2004/08 - 2004/08
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km777さん
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(VLI) Noumea, Ile Des Pins (SYD)
New Caledonia
Caledoniaは「発見者」であるCaptain Cook の故郷Scotlandの旧名。仏領だが、通貨はユーロでなくpacific franc。仏領ポリネシアやWallis et Futunaと共通だ。フランス語・シートベルト着用義務・ペタンク(仏式ゲートボールのようなもの)・そして何より物価・・・周りの太平洋の島々とは大違いだ。
Noumea/GrandeTerre: 原住のメラネシアンであるKanaky色は薄く、フランス色が強い。白人系フランス人も目立つ。同じメラネシアでも、カバ(バヌアツ)やビンロウ(PNG・ソロモン)のようなラフな習慣は残っていない。ガイドブックには「太平洋のコートダジュール」なんて書いてるけど、ダウンタウンLAみたいな雰囲気も。やっぱりフレンドリーなメラネシアンがいる島だ。市場が楽しい。カフェオレ、うまさより量にびっくり。旧仏領だったベトナムの移民が多く、ベトナム春巻きなども食べられる。ローカルバスに乗っていたが夕日がきれいで思わず降りてしまった。出国する日曜日は空港行きバスがほとんどなく、途方にくれていると、少し前に道を聞いたアジア系のおじいちゃんが車に乗って近づいてきた。「空港行きたいんだけど」「OK、乗りな」。おじいさんは70歳、お母さんはベトナム人、お父さんはなんと日本人だという。しかし、6歳のときにアメリカ兵に父が連行され、二度と戻ってくることはなかったそうだ。日本語はもちろん話せない。NCはNickelの一大産地であり、戦前はその労働者となる日系移民が多かったことは知っていた。しかし、「フランスおよびニューカレドニアは連合国側だったため、日本国籍の人々は敵国人として刑務所に収容され、オーストラリアのキャンプを経由して、戦後に日本へ強制送還された。彼らが所有していた財産のほとんどが没収されたほか、家族とも生き別れになった」という過去は知らなかった。http://www.newcaledonia.jp/profile/history.htm おじいさんは私を空港で下ろしてどこへ行くのかとたずねたが、とくに行く先はないという。どこかに行くついでに私を拾ってくれたのかと思っていたが、日曜日でバスがないのを不憫に思い片道40km以上もの道をドライブしてくれたのだった。物価高のNCではタクシーを拾えば1万円になる距離である。感謝の意をフランス語で十分伝えられない自分が情けない。おじいさんのIDを見せてもらうとベトナム系の苗字、名前は典型的フランス人の名前であるJean、国籍はもちろんフランス。日系の形跡はどこにもない。バックシートで寝ている幼い孫娘は白人の風貌。Jさんが白人と結婚して生まれた子供がさらに白人と結婚してできた孫なのだろう。Jさんは日系人でありながら日本の地を見ることもなく、この地で育ち、同化してきたのだ。ひょっとしたら迫害を恐れて日系人であることを隠して生きてきたのかもしれない。お父さんの記憶もほとんどないはずだ。かつてマイアミで会った日系人のおじいさんは、日本には行ったことがないけれど、日本車の活躍などを見ていつも鼻が高い思いをしているんだといっていた。Jさんのお父さんが生活のためにニッケル鉱労働者としてやってきたこの国に、今は豊かになった日本から直行便で観光客がやってくる。Jさんはこれを見てマイアミの老人のように誇らしく思っているのだろうか。ほとんど記憶すらないはずの父の国からやってきた一旅行者である私に、どんな思いで親切にしてくれたのだろう。単なるリゾートではないNC。Jさんと出会えてその思いを深くした。空港からも見えるNickel鉱山を見ながら。
Ile Des Pins(松島): NCでもガイドブックで見るような海は離島に限るらしい。一番近くて手ごろなIDPに日帰りで。空港からまずタクシーでオルタンス洞窟へ。無人の入り口で入場料を入れて懐中電灯を借りる。運転手Nがお土産だといって、鍾乳洞を折ってそれをくれた。おまけに私の名前を岩に彫っている。重要な観光資源だろ、いいのか。Merridianでおろしてもらい, PiscineNaturelle(川のような薄緑の浅瀬)を素足で渡り、Baie d\\\'Oroへ。Bunya(伝統的石蒸料理)を注文しておいたChez Regisに戻り、巨大なロブスター2匹が入ったランチを食べる。約4000円。2人でシェアできる分量。レストランでタクシーを呼んでもらおうとするが、フランス語が通じずトイレに連れて行かれる(笑)。バスや流しのタクシーはなく、個人旅行者には辛い島。仕方なくヒッチハイク。この島では公共交通機関がなく、車も少ないだけに、手を上げれば必ずといっていいほど拾ってくれる。おろしてくれるときは必ず「ボン・トゥルネー!」と言ってくれる。Vao村で下ろしてもらいもらい散歩。昼下がりはシエスタの習慣でもあるのか、なかなか車が通らない。木陰でおばあちゃんと話して(ほとんどうなづいているだけ)車を待つ。Kuto Beach まで乗せてくれたおやじは、Kanakyの国旗(独立運動のシンボル)のTシャツ。海はきれいだが、南半球では冬であり、やはり泳ぐには寒い。小さなローカルカフェでカフェオレを飲んで、歩いて道を何度も尋ねながら、パリコンミューン時代の監獄跡Vestiges de la deportation)のひとつを見る。兵どもが夢の跡。ここは仏蘭西の流刑地だったのだ。ヒッチハイクせざるを得なかったことで、この島が単なるリゾートではなく、普通の島民の生活があることが分かってよかった。なお、写真集などで見るNokanhuiには是非行こうと思い、予めメールや電話でコンタクトを取っていたが、結局一人の利用では船を出してもらえなかった。
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