱頭彫刻のタイトル を表記しました。
( * 仏語のアクサン記号は省略)
* 日本語のロマネスク教会の本や英語版簡易案内書でも
取り上げられている 柱頭彫刻 に関しては
必見マーク ★★★★★ を付けました。
* 日本語タイトルの後ろの数字はフランス語版案内書の数字で、
自分が照らし合わせやすいように書いたものです。
La Basilique Sainte-Marie-Madeleine de Vezelay
http://www.basiliquedevezelay.org/
参考:
◇世界美術大全集 8 ロマネスク 小学館
◇西洋美術解読事典 河出書房新社
◇ロマネスクの図像学 国書刊行会
◇バースデイ・セイント 飛鳥新社
◇フランス ロマネスクへの旅 中央公論新社
◇フランス ロマネスクを巡る旅 新潮社
”Vezelay ” Editions La Pierre d'angle
”The Basilica of Saint Mary Magdalen” Editoins Premier Chapitre
他 wikipedia, wikisource 等々
- 旅行の満足度
- 5.0
PR
-
事前準備
世界遺産(ヴェズレーの教会と丘) であり、 フランスの美しい村 である ヴェズレー に建つ、 サント・マドレーヌ・バジリカ聖堂(ここには、ロマネスク芸術/彫刻の至宝がある!) を訪問するにあたり、自分なりにいろいろ調べ、絶対見逃してはいけないもの(彫刻)、できれば写真におさめたいもの(彫刻)という感じに分け、こんなものを作っていきました。 がんばりました(*^^)v -
サント・マドレーヌ・バジリカ聖堂
案内書フランス語版 / 簡易版案内書英語版
案内書はフランス語版しかないようなのでフランス語版を。英語版の簡易案内書も手助けになるかと思い英語の簡易版も購入してみました。
西正面の入口を入ってすぐのナルテックス(拝廊)で、これらの案内書やポストカードなどを購入できるのですが、私たちは12時前に到着してまもなく購入したので良かったのですが、13時頃だったかミサが終わる頃、係の方がすべて片づけていらっしゃったので、購入する場合はなるべくすぐに買っておくの方が賢明だと思います。
フランス語版の詳しい案内書は彫刻などカメラで鮮明におさめられない部分を大変美しく見ることができるし、彫刻のすべての内容と位置が掴める(フランス語版)ので、興味のある方は、是非購入をおすすめします。
英語版の簡易案内書の方は、必ず見ておきたい彫刻のある位置がピックアップされているようで、こちらも参考になると思いました。
以下、案内書の一部を少し(数枚)載せてみます。 -
サント・マドレーヌ・バジリカ聖堂
◎簡易版案内書英語版より
こちらが英語版の簡易案内書で、左の聖堂の図の中に数字が付けてあり、必ず見ておきたい彫刻のある位置がピックアップされている感じです。
右は、夏至と冬至の日の聖堂に入る光の角度について説明されています。 夏至の日の正午には(この聖堂写真のように)窓から差し込む光が、床にい直線に並んで、祭壇へ至る輝きの道ができるのです(ちょうど身廊の真ん中に整列するように光が当たる)。 冬至の日には、この聖堂のみどころでもある彫刻の部分に光が当たるようになる、という説明です。
これについて、英語版では ”A cosmic church ”宇宙を思わせるように神秘的な教会、とタイトルがつけられていました。 このように、光を良く計算して造られているのも、教会の特徴となっています。 -
◎フランス語版案内書より
ナルテックス 中央タンパン部分 ★★★★★
タンパン中央のキリストはもちろんですが、そのまわりの十二使徒も鮮明に見ることができ、 か・な・り 良いです♪
* タンパン部分は、前の旅行記で掲載しています。 -
◎フランス語版案内書より
ナルテックス 中央
黄道十二宮 ★★★★★
十二か月の労働(月暦) ★★★★★
この部分は、肉眼では なんとか 見えるかな?という感じなのですが、こうして一目でながめられるのも、本だからこそなせる業。
おもわず、自分の生まれ星座の彫刻は見てしまいますね。
* この部分も、前の旅行記で写真を載せています。 -
◎フランス語版案内書より
(左下)南3北面上部 ノアの方舟 ★★★★★
ノアの方舟は、上部にある彫刻なので、鮮明な撮影はなかなか困難なんです。 こうして鮮明な写真が見られることは案内書に感謝です(*^^)v
(右上)南4西面 神秘の粉挽き(冬至) ★★★★★
神秘の粉挽きは、この聖堂の中の彫刻でも、必見中の必見ですが、(この写真は上で説明した) 冬至の日 に撮影された写真です。 このように、聖堂内の柱の 彫刻部分 に、ちょうど光が当たるわけです。 写真を見ているだけでもほんとうに、 ”神秘的な教会” と感じます。 -
◎フランス語版案内書より
南2南面 淫欲と絶望 ★★★★★
日本語のロマネスク教会の本にも紹介されている有名な ”淫欲 ” の部分。 コレ、ほんとうにおもしろいですよね〜。
やはり、 世俗 や 悪 を表現した彫刻はおもしろい^^;
◇ロマネスクの聖堂には絶えず生成死滅を繰り返し、輪廻転生する世界の連続状況がいたるところに現われているのである。 それは、一方で呑み込み呑み込まれる状態、殺戮し殺戮される状況としても表された。 ロマネスクの装飾には死闘を繰り広げる動物たち、怪物と戦う英雄、狩りをする人々が頻出する。 この種の闘争図もまた、農耕社会の民衆にとって変わることのない願いであった「時」の交替と更新、それによってもたらされる多産性と豊穣、そこに内在する護符的力を意味するフォークロア的宇宙観を表象していた。 人間が怪物に呑み込まれるロマネスクの地獄図は、豊穣なる生への契機を孕んでおり、悪魔たちは大きく口を開いてユーモラスである。
* この部分は、「世界美術大全集 8 ロマネスク 小学館」からの引用なのですが、ロマネスクの彫刻のおもしろさを非常にうまく表現しているなぁと思いました。 ”ロマネスクの地獄図は、豊穣なる生への契機を孕んで” いる・・ 彫刻を見ていると、この表現、頷けるなぁと感じます。 -
◎フランス語版案内書より
(左)北9北面 アダムとイヴ ★★★★★
(右)北4南面上部 アダムとイヴ ★★★★★
実際には、離れた部分にある、同じテーマ(主題)の柱頭彫刻がいくつかあるのですが、これもそのひとつ。 離れた場所にある2つの ”アダムとイヴ ” が、案内書ではこんな風に写真が並べられているので、比べることができます♪
あとは、テーマ別に”動物”、”植物”、”祝福”、”悪”、”救済”等々、柱頭彫刻の写真が整理されていて、頭の中の整理にも役立っています。 -
それでは、ここから、実際に見てきた記録を残したいと思います。
・・ナルテックス(拝廊)部分をじっくり見終えた後、聖堂内に入ったところで、まず1枚。
ミサが始まる前だったので、このときは皆さん席に着く前という感じでざわざわしていました。
ナルテックスのお次は、この写真の中でズラーっと並んでいる柱頭彫刻部分をじっくりと鑑賞します♪
ここからは、 徹 底 し て、
柱 頭 彫 刻 三 昧 ですので、ご了承を!! -
その前に・・
サント・マドレーヌ・バジリカ聖堂 彫刻配置図。
前の旅行記では、
聖堂の外観、西ファサード(西正面)や、
ナルテックス(拝廊/玄関の間)A〜G
をまとめていました。
http://4travel.jp/traveler/mojo/album/10722520/
今回この旅行記では、
聖堂内、身廊/側廊の彫刻 1〜10
をまとめています。
http://4travel.jp/traveler/mojo/album/10722520/
聖堂の入口=西正面は、
もちろん、この図の下側になるので
東
北 南
西
のような配置になります。
この旅行記では、南1〜10、
北1〜10、の順で写真を載せています。
例えば、下の写真(南1)は、左の図では、
「 1 」 の 右横 の 柱(西面)の 彫刻 になります。
◇柱頭彫刻(浮彫)の主題は、
* 聖書に記さされた諸場面を表現するもの、
* 諸聖人の物語を表現するもの、
* 神学的な寓意を表現するものなど、きわめて多彩。
全体的に見れば「旧約聖書」に由来する図像や、
修道者の聖人にかかわる図像が多いのが特徴といえる。 -
(南1西面)空想の戦い 11
Combat fabuleux
<< Ap 9:7 Or ces sauterelles, a les voir, font penser a des chevaux equipes pour la guerre ; sur leur tete on dirait des couronnes d'or, et leur face rappelle des faces humaines >>
* ヨハネの黙示録第9章より
http://bit.ly/XmCTzU
9:7
これらのいなごは、出陣の用意のととのえられた馬によく似ており、その頭には金の冠のようなものをつけ、その顔は人間の顔のようであり、
9:8
また、そのかみの毛は女のかみのようであり、その歯はししの歯のようであった。
9:9
また、鉄の胸当のような胸当をつけており、その羽の音は、馬に引かれて戦場に急ぐ多くの戦車の響きのようであった。 -
イチオシ
(南1南面)ガニュメデスの誘拐 12 ★★★★★
L'enlevement de Ganymede
The rape of Ganymede
* 大鷲(ゼウス)に苛まれる哀れな少年は、ギリシア神話の美童ガニメデ。 横で頭を抱えているのは彼の父親。
ガニュメーデースは、ギリシア神話の登場人物。 イーリオス(トロイア)の王子で美少年だったといわれる。 オリュムポス十二神に不死の酒ネクタールを給仕するとも、ゼウスの杯を奉げ持つともいわれる。 日本語では長母音を省略してガニュメデス、ラテン語形でガニメデとも呼称される。
◇際立った美貌ゆえにゼウス(ユピテル)に愛された。 オウィディウスによれば(『転身物語』10:152-161)、ゼウスは鷲に変身して少年をオリュンポスへさらって行き、自分の酌係とした。 中世の著作『教訓化されたオウィディウス』では、ガニュメデスは福音書記者ヨハネの予型、鷲はキリストを表すものとされた。 ルネサンスの人文主義者は、この主題を人間の魂の神への上昇の寓意とした。
* ビックリした表情の美少年ガニメデ・・
大鷲に変身したゼウス(ユピテル)・・
ギリシア神話の一場面が
手に取るように分かり楽しすぎる(*^^)v
ガニュメーデース: http://bit.ly/SEJUX3 -
(南2西面)決闘 14
Le duel -
イチオシ
(南2)淫欲と絶望 15 ★★★★★
La luxure et le desespoir
Lust and Despair
* 「淫乱」の罪に苦しむ女。
隣りで自らに剣を突き刺している男は「絶望」。
” 淫欲 ” に絡みついた蛇(多産と豊穣を象徴する女神
だった)は、古代の大地母神に由来する図像らしい。
◇誘惑シーンや残虐シーン目白おしで、見ていて飽きないが・・ 善男善女を教導すべき柱頭がこんな風に愉快な娯楽作ぞろいでよいのだろうか・・ 美術史の碩学エミール・マールによればこうした悪道図の多くは <修道士の悪夢から生れた> もので、じっさいにヴェズレーの悪魔とそっくりの記述がのこっているという。 <彼らは夢幻のなかで暮らしていた。 可視と不可視の境界がなかった>。
とすると修道士はここの柱頭に跋扈(ばっこ)するような化けもの連中と日々つきあっていたわけで、ゴシック以降の怪物彫刻がロマネスクにくらべてはなはだ精彩を欠くのは、 悪魔の幻影 よりも 死の現実 をおそれるようになったからだ、というのがマールの意見である。 つまり 金持ち修道士の妄想 こそが ロマネスク美術の肥やし だったことになる。
* この説明文は「フランス・ロマネスクを巡る旅/新潮社」
からの引用なのですが・・かなり興味深いご指摘〜^^;
”修道士の妄想 こそが ロマネスク美術の肥やし”って!
