2006/08/19 - 2006/09/19
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こまちゃんさん
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9月11日
とうとう南疆最大の町を離れる時が来た。
アメリカ国防ビル911事件5弔年のこの日に、喀什から烏魯木齊への移動となった。
特に何も関係はしないけど・・・。
皮肉にも、今日から天候が回復し、上空には青空が広がり始め、あの忌々しい砂のテントは見当たらなくなっていた。
悔しさと遺憾の意を抱いた我々を乗せ、ワゴン車は喀什站へと向かう。
万感の思いを秘め、厳かに且つ哀愁を抱きながら、列車からみんなに手を振って・・・
と言う事が出来ない中国鉄道事情。見送りでホームに入れる人数は切符の数だけ。
安全検査の荷物検査やなど、列車が出るまでに一騒動有りそうだなぁ・・・と言う不安を感じながら、
1つ1つの作業をこなして行くしかない。(^^;
情緒や侘び寂びを味わう舞台が損なわれる事からも、やはりまだまだ追いつかない国だと感じる。
でも、それは発展途上の中では仕方がない事なのだろう。
何でも許していると、自分が足をすくわれ兼ねない。細かな管理は到底出来ないし…。
別れも淡泊、態度も淡泊。旅の終わりに、それでは一味足りない感じがするのはこまだけだろうか?・・・
何をどう考えようが、我々を乗せた列車は時間通りに出発し、現実から思い出の世界へと連れ去って行くのだ。
タイトル訳:
再見喀什!望永遠発展絲綢之路的清真古城不需漢
さようならカシュガル!イスラムシルクロードの進展に漢民族は不要。
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス タクシー
- 航空会社
- 中国国際航空
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-
N948次の列車は、午後2時7分発。
今日は早めに起きて爺ぃのカバンをまとめようと思っていたけど、友達から頼まれた宿題が沢山あって、今日も朝から絵を描くと言う。
韓さんが、我々を誘いにやって来てくれたが、爺ぃは友人への絵をまだ描いている。
仕方がないので爺ぃを置いて、クニクニを連れて不味い朝食を戴きに部屋を出る。
爺ぃ、後で来ると言うが、、、 -
エレベーターを出た所で、すれ違いに別のエレベーターで上に向かった連中を見て、
「あれ?あれは爺ぃの友達・・・こんな時間から来るの?遠慮ってないんかな・・・これで爺ぃは朝食抜きだよ」
爺ぃの性格をよく知っているこまはそう思った。
後で聞いたら、彼らにも絵を描くハメになったらしい。結局爺ぃは朝食抜き。友人達は「真不好意思」と口では言うけれど、だったら切羽詰まったこんな時間に来なければ良い。しかも、昨日の同窓会にも来ていた人だし、昨日の夜にもホテルに数人来ていたので、その時に一緒に来てくれたら良かったのだ・・・。 -
小叶が見送ってくれると言う事で、会社の車で12時に迎えに来て呉れた。
本来、その足で食事に出掛け1時に駅に向かう予定だったけど、朝のイレギュラーに時間を取られて12時に出発できず、結局其尼瓦克賓館での食事となった。 -
本来、烏魯木齊−上海は飛行機の切符を取る予定だった。莎車でアクションしていたが、9月8日から料金が倍に跳ね上がってしまい、急遽列車に変更。
ネットで購入するつもりだったので、韓さんの口座へ入れたままのお金を、韓さんに取りに行って貰っている間待っていた。
可愛い小鳥も一緒に待ってくれている。 -
ホテルの人のだろう。黄色いQQ。
中国では、昔日本でも流行ったように、車の端々に「デザインモール」を付けるのが好き。
今では、フラットな面が主流の日本とは大違いで、ごつごつごわごわで有ればある程良いみたい。
テールの色別にシルバーモールが売られているくらいだ。 -
ペチュニアの花。
今までは何気なく見ていたので気付かなかったが、何とも沢山の種類があったようだ。
これは普通のピンク。 -
これが変わっている。
花茎がドンドン繋がって、龍の首みたいになって繋がっている。
普通のは、花が葉の間に咲き、終われば葉が付いた普通の茎にしか見えない。 -
こっちも普通のタイプだが、こんなにはっきりしたブルーを見たのは初めて。
-
沢山のペチュニアを見ながら待っていると、韓さんが戻ってきた。
韓さん:「我拿錯了我的銀行{上下}。存過的銀行是工商銀行,我拿的農業銀行的…」
韓さん(*o☆)\バキッ!ダメジャン!
