2011.5月 ダムでゆれた子守唄とカッパの里
2位
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- frau.himmelさん
- 女性
- 球磨・多良木の旅行記 : 1件
- 旅行時期 :
-
- 2011/05/21 - 2011/05/25
- (約1年前・5日間)
- テーマ :
- 特になし・その他
- 投稿日 :
- 2011/06/23(約11ヶ月前)
- 写真 :
- 51枚
- コメント :
- 2件
- 同行者 :
- カップル・夫婦(シニア)
子守唄と河童の里…、何やら柳田国男の民話の世界を彷彿とさせる言葉ですね。
たしかにこの地は、柳田国男ゆかりの民話作家の出身地でもあり、40年以上前は民話の里のようにのどかでした。
ところが、ここに川辺川ダムが建設されると発表されたことにより、大きく揺れ動きました。
川辺川ダムが1996年に計画策定されてから、40年以上も地元住民や外部の協力者により賛否が大きく分かれ、群馬県の八ッ場(やんば)ダムと双璧を成す長期化したダム事業の代表格となっていたことは、皆さんもご存知でしょう。
そして、ようやく2009年に前原国土大臣(当時)により中止の発表がなされました。
しかしダム問題はこれで収束したわけではないのです。
子守唄とカッパの里の住民は、今でも複雑な思いを抱えているのです。
今日は車を借りて、そんな五木村と相良村を訪れました。
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しばらくは川辺川沿いの快適なドライブロードを走っていきます。
緑の山の中を清流・川辺川がずーっと続きます。
あんまり綺麗な風景なので、車を停めて撮影タイム。
実は、なんとここが川辺川ダムの建築予定地だったのです。(Wikipediaの写真では)。
そのままダム建設が続いていたら、この景色は今はないわけですね。
今頃緑の森の代わりに灰色のコンクリートの巨大な壁がデーんと視界を塞いでいたのでしょうか…。
ここは相良村と五木村の村境になります。
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この綺麗な景色を見るための展望台も出来ています。
昔はこの付近は、細いガタガタの一本道、車1台がやっと通れる幅員しかなく、しかも片側は急峻な崖でした。
夜など命がけの運転だったことでしょう。
今のこの快適な広い道からは想像できません。
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子守娘の描かれているトンネルを通って…。
◇◆
五木村の住民は当初、ダムは実際には相良村に建設されるのに、湖底に沈むのは五木村だとして強硬に反対をしていました。
しかし、長引くダム問題による水没者の生活の不安、高齢化などにより、将来のダム建設を前提とした新しい村づくりを図ったほうが得策だとして、国の要求を受け入れます。
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道の駅「子守唄の里五木」。
五木村中心地・頭地地区がダム建設で沈むために、役場ごと集落がまとまってこの高台に移転してきました。
そして、ここが新しい中心地になったのです。
この道の駅には物産館や子守茶屋、食事処、子守唄公園、などが造られました。
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子守唄にちなんだ彫刻があちこちに見られます。
ダム建設による移転で、住民が村外に流出し人口も減りました。
その中で「すばらしい自然と歴史を大切に残し、新たな住みよい地域つくりを実現しよう!」という気運が生まれました。
平成2年には「五木の子守唄に伴う彫刻コンクール」が開催され大きく反響をよびました。
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買ってきたものをご紹介しますね。
やまうに豆腐は、平家の落ち武者から伝えられたといわれる豆腐の味噌漬けなのです。
半年間秘伝の味噌に漬け込まれた特別な豆腐は、発酵され、熟成され、手で触るととろーっとしていて今にも壊れそうです。
食感は…?
そうですね、やっぱり「ウニ」のとろりか、上等なカマンベールチーズの中のあのとろっとしたところ…。
ああ、我慢できません、早速冷えたワインでいただきます。
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製作者によるコメントをご紹介します。
『「風の中にふるさとの声が聞こえる」
赤ん坊を背負った少女が、坂の途中で立ち止まり、目を閉じて、耳に手をやり、何かを聞いています。
風が木々をざわめかせています。
その音が彼女には故郷の母の呼び声に聞こえるのです。』 -
子守唄の碑の下にある説明文
『「五木の子守唄」は年端もゆかぬ小娘たちが、
相良の城下町である人吉或いは隣村などに
子守奉公に出て行かねばならない悲しい運命の中で
見知らぬ、慣れぬところに暮らしては
母を恋し父を慕って辛い浮世の明け暮れを唄う
哀切な子守唄です。
数多い民謡中の傑作だと、詩人北原白秋が激賞したといわれる「五木の子守唄」は
昭和二十五年にNHKのおやすみ番組で毎夜電波に乗せられたことにより全国で歌われるようになり、
古関裕爾編曲でハモンドオルガンで奏されるこのメロディーは切々たる哀愁を伝え、
戦後のすさんだ人々の心に母のぬくもりを思い起こさせたのであった。
つづく
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この歌碑については、森繁久弥氏の御協力をいただいたものですが、
「五木の子守唄」と森繁氏のかかわりは、昭和二十五年ごろ、
ある友人から「五木の子守唄の話を聞き、大変感銘を受けられ、
こんな良い唄を日本中の人に歌わせたいという思いから
森繁氏自身も映画出演し、ブンガワンソロで市川昆監督がある●士の役者に歌わせ、
それ以来「五木の子守唄」を親しくしていただいているものです。
平成3年3月吉日』
森茂久弥さんのご協力の下に出来た碑とのことです。 -
この山々の麓の、川辺川と五木小川と交差している地域(写真では川は見えませんが)こそ、集落ごと移転した五木村の中心地「頭地地区」があったところです。
移転から数年経った今は、昔からこの景色がずっとそこにあったかのように緑が広がっています。
向こう岸は高野地区。