* フランス語版案内書より ”淫欲”
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27122867/ -
(南3西面)聖ウスターシュの改宗 17 ★★★
La conversion de Saint Eustache
Saint Eustace's (or Hubert's) conversion
聖エウスタキウス(仏:ウスターシュ)
Saint Eustache サン=トゥスターシュ
http://bit.ly/ZcZpcM
◇プラキダスという名のローマ軍最高司令官がチボリの近くで狩りをしていたとき、光り輝く十字架を戴いた雄鹿の幻を見てキリスト教に改宗した。
十字架のイエスは「あなたは鹿を追いかけているつもりでしょうが、この鹿によってわたしに捕まえられたのです」を語りかけた。 プラキダスは以後エウスタキウス(よい実を結ぶ木)(※写真左)と改名し、家族とともに洗礼を受けた。 エンブレムは鹿と帽子。 9月20日の守護聖人。
<< Placide, pourquoi me persecutes-tu? ... Je suis le Christ que tu honores sans le savoir >> -
(南3東面)天秤座と双子座 19
La Balance et les Gemeaux
左 = 天秤座
右 = 双子座
element tres frequemment present sur les tympans romans figurant le Jugement dernier・・
ロマネスク教会のタンパン「最後の審判 le Jugement dernier」でしばしば見られるエレメント ”天秤 La Balance ”。 最後の審判では、罪の重さをはかる ”天秤 ” となる。 -
(南3側廊壁柱)アキレウスの教育 3
L'education d'Achille
アキレウスは、ギリシア神話に登場する英雄で、ホメーロスの叙事詩『イーリアス』の主人公。 プティーア(プティア)の出身で、プティーア王ペーレウス(ペレウス)と海の女神テティスとの間に生まれた。 トロイア(イリオス)戦争にはミュルミドーン人を率いて50隻の船と共に参加した。 足が速く、『イーリアス』では「駿足のアキレウス」と形容される。
アキレウスが生まれると母テティスは、息子を不死の体にするために冥府を流れる川ステュクスの水に息子を浸した。 そのとき、テティスの手はアキレウスの踵を掴んでいたためにそこだけは水に浸からず、踵のみは不死とならなかった。 その後、トロイア戦争ではここ(踵)をパリス(一説にはアポローン)に射られてアキレウスは死に到ることになる。 踵からふくらはぎにかけての腱であるアキレス腱はこの挿話にちなんでいる。 テティスはアキレウスを養育しなかったので、ペーレウスはアキレウスを、ケンタウロスの賢者ケイローン (一般に野蛮で粗暴なケンタウロス族の中で、ケイローンは例外的な存在であり、アポローンから音楽、医学、予言の技を、アルテミスから狩猟を学んだという。半人半馬。) に預けた。
* 弓を引く半人半馬のケイローンの背中に、
学ぶアキレウス・・ なんだかかわいい(*^^*)
アキレウス http://bit.ly/XscPDF
ケイローン http://bit.ly/PGsbRz -
(南3北面上部)
ノアの方舟(箱舟を造るノア) 81 ★★★★★
La construction de l'arche
私のコンデジではここまでがズームの限界・・
”上部 ” にある彫刻はほんとうに撮影が難しいです。 -
(南3北面上部)
ノアの方舟(箱舟を造るノア) 81 ★★★★★
La construction de L'arche
上の写真を切り抜きしてやっとこんな感じです^^;
* フランス語版案内書より
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27122786/
* 創世記第6章より
http://bit.ly/UsiJE8
6:14
あなたは、いとすぎの木で箱舟を造り、箱舟の中にへやを設け、アスファルトでそのうちそとを塗りなさい。
6:15
その造り方は次のとおりである。すなわち箱舟の長さは三百キュビト、幅は五十キュビト、高さは三十キュビトとし、
6:16
箱舟に屋根を造り、上へ一キュビトにそれを仕上げ、また箱舟の戸口をその横に設けて、一階と二階と三階のある箱舟を造りなさい。
6:17
わたしは地の上に洪水を送って、命の息のある肉なるものを、みな天の下から滅ぼし去る。地にあるものは、みな死に絶えるであろう。
6:18
ただし、わたしはあなたと契約を結ぼう。あなたは子らと、妻と、子らの妻たちと共に箱舟にはいりなさい。
6:19
またすべての生き物、すべての肉なるものの中から、それぞれ二つずつを箱舟に入れて、あなたと共にその命を保たせなさい。それらは雄と雌とでなければならない。
6:20
すなわち、鳥はその種類にしたがい獣はその種類にしたがい、また地のすべての這うものも、その種類にしたがって、それぞれ二つずつ、あなたのところに入れて、命を保たせなさい。
6:21
また、すべての食物となるものをとって、あなたのところにたくわえ、あなたとこれらのものとの食物としなさい」。
6:22
ノアはすべて神の命じられたようにした。 -
(南4西面)神秘の粉挽き 20 ★★★★★
Le moulin mystique
The mystic mill
”神秘の粉挽き Le moulin mystique”は、
この聖堂内でも最も有名な柱頭彫刻のひとつです。
<< Jn12,24 Si le grain de ble tombe en terre ne meurt pas, il demeure seul ; mais s'il meurt, il porte beaucoup de fruit. >> -
イチオシ
(南4西面)神秘の粉挽き 20 ★★★★★
Le moulin mystique
The mystic mill 1120-30年頃
左がモーセ、右が聖パウロ。 挽き臼はイエスその人で「旧約」の教えを「新約」に変えているところだそうです。
* ヨハネによる福音書第12章より
http://bit.ly/S061pX
12:24
よくよくあなたがたに言っておく。一粒の麦が地に落ちて死ななければ、それはただ一粒のままである。 しかし、もし死んだなら、豊かに実を結ぶようになる。
* 聖アウグスティヌス『神の国』より: 「旧約聖書はヴェールで覆われた新約聖書以外のものではなく、新約はヴェールを脱がされた旧約以外のものではない」
* サン・ドニ修道院長シュジェール(1081-1151): 「モーセがヴェールで覆ったものが、キリストの教えによってあらわにされる。」
パウロは挽き臼で小麦からぬかを取り去り、
モーセの律法の深遠なる意味をあらわにした。
かくも多くの穀粒からぬかの無い真のパンを、
われら天使の永遠の糧を作った。
(旧約聖書は聖パウロの象徴的方法によって解釈された時、全部新約聖書に変化するということ、つまりモーセと預言者の麦は純粋な小麦粉となり、教会はそれによって人びとを養うのだということである。 - 「ロマネスクの図像学」エミール・マール著 上P252 より) -
(南4西面)神秘の粉挽き
広角で撮影すると、こんな感じです。 -
(南4南面)
貧しきラザロと悪しき金持ちの死 21 ★★★★★
La mort de Lazare et du mauvais riche
The death of the selfish rich man and poor Lazarus
◇ ”金持ちとラザロ” 地上における金持ちは永遠に苦しめられねばならないが、貧乏人は天国でその報酬を享受する、という教訓を持つ譬え(たとえ)話。 あるところに金持ちがおり、良い着物を身につけ、毎日のように宴を開いていた。 一方貧者のラザロは、その門のところでひもじい思いをしていたのである。 犬たちがやって来て、この貧乏な男の体中のでき物をなめた。 やがて2人とも死に、 貧乏な男 ** は「アブラハムの懐」あるいはその膝に運ばれた。(→ 最後の審判 で、天国を表すための簡便な表現として、アブラハムが輪に結ばれた布の上に善なる魂を載せて両手で持って座っている、という図像は、”金持ちとラザロ”の譬え話に由来する。) 金持ちはアブラハムへの懇願にもかかわらず、黄泉の国に落とされ、そこに留まるよう宣告されたのであった。・・
* ルカによる福音書第16章より
http://bit.ly/YQw1dp
16:19
ある金持がいた。彼は紫の衣や細布を着て、毎日ぜいたくに遊び暮していた。
16:20
ところが、ラザロという貧乏人が全身でき物でおおわれて、この金持の玄関の前にすわり、
16:21
その食卓から落ちるもので飢えをしのごうと望んでいた。その上、犬がきて彼のでき物をなめていた。
16:22
この 貧乏人** がついに死に、御使たちに連れられてアブラハムのふところに送られた。金持も死んで葬られた。
16:23
そして黄泉にいて苦しみながら、目をあげると、アブラハムとそのふところにいるラザロとが、はるかに見えた。
16:24
そこで声をあげて言った、『父、アブラハムよ、わたしをあわれんでください。ラザロをおつかわしになって、その指先を水でぬらし、わたしの舌を冷やさせてください。わたしはこの火炎の中で苦しみもだえています』。
16:25
アブラハムが言った、『子よ、思い出すがよい。あなたは生前よいものを受け、ラザロの方は悪いものを受けた。しかし今ここでは、彼は慰められ、あなたは苦しみもだえている。
16:26
そればかりか、わたしたちとあなたがたとの間には大きな淵がおいてあって、こちらからあなたがたの方へ渡ろうと思ってもできないし、そちらからわたしたちの方へ越えて来ることもできない』。
16:27
そこで金持が言った、『父よ、ではお願いします。わたしの父の家へラザロをつかわしてください。
16:28
わたしに五人の兄弟がいますので、こんな苦しい所へ来ることがないように、彼らに警告していただきたいのです』。
16:29
アブラハムは言った、『彼らにはモーセと預言者とがある。それに聞くがよかろう』。
16:30
金持が言った、『いえいえ、父アブラハムよ、もし死人の中からだれかが兄弟たちのところへ行ってくれましたら、彼らは悔い改めるでしょう』。
16:31
アブラハムは言った、『もし彼らがモーセと預言者とに耳を傾けないなら、死人の中からよみがえってくる者があっても、彼らはその勧めを聞き入れはしないであろう』」。 -
(南4南面)
貧しきラザロと悪しき金持ちの死 21 ★★★★★
La mort de Lazare et du mauvais riche
The death of the selfish rich man and poor Lazarus
* 写真は、フランス語版案内書より
上の写真は、金持ちの死の場面(南4柱正面)
この写真は、「アブラハムの懐」
あるいはその膝に運ばれた 貧乏な男 ** (南4柱側面)
金持ちとラザロ http://bit.ly/Zdtidg -
(南4東面)カインの死 22
La mort de Cain
◇”カインとアベル”は、アダムとイヴがエデンの園を追われた(失楽園)後に生まれた兄弟である。また、この二人の弟にセトがいる。 カインは長じて農耕を行い、アベルは羊を放牧するようになった。
(創世記4:1-15)ある日2人は各自の収穫物をヤハウェに捧げる。カインは収穫物を、アベルは肥えた羊の初子を捧げたが、ヤハウェはアベルの供物に目を留めカインの供物は無視した。 嫉妬にかられたカインはその後、野原にアベルを誘い殺害する。
アベルの殺害 の主題は、神への供物 の主題に比べると、時代に関しても画派に関しても遥かに広汎に取り上げられた。 羊飼いアベルの死はキリストの死の「予型」と見做され、カインはユダに譬えられた。 アダムとエヴァがアベルの亡骸に覆いかぶさって哀悼する場面や、野獣と間違われて猟師ラメクの矢に斃れた ”カインの不慮の死” も、ときたま描かれている。
左 = 猟師ラメク
右 = カイン -
(南5西面)四つの風 23 ★★★
Les Genies des vents
The four winds -
(南5南面)ライオンと戦うダビデ 24 ★★★
David et le lion
David fighting the lion
ダビデは、古代イスラエルの王(在位:前1000年 - 前961年頃)。 羊飼いから身をおこして初代イスラエル王サウルに仕え、サウルがペリシテ人と戦って戦死したのちにユダで王位に着くと、ペリシテ人を撃破し要害の地エルサレムに都を置いて全イスラエルの王となった。 旧約聖書の『サムエル記』および『列王記』に登場し、伝統的に『詩篇』の作者とされてきた。 イスラム教においても預言者の一人に位置づけられている。英語の男性名デイヴィッド(David)などは彼の名に由来する。
◇ ”ライオンと熊を殺すダヴィデ” 自分が出向いてゴリアテと戦うにふさわしい者であることをサウルに認めさせるために、ダヴィデは羊飼いとして自分が群れを脅かす野獣たちとの格闘にいかに慣れているかを物語る。 ライオンや熊が子羊を奪って逃げたとき、ダヴィデは勇敢にその後を追い、向かってくると喉を掴んで殺した。 勇気と力の象徴としてのライオンの一般的な役割が、ここではあべこべにされている。 この主題は悪魔に対するキリスト教の勝利を象徴し、とりわけ詩篇集や中世の石彫によく見られる。
* サムエル記上第17章より
http://bit.ly/UgKOrV
17:32
ダビデはサウルに言った、「だれも彼のゆえに気を落してはなりません。しもべが行ってあのペリシテびとと戦いましょう」。
17:33
サウルはダビデに言った、「行って、あのペリシテびとと戦うことはできない。あなたは年少だが、彼は若い時からの軍人だからです」。
17:34
