エバーグレーズ観光情報 (世界遺産、エバーグレーズ国立公園編):MiamiZimotyさんの旅行ブログ
フロリダ州マイアミ在住日本人観光ガイドがお届けするエバーグレーズ観光情報です。旅行、ビジネス、カリブ海クルーズ等でこちら方面に来られる人たちの参考になれば幸いです。現地情報、ホテル情報、オプショナル・ツアー情報等に関する質問があれば bfbgps2@cs.com まで何でもメールください。
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エバーグレーズと一言にいっても、北はフロリダ半島の真ん中少し南にある大きな湖、レイク・オケチョビから、南はフロリダ半島南端に面した海、フロリダ湾までに及ぶ非常に広大なエリアになります。一般的によく観光客が訪れるのは、エアボートという特殊ボートに乗って湿地帯に入りアリゲーター探検をするもので、マイアミ、フォーローダーデール、パームビーチ等の街の郊外に乗り場が何箇所かあります。ただこれらエアボートで訪れるエバーグレーズは厳密には世界遺産に指定されているエバーグレーズ国立公園内ではありません。エバーグレーズ国立公園は上記の広大なエバーグレーズの南端の部分になります。1947年に創立されたこの国立公園内にはErnest F. Coe、Flamingo, Shark Valley, そしてGulf Coast の4か所のビジター・センターがあります。この旅行記では、国立公園本部もある、マイアミの南、ホームステッドという町のはずれ、Ernest F. Coe Visitor Center と Flamingo Visitor Center がある部分、そしてマイアミからUS41を西に走ったところにある Shark Valley の部分を紹介していきます。
尚エバーグレーズに関して、下記の関連旅行記もご参考ください。
エバーグレーズ観光情報 (エアーボート・ツアー編):
http://4travel.jp/traveler/miamizimoty/album/10182084/
エバーグレーズの野鳥達:
http://4travel.jp/traveler/miamizimoty/album/10306054/
マイアミ観光情報:
http://4travel.jp/traveler/miamizimoty/album/10182071/
尚、現地に関する質問があれば bfbgps2@cs.com までご連絡ください。
Ernest F. Coe Visitor Center (アーネスト・F・コウ・ビジター・センター)
まずは Ernest F. Coe Visitor Center のあるエバーグレーズ国立公園南部です。マイアミ中心街からこのビジター・センターまで車で約1時間です。
エバーグレーズ国立公園は国連ユネスコの世界遺産(自然遺産)の一つですが、湿地帯の水量、水質の変化、外来種の繁殖等が現在大きな問題となっています。2007年6月までは”危機にさらされている世界遺産”として特別指定を受けていましたが、、ユネスコ世界遺産委員会はエバーグレーズ国立公園を危機遺産リストから除外しました。ただ各方面の関係者からは、エバーグレーズはまだまだ以前の状態に戻ったとは言えないという批判の声も多いようです。
Florida Panther (フロリダ・パンサー)
エバーグレーズに生息するクーガーのようなネコ科の動物、フロリダ・パンサー(Florida Panther)。絶滅危惧種(Endangered Species)に指定されており、現在の推定頭数はこの広大なエバーグレーズ内で80-100匹のみ。人間の開発による生息地の減少が大きな原因です。
Sawgrass(ソーグラス)
一帯は Sawgrass という草の湿原です。英語でSawというのはのこぎりという意味で、直訳すると''ノコギリ草''。この草の葉っぱはススキの葉のようにキザキザになっているためです。
エバーグレーズは別名、River of Grass (草の川)とも呼ばれています。
Ernest F. Coe Visitor Centerから車で約5分、まずはRoyal Palm (ロイヤル・パーム)というエリアにある、Anhinga Trail (アンヒンガ・トレイル)と Gumbo Limbo Trail (ガンボ・リンボ・トレイル)に立ち寄ります。
Gumbo Limbo Trail (ガンボ・リンボ・トレイル)
ここロイヤル・パームにはもうひとつ、ガンボ・リンボ という湿地の中の森林(ハモック(Hammock)) を歩く一周700メートルのトレイルがあります。
