2008/06/06 - 2008/06/08
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keithforestさん
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この際米国の国立公園に行ってみたいと思って本屋の書棚を見ていたら「地球の歩き方」が「アメリカの国立公園」というそのものズバリのものを刊行しているのを見付けたのはもう15年程前だったらしい。それは「'93〜'94版」で、その辺からとても米国に出かける様な状況ではなくなってしまって、せいぜい年に1回程取りだしてみるくらいだった。
なんでそんなことを考えたのかといえばそれを遡ること10年程前に仕事でヨセミテに行ったのがきっかけで、あの広大な景色を連れあいにも見せたいと思ったのだった。
二人ともが還暦となってようやく重い腰が上がることになった。昨年JTB-USAのウェブサイトを見付けた時に国立公園を北から南まで10日以上をかけてバスで下るツアーを見付け、これだと思った。しかし、考えてみると毎日バスで動いていく訳で、若い時ならいざ知らず、この歳になっては相当に負担が大きそう。それでYellowstone→Grand Tetonの2泊3日のバスツアーとYosemiteからGrand Circleを巡る5泊6日のバスツアーに参加して、その間をそれぞれSan FranciscoとLos Angelesに暮らす旧友のもとを尋ねることにした。
その皮切りがSalt Lake Cityを基点とするYellowstoneへの旅だった訳である。ここに記載した金額は現地参加費用のみで日本からの渡航費用は含んでいない。
前年まではJTB-USAのこのツアーはBozeman, Montana州が集合地だったのだが今年からはSalt Lake City, Utah州が集合・解散地になっている。理由は分からないけれど多分Bozemanへのアクセス飛行機便になんらかの問題があるのかも知れない。私はBozemanにいったことがないのでよく分からない。行程から見たらBozemanの方が遥かにYellowstoneへのアクセスは距離的に有利なはずだ。
Salt Lake Cityは私にとっては1979-1980にかけて2.5ヶ月間ホームステイをした経験がある街なのでどんな変貌を遂げたのか見てみたいという興味があったので幸いだった。
JTB-USAのアレンジツアーにはこの後San Francisco集合、Las Vegas解散というツアーにも参加したがどちらもガイドはモルモン教徒で日本にミショナリーでいった経験を持つ。従って日本語は流暢だし、日本の習慣にも通じているのでお客としては馴染みやすい。しかし、なにかというとモルモンが出てきちゃうので若干の抵抗感を持つ。但し、多くの日本人は米国の宗教事情になんて全く関心がないし、モルモンのなんたるかになぞ興味がないからあまり反響として現れてくることはないだろう。しかし、彼らのガイドを聴いていると、ユタはともかくこの辺の州にはモルモン教徒が溢れている様に感じるだろう。
何はともあれIS-15を北上し、Idaho Fallsから20号に入ってWest Yellowstoneから公園に入ったのだけれど(表紙の写真は南ゲートの写真)、北上する程に雨が強くなり、公園に入る時にはすでに雪。途中のスタンドでトイレ休憩をした時にはやばいと、手袋を買ったくらいだ。
同行者は娘がSLCの旧家の息子と結婚したというおばさんとそのお兄さん、そのまた奥さんとそのまた妹という熟年四人組、ワシントンでの研究生活にピリオドを打って東京の一流私大に戻る直前の研究者夫婦とその娘の三人組、そしてわが二人の9人。ガイドは4列シートバンを一人で運転しながらガイドをする売れっ子。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 観光バス
- 航空会社
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
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Salt Lake Cityといえばもちろんモルモン教(正確には「末日聖徒イエス・キリスト教会(The Church of Jesus Christ of Latter-Day Saints)」という)の総本山のある街で、ダウンタウンはとにかくこのテンプルを中心にして構成されている。
かつて訪れた時にはなかったとても巨大な「Conference Center」が出来ていて多分2万席を超える収容力を持っている。
毎週木曜日と日曜日の夕方には大規模で優秀なクワイアがそのリハーサルを公開している。
テンプルの構内に一歩足を踏み入れるとすぐに誰かしらが寄ってきて相手をしてくれる。とにかくモルモンの人たちは無条件にフレンドリーである。 -
あれあれと思うまもなく雨が降ってきて北上するに従って激しくなっていく。やっぱり時差を克服できなくてちょろっと寝てしまうが激しく車の屋根を叩く雹の音で気がついたりした。