しかしダビデはサウルに言った、「しもべは父の羊を飼っていたのですが、しし、あるいはくまがきて、群れの小羊を取った時、
17:35
わたしはそのあとを追って、これを撃ち、小羊をその口から救いだしました。その獣がわたしにとびかかってきた時は、ひげをつかまえて、それを撃ち殺しました。
17:36
しもべはすでに、ししと、くまを殺しました。この割礼なきペリシテびとも、生ける神の軍をいどんだのですから、あの獣の一頭のようになるでしょう」。
17:37
ダビデはまた言った、「ししのつめ、くまのつめからわたしを救い出された主は、またわたしを、このペリシテびとの手から救い出されるでしょう」。サウルはダビデに言った、「行きなさい。どうぞ主があなたと共におられるように」。
(拝廊 北F北面)ダビデ王を叱責する預言者ナタン
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27160114/
(北4北面)ダヴィデとゴリアテ 50
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27124160/
(北7東面)サウル王の殺人者を処刑(するダビデ) 60
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27124224/ -
(南5側廊壁柱)先生と生徒 5
Les Maitres et les ecoliers -
(南6西面)聖マルタンと異教の木 26 ★★★★★
Saint Martin et l'arbre sacre des paiens
Saint Martin converting the pagans
◇聖マルタン(316〜397)は、現在のハンガリーでローマ軍人の息子として生まれ、イタリアで育った。 15歳のときにローマ騎兵となり、フランスに派遣された。 ある冬の寒い日、アミアンで裸の貧者に出会い、自分のマントを軍刀で半分に切って与えた。 その夜、彼が与えたマントを身にまとったキリストの夢を見て回心。 洗礼を受け、軍を引退して宣教生活に入る。 聖ヒラリウス(イレール)に師事し、 ” フランス最初の修道院 ” をつくった。 372年にトゥールの司教となる。 彼の足跡はフランス全土に広がり、ハンセン病患者を抱擁しただけで治したり、死者をよみがえらせたり、話すことのできない娘の口をきけるようにした等、彼の起こした奇跡は数多い。 徳は高く、動物さえも彼の言うことを聞いたという。 ヨーロッパでは非常に人気のある聖者で、同じ名前の男の子や彼の名前を冠した教会、学校、病院、修道院がたくさんある。 また彼の祝日はその年の節目にあたり、中世の村では税金の納入、使用人の交代、小作料の更新などが行われた。 11月11日の守護聖人。 守護地域はフランス。 兵士、旗手、皮職人、織物職人、ワイン製造者の守護聖者。
* 6世紀にすでにトゥールの大聖堂に現れた聖マルタンの伝説の一場面。 聖マルタンは異教徒たちが崇拝する神聖な松を切らせようとした。 彼らは、聖人が木の倒れてくる場所に立つという条件で切ることに同意する。 聖マルタンはためらわない。 そして、松が彼を押しつぶそうとする瞬間、聖人が手を上げると木は反対側に倒れたというのである。 素朴な技法で図式化されたヴェズレーのこの松は、まるで亜熱帯地方の植物のようである。 (ロマネスクの図像学・上/国書刊行会より)
* ゴール(今のフランス)の地には、キリスト教化される前は、ケルト人たちによる独特の宗教ドリュイド教があった。 それは一種のアニミスム(霊魂崇拝)であり、自然のなかに霊魂の存在を認める自然崇拝をその根源にしていた。 自然のなかで特に崇拝されたのは、水(河、泉)、樹木、巨石であった。 ゴールの地がキリスト教化された後にも、なおこうしたドリュイド教徒たちによる聖樹崇拝の伝統が残っていたことは容易に想像できる。 実際、789年にカール大帝によってアーヘンで公布された法令では、樹木、石、泉を崇拝することを禁じている。 これは、8世紀末にもなおこうした自然崇拝の伝統が残っていたことを物語っているのである。 聖人マルタン(317-397)の生涯を表した、ヴェズレーの柱頭彫刻も、ゴールの地に根強く残っていた聖樹崇拝の名残を物語っている。 (黒い聖母と悪魔の謎/馬杉宗夫著より) -
(南6西面)聖マルタンと異教の木 26 ★★★★★
Saint Martin et l'arbre sacre des paiens
Saint Martin converting the pagans
* 写真・解説は、フランス語版案内書より
神の使い聖マルタン(※写真中)は邪神崇拝者の行いに対して木を切り倒し卑しめる・・異教者に神の力を示す。
・・彼の命令で1人の木こりが、やしの木にナタを入れている(※写真左)。 その左手には聖なるお菓子を持った2人の男が驚いている様子(※写真では見えないですが、木こりの後ろ側)。 百姓達(※写真右)は一番右端で力一杯縄を引いて聖マルタンの上に倒そうとしている・・。 しかし、マルタンは何事もなく手を挙げて祝福の仕草をしている。 この続きは良く知られているので表現されていないが、やしの木は異教者の上に倒れ落ち、邪教の本当の姿がさらけ出されることになる・・。 なぜやしの木なのか、不思議な気もするが、鈴なりに咲き誇る花の上で重く茂った葉を拡げ、エキゾチックな精油を持つ木・・おそらく、そんなエキゾチックなやしの木をあえて自然崇拝、異教崇拝者にたとえて卑しめているのに違いない・・。 -
(南6南面)獅子の穴のダニエル 27 ★★★★★
Daniel entre les lions
Daniel in the Lion's den
◇旧約聖書の「四大預言者」の1人(他の3人はエゼキエル、イザヤ、エレミヤ)。 伝説的歴史と黙示的預言とからなる「ダニエル書」には、ダニエルがもう1人のユダヤの放浪者であるエジプトのヨセフの場合と同様に、夢を解釈する能力によって、バビロニアの宮廷で勢力ある地位を獲得する次第が記されている。 ダニエルはまた<正義>の擬人像でもある。
ライオンの穴の中のダニエル ダニエル書6、旧約聖書外典「ベルと竜」14:23-40 ダニエルはペルシア王ダリヨス(ダレイオス)が定めた宗教的禁令に背いたために、もしくは(より華やかな外典の記述によれば)聖なる竜あるいは蛇に樹脂と脂肪と髪の毛からなる不消化性の固形物を食べさせてこれを死に至らしめたため、ライオンの洞穴に投げ込まれる。 通常とりあげられるのは外典に由来する後者の物語である。 天使(大天使ミカエルと伝えられる)が預言者ハバククにダニエルの苦難を知らせ、髪の毛を掴んで彼をライオンの穴に運び、食物を与えさせる。 ダニエルはこれを神が見捨てなかった証しと見做した。 7日ののち王が戻り、ダニエルが無事で生きているのを見てユダヤ人の神の力を悟る。 ダニエルの失脚を謀った廷臣たちは穴に投じられ、たちどころにライオンに食われてしまった。 ダニエルは凹んだ中庭もしくは穴の中に立つか、または座った姿で表わされ、ライオンに囲まれている。 食物と飲料を携えたハバクク(通常は天使に付き添われている)が頭上に漂っていることもある。
(南8東面)獅子の穴のダニエル 34 (古)
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27123480/ -
(南6側廊壁柱)
世俗の音楽とみだらな悪魔 6 ★★★★★
La musique profane et la musique sacree
Profane music and the demon of impurity
* 楽士に世俗音楽を演奏させながら、女といちゃつく逆立髪の悪魔。 股間に噛みつくのは蛇。
* 仏語(アクサン記号省略)と英語のタイトルは、聖堂内で購入してきた案内書によるものですが、仏語と英語でまったく同じ意味になるものと意味が少し変わるものがありますね。 例えば、この彫刻だと、フランス語だと”世俗音楽と宗教音楽”となり、英語だと”世俗の音楽とみだらな悪魔”のような(タイトルの)日本語訳になります。
* まあ、いずれにしても、この面白すぎるユーモラスな
悪魔には・・ 思わず笑っちゃいますね^^; -
(南7西面)天使と戦うヤコブ 29 ★★★
La lutte de Jacob contre l'ange
Jacob fighting the angel
※ヤコブの出生については次の写真にて。
◇旅の途上、ヤコブはヨルダン川の支流の小川ヤボクの渡しにさしかかった。 彼は一行を渡らせたあと1人残ったが「1人の人が、夜明けまで彼と組打ちした」。 その男が勝てないと知ってヤコブの太腿の関節に触れると、関節は外れてしまう。 立ち去る前に自分を祝福してくれるようにヤコブが頼むと、その相手は「あなたはもはや名をヤコブと言わずイスラエルと言いなさい。 あなたが神と人とに力を争って勝ったからです。(Gn 32:28)」 と言い、彼を祝福した。 この夢のごとき神秘的な出会いは、宗教的・神話的・民族的な見地から様々な解釈を施されてきている。 初期キリスト教美術においてはヤコブの相手は神自身であったが、のちには天使として描かれるようになり、格闘は地上におけるキリスト教徒の魂の苦闘を象徴するものとされた。 中世美術では相手は時に悪魔として表され、その場合、主題は美徳と悪徳の争いの寓意へと転化された。
* 創世記第32章 http://bit.ly/Q2RSNB
* ドラクロワ他絵画で描かれる”天使とヤコブの闘い”
http://bit.ly/UdIEta -
(南7南面)ヤコブを祝福するイサク 30
La benediction de Jacob par Isaac
◇イサクは、旧約聖書の『創世記』に登場する太祖の一人。 父アブラハム、母サラ。 イサクはカナンの女性リベカと結婚し、エサウとヤコブという双子の兄弟をもうけた。(ヤコブはエサウの踵を握って後から生まれた。これはヤコブがのちにエサウの地位を奪うしるしであった。 エサウは狩人として野に暮らし、ヤコブは天幕の中に定住した。 彼らのライバル関係はキリスト教会とシナゴーク/ユダヤ会堂との葛藤の象徴と見做された。) ヤコブは弟ながらエサウの受けるはずだった長子の祝福を横取りし、兄の怒りを恐れて伯父のラバンの元に身を寄せる。・・
* 創世記第27章より
http://bit.ly/Q2PFlc
27:29
もろもろの民はあなた(イサク)に仕え、もろもろの国はあなたに身をかがめる。あなたは兄弟たちの主となり、あなたの母の子らは、あなたに身をかがめるであろう。あなたをのろう者はのろわれ、あなたを祝福する者は祝福される」。
27:30
イサクがヤコブを祝福し終って、ヤコブが父イサクの前から出て行くとすぐ、兄エサウが狩から帰ってきた。
27:31
彼もまたおいしい食べ物を作って、父の所に持ってきて、言った、「父よ、起きてあなたの子のしかの肉を食べ、あなたみずから、わたしを祝福してください」。
27:32
父イサクは彼に言った、「あなたは、だれか」。彼は言った、「わたしはあなたの子、長子エサウです」。
27:33
イサクは激しくふるえて言った、「それでは、あのしかの肉を取って、わたしに持ってきた者はだれか。わたしはあなたが来る前に、みんな食べて彼を祝福した。ゆえに彼が祝福を得るであろう」。
* どの部分もそうですが、口語版で旧約・新約(ここでは旧約の創世記)該当の部分を読むと、よーく話が分かりますね〜〜〜(*^^)v -
(南7東面)聖ベネディクトゥスの誘惑 31 ★★★
La tentation de Saint Benoit
Saint Benedict's temptation
La tentation est subtitle:
la femme habilee de maniere decente
中 = 女性を脅す悪魔
右 = 女性に祝福を与える聖ベネディクトゥス -
(南8東面)獅子の穴のダニエル(古) 34 ★★★★★
Daniel dans la fosse aux lions
Daniel in the Lion's den
* ダニエル書第6章より
http://bit.ly/T8KVY7
6:16
そこで王は命令を下したので、ダニエルは引き出されて、ししの穴に投げ入れられた。王はダニエルに言った、「どうか、あなたの常に仕える神が、あなたを救われるように」。
6:17
そして一つの石を持ってきて、穴の口をふさいだので、王は自分の印と、大臣らの印をもって、これに封印した。これはダニエルの処置を変えることのないようにするためであった。
6:18
こうして王はその宮殿に帰ったが、その夜は食をとらず、また、そばめたちを召し寄せず、全く眠ることもしなかった。
6:19
こうして王は朝まだき起きて、ししの穴へ急いで行ったが、
6:20
ダニエルのいる穴に近づいたとき、悲しげな声をあげて呼ばわり、ダニエルに言った、「生ける神のしもべダニエルよ、あなたが常に仕えている神はあなたを救って、ししの害を免れさせることができたか」。
6:21
ダニエルは王に言った、「王よ、どうか、とこしえに生きながらえられますように。
6:22
わたしの神はその使をおくって、ししの口を閉ざされたので、ししはわたしを害しませんでした。これはわたしに罪のないことが、神の前に認められたからです。王よ、わたしはあなたの前にも、何も悪い事をしなかったのです」。
6:23
そこで王は大いに喜び、ダニエルを穴の中から出せと命じたので、ダニエルは穴の中から出されたが、その身になんの害をも受けていなかった。これは彼が自分の神を頼みとしていたからである。
* なんだか、かわいすぎるダニエル・・なにをおもふ・・
(南6南面)獅子の穴のダニエル 27
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27123409/ -
(南8側廊壁柱)天国の四つの川 8
Les quatre fleuves du paradis