費用が殆ど底をついていた我々、帰りの3人分の列車代は、そのチケット代からしか出せないのだった。 -
仕方がないので、他の方法を考える事にした。
取り敢えずは郵便振替で送るように、韓さんは韓さんの奥さんに連絡していた。
画像は、我々と同じく、其尼瓦克賓館で昼食中のドイツ人旅行客達。 -
点菜中の爺ぃ。
小姐に話す冗談が多すぎて、中々注文出来てなかった。。。(^^; -
その間に小叶は、「喀什一旨いナンと烤包子買ってくるね」と、どこかへ会に出掛けていた。
戻ってくると、、、、
沢山の喀什葡萄。。。
皮が極薄で、そのまま食べられる優れもの葡萄。なのだが、ちょっと多すぎ。。。 -
无花果(新疆イチジク)。
これはみんなで全部平らげた。
どれも全て地元人しか判らない所で買い廻って来たそうだ。 -
喀什一旨い葡萄と无花果2つを並べて記念撮影。
-
ああ〜ん、ボクも忘れないで!
と、これまた喀什一の烤包子! -
これは料理に載っていた「ミニ唐辛子」
この優しい顔したミニが「激辛」なのだった。。。 -
結局、料理は小叶が頼んだのだが、これ、、、料理頼みすぎ。。。(@@;
しかも注文した後に、ナンや烤包子や果物を買ってきて食べてしまったので、出てきた5つの料理とスープや湯麺が沢山残る。
こまはこの日、歯の痛みが激しくなり殆ど食べられず、クニクニも朝食の後直ぐだったのと、先にも色々食べさせられていたので殆ど食べられなかった。 -
勿体ない料理。
罪の意識を感じながらも、時間は待っては呉れないので出発した。
ワゴン車の中。 -
喀什も大きな町になった。
ホームセンターがあるし・・・ -
大きなホテルもドンドン増えている。
-
駅へ向かう道路縁の家々。
いずれ、これら旧家も無くなるのだろうか・・・
周りの変化と相容れぬその様相故に、漢民族の行う開拓に虐げられているような感じがした。 -
駅へ向かう道路を行く我々。
この雲1つ無い澄んだ青空が、とても虚しく感じられる。 -
駅には1時半に到着。
-
辺境の都市にしては沢山の人でごった返している。
こりゃ、時間はかなりぎりぎりな感じだが、まあ大丈夫だろう。 -
小叶の希望で、駅前で爺ぃとのツーショット。
駅が大きいので、こんな感じしか無理だった。 -
韓さんのお兄さんも来て呉れていた。
彼は、4人目になるので、見送りとしてホームには入れず、ここでお別れ・・・ -
すると、安全検査でクニクニのカバンに入れていた英吉沙ナイフが、検査に引っ掛かり没収される。
後で見送りの韓さんに引き取って貰い、広州に送って貰う事にした。
なので、韓さんとは検査機械の所でお別れとなり、ホームでのお別れが出来なくなってしまった・・・。
付き添いが居なければ、ナイフはそのまま検査員達のものになってしまうのだ。その引き取りは、我々のN948次列車が発車した後でなければならないとの事。取られた訳ではないけれど、検査に引っ掛かった事に関し、中国を渡り慣れている我々としては反省の色を隠せなかった。
中国の駅では、手荷物しか調べないので、あのくらいのナイフなら、ポケットに入れておけば何の問題もないからだ。
この旅で疲れていた頭は、なんと飛行機と列車を勘違いしたようで、荷物に入れておけば預けるので問題ない・・と錯覚していた事は今だから言える事。
兎に角、思慮も考慮も全く足りなかった。
小叶と韓さんの兄さんの息子さんとお別れ。 -
喀什の駅。
この駅のこの色は、今日みたいな青空に映えるものだったんだ。。。 -
始終くすんでいたので、この明るさが何だかとっても新鮮に見えた。