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Idaho Fallsで昼飯にする。
ガイド兼運転手が良く来るという中華のbuffetである。かつてはどうにかなっていたのだろうと思われるショッピングセンターだった様だけれど今ではもうすっかり寂れてしまい、元はといったらマクドナルドかなんかの店舗だったものを安く借りて経営していると覚しき中華。知らない人にはこれが本当に営業中の建物だとは思わないだろうという代物だ。
ところがメニューはとてもバラエティーに富んでいて、しまいには「すしロール」まであるというくらい(なぜかデザートのジャンルと共に並べてあった)。
お客は後から後から引きも切らないのを見ても味は大丈夫だと確信が出来る。
buffetの店というのはかつてはそんなに考えられなかったものだけれど、今や米国ではフードコートと共になくてはならないものになった。tipの呪縛から本当はみんな解放されたいんじゃないだろか。 -
Yellowston National Parkの西側入口からいよいよ念願のNational Parkの第一号にはいる。どんどん景色は寒々しくなるのだ。
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場所がよく分からないのだけれど、ひょっとしたらMadison Riverに沿って走っている時に発見したのかも知れないが、とにかく最初に遭遇したバイソン。
なにしろ車はバンだし、同行者も少ないから動物に遭遇したらすぐさま車を停めてくれと要求し、カメラを取り出す。
しかし、一番後ろの列に座っているものだからなかなか出ていくことができない。 -
まずはFountain Pait Potにて下車。雪景色の中湯煙を見て回る。どうしても水分が多いから泥の「ボワッ」という感じは少なくて水っぽいのはしょうがない。
Clepsydra Geyserなんかだってオフィシャルサイトで見る写真は結構色鮮やかだけれど、雪が降るとほとんど白くにしか見えないんだから仕方がない。 -
車の前の方が騒いでいるから何事かと思うとなんと道路の端をバイソンの家族(どう見ても子どもを連れた家族)が黙々と車を避ける様に一列になって歩いている。
この車は勿論後ろが窓が開かない。仕方がないから写らないのを覚悟してとにかくバイソン家族をフレームに捉える。
バイソンを撮影したのか、車の窓につく雨粒を撮影したのかよくわからない。 -
どうにも我慢が出来なくて「車を停めて」とお願いをする。こんな状況だから頼むことが出来るので少人数ツアーのここが良いところである。
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Yellowstoneにいったら何がなんでも見なきゃいけないのはあの「Old Faithful Geyser」だ。
次に吹き上がるまでの時間を待つ間、寒さしのぎの目的もあってOld Faithful Lodgeに入る。ここのロビーは誰もが見上げて感嘆の声を上げる木造建築物である。
やっぱり外が雪だということもあるのか中はわんわんしている。よく見ると真ん中のfire placeの金網の上になん足もの靴下を乾かしているのが見える。それにしても立派な建物である。
ところが待っている間も雪は降り続き、ガイド氏が連絡を取ってみると今日の宿泊場所であるGrant Villageまでの間の山道がさっきまで閉鎖されていて、今なら通れるらしいということで、急遽Old Faithful Geyser見物を明日に延期してとにかく宿に急ごうということになった。
結果的には先の道路閉鎖が雪ではなくて事故によるものだったことが判明したというが、この季節は難しい。 -
ちょっと写真を失敗しているけれど、Grant Villageのレストランで夕飯にした。うちの二人とガイドの三人で飯を喰ったがガイド氏はお客を連れてくる訳だからロッジからticketが出ていて、どうやら何を食べても良いらしい。彼は大きなステーキを頼んでいた。お調子者の私はバイソンのミートローフを早速注文したが、ちょっとぱさぱさした感じの肉で、たぶん他の肉と合挽になっているのではないかと思う。美味しいのだけれど、とにかく量が多くて閉口した。これに懲りてこれから先、食べ物の量には随分注意した。
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二日目の朝、眼が覚めてロッジの部屋のカーテンを開けてみると、空は青いところが覗いているものの、夜の間も雪が降り続いていたことが分かる。そんな雪の中、ロッジの食堂で働く若者たちが寒そうにしながら宿舎から急ぐ。
国立公園内の施設はNational Park Serviceが入札によって民間企業に委託する。今、YellowstoneやGrand Canyonの運営を任されているのはXanterra Parks & Resortsという会社。施設で働いている人たちのほとんどが夏休みを利用してやってきている世界各地からの学生や、retireした人たちだという。だからその仕事ぶりはのんびりしたものだったり、張り切りすぎて滑っていたりするけれど、その事情を知ると何となく微笑ましい。 -
