金沢訪問【2】比良は白雪凱々:ソフィさんの旅行ブログ
昔の普通列車は吹田、茨木、摂津富田、高槻と各駅に停まった。
その都度蒸気機関車は汽笛を周りの山にこだまさせ、シューゥ、シューゥと蒸気を吐きながら走り出した。
何度経験しても、子供心を掻き立てる光景だった。
さあトンネルだ。
慌てて窓を閉める。
杉津の絶景。
煤で真っ黒になった顔を洗う今庄駅ホームの湯気立つ洗面所、美味しい立ち食いそば。
昔は感動が多かった。
不自由のない今の時代、「ないものが判っている状態は、むしろ幸せである。
ないものが見えない世界、これはいささか暮らしにくい。」(養老孟司)。
アア長生きしたものだナァ。
老人の気難しさか、車掌の、心より形が先行している感じの、慇懃すぎる敬礼が気に掛かる。テレビに出てくる社長の光景とダブルのだろう。
先日ドイツで経験した車掌の、堂々としながらもにこやかな態度は、実に気持が良かった。しっかりと、責任と誇りが秘められた感じである。
フランスの車掌はもっと柔らかだが、客への好意が溢れている。
日本も戦前の国鉄はそれに近かったように思う。終戦と共に悪役化して居丈高になり、無愛想に変った。
人の命を預かる責任の重さと、誇りを、早く取り戻して欲しいものだ。
国鉄だけでなく、社会全体が自信を喪失し、生きることに誇りを失い、卑屈さが目立つ時代になった。
JRになってからはずい分改善されたが、まだ心は完全に快復していない。
トンネルを二つ越えて近江盆地に出ると、もう雪景色だった。
比良の山なみは白雪凱々。
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