* クリュニーのオシエ美術館にある「天国の四つの川」という主題は、「天国の四つの川」は四福音書であり、そこに立つ人は賢明、節制、剛毅、正義といった人間道徳に必須の四徳を表し、その樹木は林檎が智、葡萄が生命、無花果が堕罪、アーモンドの木が復活を意味するといわれるのだそうです。 -
(南9西面)向かい合うライオン 35
Lions affrontes -
(南9側廊壁柱)
<< Et videbit omnis caro salutare Dei >>
* ルカによる福音書第3章より
http://bit.ly/WRxEJo
3:6
人はみな神の救を見るであろう
Et videbit omnis caro salutare Dei -
サント・マドレーヌ・バジリカ聖堂 内陣部分
西正面の入口を入り、
ナルテックス(拝廊)の方から、東へ歩を進め、
10番目の柱まで見学したところで聖堂内陣部分を1枚。
10番目の柱のところが聖堂内トランセプト部分となります。 -
サント・マドレーヌ・バジリカ聖堂 身廊
トランセプトのあたりから後ろ(西側)を振り返り1枚。 -
サント・マドレーヌ・バジリカ聖堂
(周歩廊まわりの)放射状祭室
○主イエス(上左)
Seigneur Jesus
○イエスの母マリア(上右)
Sainte Marie, Mere de Dieu
○アッシジの聖フランチェスコ(下左)
Saint Francois d'Assise
* アッシジの聖フランチェスコと聖女クララ
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/18126860/
* (聖フランチェスコの生涯より)小鳥への説教
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/18127024/
○マグダラのマリア(下右)
Sainte Marie-Madeleine
* ノリ・メ・タンゲレ(我に触れるな)
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/18126843/ -
光があたる聖ベルナール像と
1946年平和十字軍ドイツ人捕虜の十字架
聖ベルナール(クレルヴォーのベルナルドゥス:フランスのディジョンに近いフォンテーンで生まれた)が、1146年にヴェズレーで第2回十字軍を宣布してから800年目にあたる(第二次世界大戦後)1946年に、平和十字軍のヴェズレー巡礼で、フランス国内外諸国が14本の十字架を背負い、ここヴェズレーに結集。 近くの野営部隊で捕虜となっていたドイツ兵がこの巡礼に参加し15本目の十字架が実現したのだそうです。 この1946年の平和十字軍は約4万人の巡礼者が一堂に会したのだそうです。
これを見ると、何年か前に放送されたNHKフランス縦断の旅を見ていた方なら、住吉アナの涙が印象的だったのを思い出すのではないでしょうか・・。 http://bit.ly/ROGmTJ -
1946年平和十字軍ドイツ人捕虜の十字架に関する説明版
1946:La croisade de la paix
La croix des prisonniers allemands
1946年に平和十字軍のヴェズレー巡礼で、
フランス国内外諸国が14本の十字架を背負い
列をなす様子・・が、写真左 です。 -
サント・マドレーヌ・バジリカ聖堂
クリプト crypte (地下祭室)
南10(または北10)柱 の近くまで来ると、クリプト(地下祭室)への入口があるので見学することにしました。
この写真の左手は撮影不可でしたが、熱心にお祈りされている10数名の方がいらっしゃいました。 -
サント・マドレーヌ・バジリカ聖堂
クリプト crypte (地下祭室)
内陣の地下にあるクリプトでは、聖女マグダラのマリア(サント・マドレーヌ)の遺骨の一部(とされる)を拝することができます。 -
イチオシ
ミサがはじまっていたので・・
私は、静かに柱頭彫刻見学をします。
(ここまで南1柱→南10柱へと
柱頭彫刻鑑賞をしてきましたが・・)
10番目の柱の辺りはミサのお邪魔になりそうなので、
またナルテックスに近い方の柱(北側1番目の柱)から
(北1柱→北10柱へと)見学していきます。 -
(北1東面)知恵と愚かさ
La Sagesse et les imprudents 42
中央 = 知恵 La Sagesse
左右 = 愚かさ les imprudents -
(北1南面上部)2匹のペリカン 90
Deux pelicans au bord de l'eau
(symbolisant l'amour paternel)
上部にある柱頭彫刻。
トリミングしたものが下の写真です。 -
(北1南面上部)2匹のペリカン 90
Deux pelicans au bord de l'eau
(symbolisant l'amour paternel)
ペリカンは、 ”父性愛の象徴” -
(北2東面)吝嗇(りんしょく/けち)と誹謗への罰 45
Le chatiment de l'avarice et de la calomnie
A 左上の男=慈愛または徳 la Charite ou la Vertu
↓
B 左下の男=吝嗇(りんしょく/けち) l'avarice
C 右上の男=真実 la Verite
↓
D 右下の男=誹謗 la calomnie
* A,C の男 が → B,D の男 に罰を与えようとしている。 -
(北2南面上部)ヘロデとヘロディア 91
Herode et Herodiate
こちらも、柱の上部の彫刻になります。
この写真をトリミングしたのが下の写真です。 -
(北2南面上部)ヘロデとヘロディア 91
Herode et Herodiate
ヘロデヤ、またはヘロディアスは、新約聖書に登場する人物である。ヘロデ・アンティパス(国主ヘロデ)の妻で、アリストブロスとベルニケの娘で、ヘロデ・アグリッパ1世の姉妹である。
最初、ヘロデ大王と大祭司シモンの娘マリアンメとの間に生まれた、ヘロデ・ピリポ(聖書ではピリポ)と結婚して、娘サロメを設けた。 しかし、夫の異母兄弟のヘロデ・アンティパス(国主ヘロデ)と恋仲になり、ピリポと離婚してヘロデ・アンティパスと結婚した。
バプテスマ(洗礼者)のヨハネはこの結婚が不当であると非難したために投獄された。 ヘロデヤはヨハネを恨んで、夫ヘロデ・アンティパスをそそのかして処刑させた。
ポール・ドラローシュが描く”ヘロデヤ”も美しい・・
ヘロデヤ http://bit.ly/SHwNr2 -
(北3西面)ユディトとホロフェルネス 46
Judith et Holopherne
* 絵画でもおなじみの主題のユディト。
(この柱頭彫刻は新しいものだそうです。)
ホロフェルネスは第二正典『ユディト記』に登場するアッシリアの将軍で、ネブカドネザル王(架空の存在と見られるが、一部に新バビロニアのネブカドネザル2世とする説もある)から、その統治への助力をしなかった西の国々への報復のため派遣された。 ホロフェルネスはベトリアという町(Bethulia。一部にMeseliehのことだと言う説もある)を包囲した。 町もほぼ降伏したが、ユディトという美しいヘブライ人寡婦がホロフェルネスの陣にやって来て、ホロフェルネスを誘惑した。 そして、ホロフェルネスが酔いつぶれたところで、ユディトはホロフェルネスの首をはねた。 ユディトはホロフェルネスの首をベトリアに持ち帰り、ヘブライ人は敵を打ち破った。
ホロフェルネスはユディトとともに、ジェフリー・チョーサー『カンタベリー物語』の中の「修道院僧の話」や、ダンテ『神曲』「煉獄篇」(第12歌56-62)など、様々な小説、絵画、その他芸術作品に描かれている。
ユディト http://bit.ly/TSMxaW
ホロフェルネス http://bit.ly/Q3lJpk -
(北3東面)夏と冬 48
L'Ete et l'Hiver
* ”夏と冬” の擬人像 -
(北4西面)エジプト人を殺すモーセ 49
Le meurtre de l'Egyptien par Moise
イスラエル人はエジプトにおける被圧迫民族であった。 ある日エジプト人の男が1人同胞を打っているのを見たモーセは、乱闘に飛び込んでエジプト人を殺す。 モーセは死体を砂の中に隠したが、噂がもれてファラオが彼を殺そうとしたため、ミデヤンの地に逃れる。
* 出エジプト記第2章より
http://bit.ly/WNRaqm
2:11
モーセが成長して後、ある日のこと、同胞の所に出て行って、そのはげしい労役を見た。彼はひとりのエジプトびとが、同胞のひとりであるヘブルびとを打つのを見たので、
2:12
左右を見まわし、人のいないのを見て、そのエジプトびとを打ち殺し、これを砂の中に隠した。
2:13
次の日また出て行って、ふたりのヘブルびとが互に争っているのを見、悪い方の男に言った、「あなたはなぜ、あなたの友を打つのですか」。
2:14
彼は言った、「だれがあなたを立てて、われわれのつかさ、また裁判人としたのですか。エジプトびとを殺したように、あなたはわたしを殺そうと思うのですか」。モーセは恐れた。そしてあの事がきっと知れたのだと思った。
2:15
パロはこの事を聞いて、モーセを殺そうとした。しかしモーセはパロの前をのがれて、ミデヤンの地に行き、井戸のかたわらに座していた。
(北6北面)モーセと金の子牛 56
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27124190/ -
(北4北面)ダヴィデとゴリアテ 50 ★★★★★
David et Goliath
David and Goliath
ゴリアテは、旧約聖書の『サムエル記』に登場するペリシテ人の巨人兵士。 身長は6キュビト半(約2.9メートル)、身にまとっていた銅の小札かたびら(鎧)は5000シェケル(約57キログラム)、槍の鉄の刃は600シェケル(約6.8キログラム)あったという。 サウル王治下のイスラエル王国の兵士と対峙し、彼らの神を嘲ったが、羊飼いの少年であったダビデが投石器から放った石を額に受けて昏倒し、自らの剣で首を刎ねられた。 この故事にちなんで、弱小な者が強大な者を打ち負かす喩えとしてよく使われる。
右 = 巨人のゴリアテ
上 = ゴリアテの剣で首をとるダヴィデ
ゴリアテ http://bit.ly/R1E2YF
(拝瑯北F北面)ダビデ王を叱責する預言者ナタン
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27160114/
(南5南面)ライオンと戦うダビデ 24
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27123366/
(北7東面)サウル王の殺人者を処刑(するダビデ) 60
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27124224/ -
(北4南面上部)アダムとイヴ 93 ★★★★★
Adam et Eve
Adam and Eve
おなじみ・・アダムとイヴですが・・上部の柱にあるため肉眼ではよく見えません・・。 この写真をトリミングしたのが次の写真です。
上部柱(=身廊から見上げる感じになります。)の写真も撮りたかったのですが、ミサをしていたこともあり、実際写真に撮るのもなかなか難しく、数枚のみとなりました。 -
(北4南面上部)アダムとイヴ 93 ★★★★★
Adam et Eve
Adam and Eve
アダムとイヴ(またはアダムとエバ)は、旧約聖書『創世記』に最初の人間と記される人物。 アダムはヘブライ語で「土」「人間」の2つの意味を持つ言葉に由来しており、イブはヘブライ語で「生きる者」または「生命」の意味である。
旧約聖書『創世記』によると、アダムの創造後実のなる植物が創造された。 アダムはエデンの園に置かれるが、そこにはあらゆる種類の木があり、その中央には命の木と善悪の知識の木と呼ばれる2本の木があった。 それらの木は全て食用に適した実をならせたが、主なるエホバ神はアダムに対し善悪の知識の実だけは食べてはならないと命令した。・・
その後、女(エバ)が創造される。 蛇が女に近付き、善悪の知識の木の実を食べるよう唆す。 女はその実を食べた後、アダムにもそれを勧め、2人は目が開けて自分達が裸であることに気付き、イチジクの葉で腰を覆ったという。
アダムとイヴ: http://bit.ly/RZGkG6
(北9北面)アダムとイヴ(古) 65
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27124249/ -
(北5北面)ダビデの息子アブサロムの死 53 ★★★★★
La mort d'Absalom
The death of Absalom, son of David
アブサロム(「父の平和」の意)は旧約聖書の『サムエル記』に登場する人物で、イスラエルの王ダビデの3男。
・・ダビデの腹心だったヨアブは駆けつけると、しり込みする兵士たちの前で アブサロム(※写真左) の心臓に棒を突き刺し、手下と共に止めを刺した。 ダビデは自分に対して叛旗を翻したにも関わらずアブサロムの死を聞いて慟哭した。 アブサロムは王の谷に自らの碑を建てていたので、その名前が歴史に残された。
アブサロム http://bit.ly/SHr1FZ
* 呪われたアブサロム・・その発端は父ダビデに・・
エピソードについては、以下にて。 恐ろしや。
(拝瑯北F北面)ダビデ王を叱責する預言者ナタン
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27160114/ -
(北5北面)ダビデの息子アブサロムの死 53 ★★★★★
La mort d'Absalom
The death of Absalom, son of David
* 写真は、フランス語版案内書より
アブサロムを殺すヨアブ(左)と殺されるアブサロム(中)。 -
(北5側廊壁柱)吝嗇の金持ちの饗宴 72 ★★★
Le festin du mauvais riche (?)
