メキシコ・カンクンのリゾートクラブ滞在③（カンクン・パレス）

2012/02/18 - 2012/02/25

カンクンには巨大なリゾートホテルが多数あり、お互いに個性を競い合っている。また、会員制のリゾートクラブやオールインクルーシブのリゾートも多く、高級ホテル好きな人にとっては楽しい場所である。宿泊しなくても豪華ホテルを見学しに出かけると楽しい。そこで１つ裏技がある。会員制リゾートクラブの会員権販売説明に参加するのである。参加特典として「無料飲食、格安ツアーチケット購入」等がある。もちろん面倒なことも多々あるので、お勧めはしない。以下私の体験報告である。
写真：カンクン・パレス
注：為替は旅行した当時のレート１ドル＝80円で以下換算する。

私のホームページ『第二の人生を豊かに―ライター舟橋栄二のホームページ―』に旅行記多数あり。
http://www.e-funahashi.jp/

エリア カンクン(メキシコ)

2月21日（火）朝8:30、妻と一緒にタクシーの送迎付きで「カンクン・パレス」（写真）に向かう。今日はカンクンパレスの会員権販売説明に参加する。

高額なリゾートクラブの会員権を買う気はないが、カンクンパレスの施設見学と「無料飲食」を目論む。禁断の裏技を使う。写真：カンクンパレスのフロント付近にあるジュース・ボトルの水（無料）

リーマンショック後の大不況の後、カンクンのリゾート会員権販売はどのようになっているのか？私は非常に興味があった。朝9時過ぎ、若いメキシコ人販売員とレストラン（写真）に行き、ビュッフェの朝食となる。彼の英語は流暢で聞き取り安く、軽いおしゃべりをする。

その後、部屋の見学となる。高層階の客室（写真）に案内される。スタンダードのツインタイプの部屋で、ベッドサイドに大型のジャグジーバスがある。

ベッドが大きいので子供２人まで大丈夫とのこと。室内はピカピカに磨かれている。

カンクンパレスは食べ放題、飲み放題（アルコールを含む）のオールインクルーシブ・リゾートなので、客室の冷蔵庫・ミニバー（写真）内の飲み物も無料である。

パウダールーム（写真）もピカピカ

２人は入れそうな広いシャワーブース（写真）。

客室のバルコニーからの眺め（写真）が凄い！オーシャンビューの部屋は全室バルコニー付き。

「ガーデンプールとカリブ海」（写真）。バルコニーからこのような光景を見れば誰でもこの部屋に泊まりたくなる。そして、会員権も欲しくなる。お客を舞い上がらせるのがホテル側の作戦である。

次に広いバルコニー付きのスイートルームに入る。まずは広々としたリビングルーム（写真）がある。

隣に独立したベッドルールがある。

巨大なキングベッドが１台置かれている。

ベッドと窓との間にジャグジーバス（写真）がある。

そして、大きな窓の外には…？

驚くほど広いバルコニー（写真）になっている。

ここからの眺め（写真）は壮観！

息を飲むほど美しいカリブ海が広がる。

天空のバルコニーに置かれたテーブル（写真）。ここでルームサービスの朝食を食べたらどんな味がするのだろうか？ランチは？ディナーは？
贅沢にはきりがない。「やり過ぎだ。天罰が当たる〜」

ここからは高級ホテル「ＪＷマリオット・カンクン・リゾート＆スパ」（写真）の全景が見える。ここも美しい。施設見学した後、会員権販売会場に移動する。会場はほぼ満席で熱気に包まれている。これは驚きだ。

さて、会員権の値段は＄58000（約464万円）。「年会費なし、有効期限30年、120週間利用可能」しかし、ハイシーズン（2月〜4月）に宿泊する場合、１週間の滞在で＄3000（約24万円）かかるという。
写真：カンクンパレス全景

この＄3000の宿泊代金はツインルームを２名で利用した場合の２人分のオールインクルーシブ代金なので１人1泊＄214（約17000円）になる。これなら旅行社から一般予約した代金と同じになり会員権を買うメリットがない。
写真：カンクンパレスのプールとビーチ

そこを質問すると「２週間目以降は１週間＄699（約56000円）で泊まれます」。さらに、「友人を紹介すると友人は＄3000で最初から本人は＄699です」
写真：ランチに利用したレストランのテーブル席

なるほど、泊まれば泊まるほど単価が安くなり、友人・知人にセールスをすれば最初から（＄699、１人1泊約4000円）で泊まれる。アルコールを含めて３食飲み食い自由なので、これは安い。
写真：ランチのビュッフェ・レストラン

それでも会員権が高いとねばると、若い販売員が引っ込み中年の（恐らく）上司が出てきて、＄38000でどうか？と提案してきた。いきなり＄20000（約160万円）の値引きだ。
写真：ランチのビュッフェ・レストラン