さぁでかけようと宿舎の前に三々五々集まってくると、部屋の前の駐車スペースにrangerの車が停まっていた。周りを見回すとrangerの方もあの帽子を被っておられた。格好良いなぁと思わず写真を撮ってしまうのはどうしてなんだろうか。
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宿舎のGrant Villageからそれ程遠くないところにWest Thumb Geyser Basinがある。Yellowstone Lakeに面している場所にいくつものGeyserが蒸気をあげている。湖には淡水域に住むラッコの仲間がいるんだとガイド氏がいう。そりゃ見てみたいものだ。
この辺は雪が激しかったらしくて、木道の手すりに積もったものを見るとほとんど10cm以上ありそうだ。 -
降り続く雪の中だけれども、勿論6月なんだから春にはなっていてあちこちで高原植物の様な小さな花が咲いている。それを写真に撮りたくなる。ガイド氏には折角こんなところに着ているんだからもっと大きいところを見たらよいのに、といわれるけれど、この辺も可愛いんだよ。
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遂に遭遇したムースの雌。ごく平然と餌をはんでいた。この後他の一等に遭遇しただけで、ムースの雄には遂にお目にかかれなかったのは残念だった。
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こういう写真を見ると、あぁイェローストーンなんだなぁと納得できるのではないかというものか。
West Thumbは湖畔の中に木道が完備されている。雪の朝は本当に歩く人も少なくて観察にはもってこい。それにしてもどこに行っても「わぁ〜すごぉ〜いっ!」と歓声をあげる一団はどうにかならないものかと。 -
Lake Villageの入口に停車していた年代物のバス。「扉を開けるな」と書いてある。よく見ると屋根がキャンバスになっていて夏にはこれを開けるものと見える。
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硫化水素のガスがでているgayserのまわりはやっぱり酸化作用が促進されるらしくて、こんなに錆びてしまっている。こうして考えると木道を止めているボルトやナットには何か工夫がされて居るんだろうか。それとも錆びたら錆びたで交換すればいい、という考え方か。
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この川の流れをよく見ると、やっぱり水に色が付いている様に見える。ここでもやはりタンニンが水に溶け出しているということなんだろうか。タスマニアの場合はその主たる要因はtea treeから浸みだしたタンニンだと云われているけれど、ここではその供給者は何だろうか。
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寒くて寒くて我慢できなくてCanyon Villageでのお昼ご飯は温かいものが食べたかった。
キャフェテリアに入ってみると、お昼時にもかかわらずお客さんの数は随分少なく思える。やっぱり皆さんこの雪に恐れをなして部屋に閉じこもっておられるのかも知れない。
Yellowstoneの施設運営を請け負っている「Xanterra」は若い人たち、外国から来ている留学生、引退した人々に対してwork & playといったプログラムを提供している。
だから、どこもこうした人たちが働いているので、シーズンはじめの6月早々は皆さん、何となくぎこちない。キャフェテリアのキャッシャーのおばさんがどうものんびりしていて、タッチパネルにも慣れていないなぁと思ったけれど、そういうことだったのだ。
そしてもうひとつ特記するべきなのは身体的な障がいを持つ人も、そして軽度の知的障がいのある人もそれなりの場所で働いているらしいことだろうか。
ちなみに「Xanterra Parks & Resorts」の出資者が交代するという記事をグランド・キャニオンで見た。 -
こうしたたっぷりの水量を一気に落としこむ滝の迫力を見ていると、あぁ、やっぱり雪解けが進んで居るんだから春なんだなと実感することが出来そうだ。
やっぱりこうして水が豊富にある風景は良いものだ。 -
Mammothまでやってきた。Yellowstoneの最北端にある見物(みもの)だと思って良いだろう。
ここのロッジには昔の写真が飾ってあって、それをみると自転車を持ち込んで、もっと大きな石灰の棚田の一枚一枚に乗り入れて取った記念写真、なんてのがある。
とても今から想像できる状況ではないが、たかだか100年程前の米国人にとってはその辺にゴロゴロ転がっている景色だと思っていただろうから、全然貴重品扱いする考えすらない。
彼らはふざけている訳でもないし、ノータリン(言葉が古いか)でもない。ただ、そんなことを考える人がいなかったのだ。