The selfish rich man having his meal
フランス語名タイトルには(?)マークが付いていました。
”おそらく ”という意味なんだと思います。
* (南4南面)貧しきラザロと悪しき金持ちの死 21
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27123363/ -
(北6西面)悪魔の戦い 55
Combat entre deux demons -
イチオシ
(北6北面)モーセと金の子牛 56 ★★★★★
Moise et le Veau d'or
Moses and Mammom
『出エジプト記』によると、モーセがシナイ山において神から十戒の石版を授与されるまでには40日の期間を要したとされているのだが、麓に残されたイスラエルの民は時間の経過と共に忍耐力を失い、ついには、モーセは死んだと思うようになった。 ハザルは同書の注釈において、このときサタンが現れ、雲の上に立つモーセの幻影をイスラエルの民に見せたとしている。 不安になった民はアロンのもとに相談に出向き、苦肉の策として民族を導いてくれる新しい神の制作を懇願する。 アロンはそれに応じ、全民衆から貴金属の提出を命じる。 こうして鋳造の ”金の子牛 ” が完成したのである。
これを知った神は、一刻も早く下山するようモーセに命じる。 モーセが下山して宿営地に戻ったところ、民衆は宴に興じながら ”金の子牛 ” を拝んでいた。 怒りに満ちた モーセは十戒の石版を破壊する( * 写真右) やいなや、 ”金の子牛 ” を燃やし、それを粉々に粉砕して水に混ぜ、イスラエルの民衆に飲ませた。 そして彼はレビ族の者を集め、偶像崇拝に加担した民衆の殺害を命じる。 同書では、そのとき死んだ民衆の数を3千人であったと述べている。
* 出エジプト記第32章より
http://bit.ly/RKrWVx
32:1
民はモーセが山を下ることのおそいのを見て、アロンのもとに集まって彼に言った、「さあ、わたしたちに先立って行く神を、わたしたちのために造ってください。わたしたちをエジプトの国から導きのぼった人、あのモーセはどうなったのかわからないからです」。
32:2
アロンは彼らに言った、「あなたがたの妻、むすこ、娘らの金の耳輪をはずしてわたしに持ってきなさい」。
32:3
そこで民は皆その金の耳輪をはずしてアロンのもとに持ってきた。
32:4
アロンがこれを彼らの手から受け取り、工具で型を造り、鋳て子牛としたので、彼らは言った、「イスラエルよ、これはあなたをエジプトの国から導きのぼったあなたの神である」。
32:5
アロンはこれを見て、その前に祭壇を築いた。そしてアロンは布告して言った、「あすは主の祭である」。
32:6
そこで人々はあくる朝早く起きて燔祭をささげ、酬恩祭を供えた。民は座して食い飲みし、立って戯れた。
32:7
主はモーセに言われた、「急いで下りなさい。あなたがエジプトの国から導きのぼったあなたの民は悪いことをした。 ・・
金の子牛 http://bit.ly/RDBG0d
出エジプト記 http://bit.ly/RkoSxM
(北4西面)エジプト人を殺すモーセ 49
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27124159/ -
(北6東面)ファラオの息子を殺す滅びの天使 57 ★★★
Le fils de Pharaon tue par l'ange exterminateur
An angel killing the son of Pharaoh
* 出エジプト記第12章より
http://bit.ly/VUXczl
12:29
夜中になって主はエジプトの国の、すべてのういご、すなわち位に座するパロのういごから、地下のひとやにおる捕虜のういごにいたるまで、また、すべての家畜のういごを撃たれた。 -
(北7西面)隠者聖パウロスの埋葬 58
Les funerailles de Saint Paul Hermite
* ( http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27124248/ からの続き )アントニオスがふたたび1人になって荒野を歩いていると、天使たちが聖パウロスの魂を運んでゆくのに気がついた。 彼がただちに引き返すと、聖なる隠者はまだ生きているかのように祈りの姿勢で跪いていた。 「ああ、聖なる魂よ」とアントニオスは叫んだ、「あなたの死はあなたの生涯がどのようなものだったかをよく示しています。」 彼は聖パウロスを葬ろうとしたが、穴を掘る道具が何もないのに気づいた。 「だが、そこへ二頭のライオンが現われて穴を掘り、そして姿を消した」のである。 彼の聖性は大自然を照らし支配する力なのである。・・ 聖アントニオスがミイラのように包帯で包まれた聖パウロスの遺体に祈りを捧げる一方で、悪魔の顔をした二頭のライオンが穴を掘っている。 ヴェズレーの芸術家たちの幻視的な想像力の中では、野獣は多く悪魔の姿をとるのだ。 (ロマネスクの図像学・上/国書刊行会より) -
(北7北面)聖女ウージェニーの伝説 59 ★★★
La legende de Sainte Eugenie
The history of Saint Eugenie
エジプトの聖女エウゲニアはアレクサンドリアの貴族でエジプトの総督となったフィリッポスの娘だった。 彼女はキリスト教徒になったが、父親は異教徒のままだった。 父の家にいては自分が願う完徳に達することはできないと絶望した彼女は、男の服装をして荒野に逃れた。
彼女が修道院の門を叩くと、修道院長は男と思って彼女を修道士の仲間に加えた。 数年過ぎたが、誰も彼女を疑わなかった。 ある日、一人の女が、修道院長になったこの修道士に犯されて妊娠させられたと告発した。 訴えは他ならぬエウゲニアの父フィリッポスの前で裁かれた。 彼は修道士が自分の娘であることが分からなかった。 エウゲニアはまったくの言いがかりであることを証明しようと努めたが、聞き入れられなかった。 言葉も尽き果て、彼女はとうとう修道服を開いてその胸を示した。 訴えた女は声が出なかった。 フィリッポスは自分の娘の話を聞いて深く感動し、キリスト教に改宗した。(ロマネスクの図像学・上/国書刊行会より)
◇聖エウゲニア(フランス名はウージェニー:写真中)男装してエジプトの修道院長になったが密通のかどで告発されたため、 女性であることを示して潔白を証明した初期ローマの殉教者。 12月25日の守護聖人。
* 今まさに服を脱ぎ・・
女性であることを証明しようとしております・・^^;
左 = 告発した女(呆然として髪の毛を掴んでいる)
中 = 修道服を開いて胸を示すエウゲニア
右 = 驚きの仕草を見せる父フィリッポス -
(北7東面)サウル王の殺人者を処刑(するダビデ) 60
L'execution du meurtrier de Saul
サウル(Saul)は、旧約聖書『サムエル記』に登場する、紀元前10世紀頃のイスラエル王国最初の王。
サムエルが士師としてイスラエルを指導していたころ、民の中から王を求める声が強くなった。サムエルは王政のデメリットを説明するが、民が聞き入れなかったので神の指示によって王になるべき男を捜す。
サウルはベニヤミン族の出身で、父はキシュ、背が高く美しい若者であった。 ロバを探しに出てサムエルに会い、サムエルは彼が神が選んだ人であることを悟って油を注ぐ。
サウルは息子ヨナタンや家臣たちと共にイスラエルを率いて、ペリシテ人や周辺民族と勇敢に戦った。 しかしアマレク人との戦いで「アマレク人とその属するものを一切滅ぼせ」という神の命令に従わなかったため、神の心は彼から離れた。・・
* サムエル記下第1章より
http://bit.ly/RZvkIE
1:13
ダビデは自分と話していた若者に言った、「あなたはどこの人ですか」。彼は言った、「アマレクびとで、寄留の他国人の子です」。
1:14
ダビデはまた彼に言った、「どうしてあなたは手を伸べて主の油を注がれた者(=サウル王)を殺すことを恐れなかったのですか」。
1:15
ダビデはひとりの若者を呼び、「近寄って彼(アマレクびと)を撃て」と言った。そこで彼を撃ったので死んだ。
1:16
ダビデは彼に言った、「あなた ( * 写真中) の流した血の責めはあなたに帰する。あなたが自分の口から、『わたしは主の油を注がれた者を殺した』と言って、自身にむかって証拠を立てたからである」。
1:17
ダビデ ( * 写真左) はこの悲しみの歌をもって、サウルとその子ヨナタンのために哀悼した。
サウル: http://bit.ly/UaVqbM
(拝瑯北F北面)ダビデ王を叱責する預言者ナタン
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27160114/
(南5南面)ライオンと戦うダビデ 24
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27123366/
(北4北面)ダヴィデとゴリアテ 50
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27124160/ -
(北7側面壁柱)バシリスクとバッタ 74 ★★★
Le basilic et la sauterelle
The basilisk -
(北8北面)聖アントニウスの苦しみ 62 **
Moine assistant a une scene de torture
(Saint Antoine ? )
こちらのフランス語タイトルにも元々 ? がついており、
おそらく・・ という感じになっています。
* 北側柱の北側向きの柱頭彫刻は、光が弱いため、
少し撮影がブレやすかったように思います。 -
(北8東面)聖アントニウスの誘惑 63
La tentation de Saint Antoine
聖大アントニオス(砂漠の聖アントニウス)は、 修道士生活の創始者 とされる。 アレクサンドリアのアタナシオスによると、3世紀のエジプトで生まれ、敬虔な両親にキリスト教徒としての教育を受けたという。 20歳になった頃両親と死別、その後財産を貧しい者に与え、自らは砂漠に籠もり 苦行生活 ** に身を投じる。 町での説教で心を打たれた修道僧らと開いたのが修道院の始まりだという。 しかし彼はそれでも飽きたらず、再び修行に励み356年、105歳という長寿を全うしたと伝記には記されている。 聖名祝日は1月17日。
諸々の誘惑を象徴するかのような怪物に囲まれ、苦闘する聖アントニオスの姿は美術の題材として好まれ、代表的なものは『聖アントニウスの誘惑』として知られる、ヒエロニムス・ボスの作品等々。
* どんな誘惑にも負けない修道院の創始者(砂漠の)聖アントニウス。 「聖アントニウスの誘惑」は、絵画でもおなじみのテーマです。
聖アントニウスの誘惑
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/18126784/
* ヴェズレーの柱頭彫刻ではいつも悪魔が姿を見せるが、ここでも悪魔は聖アントニオスと闘っている。 それは聖アントニオスが荒野の生活に入ったばかりで、ナイル川沿いの切り立った岩山に掘られた古代の王墓の一つに引きこもったすぐ後のことである。 神秘的な絵と魔術的な文字に覆われたこれらの古い墳墓は、悪魔の棲み家と見なされたいた。 聖アントニオスはあえてそこに入ったのである。 だが、彼はそこではげしい攻撃に耐えなければならなかった。 伝説の語るところによると、悪魔たちは彼をひどく痛めつけ傷だらけにして意識を失わせたが、イエスがまばゆい光に包まれて現われ、彼を慰め傷を治したという。 ヴェズレーの柱頭彫刻がわれわれに示しているのは、後に「聖アントニウスの誘惑」と呼ばれてよく知られることになる主題の最も古い例である。 悪魔たちが彼の髭を掴み、こぶしを振り上げ、棒で脅している。 聖人の表情が平然としているのに対し、彼の敵どもは顔をしかめ、歯をむいている。 その悪魔たちの姿は醜悪であるが、ブルゴーニュ地方の芸術が時として与える怨霊や夜の物怪のような様子は持っていない。 (ロマネスクの図像学・上/国書刊行会より)
* 12世紀の修道士たちは、私たちが考えるよりもはるかにこのエジプトの苦行者たちの神秘的な世界を生き、また、オリエント世界はフランスの修道士には限りない魅力を持っていたのだそうです。 読書会や対談の中で老人たちが絶えず有名な隠者たちの例を挙げるので、クリュニーの修道士たちはそうした隠者といっしょに生きているような気がしたのだそうです。 -
(北8側面壁柱)
隠者聖パウロスと聖アントニオスの食事 75 ★★★★★
Le repas de Saint Antoine et de Saint Paul
The hermits Paul and Anthony sharing a meal
* 聖アントニオスが隠遁者聖パウロスを訪問する場面で、大きなパンを分け合い、食事をともにする様子が表されているのだそうです。