ああだこうだと屁理屈をつけて拒否をし続けると、またしても販売員が変わり、最後の特殊な格安会員権を提案し始めた。私は相当疲れてきて、「もううんざりだ……」と心の中で叫ぶ。
写真：私のランチメニュー

お昼近くになり、商談テーブルのあちこちから「Congratulation」の声があがり拍手に包まれる。驚くべき事に、買い手は「ブラジル人、アルゼンチィン人、ペルー人」等、南米出身者ばかりだ。
写真：私のランチメニュー

私はリーマンショックの前にもカンクンで２度、会員権販売に参加したが、当時のお得意様はアメリカ人ばかり。アメリカの衰退、新興国の隆盛を目の前で見ている感じがした。
写真：ランチのレストラン

最後まで固辞する我々に担当販売員は遂にあきらめ「もう二度とカンクンパレスの説明会に参加しない」という誓約書にサインして解放された。教訓：タダほど高いものはない。（英語の実践練習には抜群だ）
写真：ランチのデザート

その後、誓約書を持って他の部屋に行き、「１デイ・パス」チケットをもらう。ここでカンクンからのツアーを格安で買える特典も提供されたが予定がないので辞退する。写真：ガーデンプール

次に、１デイ・パスチケットをフロントに持っていき、オールインクルーシブ用のテープを手首に巻いてもらう。これで、今日一日、カンクンパレスの宿泊者と同じサービスが受けられる。
写真：ガーデンプール

１デイ・パスは「朝食、昼食、夕食、間食等、食べ放題、飲み放題、タオルレンタル、プール利用」ができるチケットで、別の日を指定しても使える。
また、ビジターとして誰でもフロントで購入もできる。
写真：プールとビーチに挟まれた通路

「１デイ・パス」の値段を聞いてみたら１人＄91（約7280円）という。会員権販売説明は面倒なので、お金を出して手っ取り早くカンクンパレスを利用する手もある。沢山食べる人やお酒が好きな人は十分もとが取れると思う。
写真：カンクンパレスのビーチ

しかし、このホテルは問題点が多い。まず第１に、写真にあるようにプールサイドのチェアーが満席状態である。

収容人数の割に敷地が狭くプールやプールサイドはいつも混み合っている。
写真：プールバー

さらに、プールサイドの一角にライブスタジオがあり、大音響でハードな曲を演奏している。私には耐えられない騒音である。
写真：水中バレーボール

カンクンパレスの施設と目の前のカリブ海は素晴らしいのであるが、優雅なリゾート気分にはなれない。残念である。人魚姫？（写真）を見ながら心をいやす。

不思議なことにレストランのスタッフにあまり笑顔がない。低賃金・長時間労働をさせられているのであろうか？それとも教育不足？
写真：ビーチサイドのテーブル席

しかし、食べる所は充実しており、いつでも何か食べれる。又、タダで飲める。飲み食い自由は気楽でいい。

ホテル内のツアーデスク（写真）。ゴルフをはじめカンクンから様々なツアーがあるが、ホテル宿泊者は無料という。ここも会員権販売の大きなセールスポイント。

夕暮れ前、ビーチに特設テーブル席がセットされている。予約制の「ビーチ・ディナー」である。勿論無料。

ホテル２階に円形のプールがあり、その周りがレストラン「ザ・ステーキ」になっている。アラカルトでステーキの注文ができる。

レストラン「ザ・ステーキ」と背後のホテル客室（写真）。

夕暮れのカンクンパレス（写真）。さて、今夜のディナーはどこで食べようか？

夕闇迫るカンクンパレス（写真）。レストランは５カ所、ステーキの「ザ・ステーキ」、イタリア料理のリストランテ「チャオ」、アジア料理の「禅（Zen）」、メキシコ料理の「フリダ」、インターナショナルビュッフェの「ザ・マーケット」。

我々は無理であるが「24時間ルームサービス」もある。オン・ザ・ビーチでのディナー（写真）がはじまっている。しかし、かなり暗いようである。

我々はアジア料理レストラン「Zen」に行く。オリエンタルディナー＆鉄板焼きということで、日本料理もある。前菜：春巻き

天ぷらうどんを注文したら、パスタ風スープうどん（写真）が出てきた。天ぷらはうまい。

何を注文しても無料なので、サーモンとマグロの刺身、にぎり寿司、天ぷら盛り合わせ（写真）にする。にぎりのご飯が「酢飯」ではない。奇妙な日本料理である。

夜のレストラン。１階がビュッフェレストランの「ザ・マーケット」、２階がステーキハウスの「ザ・ステーキ」（写真）。

帰りのタクシーチケットももらっているので、夜9時頃、カンクンパレスを後にし、タクシーで我々のホテル「クラブ・レジーナ」に帰る。無料で１日遊んだが、何となく疲れが残るカンクンパレス滞在であった。