このトレイルの名前の由来はこれ、ガンボ・リンボ(Gumbo Limbo)という木。別名、Tourist Tree あるいは Naked Indian という名前でも呼ばれているこの木は、写真のように鮮やかな赤茶色の幹の皮がはがれてきます。昔は材木として、またインディアンは樹脂を薬用として利用してたそうです。
フラミンゴに向けてさらに車で走ります。道中の景色は一見すると変化のない一面湿地帯の退屈な風景に見えがちですが、よく注意して見ていると植生が少しずつ変わっていくのが観察できます。
これはサイブレス(Cypress、ヌマスギ)というエバーグレーズの中でも比較的水深の浅いエリアに生える木。冬場は葉っぱが落ちて枯れ木のように見えますが夏になると葉が出ます。
野鳥観察のメッカ、Mrazek Pond(ムラゼック・ポンド)。基本的に鳥がたくさん見れるのは冬場の早朝です。シーズン中にはたくさんのバード・ウォッチャーが訪れます。
エバーグレーズの野鳥に関する詳しい内容は下記リンクをご覧ください。
エバーグレーズの野鳥達:
http://4travel.jp/traveler/miamizimoty/album/10306054/
Ernest F. Coe Visitor Center からノンストップだと車で約1時間弱でフラミンゴに到着できます。眼の前にはフロリダ湾の広大な景色が広がります。
American Crocodile (アメリカン・クロコダイル)
フラミンゴ周辺、海水の混ざってきた辺りにはアメリカン・クロコダイル というアリゲーターとは違う種類のワニも生息しています。これも人間による開発によって生息地が減少し現在絶滅危惧種(Endagered Species) に指定されています。
もっと分かりやすい写真を一枚。これは某水族館にて撮影したもの。
マナティーは呼吸するために水面近くを泳いでいることも多く、決して動きの素早い動物ではないので、ボートとの衝突事故でその数が減っています。フロリダ近辺の海域ではマナティー・ゾーンが設けられており、ボートのスピード制限も厳しく取締りされています。
ビジター・センターから約24キロのループ道路(一般車の通行は不可)が完備されています。この道路はもともとは1946年、ここで石油開拓を試みるために造られたもので、道路を造るための土を掘り起こした部分が現在カナル(運河)になっており、そこではたくさんのアリゲーター、野鳥、魚等のワイルドライフが観察できます。道路の下にはところどころに水路が設けられており、この道路によってエバーグレーズの水の流れが遮られないようになっています。
アリゲーター・ホール(Alligator Hole)。
メスのアリゲーターは初夏(5月、6月頃)にアリゲーター・ホール近くに巣を作り20個から50個の卵を産みます。本能的に夏場、雨季のシーズンに卵が水没してしまわない高さに卵を産むそうです。
ここでももちろん様々な種類の野鳥を見ることができます。
尚、エバーグレーズの野鳥についての詳しい情報は下記旅行記をご覧ください。
エバーグレーズの野鳥達:
http://4travel.jp/traveler/miamizimoty/album/10306054/
*おまけ*
Big Cypress National Preserve (ビッグ・サイプレス・ナショナル・プリザーブ)
シャーク・バレーから車でさらに西に約30分ほど行くと Big Cypress National Preserve という場所があり、エバーグレーズ国立公園とはまた一味違った光景を楽しむことができます。
ここからは少しだけエバーグレーズの自然破壊について・・・・。
Melaleuca (メラレウカ)。
エバーグレーズの生態系を脅かしている代表的な木、メラレウカ。すざまじい水の吸収力を持つこの木は湿地の干拓に非常に好都合であったため、1900年代はじめにオーストラリアから持ち込まれました。1本の木が一年に作り出す種の数が100万個以上というものすごい繁殖力で、現在エバーグレーズ全体に広がっています。このメラレウカをはじめとする植物、魚等の外来種をいかにして撲滅するかが今後のエバーグレーズの大きな課題です。
Cattail(キャットテイル)
こちらは Cattail と呼ばれる草。茶色の部分が猫のしっぽに似ているということからこの名前が付けられたそうです。エバーグレーズのネイティブ植物ですが、近年エバーグレーズの水質の変化によって異常繁殖し、Sawgrass(ソーグラス)の湿原を脅かしています。もともとエバーグレーズの水には栄養分が少ないのですが、近年エバーグレーズ北部の農地で使われる肥料に含まれるリン酸、硝酸塩等の栄養分を多く含んだ水が流れ込んできており、昔とは違う水質となってきているためだそうです。