聖パウロスと聖アントニオスの出会いの場面。 聖パウロスは彼の瞑想を邪魔しにきた見知らぬ男に扉を開けようとしなかったが、聖アントニオスは相手が断れないほど熱心に懇願した。 「わたしは立ち去りません」と彼は言った、「戸口で死んだほうがましです。」と。 そこで聖パウロスは扉を開け、二人の聖人は抱き合った。 いつも聖パウロスに食べ物を運んでいた不思議な鳥が、その日は食事の時間にふだんより二倍も大きいパンを1個運んできた。 その時、誰がパンを切るかをめぐって心を打つ小さな争いが起こった。 パウロは客であるアントニオスにゆずり、アントニウスは年長であるパウロスにゆずった。 結局、彼らは二人ともパンの上に手を置いてそれを二等分した。 (ロマネスクの図像学・上/国書刊行会より)
(北7西面)隠者聖パウロスの埋葬 58
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27124222/
(北8東面)聖アントニウスの誘惑 63
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27124247/ -
(北9北面)アダムとイヴ (古)65 ★★★★★
Adam et Eve(remploi)
Adam and Eve (reuse)
* 創世記第1章より
http://bit.ly/UqM69G
3:6
女がその木を見ると、それは食べるに良く、目には美しく、賢くなるには好ましいと思われたから、その実を取って食べ、また共にいた夫にも与えたので、彼も食べた。
3:7
すると、ふたりの目が開け、自分たちの裸であることがわかったので、いちじくの葉をつづり合わせて、腰に巻いた。
(北4南面上部)アダムとイヴ 93
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27124168 -
(北9側廊壁柱)大天使ラファエルと悪魔アスモデウス 76
Archange Raphael et le diable Asmodee
アスモデウス(Asmodeus)はユダヤ教とキリスト教の悪魔のひとつ。 旧約聖書外典の『トビト記』などに登場する。
・・ニネベに暮らすユダヤ人トビトは善行を積んでおり、ある日、危険を顧みず殺されたユダヤ人の死体を埋葬した。 穢れを嫌って庭で寝ているとすずめの糞が目におちて失明してしまう。 さらにささいなことで妻をも疑ったことを恥じ、トビトは死を願う。 同じころ、 悪魔アスモダイ (アスモデウス) のせいで夫たちが次々に初夜に死んでしまうことで悩む女性サラも死を願っていた。 神はこれを聞いて 天使ラファエル を差し向ける。その後、紆余曲折を経て、息子トビアの尽力でトビトの目はみえるようになり、トビアはサラについていた悪魔を追い出してサラと結婚した。
左 = 悪魔アスモダイ (アスモデウス)
右 = 大天使ラファエル
トビト記 http://bit.ly/T8ik5l -
(北10西面)聖ペテロの解放 67 ★★★
La delivrance de Saint Pierre
Saint Peter's release
ペトロは、新約聖書に登場する人物で、イエス・キリストに従った使徒の一人。 シモン・ペトロ、ペテロ、ケファともいわれる。聖人の概念をもつ全てのキリスト教諸教派(正教会・東方諸教会・カトリック教会・聖公会・ルーテル教会)において聖人とされ、その記念日(聖名祝日)は6月29日(ユリウス暦を使用する正教会では7月12日に相当)である。
カトリック教会においては「使徒の頭」、正教会においてはパウロ(パウェル)と並んで首座使徒の一人と捉えられている。
* 使徒行伝第12章より
http://bit.ly/TN5ADw
12:6
ヘロデが彼を引き出そうとしていたその夜、ペテロは二重の鎖につながれ、ふたりの兵卒の間に置かれて眠っていた。番兵たちは戸口で獄を見張っていた。
12:7
すると、突然、主の使がそばに立ち、光が獄内を照した。そして御使はペテロのわき腹をつついて起し、「早く起きあがりなさい」と言った。すると鎖が彼の両手から、はずれ落ちた。
12:8
御使が「帯をしめ、くつをはきなさい」と言ったので、彼はそのとおりにした。それから「上着を着て、ついてきなさい」と言われたので、
12:9
ペテロはついて出て行った。彼には御使のしわざが現実のこととは考えられず、ただ幻を見ているように思われた。
12:10
彼らは第一、第二の衛所を通りすぎて、町に抜ける鉄門のところに来ると、それがひとりでに開いたので、そこを出て一つの通路に進んだとたんに、御使は彼を離れ去った。
12:11
その時ペテロはわれにかえって言った、「今はじめて、ほんとうのことがわかった。主が御使をつかわして、ヘロデの手から、またユダヤ人たちの待ちもうけていたあらゆる災から、わたしを救い出して下さったのだ」。
* ”聖ペテロの解放” ラファエロ - バチカン博物館
http://en.wikipedia.org/wiki/Deliverance_of_Saint_Peter -
南1〜南10、(クリプト)、北1〜北10と
柱頭彫刻 や 聖堂内 の見学をしましたが、
まだミサが続いているので・・ 静かに身廊後部へ・・ -
南側のトランセプト (南1あたり) までまわり、
回廊 (写真右) へ行ってみることにしました。 -
少し回廊を見学していたら、ミサが終わったようでした。
だいたい13時頃までミサをしていたと思いますが、私はこの後、内陣の礼拝堂を見学したり、もう1度柱頭彫刻を見たり、ナルテックス(拝廊)のタンパンを見たりして、聖堂を後にしました。
私が聖堂内を見学していた間、Sちゃんは外の風景を撮りに行っていたのですが、そろそろ待ち合わせ時間・・
この後、聖堂裏のテラスからブルゴーニュの美しい景色を見渡し、あまりのお天気の良さにつられて時間の許す限り(帰りのバス時間まで) ヴェズレーの丘ミニハイキング♪ を楽しむことになりました(*^^)v
http://4travel.jp/traveler/mojo/album/10715668/
■□■□■ 感想その他 ■□■□■
前の旅行記も「外観/拝廊」編、そしてこの旅行記「身廊/側廊」編ともに、あえて、あまり個人的な感想を入れず作成しましたが、ここで、この旅行記に載せている部分の感想など。
◎冒頭で紹介しているフランス語版案内書について
購入できる詳しい案内書はフランス語版しかなく、さてこれを購入して理解できるものか?という問題ですが・・ 私の場合、全ては読めなくてもいくらかのキーワードとなる単語は分かるので(これまでも絵画やその他の作品・教会建築などで聖書や神話に関することは調べていたこともあり)それを元に推測はできる感じでした。
一番良かったのは、案内書の中のフランス語の説明文中に、例えば 「 Gn3,6-7・・ 」 など、聖書の中の引用文があったことです。 試しに 「 Gn3,6 bible 」 とインターネット検索します。 そうすると、Gn は、 Genese(仏)Genesis(英)創世記(日) であることが分かります。 次は、日本語で、 創世記 第3章 の部分を検索し、読んでみると、「 アラ!分かりやすい! 」 ・・というような流れでした(*^^)v
今回は、 wikisourceの口語聖書(日本語) が使い勝手が良かったので、ほとんど引用文はこちらから調べることができました。 インターネットは便利ですね〜。
口語旧約聖書 http://bit.ly/RtbPKD
口語新約聖書 http://bit.ly/SXuyAc
ちなみに上で検索の例であげた部分 「 Gn3, 6-7 」= 「 創世記第3章6−7節 」は ”アダムとイヴ” ( http://bit.ly/UqM69G ) に関する部分です。 そんな感じで、フランス語版案内書もこの旅行記作成の大いなる手助けになりました。
◎ヴェズレーまでの交通に関するクチコミはこちら
http://bit.ly/Y2sLv0 (交通に関する全般)
http://bit.ly/Sx5P5u (パリ/ベルシー駅発の場合)
◎聖堂内見学で、もしあまり時間がない場合は、やはり、旅行記の中で記した星印 = 必見のもの ★★★★★ を優先して見るのが良いと思います。
必見のものの基準は、表紙でも触れましたが、
日本語の本で ”よく” 取り上げられているもの
★★★★★
(聖堂で購入の)英語案内書でもピックアップされているもの
★★★
(聖堂で購入の)フランス語版案内書の中で
写真付きで取り上げられているもの
★★★★★ または ★★★
などを基準としました。
特に、 必見のもの ★★★★★ を見ておくと、アチコチで取り上げられている確率が高いので、帰ってきてから、本を探すのもとても楽しくなります^^;
全体的に、彫刻の主題は新・旧約聖書、聖者たちの生涯、教訓話、寓意的で装飾的な動物図像などなど・・と様々ですが、よく見ると、滑稽であったり、愛嬌があったり、ユーモラスな部分も多いので、見れば見るほど、知れば知るほど、おもしろいですね♪
・・以上で、
■ロマネスク彫刻の白眉
サント・マドレーヌ・バジリカ聖堂
外観/拝廊編 につづき、身廊/側廊 編
は、おしまいです。
御覧くださった皆々様ありがとうございました(*^^*)
la fin
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この旅行記へのコメント (21)
-
- akikoさん 2017/04/15 11:22:52
- 素晴らしい旅行記♪
- wizさん、はじめまして
私もヴェラnonnaさんのコメントで、wizさんのヴェズレーの旅行記を
見せていただきました。以前、コクリコさんと親しくしていただいた
ことがあり、フランスの旅行記でお名前は聞いたことがありました。
今回拝見して、美しい写真とともに大変詳しいコメントが加えられて
いる素晴らしい旅行記に感動しました。4年ほど前にフランスを訪れた
ことがあり、その際ロマネスク様式にとても興味を持ちました。柱頭
彫刻の面白さにも惹かれ、自分なりに本を読んだりしましたが、wizさん
の旅行記を読んでいればもっと理解が進んだんだろうとちょっと悔しい
思いがしています。
またフランスを訪れたくなってきました。これからも時々訪問させて
くださいね。
akiko
- wiz さん からの返信 2017/04/16 20:06:25
- RE: 素晴らしい旅行記♪
- akiko、Bonsoir!
私の方もakikoさんの南西フランスの旅行記拝見しておりました・・。
2008年にコクリコさんに続き、私もパリの建築文化財博物館を訪問して以来、本格的にロマネスク彫刻を見たいという思いが募り、書籍などもいろいろ読み漁りましたが・・、特に南西フランスあたりのロマネスクを巡りたい思いはずっとあり・・、でも、なかなか旅行へ出掛けられないここ数年なのであります・・。 ロマネスクの彫刻って素朴でユーモラスでほんとうにおもしろいですよね~。 今は、このヴェズレーの旅行記で載せたような彫刻よりももっとプリミティブな造形に興味があったりします。
旅行記見て下さりありがとうございました。
こちらこそ、今後とも宜しくお願い致します。
wiz
-
- mistralさん 2017/03/16 11:31:03
- 素晴らしい旅行記!
- wizさん
mistralと申します。
ヴェラnonnaさんのヴェズレーの旅行記でご紹介があり
まず飛んで参りました。
NHKで住吉アナの感極まったゆえに自然に込み上げてきた
涙を見たのは?もう随分前かとおもいます。
それ以前から巡礼道には惹かれ
最後の100キロを歩いてみたり
今度はピレネー超えもなどなど、想いは
つきません。
ヴェズレー、行ってみたいとずっと憧れております。
wizさんの旅行記、拝読させていただきました。
素晴らしいですね〜
これほどまでに柱頭彫刻の一つ一つを克明に撮影され
説明も加えられた旅行記
初めて拝見致しました。
今後も、折に触れて鑑賞させていただきに
まいります。どうぞよろしくお願い致します。
mistral
- wiz さん からの返信 2017/03/16 19:57:18
- RE: merci!
- mistralさん、Bonsoir!
ヴェラnonnaさんの旅行記から私の処にまで飛んで下さりありがとうございました。
私もさっそくmistralさんの巡礼道最後の103kmを歩く旅行記拝見いたしました。
私自身は、ロマネスクやプレロマネスク的な造形が見ていておもしろくて好きなのですが、「その3」の旅行記に載せられていた ≪74.5キロ地点あたり[ラメイロスの十字架]≫ は16世紀のものとのことですが、なかなかおもしろいですね!
> 今後も、折に触れて鑑賞させていただきに
> まいります。どうぞよろしくお願い致します。
こちらこそ今後とも宜しくお願い致します。
wiz
- mistralさん からの返信 2017/03/17 15:38:46
- RE: RE: merci!
- wizさん
巡礼道の旅行記に沢山の投票を
有難うございました。
ラメイロスの十字架、16世紀のものとのこと、
ロマネスクの時代とは違って、
かなり新しいものとなりますが
造形はあくまで素朴で
ただ信仰心から?作られたようで
そのため、一層こころ惹かれました。
mistral
> mistralさん、Bonsoir!
>
> ヴェラnonnaさんの旅行記から私の処にまで飛んで下さりありがとうございました。
>
> 私もさっそくmistralさんの巡礼道最後の103kmを歩く旅行記拝見いたしました。
>
> 私自身は、ロマネスクやプレロマネスク的な造形が見ていておもしろくて好きなのですが、「その3」の旅行記に載せられていた ≪74.5キロ地点あたり[ラメイロスの十字架]≫ は16世紀のものとのことですが、なかなかおもしろいですね!
