ザイフェン ドイツ木製おもちゃのふるさと:玉雪さんの旅行ブログ
2年前、初めてのドイツ・クリスマスマーケット巡りで温かな魅力あふれる木製おもちゃに出会い、それ以来ひとつひとつお気に入りを買い揃えてきた。
買ってきたクリスマスピラミッドや人形を調べてみると、それはザイフェン製。
この可愛いおもちゃが生まれた場所へ行ってみたい。
おもちゃ博物館や工房を見学したり、心ゆくまでお店巡りをしたり。
ザイフェンはチェコとの国境近くの、山間部にある小さな村。かなり遠くて辺鄙だ。
イースターの連休を利用して、車ではるばる念願のザイフェンに出かけることにした。
前日途中の高速沿いのホテルで一泊し、いよいよザイフェンに向けて出発。残り約450Kmの道のり。
イースター休暇で出かける人が多いのか、途中渋滞。
高速を降りてから幾つかの町を通り過ぎたが、店は閉まり、どこもひっそりとしている。博物館や主な店はオープンしているとザイフェンのホームページに書いてあったが、本当に大丈夫だろうか。のどかな景色を眺めながら、かなり不安な気持ちになった。
小さな村だけど、駐車場には観光バスや車が並び、思ったより観光客が多い。お店もだいたい営業しているようだ。
これはおもちゃ博物館。年間20万人以上が訪れるという。この時もドイツ人の団体さんが見学していた。
6.30mの巨大なクリスマスピラミッドがお出迎え〜。
展示室に入る前に、ザイフェンおもちゃ作りの歴史についてのビデオを見せられる(日本語あり)。これがとても興味深かった。
展示室は3階まであり、1〜2階は吹き抜けになっている。
1階の奥に写っているのは、ザイフェンの冬景色のジオラマ。古いものから比較的新しいものまで、とにかくたくさんの作品が展示されていて見ごたえたっぷり。2時間以上いたけど、まだまだ足りない。
ミニチュア人形「鉱夫たちのパレード」
ザイフェンはかつて、錫などの鉱脈資源によって栄えた村。しかし次第に鉱脈が枯れてくると、鉱夫たちは副業として、豊富な木材と、鉱物を扱ってきた技術を使い、木製の皿やボタンなどの家庭用品を生産するようになる。1750年頃からは需要の拡大により、おもちゃ生産を始める。1849年の廃鉱後は、これが主要産業になった。
こうして「鉱山の村」は「おもちゃ作りの村」として生き残っていく。
小さなわっぱに詰められた、独特な製法で作られた家や動物たち。
ミニチュアの「ノアの箱舟」や、マッチ箱の中に生活の場面を再現したシリーズなどが人気で、海外にも輸出されていた。
こうしたミニチュアが多く生産され始めたのは、1890年頃、輸出関税が価格から重量に変更され、かさばる物の輸出が難しくなったから。ミニチュアなら材料費も抑えられるし(当時木材が高くなってきていた)、小さく軽いので税金も安い。
おもちゃメーカーは生き残りをかけて、より精巧なミニチュアを生産していった。
豪華なクリスマスピラミッド(ろうそくの熱で羽がくるくる回り、その軸に連動した段々の部分も回る。キリスト生誕、東方三博士の礼拝などの場面が人形で描かれている)。
おもちゃ作りが経済的な理由や市場の需要に左右されてきたこととは異なり、クリスマスピラミッドやシャンデリアはもともと自分たちの家庭用としてだけに作られていた。後にクリスマスツリーが主流となるまで、このピラミッドがクリスマスのシンボルだった。でも単なるクリスマスの飾りというだけでなく、ここにも鉱山の村の文化が生きている。朝暗いうちから仕事に出かけ、日中を鉱山の中で過ごす鉱夫たちにとって、灯りは希望のシンボルだったのだ。そして篤い信仰心を表すものでもあった。
くるみ割り人形が、このようないかめしい顔の兵士、王様、警官、森林管理官などになっていったのは19世紀。当時の権力者たちを風刺したもので、威張る彼らを人形にしてクルミを割らせ、憂さを晴らそうという気持ちがあったとか。
それとは逆に、お香人形(体の中にお香をセットすると口から煙がふわ〜っと出てきてパイプを吸っているように見える)は庶民の姿として作られた。その頃パイプを吸うことが一般的になっていたことを反映しているという。
そうやって削った木の輪っかを切ってみると、なんと断面は動物の形に。トナカイ、像、馬、羊・・・。
これを適度な厚さに切り分けて整え、彩色して仕上げる。こうすれば一度の作業でたくさん同じものを生産できる。
色々な作品のモチーフになっている、8角形の可愛い教会。
アドベント(クリスマス前の約4週間)には、ランタンやロウソクでライトアップされる。
そして可愛い子供の聖歌隊の歌を聴こうと、たくさんの人が訪れるという。
ある店先にあった、あまり可愛くないところがまた味わい深い、鉱夫のお香人形。
通り過ぎてしまいそうな小さな店から大きな店まで、どこも可愛く、面白く飾ってある。一軒ずつお店巡りをするのが楽しい。
ガラスケースにびっしり並んだおもちゃが壮観!
この店一つ見るだけでも一日かかりそう。
実はこの後、手前のガラスケースに飾られていた置物が気に入り購入した。お〜写ってる写ってる。さて、どれでしょ〜。
店先のガラスケースにキャンドルアーチが飾られていた。ザイフェンのクリスマスの情景を描いているようだ。夕暮れの空をバックにシルエットを見詰めていると、なんだかとても懐かしい気持ちでいっぱいになった。
くるみ割り人形
くるみ割り人形をテレビか本で見たときは全然いいと思わなかったけど、初めて実物を目にしてからは大好きになった。ユーモラスで何とも言えない味があると思う。毎日見て、手にしているうちにどんどん愛着がわいてくる。