Apple Snail (アップル・スネイル)
アップル・スネイルというカタツムリのような生き物の卵。近年エバーグレーズの水量の変化によってこのアップル・スネイルの卵が水没してしまい孵化できず、このアップル・スネイルを餌とするスネイル・カイトという鳥が激減しています。現在スネイル・カイトは絶滅危惧種(Endangered Species)に指定されています。
深刻な状況が続く中で、現在エバーグレーズを保全し、自然の水の循環を回復しようとする試みが進められています。2000年、米国議会は完成に30年を要する大規模なエバーグレーズの環境復元事業(Comprehensive Everglades Restoration Plan (CERP,エバーグレーズ法))を採択し、国や州政府は財政的な支援を続けています。この計画の中では、南フロリダ地域一帯の生態系を対象として、都市や工業、農業とのバランスをとりながら、水の流れ方や水質をより自然の姿に復元する方法が探求されています。このエバーグレーズの未来はわれわれ人間の手に託されています。
''The Everglades' survival depends on proper
quantity, quality, timing and distribution of water'' (国立公園内案内掲示板より)
エバーグレーズではまさに ''水' がすべてなのです。
長い旅行記になってしまいましたが最後までご覧頂き有難うございました。この旅行記が気に入って頂けたなら、右下をクリックして清き一票のご投票をよろしくお願いいたします。
尚、エバーグレーズに関する質問等ございましたら下記メールアドレスまでご連絡ください。
bfbgps2@cs.com
*おまけ*
Ernest F. Coe Visitor Center に向かう途中,フロリダ・シティーにある1960創業のフルーツ・スタンド、'' Robert is Here''。近辺の農場で作られた採てれたての新鮮な野菜、果物の特売場です。ここのフルーツ・シェークは格別です。

MaiamiZimotyさん
鳥たちや道路を横切る動物たち、道路の標識まで、今まで訪れた西側の国立公園と全く趣が違っていて、あらためてアメリカの広さを感じました。
どれひとつとっても今まで見たことが無いものばかりです。
やっぱり国立公園の中はいいですね。
ボートツアーも惹かれますが、公園の中をじっくり歩いて見て回りたいです。
公園ではいつもビジターセンターの充実ぶりに驚かされ立ち寄るのを楽しみにしていますが、日本からのお客様で利用する方は少ないようですね。是非この良さを見せて差し上げて下さい。
Muffin

Muffinさま
書き込みありがとうございます。
大自然の中は車で走るだけではたくさんのものを見落としてしまいます。自分の足でゆっくり歩かないとですよね。
エバーグレーズ、素晴らしいところです。行くごとに何か新しい発見があり何度行っても飽きません。アメリカ滞在中に是非お越しください。

MiamiZimotyさんへ
野鳥に名前をコメントする数少ない、
私の知るトラベラー二人目です。
初めまして。
ふ、ふ、いいですねええ。
鳥が飛ぶお姿。そして、鷹が獲物に向かうお姿。
この相反するお姿を気持ちの上で、
天秤を平衡に出来る私は、鷹狩ファンで
野鳥との共存共栄を唱えております。
失礼しま〜す。

一歩人さま
書き込みありがとうございます。
ははは、でも残念ながら鳥獣保護官ではありません(笑)。エバーグレーズに何度も足を運んでいるうちに鳥好きになってしまっただけのただの素人マニアです。
確かに、''エバーグレーズの野鳥達''の旅行記のほうはかなりマニアックになってしまいました。
一歩人さまも機会があれば是非エバーグレーズに野鳥観察にお越しください。
エバーグレーズには現在366種の野鳥が観測されており、野鳥観察のメッカとなっています。冬場のシーズン中には世界中から多くのバードウォッチャーがここを訪れます。この旅行記ではこれらの野鳥のなかで私が撮影できたものを紹介していきます。ちなみにエバーグレーズ国立公園の Bird Checklist は下記リンクをご覧ください。http://www.nps.gov/ever/planyourvisit/upload/Bird%20Checklist%202006.pdfエバーグレーズ全体の環境の変化により、現在こ...(by MiamiZimotyさんの旅行ブログ on 2009年02月02日 10:48)