楽器を抱えた人が行く。
十二ムカムの演奏者かも知れない。
次の町は35km先の阿図什。来る時に爺ぃの友人が降りた所だ。 -
人がうじゃうじゃ乗り込んで行く。
秘境を行く南疆列車は人気が高い。 -
帰路の列車は9号車の2階席、22から24番の下鋪3席。
小叶が旅行会社だからなのか、要求は出していなかったけど、良い席を抑えてくれていた。
今後は小叶の経営する国際旅行社で取って貰えるので、往復のウチ、烏魯木齊行きでは2階席確保は九分九厘安心できそうだ。
列車の出発後に韓さんに連絡したら、ナイフは無事回収できたとの事でクニクニもひと安心。 -
車内で席が向かい合わせになったイスラエル人の恋人同士。
彼がギターの練習中らしく、持ってきていたギターを弾きまくるが、、、、、、(@@;;;だった。 -
みんなと別れて車内に落ち着き、滑り出す列車の窓から見上げる空は、皮肉にも雲一つ無い青空。。。
滞在中にこの天気が欲しかった。
窓が汚かったので、角度が変わる部分から手を出せたので、手の届く範囲を磨き倒して綺麗にした。
これなら2階席でも問題なしだ(外からは届かないので拭けない)! -
我々の前の車両端側2枚は、上部の25cm程が内側に45度開閉可能なタイプ。この隙間からでは尼康D100は入らないので、そこを開けて外側部分を綺麗に拭き、窓硝子越しに写真を撮っていた。
↓その窓はこんな感じ
http://4travel.jp/traveler/chinaart/pict/11433570/
ベージュ色の山々と戈壁灘の世界。南疆は、草木がない所は全てこの色、この風景だ。 -
すると、、、
「へへへ・・甘いぜ!」
と言わんばかりに、山々に変化が始まった。
凸凹に変化し始めて、そこに微かに濃淡が現れ始め、 -
何だか美味しそうなケーキみたいな感じになり、
-
マーブルケーキのようにも見えて来た。
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村を1つ越えた頃から、
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チョコレートのコーティングがされたような山景色になり、
-
(上の景色をズームして撮影)
-
やがて色が付き始めたのだ!!
-
鉱石成分の縞模様が色を成し、とても綺麗な「魔鬼城五彩湾」のような偉大な自然の色付けが、
-
こんなに広範囲にわたって続いている。
-
緑色の部分は、草ではなくて山肌自身の色だ。
-
また汚れてきたので再度拭いていると、21番席の広東人旅行客から、「那幺聡明!(何て賢いの!)」と言われてしまう…。別に特別な事でも無いので、嬉しくもなく哀しい感じ。。。
縞模様と色の具合は、進むに連れて色々に変化する。 -
暫くすると、こまが半分しか拭いていなかったので、そのおばちゃんが残りの部分を全部拭いて呉れた。でも、水を多く含んだタオルで拭いたので中途半端、拭き染みが残り余計に汚れた感じだった(@@;。こまがティッシュで仕上げ拭きして上げると、「綺麗になったわ〜」と喜ばれる。
照れくさい感じだが、場が和んで良い感じになった。
時々、別の乗客もやって来て、ここから写真を撮っていた。
「拍一張2元」と書いて貼っておいたら良かったかも・・・?(^^;
彩色山脈最高潮の場!! -
来る時は、曇り空と砂のテントで見えなかった所だろう。
帰りにだけでも見られて良かった!! -
この景色を最後に、ちょっとベッドに横になったこまは、3時間も爆睡してしまった!
