2009/11/21 - 2009/11/21
819位(同エリア1141件中)
べるつくさん
福井晴敏「Op.ローズダスト」2006年刊。「Op.」はオペレーションと読みます。
舞台のほとんどはお台場で、お台場小説といってもよいほどですが、幕開けとなるビル地下駐車場の爆破事件は赤坂で起こります。爆破されるビルは架空のものですが、描写からすると場所はビズタワーのあたりのようです。
表紙の本の写真はそのシーンが出てくる上巻のみで。
なお例によって舞台となる場所のマップはこちら
http://maps.google.co.jp/maps/ms?ie=UTF8&hl=ja&msa=0&msid=111273679200362025208.00046c97288c04bc1711e&z=8
お台場編
http://4travel.jp/traveler/berutsuku/album/10404367/
横浜編
http://4travel.jp/traveler/berutsuku/album/10373291/
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「10月6日、午前6時47分。山王日枝神社前結婚式場前の空き地は、まだ訪れる人もない清涼な空気に包まれていた。」
早朝とはいえ、あえて人前に素顔をさらすローズダストのメンバーたち。お台場はどこもなじみの場所が舞台なので想像がつきますが、赤坂はほとんど知らないので改めて歩いてみたかった場所です。 -
「山辺俊作は小さく息を吐き、石段の最上部から外堀通りを見下ろした。
踊り場に立つ巨大な鳥居がまずは見え、その向こうを行き交う車列、通りを挟んで建ち並ぶオフィスビル群の壁が順々に見えてくる。」
石段というのがエスカレーター併設の幅広のものを指しているのかいまひとつ不明ですが、位置的にはたぶんそうなのかなと。 -
「石段の途中にひとり。社務所脇のベンチにひとり。結婚式場の入口前にひとり。境内に回る通りの角にもひとりが立ち、人の出入りにそれとなく目を光らせている。どの顔も若い。」
山王日枝神社、境内はこのようになっています。ちょうど七五三でにぎわっていましたが、そういえば並河警部補の丹原に対する第一印象は七五三でした。 -
「灰色で閉ざされた都心の一等地に、そこだけ樹木の緑に覆われた高台を際立たせる日枝神社。」
さきほどの幅広の新しいものとは別にもとからありそうな石段の降りた場所にある神社名の石碑。 -
「周辺交通機関はタクシーを含めて残らず調べ尽くされ、当該時刻前後、神社周辺にいた者はすべて地取り捜査の対象になる。」
改めて読んでみるとこの冒頭の赤坂のシーンでの神社の描写はさほどページ数をとっているわけではありません。福井作品は濃密なためか登場する場面が短いながらも、赤坂の中で日枝神社のシーンが印象的でした。 -
「男は山辺の肩に手を置き、ぐっと握りしめてから正面の石段を下っていった。」
並河、丹原の二人の主人公と対をなすといってもいい主要キャラ、入江の登場シーンでした。 -
「「オペレーション・ローズダスト。状況を開始する」
リーダー-入江一功が口にしたのは、そのひと言だった。」
お台場での「ショータイム」と並び印象深い一功のセリフでした。 -
「それより少し前、日枝神社の一画から発信された微弱なデジタル波は、付近の中継局を介して赤坂フォルクスビルに搬送され、敷設されたアンテナ線を伝わって地下駐車場に達していた。」
お台場がメインの舞台ながら、事件の発端はこの赤坂でのビル地下爆破です。なぜか赤坂なのか、という気もしますが、フジテレビに対抗してTBSを出すため? -
「「そこの角のとこでいいや」と言ってから三秒後。運転手が路肩に車を寄せるまでに、料金装置の表示が1940円から2020円に上がった。」
「首都高速3号線の高架下を走る六本木通りは、交通規制のあおりを受けて車が数珠繋ぎになっていた。」
そして、場面は変わって並河警部補の登場です。公安にいながらハムの脂身と呼ばれる公安らしからぬ一風変わったキャラクター。
福井作品は主人公がおじさんと若者という組み合わせがやたらと多いのですが、この作品も例外ではありません。 -
「六本木通りから横道に入った先は、中小のオフィスやマンションが建ち並ぶ一方通行の道が続く。」
そこの角、というのがどこの角かは特定できませんが、南部坂以降はきっちり特定できます。 -
「広大な敷地を確保するアメリカ大使館宿舎を左手に見つつ、曲がりくねった南部坂を駆け上がる。」
けっこう急な坂で、これを駆け上がるとそりゃすぐに息もあがります。そう長くはないのですが。 -
ふもとに立派な坂名の碑が建っていました。上のほうにも木製の標柱があります。
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「南部坂を登りきっても緩やかに続く坂道は、」
