パフィン・ウォッチングの旅 / スコーマー島

2009/05/26 - 2009/05/29

ウェールズは南西の端っこに位置するペンブルックシャー。海岸沿いは国立公園になっています。

このペンブルックシャーの先っちょにSkomer島という小さな島があります。
この島全体が自然保護地区のため、一日限定250人しか渡ることができません。

そんな偏狭の地に、この時期多くの観光客が集まります。
その目的は、パフィン（日本名：ニシツノメドリ）
私も、本物のパフィンが見たくて、こんなところまで来てしまいました。

イギリス北東部のファーン諸島では、パフィンが激減しているとBBCのニュースでも報道されましたが、スコーマー島のパフィンは増えているようです。

島へは、マーティンズ・ヘッドという恐ろしく小さなフェリー乗り場から、漁船のようなフェリーで渡ります。
50人乗りのこのフェリー、最高でも1日5便しか出ません。予約はできませんので、朝フェリー乗り場で並ぶ必要があります。
私が行った日には、午前8時にはもう人がちらほら来ていました。
ちなみに前日は、悪天候のためにフェリーが運休だったとのこと。

1日15人は島で宿泊も可能。こちらは事前予約制です。

ちなみに、島では水以外は売っていませんので、ランチ等の食料は持参する必要があります。

この島のハイライトはなんと言ってもパフィン。

この島のパフィンは、全くと言っていいほど人を怖がりません。
口にたくさんの魚をくわえたパフィンが私の足元をテケテケ歩いて通り過ぎた時には感動しました。

ちなみに、パフィンは渡り鳥ですので、島に行ったからといっていつでも見られるわけではありません。ご注意ください。
特に親鳥がヒナに餌を運ぶ様子（口いっぱいに魚を何匹もくわえています）が見られるのは、スコーマー島のウェブサイトの情報では６月半ばから７月上旬とあったので今回は見れないだろうと諦めていたらところ、予想に反し何度も見ることができラッキーでした。

島はパフィン以外も自然が充実していて、パフィンがいない時期でも、見るもの豊富です。
確か9月か10月頃は白い毛に覆われたアザラシの赤ちゃんが見られるらしいです。こちらは島を周遊するフェリーがあるのでそちらのほうが見やすいのかなと思いました。


この旅行で参考にしたのは以下のウェブサイトです。

【スコーマー島】 http://www.welshwildlife.org/skomerIntro_en.link
左側にメニューバーがあるのですが、ここを一通り見れば、スコーマー島の予備知識を十分に得ることができます。

【鉄道】 http://www.nationalrail.co.uk/
チケットは念のためミルフォード・ヘイブンまで買いましたが、手前のハーバーフォードウェストで降車してバスに乗り換えました。
鉄道駅のすぐ隣にバスストップがあり便利です。

【バス】 http://www.pembrokeshire.gov.uk/content.asp?nav=838%2C839%2C844&parent_directory_id=646

【宿泊】 http://www.hostelworld.com/ （フィッシュガード）
http://www.yha.org.uk/ （マーローズ・サンド）

♪飛ぶのがあまり上手じゃないパフィンのためにこのテーマ曲を♪
http://www.youtube.com/watch?v=CX_EQHvxTG4

エリア イギリス

スコーマー島へ行く前に、ペンブルックシャーの北部へも立ち寄りました。

ペンブルックシャー国立公園の海岸沿いにはパスが通っているのですが、北部のカーディガン湾ではイルカが見れるかもしれないので、とりあえず寄ることにしました。

ここは、フィッシュガード近くの海岸沿いの牧場。

到着した日は天気が良くて、牛たちが気持ちよさそうにお食事中でした。

Fishguard近くの海岸線。

海の色がきれいで、思わずシャッターを切りました。

Pembrokeshire北側のコースト・パスからの眺め。
今回はイルカは見れませんでした。

ペンブルックシャーでの移動は今回全てローカルバスを利用。
ハーバーフォードウェストを中心にあちらこちらへたくさんのバスが走っているので、車がなくても問題なさそうです。