(上の景色をズームして撮影) -
20時。
見知らぬ駅に到着。
外の空気を吸って身体をストレッチ。 -
日が沈む寸前に見るN948次列車は、重厚な面持ちを醸し出している。
光の陰陽で、こんな重量感が出たようだ。 -
今来た方角にカメラをやると、逆光に照らされる車体は、また別の様相を呈している。
砂埃にまみれながら、24時間戦う列車だ。 -
乗務員と仲良く話す乗客達。
女性乗務員はみんな若くて可愛いので(若干例外もいるけど・・)、オヤジ連中も退屈しないようだ。(^^; -
夕日が沈んだのと同じくして、名もない駅を出発した。
(名は有るんだけど・・・・・) -
23時15分。
来る時にも降りてみた庫爾勒駅にて。 -
ここを出ると、車窓からも真っ暗で何も見えない。
明日の烏魯木齊到着までゆっくりする事になる。
「さようなら南疆。。。」
お月さんに向かってささやく。
顔や生活習慣は違うけど、彼らは彼らだけで生活する事で平和が保たれる・・と言う事が良く判ったような気がする。
文化を守るという点では、維吾爾人の方が、今の漢民族を遙かに上回っていると言う事は揺るぎない事実だ。
漢民族が不必要だとは言わないが、係わり過ぎると、絶対に両方の為にはならないと思った。
では、明日の烏魯木齊まで祝你晩安!
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この旅行記へのコメント (3)
-
- kovaさん 2006/11/18 09:33:43
- 喀什から烏魯木齊を観ました。
- 喀什はなんと読むのですか? 烏魯木齊はたしかウルムチだと思いましたが。 それにしても遥か はるかかなたの国々ですね! なんとも広漠とした磐山でそれに美しい多重地層が見えるなんて、古生代の地球の活動が足跡を残しているって感じですね。 よく行かれました。
こまちゃんサンはいつも敦煌の辺がテリトリーだと思っていましたが辺境の地まで行かれるのですね。
こんど新しい土地に出かけられたとき、そこの人たちの願い事(宗教)か風習なども入れていただけたら、またこまちゃんサンを追っかけます。 欲張りなお願いですが。
- こまちゃんさん からの返信 2006/11/18 10:34:35
- RE: 喀什から烏魯木齊を観ました。
- kovaさん、おはよう御座います。
書き込み有り難う御座います。
喀什はカシュガルです。莎車はヤルカンド。烏魯木齊はその通りです。
特に辺境の地担当(?)でも無いのですが、ちょっとしたきっかけで
敦煌に住んだりしたため、旅行記の開始と重なって、その辺の旅行記が
多くなっています。元々拠点は上海なんですけどね。
この多重地層は、カシュガルから烏魯木齊へ向かう列車の中から見えます。南疆列車は、色々な風景に出会えるので、そう言った意味でも有意義でした。
宗教的なものや風習感のあるものですね。。。
カメラを向けるのが難しそうですが、チャンスが有れば挑戦してみます!
(人にカメラを充てるのって、中々難しいですよね(~~;望遠使ってます)
こま
- kovaさん からの返信 2006/11/18 13:58:01
- RE: 早速ご返事をいただきありがとうございました。
- 広大な中国を活動範疇にしておられるこまちゃんサンには、ただただ感服いたしております。 小生も数年前はちょろちょろと中国に出かけ異文化に魅せられ、また雄大な景観を楽しみ多彩な食事を堪能してきましたがこまちゃんサンの訪問される土地にはとてもとても無理です。 これからも中国の人びとと色を見せてください。 ありがとうございました。
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