ダム計画が中止されてしまった今、住民の生活のために頭地地区と高野地区を結ぶ大きな橋が架けられるそうです。
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現在その橋梁工事も進捗中です。
◇◆
ところでこの川辺川ダム工事は、賛成派と反対派が混戦状態になり工事が長い間中断されました。
賛成派は、洪水対策として必要だ、それに地元には建設業に携わっている人たちが多くダムが中止されるとその人たちの死活問題にかかわる など…。
また反対派は、美しい清流で尺鮎「1尺(30センチ)近くもある大きな鮎」が育たなくなることや、自然が死んでしまうといった環境問題への懸念など、
いろんな要素が絡み合い長年にわたって工事着手が出来なかったのです。
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頭地地区にあった村役場も高台に移転しました。
鯉のぼりが勢いよく泳いでいます。
◇◆
計画策定から40年以上も揺れ続け「東の八ツ場、西の川辺川」と言われたダム問題にも、決着が付く日がやってきました。
全世界的な自然環境保護の風潮に後押しされた反対派の勢力強大に伴い、2008年、熊本県・樺島県知事が「川辺川ダム建設の白紙撤回」を宣言したのです。
そして2009年には民主党の政権奪回により、前原国土交通大臣がダムの中止を発表しました。
納得がいかないのは、ダム建設に伴い移転させられた五木村民です。
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高台には補償金で建てられたピカピカの立派な住宅が並んでいます。
昔の山里、秘境というイメージは全くなくなりました。
でも宅地や農地を手放して代替地に移った住民は、農地がなくては農業はできないのです。
今後の生活の問題が重くのしかかります。
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相良村に入りました。
昔からの水力発電所が残っています。
川辺川ダムが出来ると、これらのダムも取り壊される運命にありました。
関東地方はこれから夏になる電力が足りなくなると言われています。
どうかこのダムも頑張って電力を供給して欲しいものです。
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何故だか解からないけど、魚拓も貼ってありました。
でも、言葉が気に入ったのでご紹介します。
「初夏を迎える頃
石鯛の魅力に取り付かれた
我がままな底物釣師達は
遠い小島の恋人に逢いに行くかの如く
荒磯へと出陣するのである。」
この言葉は釣師さん達にはたまらないのでしょうねー。
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いろどり御膳が来ました。わあーすごい豪華!
お昼からこんなにいただいていいのかしら。
ミニトマトが付いている地元野菜のサラダは、手前の汁物の左隣の木の芽味噌でいただきます。
車の運転があるのでお酒は飲めません。
これでたしか1500円です。
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左上の焼き物は、鯛の木の芽味噌焼き、小さな籠の中には伽羅蕗とサツマイモの煮物、真ん中の酢味噌は何だか忘れました。お刺身も新鮮で美味しかった。
◆◇
茶湯里で食事をするのは初めてではありません。
前にもいただいてとても感激しました。
以前、相良村の若い村長さんにお会いする機会があったので、ここの食事が美味しかったと言ったところ、板長さんがとても腕のいい料理人さんとのことで誇らしげでした。
道理でね。
こんな田舎で(失礼!)ここまで上品なお料理が出てくるなんて正直ビックリしました。
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そして相良村の名物のひとつ、お茶の葉を使った「茶蕎麦」地元産のタケノコと鮎の甘露煮が添えてありました。
◇◆
この村長さん、若いのにとてもしっかりとした考えをお持ちの方でした。
川辺川ダムは相良村に建設される予定でした。
ダム反対問題の矢面に立たされ続けた村長の考えは変わることなく、一貫して「この美しい自然環境を破壊するダムは造らない」でした。
そのぶれない姿勢は、人吉市長や熊本県知事までをも動かし、とうとう前原大臣のダム中止という言葉を取り付けたのです。
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デザートは季節のフルーツ。
1500円の食事でデザートまで付いてくるのにはビックリです。
◆◇
ダムが完成したら、相良村には毎年莫大な固定資産税が入ってくるはずでした。村は潤いますので、ダム賛成派も多かったように聞きます。
それを振り切って「自然環境の重要性」を選択した村長さん、素晴らしいです。
これからも人吉・球磨のために頑張ってください。
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川辺川にはカッパが生息していたという言い伝えがあります。
相良村のカッパのことを省略して「サガラッパ」と言うそうです。
九州では毎年九州カッパサミットが開催され、2009年には相良村で催されました。
その時の記念に造られたカッパの像、相良温泉に浸かっている手ぬぐいと桶を持ったカッパです。
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道路を走っているとこんな案内板を見つけました。
小山勝清…、
あっ、私この人知っている、ちょっと車を停めて!
夫に車内で待ってもらって矢印のほうに進みます。
狭い道を探しますが見当たりません。
どうも山の上の方に在るらしい、
残念だけど今回は諦めよう…。
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小山勝清氏 児童文学者。
柳田国男氏に師事し、「彦一とんち話」、「牛使いの少年」などの著書がある。
「牛使いの少年」は映画化されました。
また「それからの武蔵」では、巌流島での佐々木小次郎との闘いのその後の宮本武蔵を描いたことで有名です。
私はちょっと縁があり、いろいろ調べたことがありました。
(写真:小山勝樹著 「父から息子へ」より)
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