翌日、マーローズへ向かう前に寄ったSt. David's

大聖堂はBBCのラジオ番組の録音のため見学できませんでした。。。

泊まったのは、Martins Headに一番近いユース・ホステル。

ホステルはまさしくMiddle of Nowhereで回りには農場が１軒あるだけ。

ホステルにはラウンジやキッチンはもちろんありますがテレビはありません。
天気が悪いと、何もすることがありません。

最寄の村、マーローズへは徒歩約２０分（近道使用の場合）。
村にはパブが１軒。カフェが１軒。日用品や食料品を少し売る郵便局が１軒。

いいじゃないですか、自然を楽しみに来たんです。
店なんかいりません。

このビーチ（満ち潮のため陥没中）はそのホステルの裏手にあり、ホステルから徒歩約３分。
天気がよければ海岸沿いを散歩したり、自然を堪能することができます。

夜になって暗くなると否応にもホステルでじっとしていなきゃならないので、明るいうちはとにかく動き回ります。

ペンブルックシャーは牛が多い。

イングランドは羊が多いが、このエリアは牛なのか。

こんな標識も発見。

大西洋に沈む夕陽

名残惜しいですが、暗くならないうちにホステルへ戻らなければ。

あたりまえですが、街灯なんてありませんから、真っ暗になってしまいます。

翌日、早起きして海岸沿いのフットパスを散歩がてらマーティンズ・ヘッドへ。

スコーマー島へ向かう漁船まがいのフェリーでは、乗客の頭のすぐ上をかもめが通り過ぎます。
よく見ると、船頭さんが船を操縦しながら、かもめにパンをあげていました。

そして、いよいよやってきました、スコーマー島。

船着場でパフィンがお迎え。

Skomer島からの眺めです。

8時前に島に渡るフェリーの乗り場に到着して並びましたが、並んでも行く価値はありました。

マーローズ・サンドのホステルからフェリー乗り場までは海岸沿いのフットパスを使って徒歩約40分（途中、写真を撮ったり、牛を眺めたり、のんびり歩いて）でした。

Skomer島のパフィン

ご夫婦でしょうか。

「お父さんは今日は疲れた！うちに帰って寝るっ！」

「あら、勝手にしてくださいな。私はもうしばらく観光客を見物してますわ」

実物を見るまでは、何の根拠もなくペンギンくらいの大きさだと思い込んでおりました。

実際は、もっと小さかった。
３０ｃｍくらい。

パフィン、くつろぐ

ペタペタと歩きます。

あっちでペタペタ、こっちでペタペタ、ペタペタペタペタよく歩き回ります。

パフィン、歩く

飛ぶぞ〜

う〜ん、もう一息。

崖まで来ちゃいました。失敗。

くぅ〜、かわいらしい。
バス１時間＋電車４時間半＋バス３０分もかけてここまで来た甲斐があるってもんです。

あー、行かないでぇ。

カムバーック。サービス精神旺盛。

「飛ぶのも失敗しちゃったし、歩いて漁にでも行くかな。こう見えても、泳ぎは得意なんだぜ」

わかりにくいのですが、口に魚を数匹くわえています。魚はヒナにあげる餌です。

パフィンがいっぱい。幸せ。

この旅行記へのコメント （14）

• takemoさん 2010/04/20 23:24:51

  やられました〜。

  Dry White Toastさん、こんにちは〜。
  
  今日は、たっぷりお邪魔させて頂きましたが、パフィン！！
  や　ら　れ　て　し　ま　い　ま　し　た　〜（ばたんきゅ〜）
  
  可愛い過ぎ注意報！出ていますね〜。(笑）
  
  ＞う〜ん、もう一息。
  の写真、最高です♪
  
  実際に助走をつけて飛ぶのでしょうか？
  なんだか丸々していて、本当に飛べるのかさえ疑ってしまいます。（＾＾）
  
  そして、断崖と海の風景はイギリスらしいですね。
  人を寄せ付けない雰囲気、「う〜ん！」なんとも言えないほど良い感じ、
  自然の姿に圧倒されます。
  夜は真っ暗で散歩なんて命掛けなのでしょうかね。
  
  美しい風景と可愛い子達、楽しませてもらいました。
  
  それでは、また〜（＾＾）/~~~
  
  　takemo
  
  
  

  Dry White Toastさん からの返信 2010/04/21 05:01:23

  可愛い過ぎ警報出ちゃってます＾＾）

  takemoさん、こんにちは。
  
  でしょ？でしょ？もうメチャクチャ可愛いですよね〜！
  以前から写真やテレビでしか見たことがなかったのですが、どうしても実物が見たくて、わざわざウェールズの端の端の辺鄙な場所まで行ったんですが、もうその甲斐があったってなもんです。
  
  あまりの可愛さに、このポイントに長居してしまいましたが、たくさんの人がこの場所に長時間いると、パフィンも野生の鳥なのでストレスがたまってしまうそうなんです。
  後ろ髪を引かれながらこの場所を去りましたが、一日中でもここにいたかったくらいです。
  
  
  > 実際に助走をつけて飛ぶのでしょうか？
  > なんだか丸々していて、本当に飛べるのかさえ疑ってしまいます。（＾＾）
  
  そうなんですよ！助走して飛んでました。
  それも、ぺたぺたぺたぺたーーーーーって、あんな足で＾＾）
  その姿がまた愛らしいんですよぉ。見てるだけでデレデレになります。
  