>
> > 今後も、折に触れて鑑賞させていただきに
> > まいります。どうぞよろしくお願い致します。
>
> こちらこそ今後とも宜しくお願い致します。
>
> wiz
-
- マリアンヌさん 2015/03/10 23:25:47
- はじめまして
- はじめまして、wizさん。
ロマネスク、好きなんです。
フランス南西部の一部の村とサンチャゴコンポステーラへ続く北スペイン位しか行ったことがないのです。
wizさんの旅ブログ、何回か読ませていただいてるのですが、内容が濃すぎてまだ読み切れなくて…
掲示板の皆さんの会話も専門的で腰が引けてしまって。
でもこんなに詳細に載せて下さってお礼を言いたくてコメさせていただきました。
また楽しみながら、勉強させていただきますね。
マリアンヌ
- wiz さん からの返信 2015/03/11 08:47:53
- RE:
- マリアンヌさん、はじめまして。
メッセージありがとうございます。
私も、ロマネスクが見たくて、それがある場所へ行きたい、
というのが最近の旅の目的にあります・・。
かつ美しい村があれば、尚、嬉しい感じ。
マリアンヌさんが行かれたフランス南西部が最も魅力的なので
私もいつかゆっくり旅程をとって行ってみたいのですが・・なかなか。。
去年10月に、ポワチエのロマネスクを見に行ったのを
まだクチコミだけで旅行記にしていないのですが・・
今はこのヴェズレーの旅行記のように気合いを入れて書ける自信がないです^ ^;
今後とも宜しくお願いいたします。
wiz
-
- コクリコさん 2014/09/15 17:04:07
- ヴェズレーの柱頭彫刻
- wizさん、こちらでもこんにちは!
今回ヴァンブの蚤の市でヴェズレーの柱頭彫刻の写真が36枚つづりになった古い絵葉書買いました。
ヴェズレーに行った時に、柱頭彫刻があまりに高所にあるので写真がほとんどボケていて残念だったので蚤の市で買ったのですが、古すぎて黄色くなってます。
その古さがなんとも言えず喜んでみているのですが(自己満足と言われ様とも^^;)、wizさんの写真にあるものがなかったり、その反対だったり。
写真は古い絵葉書よりwizさんの写真の方がきれいよ!
そうみるとヴェズレーの柱頭彫刻はいったいいくつあるのでしょう。
wizさんはフランス語の解説書も買ったのでしたよね。
それには全部載っている!?
ヴェズレーは本当にロマネスク彫刻の宝庫ですね!
- wiz さん からの返信 2014/09/15 22:54:44
- RE: ヴェズレーの柱頭彫刻
- コクリコさん、わざわざこちらにもありがとうございます!
> 今回ヴァンブの蚤の市でヴェズレーの柱頭彫刻の写真が36枚つづりになった古い絵葉書買いました。
> その古さがなんとも言えず喜んでみているのですが(自己満足と言われ様とも^^;)、wizさんの写真にあるものがなかったり、その反対だったり。
> 写真は古い絵葉書よりwizさんの写真の方がきれいよ!
> そうみるとヴェズレーの柱頭彫刻はいったいいくつあるのでしょう。
> wizさんはフランス語の解説書も買ったのでしたよね。
> それには全部載っている!?
蚤の市でヴェズレーの絵葉書を買われたんですね!
私が現地(ヴェズレー)で購入したフランス語本の
スキャンした1枚がこれなんですけれど、
http://4travel.jp/photo?trvlgphoto=27141906
この写真の柱頭の周りにほぼ全て?番号が振られているのですが、
このページの右ページに番号順に柱頭彫刻の主題が書かれていました。
なので、私は規則性を持って写真を撮っていったので
(ナルテックスから入って、身廊の右側をずっと進み
周歩廊を周った後、左側をナルテックスへ戻ってきた)
一応、その本と照らし合わせ、主題は大体マッチしました^ ^;
しかし、残念ながら、柱頭彫刻の写真は全部は載ってないと思います。
だいたい有名なのは写真が載っている感じかなぁと思います!
wiz
-
- コクリコさん 2012/11/18 17:52:09
- 貧しきラザロと悪しき金持ち
- wizさん、
これですね
アブラハムの懐に抱かれているラザロ。
この聖書物語の話題が出なかったら高い所にあって見えにくい柱頭彫刻のひとつで終わってしまったかもしれないのに(私だったら)、現在注目ナンバー1です!
この場合は物語り上ラザロ一人が抱かれているのですね〜
なんだかアブラハムもラザロもぎこちなくて親しみ度大。
「貧しきラザロと悪しき金持ち」の物語を始めとして、ひとつひとつの写真に丁寧に物語の説明が書かれているので読むだけの私は楽しいですがwizさん大変だったでしょう。
私なんて膨大な資料からわかりやすく短く書くのが大変で途中で投げてしまいます。
★印のアイデア良いですね〜
★5を見ると「おお、知ってる知ってる」、それ以下の★だと「へーそういう物語なんだ〜」とすごく面白かったです。
ユーモラスなロマネスク彫刻に添えられた文章は絵本のような写真物語を読んでいるようでした。
これからますますフランス(ヨーロッパ)各地の教会を訪ねるのが楽しみになってきました。
- wiz さん からの返信 2012/11/18 20:37:57
- RE: 貧しきラザロと悪しき金持ち
- > wizさん、
>
> これですね
> アブラハムの懐に抱かれているラザロ。
> この聖書物語の話題が出なかったら高い所にあって見えにくい柱頭彫刻のひとつで終わってしまったかもしれないのに(私だったら)、現在注目ナンバー1です!
> この場合は物語り上ラザロ一人が抱かれているのですね〜
> なんだかアブラハムもラザロもぎこちなくて親しみ度大
コクリコさん〜! こちらもありがとうございます!
コクリコさんとももんがあまんさんと、
色々比較もできたしすごく楽しかったですね〜!!!
> 「貧しきラザロと悪しき金持ち」の物語を始めとして、ひとつひとつの写真に丁寧に物語の説明が書かれているので読むだけの私は楽しいですがwizさん大変だったでしょう。
> 私なんて膨大な資料からわかりやすく短く書くのが大変で途中で投げてしまいます。
分かります〜! と言いつつ・・
『ロマネスクの図像学・上』のP344あたりから
ヴェズレーの彫刻についてよく書いてあるので
ついつい書き足してしまいました〜^^;
『ロマネスクの図像学 上・下』をちょっと写真を見ながら
斜め読みしたんですけど、モワサックやヴェズレーの写真結構ありますね!
上巻の第6章や下巻の第9、10章あたりがおもしろそう
(目についた)なので先に読んでみようと思います〜♪
そうそう〜ももんがあまんさんのところで話題になった
サン・ブノワなんですけど、やっぱりイタリアの方かもしれません〜。
昨日再度ももんがあまんさんのところへお知らせしたのですが・・(掲示板)。
私の旅行記でも聖ベネディクトゥスが出てきて
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27160093/
(もう1つの旅行記にも他にも出てくるのですが・・)
イタリアかフランスか迷ってコメントを書いていなかったのですが
『ロマネスクの図像学・上』のP350〜358あたりを読んで
イタリアの方だと分かったので書き足しました!
一応、こんな感じです〜!
(イタリアの聖ベネディクトゥスの遺骸はフランスに運ばれて来てたんですね〜!)
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ナルテックス (北F東面)
子供を蘇らせる聖ベネディクトゥス ★★★★★
Saint Benoit ressuscite un enfant
Saint Benedict resurrecting a child
西欧における修道生活の創始者聖ベネディクトゥス Benoit de Nursie。 彼はイタリアのカンパーニア地方に接する有名なモンテ・カッシーノの山頂に修道院を建て、そこで543年に没して、妹の聖スコラティカのそばに埋葬された。 その37年後の580年にロンバルド族が南イタリアに侵入し、修道院は破壊された。 モンテ・カッシーノは廃墟と化し、75年のあいだ聖人の墓は忘れ去られていたが、ル・マン(フランス)司教の何人かの修道士とともにイタリアを旅していたフルリー Fleury の修道士エギュルフとその仲間は、神秘な光が指し示す場所に二体の遺骨を発見し、それをガリアに運んだ。 聖女スコラティカの遺骨はル・マン司教に与えられ、聖ベネディクトゥスの遺骨の方はフルリー修道院の最も貴重な秘宝となった。 その後、この修道院は名前を変えて、サン・ブノワ・シュル・ロワール Saint-Benoit-sur-Loire と呼ばれるようになった。
聖ベネディクトゥスは彼の遺骸が(オルレアン司教区の)フルリー大修道院に移送されてから後は、もうガリアの聖人と見なされるようになっていた。
* (この柱頭彫刻は)生き返った子どもの奇跡が描かれている。 聖ベネディクトゥスは亡骸に手をのばし、父親は鍬の柄に肘をついて、片手を頬にあてて奇跡を待っている。 (ロマネスクの図像学・上/国書刊行会より)
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> ★印のアイデア良いですね〜
> ★5を見ると「おお、知ってる知ってる」、それ以下の★だと「へーそういう物語なんだ〜」とすごく面白かったです。
> ユーモラスなロマネスク彫刻に添えられた文章は絵本のような写真物語を読んでいるようでした。
> これからますますフランス(ヨーロッパ)各地の教会を訪ねるのが楽しみになってきました。
★★★★★星5つは基本的に日本の参考書にも載っているものにしました♪
少し詳しく見てみたいと思ってこの旅行記を見て頂いた方に、
少しでも分かりやすいかなぁ〜と思い、
(本に載っている可能性の高い主題という意味での優先順位)
とりあえず、本を読み漁った結果として参考に付けておきました〜!
モワサックの回廊の柱頭彫刻もいっぱいあるので
(行く際には)優先順位の目安を自分で考えていかないと・・なんて考えています ^^;
wiz
-
- コクリコさん 2012/11/12 23:14:06
- 力作ですね!
- wizさん、こんばんは〜
凄い! どこにどの柱頭彫刻があるかしっかりプリントしていらしたのですね!
ヴェズレーへの思いは恋愛以上ですよ♪
wizさんの旅行記をまるごと欲しいです。
驚いたのはアキレウスとかガニメデとかギリシャ神話にまつわる彫刻もあること。
中世はよくキリスト教がんじがらめで暗黒の時代なんて言われていましたが、そんなことない。
ギリシャ神話もちゃっかりと彫刻に忍ばせていますものね。
ケルトとかドルイドも隠れていますもんね。
有名な「神秘の粉挽き」は私が旅行記作った時でも知っていましたが、何だろうと思ったものもわかって嬉しいです。
面白くて可愛かったのは「ノアの箱舟」です。
あの小さな家みたいな箱舟に入ろうとしている。頭注のような小さな場所に彫らなくてはならないからあのような場面になるのでしょうが、その窮屈さが思わぬ効果を出していますね。
タンパンにもたくさん彫りこもうとして工夫して、変な格好になっているのが微笑ましくて大好きです。
建築文化財博物館で見たものがあるべき所で見られて幸せだったでしょう♪
トゥールーズのオーギュスタン美術館にもたくさん柱頭彫刻がありましたが、ヴェズレーはさらに圧巻!
私たちはM夫妻に連れてきていただいたのは良かったのですが、柱頭彫刻をひとつひとつゆっくり撮れなかったのは残念でした。
サン・ペール村に寄ってくれたりしたから贅沢は言えませんけどね。
「貧しきラザロと悪しき金持ちの死」の図像は各所で見ましたが、wizさんのおかげで詳しくわかりました!
いや〜貧しきラザロの物語に話題のアブラハムの懐が登場していたのですね。
キャッホーと叫びたくなりました。
- wiz さん からの返信 2012/11/13 20:25:33
- RE: ありがとうございます!
- > wizさん、こんばんは〜
> 凄い! どこにどの柱頭彫刻があるかしっかりプリントしていらしたのですね!
> ヴェズレーへの思いは恋愛以上ですよ♪
>
> wizさんの旅行記をまるごと欲しいです。
コクリコさん、こんばんは〜!
そうなんですよ〜!
写真1枚目の準備の写真の左はコピーの上に文字を書いて、
真中と右は、一応自分でどこに何があるか・・というのを作ったんです(*^^)v
前にもお話していたけれど・・現地に行くと興奮して忘れてしまいそうだから^^;
> 驚いたのはアキレウスとかガニメデとかギリシャ神話にまつわる彫刻もあること。
> 中世はよくキリスト教がんじがらめで暗黒の時代なんて言われていましたが、そんなことない。
> ギリシャ神話もちゃっかりと彫刻に忍ばせていますものね。
> ケルトとかドルイドも隠れていますもんね。
ガニメデの彫刻は日本語の本でも載っているので
”ある”のは知っていたのですが、
知っていても、ギリシア神話には私もビックリしました〜。
この写真のところに図書館で借りた大判本!の引用を書いたのですが^^;
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27122867/
”ロマネスクの地獄図は、豊穣なる生への契機を孕んで” いる・・
というのが、おもしろいなぁと思いました。
でも、なんとなく頷ける感じがするような♪
> 有名な「神秘の粉挽き」は私が旅行記作った時でも知っていましたが、何だろうと思ったものもわかって嬉しいです。
> 面白くて可愛かったのは「ノアの箱舟」です。
> あの小さな家みたいな箱舟に入ろうとしている。頭注のような小さな場所に彫らなくてはならないからあのような場面になるのでしょうが、その窮屈さが思わぬ効果を出していますね。
> タンパンにもたくさん彫りこもうとして工夫して、変な格好になっているのが微笑ましくて大好きです。
今、ノアの箱舟見直しました〜 あはは・・ほんとですね^^;
ノアの箱舟はすごく高い位置にあるので撮るのが大変でした!