だから、全米第一号のNational Parkになってもそれを荒らす人間も居た様で、ここにある古い建物は公園を保護するために駐在した兵たちの宿舎だったというのだ。 -
こんな具合にデレデレっと拡がってくる。ごく普通の土の斜面に気が向いた様に石灰を含んだ水が流れてきて、こんな具合になっていく。で、その水がかれてしまうと出来ていた石灰の棚田の様なものも乾燥してボロボロと壊れていくのだ。
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こんな具合で普通に建っていた樹木の周りに石灰を含んだ水が流れてきて、立木をそのまま呑み込んでいっちゃうわけだ。なんだか可哀想な立木だけれど面白い風景になっている。
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なにしろYellowstoneはバイソンの天国だ。あっちでもこっちでもバイソンにお目にかかる。今は丁度冬毛が抜けていく時期らしくて中途半端な状態。
息づかいが聞こえてきそうだ。 -
何度も何度も繰り返して申し訳ないが、これだけどっと豊富な水量を誇る滝があっちにもこっちにもあるというのは本当に大好きで、できることならひとりでここにとどまって何時間でも本当に飽きるまで次から次にやってくる水を眺めていたい。原子レベルで考えるとこれってどういう状況なんだろうなんてね・・・。
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Old Faithful Geyserの間欠泉が吹き上がる時間が来るまでの間、直ぐ傍の見所をあっちこっち見て歩く。本当に面白い。
こっちにも間欠泉があるのだけれど、定期的に吹き上げる訳でもないし、その間の時間がなかなか読めないから、それを見ようとすると、じ〜っと待っていなくちゃならない。
まぁ、簡単にいってしまえばこうした現象は箱根の大湧谷や別府の地獄巡りと大して変わりやしないんだけれど、現実はこんな景色を見たらそりゃぁもう全然段違い平行棒(なんだ、そりゃ!?)だ。
どこを撮っても本当に写真になる景色でこれじゃ、ぱちぱちやってしまうのも無理がない。突然自分が天才写真家になった様な気がする。尤も、誰が撮ってもこうなるんだけれど。 -
三々五々、あっちからこっちから、一体どこにいたんだと思うくらいの人たちがOld Faithfulが吹き上げるのを今か今かと集まってくる。
そりゃ良い景色だ。 -
いよいよ来ましたっ!Old Faithful Geyserから蒸気が吹き上げました。こうしてみると寒い時の蒸気もなかなか良いものであります。
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うぇ〜っ!さむ、さむ!とやっぱり温かいスープを飲みたい!今日の夕飯はやっぱりキャフェテリア。
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今日は南に下ってGrand Teton National Parkにはいる。天候はほとんど回復しないけれど、雪は止んで良かった。
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Jakson Lake Lodgeから山を望む。山頂にかかる霧はいつまでも晴れずにとうとう山頂は顔を見せなかった。
こうした景色を前にすると無言になる。「きゃぁ、きゃぁ」声を上げる人の気持ちが分からない。 -
氷河が造った造形がこんなに美しいものになるだなんて・・・。
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多分ここを通りかかった日本人のほとんどが撮影しているショットでしょうね。
The Church of Tranfiguration -
ガイド氏がモルモン教の信者だからなのか、よく分からないのだけれど、かつてのモルモン教徒が暮らしていた家がそのままHistoric pointとして残されている集落にわざわざやってきた。
なんだか「北の国から」の黒板家の発想に共通する匂いがする。 -
ジャクソンの街に来たらやっぱりこれだろうというのでみんな必ず撮影する。
この近辺、Grand Tetonの南端は金持ち、有名人(金持ちに繋がるのかも知れないけれど)がこぞって集まってくる保養地があって、おかげで国立公園だというのに飛行場がある。
本当にアメリカという国はこうして一般ピープルには建前を振り回す癖に、資本家には適当なんだから。金持ちのためには何でもしちゃうというその節操のなさが恥ずかしい。
ガイド氏がこういう話を嬉しそうにするのは、日本人がこういう話にすぐさま「ヘェ〜!」と歓声をあげるからだろうか。金持ち話はおもしろくない。(単なるひがみだけれど)。
またSalt Lake Cityへ戻って、生まれて初めてのYellowstonへのたった2泊3日の旅は終わった。それでもこれで冥土へのみやげがまたひとつ増えて嬉しかった。
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