  
  > そして、断崖と海の風景はイギリスらしいですね。
  > 人を寄せ付けない雰囲気、「う〜ん！」なんとも言えないほど良い感じ、
  > 自然の姿に圧倒されます。
  > 夜は真っ暗で散歩なんて命掛けなのでしょうかね。
  
  もしかしたら、これって典型的なブリテン島の西側の風景なのかもしれません。
  コーンウォールやスコットランドの西側もこんなような雰囲気でした。
  
  夜は本当に真っ暗で、まともな光と言えば月の明かりだけでした。
  夕暮れ時に虫が多いのは難点ですが、俗世から隔離されたような世界で凄くリフレッシュできた休暇になりました。
  
  来年あたり、また行こうかななんて思ってます。
  
  
  Dry White Toast

• kumさん 2009/10/02 00:21:23

  パフィン激もえ〜

  この島はヤバイですね！
  
  パフィンは私の野望の一つですが
  ここまで大量に出会えることまでは
  期待してませんでした！
  羨ましすぎです〜
  
  しかしこんなずんぐりした体型で渡り鳥だったとは！
  意外と根性があるんですね
  
  kum

  Dry White Toastさん からの返信 2009/10/02 06:32:13

  パフィン天国です

  kumさん、こんにちは〜♪
  
  この島のパフィンの数ったら、本当に凄いんですよ。
  びっくりするぐらいに人間を怖がらないし。
  
  人間がこの島のパフィンに少なからずストレスを与えているようなので、見学しながら罪悪感を感じなかったわけではないのですが、パフィンには申し訳ないけど本当に行ってよかったと思える場所でした。
  
  
  > しかしこんなずんぐりした体型で渡り鳥だったとは！
  > 意外と根性があるんですね
  
  そう言われれば、おっしゃるとおりですねー！kumさん、するどい！
  魚を捕まえるのは上手だけど飛ぶのは得意じゃないとWikipediaにも書いてありました。
  こんな愛らしい容貌だけど頑張りやさん。ますますパフィンが好きになりました。
  
  
  Dry White Toast

• 迷子さん 2009/09/06 19:17:29

  よちよち〜ぺタぺタ♪

  歩きのパフィンちゃんズ（ちゃんと複数形？）は
  可愛くて癒されますだねー！
  このツノメドリのお仲間は
  地上ではドン臭くっても海中ではミサイルみたいに
  すばしっこいハンターなんっすね。
  北海道にも海岸線には昔はこのお仲間の
  エトピリカって呼ばれてたのが居たどすた。
  （今は・・・・もう絶滅寸前・・・・）
  ここのパフィンちゃんとアイメイクがチョッと違うっす。
  ウェールズでは大事に保護されているざんすね〜！
  こんなそばまで行けるどすか？
  ペンブロークシャーも
  知名度が低いけど景色も最高の
  穴場観光地でございますな。

  Dry White Toastさん からの返信 2009/09/06 20:54:49

  エトピリカもかわいいですね！

  エトピリカ、写真を見てきました。
  こちらはお腹まで真っ黒なんですね〜。
  日本では絶滅寸前だなんて、悲しいですね。
  コロニーに最適な環境を整えて、なんとか数を増やせないもんでしょうかねー。
  
  このスコーマー島では、一日の渡航者を限定して、パフィンやその他の野鳥やアザラシの生息環境を整えているのですが、それでも、観光客が少なからずパフィンにストレスを与えているのは間違いないですね。
  
  結構な数のアマチュア・カメラマン（もしかしたらプロもいたのかも）達が、長さ５０センチはあると思われる巨大レンズを装備したカメラを一人２台も並べ長時間陣取っていたので、係の人に注意されていました。
  同じホステルに泊まっていた人に後で聞いた話だと、言い返していたカメラマンがいたそうです。
  島に上陸した際に、「パフィンにストレスを与えないように」って一応説明を受けるんです。最低限のルールは守って欲しいですよね。。。
  
  
  > ペンブロークシャーも
  > 知名度が低いけど景色も最高の
  > 穴場観光地でございますな。
  
  そうですよねー。イギリス人、ドイツ人、オーストラリア人などの観光客はいましたが、日本人どころかアジア系の観光客は皆無でした。
  いいところなのに、もったいない。
  迷子さんもフィッシュガードに宿泊されたんですよね？私も１泊しました。
  立地的にはかなり便利な場所にあるのに、観光名所という名所らしきものがないから、観光客少な目で静かでよかったです。
  その後、St.David'sの観光客の多さに驚きました。でもやっぱりアジア人皆無^ ^)

• daskipfelさん 2009/07/13 20:22:01

  かわいい〜

  Dry White Toastさん、はじめまして！
  パフィンかわいいですね〜。ペンギンかと思いました。
  コメントそのままの夫婦パフィンの会話が聞こえてきそうですね〜^^
  またのぞかせて下さいね！