玉雪さん、はじめまして。
2001年、2002年と続けてドイツ旅行をしたとき、下調べでザイフェンのおもちゃのことは本で読みました。
行きたかったんですけど、不便そうでやめました。
そんなザイフェンの写真をありがとうございます。
工房が見られたこと、つくり途中の面白いくるみわり人形、街中にも可愛いものがあること、など、行ったかいがありましたね。
ドイツ旅行をしてから、こういう、可愛くないけれど味わいの深いおもちゃに私も興味をもつようになりました@
その後の旅先でおもちゃ博物館というのがあるとほぼ必ずいくようにしていますが、やはりドイツがダントツです@

まみさん、はじめまして。
まみさんの旅行記は、季節の花便りからヨーロッパのマイナーどころ紹介まで、その冊数もさることながら、ひとつひとつにとても丁寧にコメントを付けてらっしゃって素晴らしいですね。
コメント入れるのが面倒くさくて、ついいつも簡単に済ましてしまう私が唯一(笑)比較的ちゃんとコメント入れたのが、このザイフェン旅行記です。
それだけザイフェンと木製おもちゃに思い入れがあります。
なので、こちらに書き込みと投票いただけてとても嬉しいです。
ザイフェンのおもちゃ博物館、ホント素晴らしかったですよ。
ここ以外にはニュルンベルクのおもちゃ博物館(これも有名ですよね)に行きましたが、ザイフェンのほうがずっと雰囲気も良く、見ごたえありました。
工房見学やお店巡りも楽しかったです。こういう木製おもちゃって、味わい深くて温かみがあって、見ているうちにどんどん愛着が沸いてくるんですよね。
おっしゃるように、ザイフェンは交通がちょっと不便ですね。でも、はるばる出掛けて行く山間の小さな村、というのが「おもちゃの里」のイメージに合ってまたいい感じなんです。
まみさんでしたら絶対に楽しめると思いますので、ぜひいつか訪れてみてくださいね。

玉雪さん、こんにちは。
ザイフェン素敵な場所ですね。
木製おもちゃが素敵でかわいらしいです。
作る過程のダイナミックかつ細かい作業、そして繊細な作業…職人技ですね。
おもちゃ博物館や工房、この街をみて回ってみたいです。
おまけのクリスマスピラミッドの天使の楽団、和みそうですね。

ndasbeさん、こんにちわ。
木製おもちゃに魅せられた私にとって、ザイフェンはぜひとも行ってみたい場所でした。
山間ののどかな村でおもちゃ三昧、本当に楽しかったですよ。
おもちゃ作りの歴史や工程を見学してよりいっそう興味が沸き、
私の持っている物もこうして職人さんに丁寧に作られたんだと思うと感慨深かったです。
工房には若い職人さんもいました。
伝統をいつまでも受け継いでいって欲しいですね。
このクリスマスピラミッドはものすっごく気に入ってます。
小さめサイズ、素朴な色あい、そしてくるくる回る天使の楽団、
ろうそくに照らされて天使たちの頬が輝くんです。
今までいろいろなクリスマスピラミッド見ましたが、
これ以上ステキなものは無い!(←親バカ)
ホント、なごみますよ〜。

木のオモチャは本当に心が休まりますね。
ずっと昔に訪問したドイツの友人の奥さんの言葉を思い出します。いつもクリスマスになると東独の姉の所にいろんな物を送ってあげてたけれど向こうから贈れる物はこれぐらいしかないのが可哀相だと上の風車のついたオモチャを見て話していました。
このトピックスを見るとまだまだ縁の薄い旧東独に行きたくなりました。

4nobuさん、こんにちわ。
コメントありがとうございます。
東西分断時代には多くのオモチャメーカーが国営化され、エルツ地方の特産品として人気があった製品は国に買い上げられ、外貨獲得の為ほとんど輸出されていたそうです。それでもいくつかのメーカーは国営化されず、従来どおりこつこつと生産を続けていったそうです。
ピラミッドなどのクリスマスの飾りはもともと純粋に各家庭で楽しむためのものだったとのことです。貧しい中で何でも自分たちで手作りし、クリスマスの気分を高めたのでしょう。そしてそれを大切に引き継いでいったのですね。
こうした素朴な木のオモチャや飾りは今でも人々を魅了し、これを目的にツアーが組まれるほどの人気です。伝統的なものを大切に受け継いできたおかげですね。
ていねいに作られた木のおもちゃは、見ているうちにだんだん愛着がわいてきて「自分だけのもの」という気がしてきます。私の自慢(?)のコレクションも今後登場させようと思っていますので、また見てみてくださいね。
※5月末のモーゼル旅行、具体的に決まりました(コッヘムのホテルを予約しました)。また4nobuさんの旅行記を参考にさせていただきますね。
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