2005/02/26 - 2005/02/26
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まるみさん
「すみませんが、明日は仕事を早く上がりたいです」
そう申し出る私の要求を受け入れてくれたのか、十九時前に仕事を上がることができた。私たちは、今月末で引退する寝台特急「あさかぜ」に乗り、東京で行われる中古カメラ市に向かうのだ。
「あさかぜ」は、下関−東京間を結ぶ寝台特急だが、私たちは、途中の大阪から終点の東京まで乗車する。大阪駅発は午前0時32分。私はガンモと待ち合わせをしていったん家に帰り、出発の準備を整えてから再び家を出た。
今回の私たちが利用する席はB寝台。この寝台は、進行方向に対して垂直に横になるため、列車が停車する度にごろんごろん揺れる。B寝台よりもグレードの高いA寝台の場合、進行方向に対して水平に横になるため、ごろんごろん率も比較的少なく、快適に寝られると言われている。果たして、B寝台で寝られるのだろうか? そんな心配をしていたのだが、 私は「あさかぜ」に乗車した途端、このB寝台が大好きになった。
客車の中に入ると、カプセルホテルのようにたくさんの寝台が並んでいた。それぞれの寝台は、カーテンで仕切られている。一つの狭い区画の中に、上下合わせて四つの寝台がある。カーテンで仕切られた空間の中で、それぞれの人たちが思い思いに過ごしていることを想像すると、私は何だかとてもわくわくして来た。
「あさかぜ」のB寝台は、寝台急行「銀河」のA寝台よりもかなり狭くなっている。そのため、ガンモの寝台に潜り込んで一緒に眠ることはできず、私は上の寝台、ガンモは下の寝台でそれぞれ眠った。
日頃の疲れがたまっていたからだろうか。寝台列車に乗るといつも寝不足になってしまうのだが、今回は、驚くほど良く眠れた。列車内の温度が熱過ぎず、また、寒過ぎず、その上、特急列車だったため、停車する回数が少なかったことも要因の一つだろう。もうすぐ横浜に到着するという朝のアナウンスが流れて来たとき、すっきりと目が覚めていて、とても気持ちが良かった。
私は、「この寝台特急に、また乗りたい!」と強く思ったのだが、今更どんなにあがいてみても、「あさかぜ」は今月末で引退してしまう。こうした情緒溢れる乗り物がどんどん引退してしまうのは、とても残念なことだ。そのせいか、数多くの鉄道ファンがこの「あさかぜ」に乗り込んでいて、東京駅に着いたときも、カメラを構えながら、「あさかぜ」との別れを偲んでいた。また、休日の早朝にもかかわらず、駅だけでなく、車窓から見える踏切などの撮影ポイントでも、数多くの鉄道ファンがカメラを構える姿が目に入った。
寝台特急「あさかぜ」へ
長い間、本当にお疲れ様。私はたった一度しか利用できなかったけど、最後に君が、多くの人たちに愛されていることを知ることができて、良かったよ。それだけで、私の心も熱くなるんだ。素敵なひとときをありがとう。
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