南部家中屋敷があったからこの名前だそうです。忠臣蔵で有名? 知りませんでした。 -
「鹿島建設ビルの前にくると下りに転じ、飲食店とオフィスビルが軒を寄せ合う赤坂通りへと繋がる。」
鹿島建設のビルに突き当たってT字路を右に折れるとゆるやかな下りでした。 -
「それまで視界を遮っていた鹿島建設の社屋が途切れ、」
確かに南部坂から来るとこのビルで視界が遮られてこの先の高層ビル群は全く見えませんでした。 -
「ろくに植樹もされていない氷川公園の前に出ると、」
前方にはいかにも怪しげな西洋の城風の建物もありましたが、それについては何も触れられていません。すごい目立つんですが。 -
「噴煙と煙を噴き上げる赤坂フォルクスビルが唐突に視界に飛び込んできた。」
国際ビルの東棟と西棟の間に見えているのは赤坂フォルクスビル、ならぬ赤坂ビズタワー。作品刊行時には建っていなかったビルですが、場所がどうも作品でのフォルクスビルの場所っぽい。 -
「TBS放送センターや国際新赤坂ビルなど、軒並み20階を超える高層ビルに前後を挟まれ、赤坂フォルクスビルはちょっと申しわけなさそうに佇立していたが、幅50メートルはある総ガラス張りの建物は、やはり都心を構成する巨大建築物のひとつには違いない。」
作品に登場する赤坂フォルクスビルは高さはさほどないようです。ビズタワーは39階建てなのでこのあたりでは一際高い建物です。 -
ここまで並河は、この図の右中央付近でタクシーを降りて、左下に向かって南部坂をのぼり、突き当たって左上に転じて公園の横まで来ました。
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そしてこの現在地のあたりで封鎖されているのを知った顔を見つけて無理にもぐりこんで、TBSあたりへとやってきます。
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「通りは氷川公園を曲がった先、国際新赤坂ビルの裏手にある交差点の手前で完全に封鎖され、制服警官や機動隊員が防護線を張るこちら側は、路肩を埋めるマスコミ車両の放列と車道にまで溢れた野次馬とテレビクルーのごった煮だった。」
この信号の手前で封鎖線が敷かれていたことになりますね。 -
「国際新赤坂ビル東館と西館に挟まれた道路を抜け、正面に増築されたTBS社屋の建物を見つつ赤坂通りに出る。」
公開緑地のためかビルの間という印象は薄い道路です。 -
「3階までのガラスがすべて割れ、その上の階にも亀裂が走ったビルを見上げるうち、胸の底が冷え、ざわめいていた神経がしらけていくのを並河は感じた。」
写真はビズタワー。つい重ねて見てしまいます。 -
「奇妙に静止している真新しい革靴が目に止まったのは、TBSの増築社屋前に差しかかった時だった。」
TBSのこのビルはビッグハットの愛称がついていますが、ビッグハットといえば長野オリンピックの会場だった長野市の体育館ですね。 -
「通りと言っても、TBSの敷地に当たるそこは、歩道は半ば放送センターへの専用通路になっており、車道は地下駐車場に通じて行き止まりになる。」
ここで並河と丹原が初顔合わせとなります。 -
さきほどの公園横の地図では赤坂サカスは未完成でしたが、サカス敷地内では当然完成状態の地図がありました。
中央付近が爆破現場、上の緑の敷地が日枝神社です。 -
「そうして1年分の恥を1時間かそこらでかいたあと、並河は赤坂見附から丸ノ内線に乗り、霞ヶ関駅に向かった。」
上の地図で左上にあるのが赤坂見附駅です。
霞ヶ関なら赤坂駅から千代田線でもよさそうなものですが。 -
「平屋造りの式場の前をうろついていたかと思うと、裏手の神社の方に回ってみたり、石段から赤坂フォルクスビルのある方を見つめてみたり。」
再び日枝神社です。今度は並河と丹原がローズタストの痕跡を探してやってきました。 -
「「今度はどこへ」
「現場です」
目も合わせずに答えて、朋希は石段を下ろうとする。」
それぞれ警視庁と防衛庁の所属の即席コンビはぎくしゃくしたまま行動をともにします。
そういえば防衛庁が防衛省になりましたがダイスも名前変わるのでしょうか。 -
こっちの石段は昔からあるもののようです。でも裏通りにつながっているし狭いので、やっぱり幅の広いほうであってるかな。
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「並河と朋希は、一ツ木通りの外れにある大衆食堂に一時の憩いを求めていた。」
さきほどのビズタワーのすぐそばに南北に走る通りが一ツ木通りです。外れというから場所は分かりませんが、この先のどこかなのでしょう。
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