  Dry White Toastさん からの返信 2009/07/13 21:11:45

  RE: かわいい〜

  daskipfelさん、ご訪問ありがとうございます。
  
  そうなんですよ、私もパフィンに感動して、「よし次はペンギンだ！」と硬く心に誓いました。
  しかし、先立つものがないので、しばらくは水族館で我慢です。

• mate_teaさん 2009/07/13 17:51:57

  ピングーみたい！

  
  なんですか、これ！
  こんな動物初めて見ました。(＠_＠)/
  パフィン、てお菓子みたいな名前も初めて聞きました。
  でも飛ぶんですねー。
  さすが、孤島？です。
  まだまだ知らない動物がいるんだなぁ。
  
  テケテケ歩いてやって来たら、完全やられちゃいますね（≧∇≦）
  かわいぃ〜♪アシモ顔負けです。
  
  
  mate_tea

  Dry White Toastさん からの返信 2009/07/13 20:48:21

  RE: ピングーみたい！

  mate_teaさん、早速こちらのほうにいらっしゃってくださったみたいで、ありがとうございます。
  
  もう、本当にかわいかったですよ〜、パフィン。
  でも、アシモ気球も負けちゃいませんよ〜＾＾）
  またさっきもmate_teaさんの旅行記でアシモ君を見て癒されました。
  
  パフィン、こんな可愛らしい姿をしていながら、飛ぶスピードが結構速いんです。
  残念ながら、私のコンパクトカメラの性能では飛んでいる姿を写真にうまく収めることが出来なかったのですが。
  
  パフィン・ウォッチングは本当にいい経験でした。
  次回は、アザラシの赤ちゃんウォッチングでスコーマー島を再訪問できたらいいなと思っています。

• がんもさん 2009/07/12 21:54:59

  らぶりぃ♪

  Dry White Toastさん、こんにちは。
  パフィンすごくかわいいですね！
  最初に見たときはギネスビールの鳥さんかと思ったのですが、
  ギネスビールのはくちばしが長いので違ってますね。
  
  今回の旅行記の中で一番、ツボにはまったのがこのお写真です。
  左の上の方にいっぴきだけがけっぷちから飛び込もうとしている子。
  共感を覚えました･･･笑
  
  一日２５０人しか行けない島･･･
  そんな場所にぜひ行ってみたいと思います。そしてのんびりと。。
  
  すばらしい旅行記を見せてくださってありがとうございます。
  またお邪魔します♪
  
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　がんもより

  Dry White Toastさん からの返信 2009/07/13 01:45:57

  RE: らぶりぃ♪

  がんもさん、こんにちは。
  早速、ご訪問頂いたようで、有難うございます。
  
  パフィン、本当にかわいかったですよー。
  ここの島のパフィンは人を全く怖がらないので、すぐ近くで見れるのがよかったです。
  
  がっけぷっちから飛び込もうとしている子、あんなに小さなパフィンにも気が付いていただけたんですね。
  あのパフィンも、命を懸けた甲斐がありましたね。
  
  そう言われれば、ギネスの鳥って、パフィンに似てますねー。
  がんもさん、素晴らしい着眼点。
  
  この旅行の後、パフィンについてもうちょっとWikipediaで調べてみたのですが、アイスランドに近いデンマーク領のどこかの島では、パフィンは食用らしいんです。
  これは、ちょっとショックでした。
  食文化ですから、仕方がないのでしょうね。
  

• Noririnさん 2009/06/07 22:17:29

  はじめまして

  Dry White Toastさん　ビール大好きコミュニティへのご参加有難うございます。
  
  プロフの写真良いですね(^0^)v
  いかにもビール好き！って感じで♪
  
  パフィンは激カワですね！
  こんな愛らしい動物を見る事が出来るなら
  イギリスへ飛んで行きたい！！
  海も凄くキレイだし癒されそうですね。
  
  Dry White Toastさんのお好きなビールやおつまみ等、色々書き込んでいただけると嬉しいです。
  お時間がある時に自己紹介をお願いしても良いですか？
  http://4travel.jp/community/topic/10000174/10003298/
  
  これからも宜しくお願い致します。
  ビール大好きコミュニティ管理人 Noririn

  Dry White Toastさん からの返信 2009/06/08 20:46:43

  こちらこそ宜しくお願い致します

  ビール大好きなんて、なんてステキなコミュニティなんでしょう。
  見つけたときは感激しました。
  
  先日は、コミュニティに参加だけして、他のメンバーの方々の書き込み等をじっくり見る時間がなかったのですが、これからゆっくり拝見させて頂こうと思います。
  
  Noririnさんのページへも後ほどおじゃまさせていただきます。
  
  イギリスのリアル・エールにはちょっとこだわってますので、そちらの方も、今後少しずつアップさせていただきます。