タンパンのアーキヴォルト部分の「黄道十二宮と十二ケ月の労働/月暦」
が見ていて凄く楽しいなぁと思いました!
その上で
≪テュンパヌムを囲むアーチには、 黄道十二宮 と 月暦 その他 からなる
29個 のメダイヨンが並び、中央のキリストが全宇宙の時間と空間を統治する
パントクラトール Le Christ pantocrator であることを示唆している。≫
な〜んて説明文を読むと、スゴ〜い!という思いが倍増したりして^^;
> 建築文化財博物館で見たものがあるべき所で見られて幸せだったでしょう♪
> トゥールーズのオーギュスタン美術館にもたくさん柱頭彫刻がありましたが、ヴェズレーはさらに圧巻!
> 私たちはM夫妻に連れてきていただいたのは良かったのですが、柱頭彫刻をひとつひとつゆっくり撮れなかったのは残念でした。
> サン・ペール村に寄ってくれたりしたから贅沢は言えませんけどね。
そうですよね〜〜〜そういう部分では少し残念な部分が残るけれど・・
でも、サン・ペール村に寄ったり、公共交通機関ではなかなかできない
寄り道ができたり、遠景のヴェズレーが見れたり、
キュール川の近くまで行ってみたり・・羨ましいお写真でしたよ〜♪
> 「貧しきラザロと悪しき金持ちの死」の図像は各所で見ましたが、wizさんのおかげで詳しくわかりました!
> いや〜貧しきラザロの物語に話題のアブラハムの懐が登場していたのですね。
> キャッホーと叫びたくなりました。
そうなんです!コクリコさんとももんがあまんさんと話していた
次の日位に自分で「貧しきラザロと悪しき金持ちの死」を調べていて、
ちょうど前日お2人と話していた ”アブラハムの懐” が出て来たんです!
私も、キャッホー!という感じでしたよ〜!
あとでちゃんと調べようとしていたのに^^;
ちょうど調べものをしていたら
”アブラハムの懐”が出てくるなんて!なんとも良いタイミングですよね♪
wiz
- コクリコさん からの返信 2012/11/15 23:31:58
- RE: RE: ありがとうございます!
-
> この写真のところに図書館で借りた大判本!の引用を書いたのですが^^;
> http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27122867/
> ”ロマネスクの地獄図は、豊穣なる生への契機を孕んで” いる・・
> というのが、おもしろいなぁと思いました。
> でも、なんとなく頷ける感じがするような♪
わー、そうですか。
そういえば「淫欲の罪」の女性はもともとは豊穣を意味する地母神的な存在だったようなことがオーギュスタン美術館の説明板に書いてあったような。なるほどね。
。
> タンパンのアーキヴォルト部分の「黄道十二宮と十二ケ月の労働/月暦」
> が見ていて凄く楽しいなぁと思いました!
> その上で
> ≪テュンパヌムを囲むアーチには、 黄道十二宮 と 月暦 その他 からなる
> 29個 のメダイヨンが並び、中央のキリストが全宇宙の時間と空間を統治する
> パントクラトール Le Christ pantocrator であることを示唆している。≫
> な〜んて説明文を読むと、スゴ〜い!という思いが倍増したりして^^;
楽しいし綺麗ですよね!
シャルトルの大聖堂のステンドグラスに十二ヶ月を描いているものがあって、写真では細かくて撮れないので絵葉書買ったのですが、絵葉書何枚も買うより目録買った方が良かったかな。
wizさんヴェズレーで購入した説明書見ながらにんまりしているのでは?
wizさんはシャルトルには行かれたことあるんでしたっけ?
今借りているロマネスクの本はシャルトルのことが多く書かれているのですが、かなりお宝(私たちにとっての)が多いのがわかりました。
パリから近いからいつでも行けそうではありますが。
- wiz さん からの返信 2012/11/16 08:17:41
- RE: RE: RE: ありがとうございます!
コクリコさん、Bonjour〜♪
> わー、そうですか。
> そういえば「淫欲の罪」の女性はもともとは豊穣を意味する地母神的な存在だったようなことがオーギュスタン美術館の説明板に書いてあったような。なるほどね。
コクリコさんのオーギュスタン美術館編での
旦那様との会話でしたっけ〜・・
”豊穣を意味する地母神的な存在・・”その部分覚えてます♪
そういうものと合わさったものが教会や彫刻に残っているのがおもしろいですよね(*^^*)
> 楽しいし綺麗ですよね!
> シャルトルの大聖堂のステンドグラスに十二ヶ月を描いているものがあって、写真では細かくて撮れないので絵葉書買ったのですが、絵葉書何枚も買うより目録買った方が良かったかな。
> wizさんヴェズレーで購入した説明書見ながらにんまりしているのでは?
> wizさんはシャルトルには行かれたことあるんでしたっけ?
> 今借りているロマネスクの本はシャルトルのことが多く書かれているのですが、かなりお宝(私たちにとっての)が多いのがわかりました。
> パリから近いからいつでも行けそうではありますが。
シャルトルはどの本でもけっこう説明が豊富ですよね〜。
今回パリからの手軽な行き先としてシャルトルも行こうかなと考えたのですが、
たしか中も修復工事中(ファサードは終わったかも・・?)だったのでやめたんですよ〜^^;
そうそう!美術館でもポストカード何枚も買いたい時図録と悩みます!
今回は、ヴェズレーでは説明書(案内書)を買って良かったなぁと思いました!
wiz
- wiz さん からの返信 2012/11/17 11:35:06
- ロマネスクの図像学♪
コクリコさん〜!Bonjour〜!
コクリコさんが借りてらっしゃる本って
『ゴシックの図像学』でしたっけ〜?
(ももんがあまんさんのところで見ました^^;)
今、私は『ロマネスクの図像学』を借りてるんですけど
上巻のP43,44にモワサックのポーチの写真とともに、
アブラハムとラザロの譬えの話が載っていました〜(*^^*)
嬉しくてお知らせ(*^^)v
wiz
- コクリコさん からの返信 2012/11/17 12:33:06
- RE: ロマネスクの図像学♪
- wizさーん、
お知らせありがとうございます!
> 今、私は『ロマネスクの図像学』を借りてるんですけど
> 上巻のP43,44にモワサックのポーチの写真とともに、
> アブラハムとラザロの譬えの話が載っていました〜(*^^*)
> 嬉しくてお知らせ(*^^)v
わー、偶然です!
今、図書館に行って『ロマネスクの図像学』(上下)借りてきたところでした!
お昼食べてから見ようと思っていましたが、さっそくP43,44開いてみました。
載ってる、載ってる!
あらP41にスーイヤックの中央柱の写真も!
数日前に『ゴシックの図像学』が置いてあるのを見て夫に
「凄いね、エミール・マールなんて読んでるんだ」
言われましたよ(^^)v
だから
「wizさんも読んでるわよ〜」
と言って感心させました〜(^o^)/
- wiz さん からの返信 2012/11/17 13:21:08
- RE: RE: ロマネスクの図像学♪
- > wizさーん、
> お知らせありがとうございます!
>
> > 今、私は『ロマネスクの図像学』を借りてるんですけど
> > 上巻のP43,44にモワサックのポーチの写真とともに、
> > アブラハムとラザロの譬えの話が載っていました〜(*^^*)
> > 嬉しくてお知らせ(*^^)v
>
> わー、偶然です!
> 今、図書館に行って『ロマネスクの図像学』(上下)借りてきたところでした!
> お昼食べてから見ようと思っていましたが、さっそくP43,44開いてみました。
> 載ってる、載ってる!
> あらP41にスーイヤックの中央柱の写真も!
わお〜!コクリコさん〜凄い偶然うれしいです〜!
私は、昨日借りてきました〜!!
P41のスーイヤックの柱、たしか建築文化財博物館で撮りました〜♪
コクリコさんは本物見たんですもんね〜イイナァ (*^^*)
> 数日前に『ゴシックの図像学』が置いてあるのを見て夫に
> 「凄いね、エミール・マールなんて読んでるんだ」
> 言われましたよ(^^)v
> だから
> 「wizさんも読んでるわよ〜」
> と言って感心させました〜(^o^)/
この写真のところで
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27123240/
「フランス・ロマネスクを巡る旅/新潮社」
からの引用を書いてたんですけど
(この本はコクリコさんも持ってましたよね〜?)
エミール・マールの意見が面白くて書いたんです♪
”金持ち修道士の妄想 こそが ロマネスク美術の肥やし だったことになる ” ^^;
エミール・マールの『ロマネスクの図像学』の中に
これが書いてあるかしら〜 っと探してみたいと思います!
wiz
- コクリコさん からの返信 2012/11/17 17:08:34
- RE: RE: RE: ロマネスクの図像学♪
> わお〜!コクリコさん〜凄い偶然うれしいです〜!
> 私は、昨日借りてきました〜!!
> P41のスーイヤックの柱、たしか建築文化財博物館で撮りました〜♪
> コクリコさんは本物見たんですもんね〜イイナァ (*^^*)
あら、昨日でしたか!
wizさんの↓の文章を読んで、「エミール・マール」の箇所だけ覚えていたみたいで既に借りているのかと早とちりしていました。
> この写真のところで
> http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/27123240/
> 「フランス・ロマネスクを巡る旅/新潮社」
> からの引用を書いてたんですけど
> (この本はコクリコさんも持ってましたよね〜?)
> エミール・マールの意見が面白くて書いたんです♪
> ”金持ち修道士の妄想 こそが ロマネスク美術の肥やし だったことになる
-
- ももんがあまんさん 2012/11/11 22:59:48
- アブラハムとラザロ
- Bonsoir Wizさん。
な〜るほど・・こういうお話だったのですね、「ルカの福音書」、旅行中、確かに読んだはずなのに、覚えてな〜い(笑々)。
でもこちらのアブラハム(風呂敷おじさん)の懐には、ラザロ一人しか入ってないですね、ブールジュのタンバンの方は、人の首が、たくさん入ってました。
このラザロは、あの生き返ったラザロとは、違うようですね、聖書には、同じ名前が沢山出てくるので、混同してしまいます・・・この時代、男の名前も少ないけど、女性なんかは、マリアしか出て来ない・・・、個人とか、個性とかの観念の無い時代なんでしようけど、最近は多すぎて(特に日本は)、読めないのも多いし、何が何やら解らない・・ハハ。
by ももんがあまん
- wiz さん からの返信 2012/11/11 23:37:32
- RE: アブラハムとラザロ
- > Bonsoir Wizさん。
>
> な〜るほど・・こういうお話だったのですね、「ルカの福音書」、旅行中、確かに読んだはずなのに、覚えてな〜い(笑々)。
>
> でもこちらのアブラハム(風呂敷おじさん)の懐には、ラザロ一人しか入ってないですね、ブールジュのタンバンの方は、人の首が、たくさん入ってました。
>
> このラザロは、あの生き返ったラザロとは、違うようですね、聖書には、同じ名前が沢山出てくるので、混同してしまいます・・・この時代、男の名前も少ないけど、女性なんかは、マリアしか出て来ない・・・、個人とか、個性とかの観念の無い時代なんでしようけど、最近は多すぎて(特に日本は)、読めないのも多いし、何が何やら解らない・・ハハ。
>
> by ももんがあまん
Bonsoir!ももんがあまんさん!
今、ももんがあまんさんの掲示板を確かめにいったら、
やっぱり、私は聖ラザロ(サン・ラザール)と書いていましたね・・
聖 は、間違いですね^^;
私も、今ちゃんと調べてみたら、
やっぱりあの生き返ったラザロとは違うみたいですね・・
西洋美術解読事典という本を見ているんですが、
「ラザロ」の欄で、
マルタとマリアの兄弟→ラザロの蘇生(生き返った方)
ヨハネ福音書11:1-44
もう1人の癩病患者のラザロについては→金持ちとラザロ(今回の話の方)
ルカ福音書16:19-31
(事典の中)を引け、と誘導されているので、別人なんですね〜。
ほんとうに、ももんがあまんさんがおっしゃるように
聖書の中の同じ名前はちょっと混同してしまいますね。。。
でも、ももんがあまんさんのこの書き込みで
この件に関しては、もう混乱しないですみそうです・・たぶん(*^^*)
良かった〜〜〜!!! ありがとうございます!!!
ブールジュのはほんとうにたくさんのっていましたね^^;
wiz
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旅行記グループ 中世美術を巡る旅
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